特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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入隊②

「んじゃ次は狙撃手トリガーについて説明するね」

 

八幡がスナイパー用の訓練場につくと嵐山隊のスナイパー、佐鳥賢が独特のトリガーの説明をしていた。

 

「まぁ百聞は一見にしかず。試しに女の子2人に試し射ちして貰おうか!」

 

「あっ……」

 

あろうことか、佐鳥は雨取にアイビスを渡して試し射ちさせた。

 

「3 2 1 発射!!」

 

「『シールド』」

 

「どぅわっ!!」

 

雨取のアイビスからは八幡に勝るとも劣らない威力の弾丸を撃ちはなった。

 

”ズズズンッ”

 

それはほうっておけば下手すると本部に大穴を開けた可能性もあったがそれは八幡のシールドが防いだおかげで威力は拡散し穴は開かずにすんだ。それでも地響きがするほどの威力だった。

 

「ご、ごめんなさい」

 

顔を青ざめさせている雨取だが

 

「大丈夫だよ、訓練中の出来事だから。それに彼が防いでくれたおかげで被害はない」

 

もう1人のスナイパーの正隊員の東が八幡をみながら言う。

 

「あっ!比企谷先輩!」

 

同じく見つけた佐鳥が話しかける。

 

「おい、佐鳥。玉狛支部から何も聞いてないのか?……相模?」

 

八幡はまぁた迅さんの仕業かと思いつつ佐鳥に聞きながら相模をみる。

 

「何も聞いてないっす」

 

「迅さんから口止めされてたの!」

 

そう佐鳥と相模が返した時

 

「何の騒ぎだ!八幡がアイビスで暴れたか!?」

 

そこに鬼怒田が入ってきた。

 

「いえ、私がやりました」

 

今にも泣き出そうな雨取がでてくると鬼怒田に申し出た。

 

「玉狛支部、雨取隊員のアイビスです。比企谷くんのおかげで被害はありませんでした」

 

「何?玉狛の?」

 

 

 

八幡がスナイパー用の訓練場に向かった直後の訓練場では

 

「俺と勝負してみろ、三雲」

 

A級3位の風間隊隊長、風間蒼也が三雲に話しかけていた。

 

「風間さんが三雲くん模擬戦!?」

 

まさかの風間の行動に驚く木虎

 

「いきなり何を言い出すんだ、風間さん。また城戸司令の命令か?」

 

「三雲は正隊員だろう?俺と勝負するのに問題はないはずだ」

 

そして三雲もそれを受けた。

 

 

 

「(何がやりますよ、本当は弱いくせに)」

 

「み、三雲殿……」

 

木虎は呆れており、最近は烏丸との稽古でペアな分、一緒にいる時間が長い材木座はオロオロと心配していた。

 

「レイガストを盾として使う防御よりの射手か」

 

三雲の武器をみた風間が言うとその姿が消えていく。風間隊の十八番、隠密トリガー『カメレオン』である。

 

「っ!?」

 

次の瞬間には三雲はスコーピオンてトリオン供給器官が刺し貫かれていた。

 

「立て、三雲。まだ小手調べだぞ」

 

それから数回は倒された三雲

 

「(カメレオンは無敵じゃない、もし無敵ならみんな使っているはずだ……攻撃するときは姿が現れている。つまり姿を消している時は他のトリガーが使えないのか)」

 

その姿を消している時が一番脆いと判断した三雲はアステロイドを放つが

 

「正解だ。だがその手には慣れている」

 

そう風間は言うと再び三雲を斬り始めた。

 

 

「何あれ、玉狛という環境に比企谷も近くにいるのに普通すぎ」

 

風間隊のメンバーの菊池原が三雲の情けない姿をみて呟く。

 

「烏丸先輩、もう止めてください。見るに堪えません」

 

「何だ?修の心配か?」

 

木虎の言葉に烏丸が返すと

 

「違います」

 

即答する木虎。

 

「三雲は将来のために経験を積んでるんしょ」

 

三浦が厳しく言う木虎に見かねたのか言うが

 

「『負けて元々』『負けも経験』以下にも三流が考えそうですね。三浦先輩は格上相手でも一戦一戦勝ちにいかないんですか?勝つつも

でやらなきゃ勝つための経験は積めないわ」

 

「なっ……ふんっ」

 

木虎の言いたい事が分かった三浦は生意気だけどと思いつつ引き下がる。

 

「お前、中々良いこと言うな」

 

烏丸か木虎の言葉に感心していると

 

「もういい、手間を取らせたな」

 

「い、いえ……ありがとうございました」

 

ついに風間が終わりを宣言した。

 

「迅め、やはり理解できない。ブラックトリガーを手放す程のことなのか?」

 

「ブラックトリガー!?」

 

迅にとっては師匠の大事な形見であるブラックトリガーを手放したことが信じられなかった。

 

「何だ知らないのか。迅はあいつをボーダーに入隊させりために風刃を差し出した。お前らとチームを組ませ本部のランク戦に参加させるためだそうだ」

 

空閑を指しながら言う風間。

 

「風間さん、もうひと勝負お願いします!」

 

「ほう……」

 

そして三雲対風間の最後の勝負が行われた。

 

 

 

 

 

「あんなのと引き分けちゃダメですよ。僕なら100回やって100回勝てる相手ですよ」

 

そう結果は最後の最後で引き分けとなったのである。

 

「そうだな、張り合ってカウンターを狙った俺の負けだ」

 

三雲は最後にアステロイドを空間を埋めるように散弾状に放ちあぶり出した風間にシールドチャージ、シールド内に風間を閉じ込めると一点集中のアステロイドを浴びせたのだ。それに風間はシールドを張らずカウンターを狙い結果引き分けたのだった。

 

 

 

「いや、アステロイドをあんな使い方するなんて」

 

小町が感心しながら頷いている。

 

「風間さんも褒めてたし、やったね三雲くん」

 

海老名が三雲を褒める。風間は三雲の頭をフルに使う戦い方を一応褒めてはいた。そこに

 

「大変だ、君達のチームメイトが!!」

 

嵐山に連絡が入った。


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