特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

33 / 59
超オリジナル展開です


相模南⑤

『文化祭開始します、カウント,5 4 3 2 1 0!』

 

カウントが0になると暗闇の体育館の中に吹奏楽部による壮大な音楽の演奏が始まる。その中を突然、ホタルのような無数の発光体が飛び始める。それらは音楽に合わせて様々な軌道を描き動いている。幻想的な動きに総武の生徒、教師、来客、来賓……様々な人から感嘆の声が漏れる。そしてそれらは音楽の終わりとともに壇上に中央に集まり……一気に霧散、同時にスポットライトが当てられそこには文化祭実行委員長、相模南がいた。

 

「総武高校、文化祭実行委員長相模南です。皆様、ライトショーいかがでしたか?ただいまのライトショーは本年度から正式に提携関係となりました、界境防衛機関ボーダーさまの全面協力の元に実現しました。というのも今年に我が総武高校の文化祭テーマは……

 

『絆〜ともに助け合う文化祭〜』

 

となっているからです」

 

相模の後ろに文化祭のテーマが先の光で浮かび上がる。

 

「三門市は四年前に異世界の住人から突如襲われるという悲劇に見舞われました。しかし皆が協力し助け合うことにより今では傷が癒えたとは言えないまでも、驚異の復興を遂げたのではないでしょうか?」

 

その言葉に頷くもの、涙するもの、色んな人がいる。

 

「本日からの文化祭ではその復興の象徴の一端となれるような文化祭になるよう、生徒一同全力で行きたいと思います。遠くからいらした皆様、文化祭を楽しんでいってください!!」

 

そして相模は一礼すると降壇し、会場がライトアップされる。その時は割れんばかりの拍手に包まれた。

 

「き、き。緊張したぁ……」

 

舞台裏に帰ってきた相模は早速ヘタれていた。

 

「ひとまずお疲れ様、相模」

 

そんな相模に八幡が労いの言葉をかける。

 

「比企谷くんもお疲れ様、バイパー?だっけ。綺麗だったよ」

 

ライトショーの光の正体は八幡の操るバイパーだったのだ。

 

「お、おう」

 

相模の言葉に照れた八幡だが、気をとりなおすと

 

「俺たちは校内の見回りからだから行くぞ」

 

「や、休む暇もないのね」

 

「当たり前だ。スケジュールびっちりだぞ」

 

とくに相模は実行委員長というのもあり、司会なども含めやることが盛り沢山だった。

 

 

 

 

2年F組

 

「いらっしゃいませ!」

 

玉狛支部の木崎隊一同は早速、八幡と優美子のクラスに来ていた。

 

「ん?比企谷のクラスは男ばかりだったか?」

 

「違いますよ、木崎先輩」

 

三浦の声がした方を向くと

 

「あーしらのは『男装喫茶』だし。男子は普通だけど女子はみんな男装です」

 

三浦もバッチリ男装で決めていた。スタイルが良いからか中々様になっていた。

 

「男装とは珍しいな」

 

烏丸が言うと三浦がある方を指差しした。そこには

 

「グフフ、男子がいっぱい……

 

『ハカドルワー』

 

暴走する腐女子がいた。

 

「ゆ、優美子。案内して?」

 

関わってはダメだと判断した小南は三浦にそう促す。

 

「じゃあこっちだし」

 

そして案内された席に4人がつく。陽太郎は中々見ない光景にずっと釘付けだったが

 

「うむ、たしかな満足。美味しいぞ、ゆみこ」

 

軽く食べた陽太郎は満足感たっぷりのようだった。

 

 

そして文化祭は総武高校一丸となりついに大成功へと相成ったのである。

 

「よく頑張ったな、相模」

 

「うん、多分うちの人生で一番頑張ったと思う」

 

相模と八幡の2人は学校を見渡せる屋上へと来ていた。

 

「うちさ、ボーダーに入ろうと思う」

 

「そうか……」

 

八幡がバイパーでオープニングを飾ったように今回の文化祭はボーダーが協力していた。それは提携校だから大々的にできると相模が案をだし、自らボーダーに交渉に行ったのだ(もちろん八幡や教師も動いてはいた)。それでボーダーと関わるうちに相模の気持ちは固まったのだろう。

 

そして数日後にボーダーの入隊式が行われた。その席にはついに正規の訓練隊員となる小町、文化祭実行委員長だった相模の姿もあった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。