特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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あんま戦闘とは言えないかも


大規模侵攻⑥

「そうだ、我には1つ気になる事があった」

 

「俺との戦闘中に余裕……だね!」

 

葉山の攻撃をいなしながら材木座が問いかける。

 

「学校でのお主は何よりも周りとの関係を大事にしていたように思う。恐らくボーダーに入るまでは」

 

「……」

 

葉山は若干顔を曇らせる。

 

「そんなお主だからこそ三浦嬢や海老名さんはついていった。なぜ雪ノ下嬢についていき、あまつさえ三浦嬢達を引いてはボーダーまで裏切った?」

 

普段からは想像できないような声音で聞く材木座。

 

「君には分からないだろうね。小さい頃から恋い焦がれていたのに、1つの選択の間違いで疎遠になった寂しさも……近くにいるのに自分を見てくれない悲しみも、利用されるだけの苦しみも」

 

怒り悲しみなどの表情で顔を歪める葉山。

 

「君には分からないだろう!!これがどれだけ辛いか!!」

 

そう叫び材木座に剣を叩きつけるように振るう葉山。

 

「でも俺はそれでも良かった。雪乃ちゃんの側に居れるなら……俺は雪乃ちゃんをもう離したくなかった。離れたくなかった。そのためなら周りなんてどうでも良かった。ただただ雪乃ちゃんの側に居たかった……俺は雪乃ちゃんを心底愛してるんだ」

 

そして葉山は仄暗い眼で材木座を見て

 

「それの何が悪い?好きな人に尽くす。どこが悪い?」

 

「お主、やはり腐りきっておるな……」

 

 

材木座は今度こそ顔を憤怒に染めた。

 

「好きな人に尽くす!確かに美しいものかもしれん!!だがそれと周りをむやみやたらに傷つけるのは筋違いであろう!!そしてお主の行動のどこに雪ノ下嬢への愛がある!?」

 

鍔迫り合いになる2人

 

「本当に愛しておるなら何故雪ノ下嬢を止めなかった!?近界へ渡ることだけではない!!八幡への仕返しやそれ以前にも暴走を止める機会は何度もあったはずだ!!お主がやってきたのは愛ではない!周りを傷つけるだけの自己満足だ!」

 

そして材木座は葉山を吹き飛ばす。

 

「厨二病風情が煩いんだよ!!」

 

吹き飛ばされた葉山は体勢をすぐに立て直すと材木座に斬りかかり

 

「好きな人に嫌われたくない!!どこが悪い!周りなんて気にしてられるか!俺は必死だったんだ!」

 

「甘えるな!!今のお主に……何の魅力がある?ただの人形以下の傀儡に誰が振り向く!?」

 

「黙れぇ!!!!」

 

葉山は剣を振るい聞きたくないといわんばかりに剣からトリガーの能力だろう光弾を放ったが

 

「少し己を見つめなおすが良い」

 

たまにやる八幡との模擬戦で八幡のバイパーのフルアタックなどで虐められている材木座、てきとうに振り回す程度の攻撃などかわし、葉山を斬り裂いた。

 

「……雪乃……ちゃん……」

 

そして手筈通り相模が撃ち抜き葉山は気を失った。

 

 

 

 

八幡は3人の近界民と対峙していた。

 

「抵抗は無駄だ。大人しく捕まれ」

 

アフトクラトル、リーダーのハイレインが八幡に告げる。

 

「そう言われて大人しく捕まるわけないだろう」

 

八幡が何言ってるんだ?と言うと

 

「ふふっ、そうですな。では多少手荒になりますがご容赦を」

 

老兵ヴィザが言う。

 

「雪ノ下、全力で逃げろ。俺はお前を守る気はないし、余裕もなさそうだ」

 

少なくとも黒角が2人、つまりブラックトリガー二本に歴戦の猛者と見える老兵、八幡も冷や汗が流れていた。

 

「っぐ……」

 

雪ノ下は泣いていたからか完膚なきまでに負けたから八幡の言う通りに離れていった。

 

「いかがしますか?」

 

「放っておけ、始末はいつでもできる」

 

そして3対1の絶望的な戦いが始まった。




雪ノ下は追い詰めらて反抗心も何もないと言うことで

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