特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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雪ノ下陽乃

林間学校の事件が終わり様々なことがあった。

 

「それでは君達は彼らの密航の理由は知らないんだね?」

 

林間学校が終わり、嵐山隊の面々に三浦、材木座、小町。そして来馬隊は本部に呼び出されていた。内容はもちろん元葉山隊の3人の近界への渡航についてだが、全員知らなかった。

 

「比企谷妹、比企谷は何か知ってると思うか?」

 

本部司令、城戸政宗が聞くと

 

「い、いえ……兄も知らないと思います。それにもし知っていたら兄なら容赦なく制裁していたと思います」

 

「だろうな、敵対するものを野放しにするような奴ではないからな、良いだろう。全員下がりたまえ」

 

そして全員退室した。

 

「ではこれより大規模侵攻についての会議をする」

 

密航問題は一旦置かれ、大規模侵攻の対策会議が開かれた。

 

 

 

 

三浦達が玉狛支部に戻ると

 

「お、戻ってきてくれたとこ悪いんだけど。3人にお客さんだよ」

 

「「「?」」」

 

宇佐美が客がいると教えてくれた。客間にいたのは

 

「雪ノ下のお姉さん?」

 

「こんにちは、三浦ちゃん」

 

3人が椅子に腰掛けると陽乃は話し出した。

 

「比企谷くんは?」

 

「兄なら任務でずっといません」

 

小町が答える。

 

「そっかぁ、ちなみに比企谷くんは雪乃ちゃん達がこんな事するって知ってたと思う?」

 

「ありえません、こんな人類に対する明確な敵対する行動を兄は見逃しません。」

 

「……そっかぁ」

 

答える小町をしばらく見ていた陽乃は少しするとため息をつき

 

「てことは手がかりなしか」

 

「雪ノ下さんは知らなかったんですか?」

 

小町が聞きかえすと自虐的な笑みを浮かべ

 

「私からしたら雪乃ちゃんは可愛い妹だけど、雪乃ちゃんからは恨まれてると言うか、妬まれてると言うか……少なくとも良い感情は持たれてなかったわ」

 

そして陽乃は震えた声で

 

「もしかしたらこの事件を起こしたのも私のせいかもしれない、私がボーダーに入ると雪乃ちゃんに告げなければ……」

 

「雪ノ下さんはボーダーに入るんですか?」

 

小町が聞くと

 

「雪乃ちゃんの監視とかで入る予定だったけど、その理由もなくなったし、ボーダーからすれば裏切り者の身内……スパイの可能性もあるから入れないわ」

 

そして3人を見ると

 

「もし雪乃ちゃんに関する情報が入ったら出来れば教えて欲しいの」

 

頭を下げてお願いしてくる陽乃に

 

「わかりました、もし情報が入れば可能な限りお知らせします」

 

小町の言葉にほっとした陽乃は3人と玉狛の人にお礼を言って出て行った。

そして衝撃的な林間学校の事件が嘘かのように静かな日がそれからは流れあっという間に夏休みは終わりを告げるのだった。


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