特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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相模が第二の三浦となる可能性大


相模南②

「そいや姫菜は何で文化祭で劇を出し物に推さなかったん?」

 

八幡が実行委員に決まった日の玉狛支部にてお茶を飲んでいた三浦が海老名に聞く。

 

「あー……」

 

海老名は暗い雰囲気を出しながら

 

「この私ともあろうものがヒキタニ君と戸塚くんの絡みを主軸にした以外に文化祭に出せる華やかな物語とキャストを想像できなかったんだよ!!」

 

一生の不覚!!と嘆いている海老名にやれやれとなる三浦である。

 

「優美子達は結局何をするの?」

 

話を聞いていた小南が話しかける。

 

「あーしらは結局普通の喫茶店だよ」

 

「玉狛みんなで食べに行くから」

 

「美味しいの楽しみにしてるぞ」

 

烏丸と料理上手な木崎に言われ

 

「木崎さんに期待されるとプレッシャーが……」

 

柄にもなく少しプレッシャーを感じる海老名だった。

 

 

 

それから文化祭の準備は特に問題なく進んでいた。

 

「ねぇ、比企谷くん。明日の定例ミーティングなんだけど……」

 

相模は最初の会議で八幡に助けられて以降ちょくちょくアドバイスをもらいにきていた。

 

「どうした?」

 

元来お兄ちゃん気質な上にボーダーでも後輩から頼られているせいか相模に答える八幡。

 

「今全体の進行がこんな感じなんだけど……大丈夫かな?」

 

最初を乗り切ってから自信がついたのか、責任感が芽生えたのかこうして本来はしなくても良い全体の進捗の確認なども積極的にする程度になっていた。

 

「あー……この感じだと……」

 

その日も2人は遅くまで残り翌日の会議をスムーズに済ませるために話し合いをした。

 

その帰り

 

「比企谷ちょっと良いか?」

 

平塚に八幡は話しかけられた。

 

「どうしました?」

 

あれだけ奔放であった平塚も前からは考えられないくらい憔悴していた。

 

「君は彼女達のことを何か知らないか?」

 

「俺は何も知りませんよ、事件の時は任務でいなかったですしね」

 

八幡が答えると

 

「君はS級隊員なんだろ?本当に何か知らないのか!?彼女達の居場所とか、本当は知っているんじゃないか!?」

 

だんだんと言葉が激しくなり八幡に詰め寄る平塚。

 

「俺が知るわけないじゃないですか、知ってたらボーダーに突き出してますよ」

 

あくまで冷静に返す八幡。

 

「そうか……すまなかったな」

 

そう言い立ち去る平塚。数日後、平塚には様々な理由から離島への転勤が命じられた。

 

 

 

翌日の文化祭実行委員会の定例ミーティングが開かれた。

 

「それでは各部門の進捗状況を発表お願いします。では宣伝広報からお願いします」

 

「掲示予定の7割くらいが終わり、ポスターも半分くらいが終了しています」

 

宣伝広報のリーダーに生徒が言うと

 

「すいません、少し遅れ気味なのでまずは掲示物を終了させて貰えますか?具体的な内容はともかく、文化祭がある事をまず周知して貰いたいので。同時にポスター協力の店舗への交渉を早めに開始してください」

 

相模が指示をだすとリーダー生徒は、はいと返事をし席につくと言われた事をメモにとっていた。

 

「では次は有志統制お願いします」

 

「はい、現在は校内で4団体、外部から3団体の応募があります」

 

有志統制リーダーが言うと

 

「校内の団体はまだクラスの出し物関係でゴタゴタしてるのでもう1週間くらい参加呼びかけ待ちましょう。かわりに外部団体ですが、過去参加してくれた方々に連絡を入れて参加を促してみてください。当日のスケジュールの予定などはまだ決めきれないとは思いますが、ざっくりとしたタイムスケジュールと必要な人員をだしてください」

 

「了解です」

 

そして有志統制のリーダーも座る。

それから各部門も同じように相模が捌き続けて定例ミーティングは無事終了した。

 

 

「ひ、比企谷ぁ。緊張した……」

 

「よく頑張ったな。上出来だと思うぞ」

 

八幡がアドバイスしたのは進捗状況に関してのみでどういう判断、指示をするかは相模に任せていたが八幡が口をださなくてもいい結果となった。この調子なら問題なく文化祭になるだろうと八幡は予測した。




ちなみに平塚は最後の最後に再登場予定

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