特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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争奪戦①

『ゲート発生、ゲート発生 遠征艇着艇します。付近の隊員は注意してください』

 

ボーダーの建物の中でゲートが発生し遠征部隊がついに帰ってきた。

 

「待ちくたびれましたな、トップチームの帰還です」

 

鬼怒田が呟く。

 

 

「こちらが今回の収穫です、お納めください。城戸司令」

 

部隊を代表して風間が手に入れたトリガーをだす。

 

「ご苦労、無事の帰還何よりだ」

 

「未知の世界のトリガーありがとう、これでボーダーのトリガーはさらなる進化を遂げるぞ!今回は早速手伝ってもらうぞ、八幡。よろしいですか?城戸司令」

 

「…………あぁ、構わない」

 

鬼怒田は城戸の許可を取ると

 

「行くぞ、八幡」

 

「了解です、失礼します。城戸司令」

 

そして八幡と鬼怒田は司令室を出て行った。

 

「さて、帰還そうそう悪いがおまえたちには新しい任務がある。現在玉狛支部にあるブラックトリガーの確保だ」

 

その場にいた隊員全員が驚く。

 

「ブラックトリガー!」

 

「玉狛?」

 

太刀川達が驚いていると

 

「三輪隊長、説明を」

 

城戸に促され三輪隊の狙撃手、奈良坂が説明を始める。

 

12月14日に調査により近界民を発見、交戦したところブラックトリガーの存在を確認、能力は『相手の能力を学習して自分のものにする』

その後迅隊員が戦闘介入。迅隊員と近界民が面識があったため停戦中。

 

奈良坂の報告ではこうなる。

 

「近界民がボーダーに入隊!?どうなってんだ?」

 

当真が驚くが

 

「別に玉狛なら不思議な事じゃない。元々あそこのエンジニアは近界民だ。問題はブラックトリガー持ちということ。玉狛にブラックトリガー2本となるとボーダー内のパワーバランスが崩れる」

 

風間が冷静に言うと

 

「そうだ。だがそれは許されない。おまえ達には何としてもブラックトリガーを確保してもらう」

 

「ブラックトリガーの行動パターンは?1人になる時間とかあるの?あと奪取するのは良いとして、比企谷の介入の心配は?迅と比企谷に組まれたら厳しいと思うけど」

 

太刀川の質問に

 

「ブラックトリガーは朝7時頃に玉狛支部にやってきて、夜9時から11時の間に自宅に帰るようです。現在もうちの米屋と古寺が監視しています」

 

「比企谷のことは心配ないだろう。あれもボーダー内のパワーバランスの事まで頭が回らないようなバカじゃない。あれの妹や周りに手を出さなければ大丈夫だろう。同様に玉狛も比企谷の周りには支援は頼まないはずだ。」

 

奈良坂と城戸が答える。

 

「成る程、では今夜行きましょう。見張りの米屋達にも悪いしな」

 

「太刀川さん、いくらあなたでも相手をなめないほうが良い」

 

急な作戦に三輪が言うが

 

「なめる?何でだ?相手は学習するブラックトリガーなんだろ?時間が経てば経つほどこっちが不利になるだろ」

 

「成る程ね」

 

「確かに早い方が良さそうだ」

 

太刀川の言葉に納得する当真と風間。

 

「それで良いですか?城戸司令」

 

「良いだろう。部隊の指揮はお前がしろ、太刀川」

 

「了解です」

 

そうすると太刀川達は作戦をたてるため部屋を出て行った。

 

 

 

開発室

 

「そう言えばお前には言ってなかったな」

 

「何をですか?」

 

鬼怒田は現在起きているブラックトリガー持ちの近界民について説明した。

 

「そんな事が。まぁ俺が介入するべきじゃないでしょ。」

 

「ほう、何でだ?」

 

鬼怒田の質問に

 

「俺が玉狛につけば天羽が、城戸さん側につけば最悪忍田さんが出てくる。どっちにしたって警戒区域内の街への被害はでますよ。俺と天羽がやりあったらそこら中更地間違いなしですし」

 

「そうか……」

 

同時に八幡は思う。あの迅が何も考えてないという事はありえないだろうと。


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