特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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入隊①

1月8日、ついに空閑遊真と雨取千佳の正式入隊日がやってきた。この日までに三雲は材木座と、空閑は三浦と、雨取は相模とそれぞれ一緒に稽古をつけて貰っていた。ちなみに小町は八幡が暇な時は八幡に、それ以外では主にランク戦で暴れていた。

 

「よし、確認だ。2人はC級からB級を目指す」

 

三雲が3人の目標の確認を促す。

 

「B級からは3人でチームを組んでA級を目指す」

 

空閑が引き継ぎ

 

「選抜試験を受けて、近界民の世界に拐われた兄さんとともだちを探しに行く」

 

雨取が続けた。

 

「よし、今日がその第1歩だ!!」

 

そして空閑と雨取は入隊式に向かった。

 

 

 

少し離れたとこにて

 

「青春、羨ましい!!」

 

先ほどの3人の確認を聞いていた相模が叫ぶ。

 

「我らには我らの青春があろうぞ」

 

カラカラと笑いながら材木座が言う。

 

「だね、あーしらもポジションは揃ったし本格的にA級目指そうか」

 

そして、結衣を連れ戻す。そう誓いつつ材木座に賛同しながら言う。

 

「そのための準備は十分過ぎるほどしたからね」

 

宇佐美に色々叩き込まれた海老名が言う。

 

「三雲君達には負けてられないですね!!」

 

締めに小町が言い、そんな話などをしていると空閑達の訓練は最初の対ネイバー訓練に移っていた。

 

「じゃあ、うちは千佳ちゃん達みてくるね!」

 

相模はそう言うと妹弟子のいる訓練場に走っていった。

 

「さて、ユーマは何秒だすかな?」

 

三浦達が訓練に目を移した時

 

『5号室、記録……れ、0.6秒!!』

 

「よし、どんどん行こう」

 

そこには当然だと言わんばかりの空閑がいた。

 

「さ、さすがですね」

 

小町が苦笑いしながら言う。

 

「まぁ、周りは信じてないみたいだけど」

 

三浦が指を指した方では他のC級隊員が機械の故障だと、空閑に難癖つけていた。

 

『記録、0.4秒』

 

周りはさらに記録が縮んだことに驚いていた。

 

「今、すべてが腑に落ちたわ。あなたの学校を襲ったあのネイバーを倒したのはあいつね?そうでしょ」

 

「そうだよ」

 

話しながら木虎と三雲が歩いてきた。

 

「あ、木虎ちゃん、三雲くん、やっほー」

 

「小町さん、こんにちは」

 

「こんにちは、比企谷さん」

 

見つけた小町が話しかける。

 

「それはそうと三雲くんなあんな芸当まだ出来ないと思ってたのよ!」

 

どこか嬉しそうに言う木虎に三雲がげんなりしていると

 

「お前らもここにいたんだな」

 

「修、バイトで遅くなった」

 

八幡と烏丸が歩いてきた。

 

「ひ、ひひ、比企谷先輩に烏丸先輩!お疲れ様です!」

 

テンションの上がる木虎。三雲は木虎の初めて見る態度を見て呆気に取られた

 

「今日も大変だな、嵐山隊は」

 

「このくらい全然大丈夫です!」

 

八幡の呟きに対して元気に答える木虎。

 

「あの!また稽古つけていただけませんか!?」

 

「いや、お前に教えられることなんてもうないと思うぞ?」

 

すでに自分の戦い方というのを知っているのに教えられることはないだろうという考えの八幡だが

 

「いえ、私なんてまだまだです」

 

少し元気なさげに言う木虎に八幡は

 

「はぁ、仕方ないな。今度時間あるときに付き合ってやるよ」

 

お兄ちゃんスキルを刺激された八幡は断りきれずにいた。

 

「そうだ。木虎は修と同い年だったよな?」

 

「はい、そうですが……」

 

烏丸の質問に答える木虎。

 

「実はこいつ、俺の弟子なんだがたまにでも木虎から何か教えてやってくれないか?」

 

「三雲くんから頼んでくるならやぶさかではありませんが……というかあなた、烏丸先輩に迷惑かけてないでしょうね?」

 

そっと視線をそらす三雲。

 

「まぁ、色々と先は長そうだな」

 

「す、すいません」

 

つい謝ってしまう三雲だった。

 

「じゃあ、俺は嵐山さんに挨拶してくる。比企谷先輩はどうします?」

 

「俺は今からスナイパー組をみてくる」

 

そう言うと三浦達や木虎にじゃあな、と言い八幡はスナイパーの訓練場に向かった。


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