特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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相模南③

相模は拙いながらも実行委員長を続けていた。どうしても手に負えない部分は八幡がオーバーワークすることにより何とか持たせていた。

 

「ぐぅ……」

 

「はい、お兄ちゃん。今日は絶対安静だよ」

 

文化祭実行委員の仕事だけでなく、放課後にないと言うだけで防衛任務が0ではない八幡。体に無茶をさせすぎたのか微熱がでていた。

 

「さて、どうしたものか」

 

実際のところ、体は辛くはない。まだボーダーの部隊がまともにいなかった時は比ではないくらいに忙しい日々を送っていたのだから。

 

「するか……」

 

小町から何とか取り上げられずに済んだ文化祭実行委員の資料の処理を始める。

 

 

「相模、このプリント類を比企谷の家に見舞いついでに持っていってくれないか?」

 

「う、うちがですか?」

 

八幡が休んだこの日は三浦達は防衛任務でおらず、相模以外のクラスメイトは準備でてんやわんやしている。

 

「文化祭実行委員の仕事は割と余裕があるらしいじゃないか、1日くらい抜けて問題になるような状態じゃないだろ?」

 

八幡のフォロー付き相模の指示の元、文化祭実行委員は余裕を持って進んでいた。

 

「厚木先生や鶴見先生には俺から言っておくから頼んだぞ」

 

そして担任は去っていった。

 

 

 

そして比企谷宅についた。

 

「うぅ……」

 

相模はある意味、文化祭実行委員の初の顔合わせの時以上に緊張していた。

 

「落ち着くのよ、南……」

 

全然落ち着いていないが

 

「スゥッ……ハァ」

 

『ピンポーン』

 

深呼吸して意を決してチャイムを鳴らすと

 

「はい、どちら様ですか?って相模?」

 

「え、えっと。ひきぎゃやくん!!」

 

噛み噛みな相模に少し呆れた八幡だが

 

「とりあえず上がれよ。お茶くらいはだす」

 

「は、はい!!」

 

ぎこちない動きで八幡についていく相模だった。

 

「それで?何か用か?」

 

「えっと……これを」

 

八幡の質問に相模は担任から渡されたプリントを渡す事で答える。

 

「あぁ、悪かったな。プリントサンキュー」

 

「えと、思ったより元気そうだね」

 

その質問に八幡はため息をついた後

 

「妹がオーバーにしただけだ。朝微熱があったくらいで今は何ともない」

 

小町は最近八幡が忙しくしていたのが分かっていたため、休ませるために微熱とはいえ無理矢理抑え込んだのだ。

 

「ごめん、うちのせいだよね。うち、比企谷に甘えてた」

 

教師から比企谷が休みと聞いた瞬間に相模は自分のせいかもと思ったのだ。

 

「おまえの考えすぎだ。全部俺の責任だ」

 

「でもきっかけを作ったのはうちだし……」

 

八幡はそんな相模にやれやれといった感じで

 

「なら明日からはもっと頑張れよな。そうすれば俺が無理しなくてすむ」

 

別に多少のオーバーワークがあったとはいえ、無理してる程ではなかった八幡だが

 

「分かった、明日からもお願いします!!」

 

「……おう」

 

元の明るい表情に戻った相模に八幡は照れて顔を合わせられなかった。

 

「八幡、大丈夫?」

 

「ヒキオ元気?」

 

そこに小南と三浦がやってきた。主に小南の出現に八幡はこっちのが疲れそうと頭を抱えそうになったのである。


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