特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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比企谷小町②

「千葉村へのボランティアですか?」

 

小町が仮入隊してから約2週間ほどたったある日、玉狛の林藤支部長から小町は呼び出されていた。

 

「そう、ボーダーが今年から始めた地域協力の一環でね。林間学校のボランティアを依頼されたんだよ。もちろん正式入隊日までには戻って来」途中で切れている

 

小町は射手を磨いていた。そのセンスは目を見張るものがあり、もうB級中位に届くのでは?というところまで来ていた。

 

「うぬぬ、三浦嬢に中々勝ち越せないできたである」

 

「ふっふーん。あーしの手にかかればこんなもんだし」

 

そこに材木座に勝ち越すようになった三浦と悔しそうにしている材木座がやってきた。

 

「おう、お二人さんも来たか」

 

「林藤さん、話って?」

 

林藤は再び小町にしたように林間学校について話す。

 

「あーしは大丈夫です」

 

「我も大丈夫である」

 

2人はお世話になっている林藤からの頼みとあってすぐに了解した。

 

「うぅ、じゃあ私も行きます」

 

A級の何隊かが抜けてよく木崎隊は駆り出されるようになり小町は2人を相手によくしていたので、そんな2人が行くならと了解した。

 

「まぁ一応あと何人かボーダーから派遣されるから仲良くしろよな。話は以上だ」

 

 

 

そしてボランティアに行く日になり、小町、三浦、海老名、材木座の4人は本部前にいた。海老名は三浦がいくという条件で了解していたらしい。

 

「やぁ、君達が玉狛からくるボランティアだね」

 

そこに2台の車がやってきて、顔を出したのは嵐山と

 

「東隊の東春秋だ」

 

東が降りてきた。

 

「あ、よろしくお願いします」

 

4人が挨拶をすると

 

「4人はの車に乗って」

 

東がそういうと4人は慌てて乗り込んだ。

 

「君達の噂は常々聞いてるよ。比企谷の秘蔵っ子だとね」

 

「兄を知ってるんですか?」

 

小町が聞く。

 

「もちろんさ。よくランク戦で斬り伏せられたものさ」

 

ハッハッハッ、と、快活に笑う東。

 

「昔からヒキオって強かったんですね」

 

三浦が言うと

 

「小町ちゃんは知っているのかな?彼が今のボーダーを作る前身の組織にいたと」

 

「一応は」

 

小町が答えると

 

「簡単に言うと経験が段違いだね。比企谷と俺らとは。俺が入隊した時には独自の戦い方を持っていたよ」

 

「流石は我の相棒よ」

 

材木座が自慢気に言う。

 

「そう言えばヒキタニくんは何でS級なったんですか?やっぱりトリオンが多いからですか?」

 

海老名が聞くと

 

「それもあるが、一番のきっかけはちゃんとあるよ」

 

そして東は八幡の中規模のネイバー侵攻時の事を話した。

 

「ひ、ヒキオってそんな強いんだ」

 

強いことは知っていたがネイバーの侵攻をほぼ1人で止めたと言うのには4人は驚いていた。

 

「面白い話しだと、現A級1位の太刀川隊の太刀川やB級1位二宮隊の二宮は知ってるかい?」

 

4人が頷くと

 

「今でこそ、攻撃手、射手の頂点の2人だけど1度比企谷に心を折られてるんだよ」

 

「お、お兄ちゃんは何をしたんですか?」

 

小町がおそるおそる聞くと

 

「2人をそれぞれの得意なトリガーを使って真正面から叩き伏せたんだよ。それからかな。2人は比企谷に負けないようさらに腕を磨いたのは」

 

「ヒキタニくん、凄いんだ」

 

海老名が改めて八幡の強さに驚いていると

 

「今のA級はほとんどが比企谷に尊敬と畏怖の念を持っているよ、それは勝負で負けたり、アドバイスを貰ったり、中には比企谷がすでにボーダートップクラスなのにより強くなろうと特殊技術を教わったりと、形は違えど何かしらで比企谷が関わってるからね」

 

様々な八幡を見てきた東は懐かしそうに言う。

 

「おっとそろそろ着いたみたいだね」

 

そして目的地である千葉村に着くと

 

「じゃあ、嵐山。あとは頼んだぞ」

 

「了解です。東さん」

 

「最終日に迎えに来るから、俺はこれで」

 

そう言うと東は去っていき

 

「改めて自己紹介かな?」

 

そうして全員が自己紹介を終えた頃に1台の車がやってきた。

 

「結衣……」

 

その車から降りてきたのは雪ノ下、葉山、由比ヶ浜と平塚だった。


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