『ゲート発生、ゲート発生 遠征艇着艇します。付近の隊員は注意してください』
ボーダーの建物の中でゲートが発生し遠征部隊がついに帰ってきた。
「待ちくたびれましたな、トップチームの帰還です」
鬼怒田が呟く。
「こちらが今回の収穫です、お納めください。城戸司令」
部隊を代表して風間が手に入れたトリガーをだす。
「ご苦労、無事の帰還何よりだ」
「未知の世界のトリガーありがとう、これでボーダーのトリガーはさらなる進化を遂げるぞ!今回は早速手伝ってもらうぞ、八幡。よろしいですか?城戸司令」
「…………あぁ、構わない」
鬼怒田は城戸の許可を取ると
「行くぞ、八幡」
「了解です、失礼します。城戸司令」
そして八幡と鬼怒田は司令室を出て行った。
「さて、帰還そうそう悪いがおまえたちには新しい任務がある。現在玉狛支部にあるブラックトリガーの確保だ」
その場にいた隊員全員が驚く。
「ブラックトリガー!」
「玉狛?」
太刀川達が驚いていると
「三輪隊長、説明を」
城戸に促され三輪隊の狙撃手、奈良坂が説明を始める。
12月14日に調査により近界民を発見、交戦したところブラックトリガーの存在を確認、能力は『相手の能力を学習して自分のものにする』
その後迅隊員が戦闘介入。迅隊員と近界民が面識があったため停戦中。
奈良坂の報告ではこうなる。
「近界民がボーダーに入隊!?どうなってんだ?」
当真が驚くが
「別に玉狛なら不思議な事じゃない。元々あそこのエンジニアは近界民だ。問題はブラックトリガー持ちということ。玉狛にブラックトリガー2本となるとボーダー内のパワーバランスが崩れる」
風間が冷静に言うと
「そうだ。だがそれは許されない。おまえ達には何としてもブラックトリガーを確保してもらう」
「ブラックトリガーの行動パターンは?1人になる時間とかあるの?あと奪取するのは良いとして、比企谷の介入の心配は?迅と比企谷に組まれたら厳しいと思うけど」
太刀川の質問に
「ブラックトリガーは朝7時頃に玉狛支部にやってきて、夜9時から11時の間に自宅に帰るようです。現在もうちの米屋と古寺が監視しています」
「比企谷のことは心配ないだろう。あれもボーダー内のパワーバランスの事まで頭が回らないようなバカじゃない。あれの妹や周りに手を出さなければ大丈夫だろう。同様に玉狛も比企谷の周りには支援は頼まないはずだ。」
奈良坂と城戸が答える。
「成る程、では今夜行きましょう。見張りの米屋達にも悪いしな」
「太刀川さん、いくらあなたでも相手をなめないほうが良い」
急な作戦に三輪が言うが
「なめる?何でだ?相手は学習するブラックトリガーなんだろ?時間が経てば経つほどこっちが不利になるだろ」
「成る程ね」
「確かに早い方が良さそうだ」
太刀川の言葉に納得する当真と風間。
「それで良いですか?城戸司令」
「良いだろう。部隊の指揮はお前がしろ、太刀川」
「了解です」
そうすると太刀川達は作戦をたてるため部屋を出て行った。
開発室
「そう言えばお前には言ってなかったな」
「何をですか?」
鬼怒田は現在起きているブラックトリガー持ちの近界民について説明した。
「そんな事が。まぁ俺が介入するべきじゃないでしょ。」
「ほう、何でだ?」
鬼怒田の質問に
「俺が玉狛につけば天羽が、城戸さん側につけば最悪忍田さんが出てくる。どっちにしたって警戒区域内の街への被害はでますよ。俺と天羽がやりあったらそこら中更地間違いなしですし」
「そうか……」
同時に八幡は思う。あの迅が何も考えてないという事はありえないだろうと。