特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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次回から大規模侵攻編かな


空閑遊真②

「買い物するとお金が増えている、これも謎だ」

 

ランク戦の休憩中に自動販売機に飲み物を買いにきていた空閑はボソッと呟く。

 

『おつりだ、細かくなったんだ』

 

「あっ」

 

それにレプリカがツッコミをいれる。そして使い慣れない硬貨を落とした、そうしていると

 

「我が物顔でウロついているな、ネイバー!」

 

三輪がやってきた。

 

「あんたは……重くなる弾の人」

 

「どうも……」

 

三輪は無言で拾った硬貨を空閑に返すと自身も飲み物を買う。

 

「どうしたの?元気ないね。前はドカドカやってきたのに」

 

「本部がお前の入隊を認めた以上、お前を殺すのは規則違反だ」

 

空閑の質問にそれだけ答える三輪。

 

「おっ、黒トリの白チビじゃん」

 

「がんばっとるかね、しょくん」

 

そこに陽太郎を背負った槍バカこと米屋がやってきた。

 

「そういや、ボーダー入ったんだっけか」

 

「槍の人と陽太郎?何で一緒にいるの?」

 

珍しいコンビに質問する空閑。

 

「クソガキ様のお守りしてんだよ」

 

「ようすけはしおりちゃんの従兄弟なのだ」

 

「玉狛と本部は思ったより仲悪くないのか」

 

空閑がそう思っていると

 

「そいや、秀次お前何か会議に呼ばれてなかったっけ?」

 

「風間さんに体調不良で欠席すると言ってある」

 

そう答える三輪に

 

「そうか、体調不良だったのか」

 

「違う違う、ネイバーを殺すのは当然だと思っていたのに周りが急に逆のことを言いだしたから混乱してんだよ」

 

空閑の言葉を米屋が否定する。

 

「あぁ、そっか。お姉さんがネイバーに殺されてるんだっけ」

 

「何故それを!?」

 

驚く三輪に

 

「仇討ちするなら手を貸そうか?俺の相棒が詳しく調べれば、どこの国のトリオン兵が仇か結構絞れるかもよ」

 

「どうせやるなら本気でやった方が良いでしょ」

 

驚いていた三輪だがしばらく逡巡したのちに

 

「ふざけるな……お前の手は借りない、ネイバーは全て敵だ!」

 

そう言うと何処かに向かう三輪。

 

「何処いくんだ?秀次」

 

「……会議に出る」

 

三輪ほ米屋に答えると去っていった。

 

「そいや、お前オレと戦う約束だったよな。ポイントのやり取りのないフリーのバトルならできるからやろうぜ」

 

「ほう」

 

そして空閑、米屋、陽太郎の3人は対戦ブースに向かった。

 

「何だぁ?妙に観客多いな」

 

いつもより多い観客、モニターには

 

『10本勝負終了 10--0 勝者 緑川』

 

三雲が惨敗している姿だった。

 

「ふぅ(最後まで動きが読めなかった)」

 

ランク戦を終えた三雲がやってきた。周りの観客は三雲をバカにする発言が次々湧き

 

「なぁ?この観客集めたのお前か?」

 

空閑が緑川に聞くと

 

「違うよ、風間さんに引き分けたって噂聞いて集まって来たんじゃない?」

 

「お前、つまんないウソつくね」

 

緑川の嘘をあっさり見抜き冷たい目で見る空閑。

 

「俺と勝負しようぜ緑川」

 

そして空閑が負けたら空閑の持っている点数分三雲から緑川に奪われ、空閑が勝利した場合は緑川が三雲を先輩と呼ぶようにするという勝負が開始した。

ちなみにその勝負を仕掛けた空閑が怒っていると陽太郎は感じていた。

 

「あっ、三輪隊の……」

 

「米屋陽介、陽介でいいよ。メガネボーイ」

 

米屋が自己紹介していると

 

「ようすけはしおりちゃんの従兄弟なのだ。そしておれの『ようなかま』でもある」

 

その陽太郎の言葉に驚く三雲だった。

 

 

そして

 

『10本勝負、勝者 空閑遊真』

 

最初の2本わざと負けた以外は全て勝った空閑がいた。

 

「まっ、こんなもんだな」

 

「え?どういうことですか?」

 

米屋の呟きに反応する三雲

 

「緑川は才能もあるし実際につえーけど、その動きは覚えたばかりの芸を披露したいだけの犬っころの動きだ」

 

そしてと言い

 

「白チビの動きはもっと、ずっと静かで淡々とした、うまく相手を殺すための動きだ」

 

ラスト前の2人の会話

 

「お前が何でオサムの評判を落としたいのかは知らん、本来はオサムがお前をどうにかするとこだけど、あいつは鈍いから。お前くらいせこいとやられてる事に気付きすらしない。だから俺がやる。お前が2度とつまんないことできないようにな:

 

「(こいつは……いや、この人は強い!!)」

 

そう緑川が思っていると

 

「お前A級だろ?他のトリガー使わないの?」

 

そう空閑が聞くと

 

「これで良い、こっちの方があんたとの差がよく分かる」

 

「へぇ、良い顔になったじゃん」

 

そして試合は空閑の勝利となったのだ。

 

「メガネくん、遊真。ちょっと来てくれ。城戸さん達が呼んでいる」

 

どもども〜と言いながら迅がやってきた。

 

周りがS級の迅が来たとざわつくと

 

「おっと、俺はもうA級だからただの実力派エリートだよ」

 

周りに聞こえるように言う迅。

 

「あっ、迅さん!S級やめたの!?なら勝負しよ!!」

 

そこに部屋から緑川がやってきて、迅の周りを小躍りしながら周っている。

 

「これは一体……」

 

空閑がキョトンとして呟くと米屋から緑川はネイバーに襲われたところを迅に助けられ入隊したと教えられた。

 

「なるほど、だから玉狛に入ったオサムに嫉妬したのか」

 

そして緑川は三雲たちの前にきて

 

「三雲先輩、すみませんでした」

 

「え?なんで?」

 

いきなり謝ってきた緑川に三雲が驚いていると

 

「三雲先輩に恥かかそうと思ってわざと観客集めてたんです」

 

「あ?そうなの?……まぁそれはそれで良かったよ。何だかんだ実力以上の評判が立っちゃってたし。なんせ風間さんとは24敗1分だったんだから!」

 

ようやく言えたと三雲が満足し、

 

「次はボコボコにし返すから!」

 

「ほう、お待ちしています」

 

空閑と緑川も和解し、3人は会議室に向かった。


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