特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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東京ワンニャンショー①

「お兄ちゃん!!今年もやってきたよ!!」

 

開発室の手伝いも防衛任務もないある日、八幡は自宅ソファーでダラけきっていると妹の小町がハイテンションでやってきた。

 

「うん?……あぁ東京ワンニャンショーか」

 

八幡は小町が何を言いたいのかすぐに理解しダラけながら答えた。

 

「もう!!テンション低いなぁ!!」

 

「おまえが高すぎるんだよ」

 

そう言ってダラけていると比企谷家の愛猫のカマクラが八幡の腹の上に乗ってきた。以前は小町にしか懐いていなかったが陽太郎と話してから八幡にも懐いたのだ

 

回想(通訳:陽太郎)

 

『なぜ、はちまんに冷たいのだ?』

 

『ニャー(小町ちゃんしか遊んでくれないから、それにいつも家にいない)』

 

『はちまんはこまちとカマクラのためにいつも忙しいのだ』

 

『ニャア?(小町と俺のため?)』

 

『そうだぞ、はちまんはいつもこまちとカマクラの事を考えてるのだ。懐かれなくても大切な家族だといつもいってる』

 

『ニャー(ふ、ふーん……たまには優しくしてやるか)』

 

回想終了

 

こんなやり取りがあったらしい。

 

「今年はいつ開催なんだ?」

 

カマクラを撫でながら聞く八幡。

 

「今週の土日なのです!」

 

「早いな……おまえにも良いエサ買ってきてやるからな」

 

ニャーオと満足そうに鳴くカマクラであった。

 

 

 

そしてついにその日がやってきた。

 

「何で三浦もいるんだ?」

 

「私が連れ出したのよ。最近ずっと孤月のトレーニングしてるからたまにはね」

 

毎年小南と小町と八幡で東京ワンニャンショーには行くのだが今年はさらに三浦も加わったようだ。

 

「何?あーしがいたら問題なわけ?」

 

「別にそうは言ってねーだろ」

 

三浦がが八幡と親しげにしてるのを見た小町は

 

「お義姉ちゃん候補増えた!!」

 

と喜んでいた。

 

「じゃあ行くか」

 

そして4人は会場に向かうのだった。

 

 

そして

 

「か、可愛い!!八幡、ペンギン超可愛いわよ!」

 

ペンギンを見た小南が興奮気味に言う。

 

「お前毎年言ってるんじゃないか?……そういや最近知ったんだがペンギンって肥満って意味があるらしいな」

 

「ヒキオ、今言わなくていいし」

 

「これだから八幡は……」

 

「ごみぃちゃん……」

 

小町がボソッと言ったのにショックを受ける八幡だった。

 

「もう少しで猫のブースだな」

 

気をとり直した八幡が地図を見て言う。

 

「カマクラのご褒美を早く買いましょ」

 

「はい!」

 

小町と小南が猫ブースに向かって歩き出す。

 

「カマクラって?」

 

「我が家の愛猫だ。最近は俺にも懐いてきてより可愛くなった」

 

三浦の質問に八幡が答え、並んで小町達を追いかけた。

 

 

 

「あら、私たちから逃げた三浦さんじゃない」

 

猫ブースでカマクラのエサを探していたら八幡達はある意味最も出会いたくない人物に会った。雪ノ下雪乃だ。

 

「逃げたんじゃないし。愛想が尽きただけだし」

 

「話し合いの場で泣きながら去って、その後すぐに隊を抜けた人が逃げたんじゃないのなら何なのかしら?」

 

三浦は思わず黙りこんでしまう。

 

「八幡、小町ちゃん、優美子。もう行くわよ」

 

小南が3人……と言うより動かなくなった三浦を引っ張りいう。

 

「あら、また逃げるのかしら?」

 

「ハァッ…….」

 

小南の盛大なため息が漏れる

 

「何ノ下さんだか知らないけど、これ以上優美子に何かいうなら私が相手になるわよ?」

 

「雪ノ下よ、覚えておきなさい」

 

「ごめん、すぐ忘れると思う。私、弱い奴には興味ないから」

 

小南に言われ睨みつける雪ノ下だが

 

「ほら、行くんだろ。じゃあな、雪ノ下」

 

そうして八幡が皆を連れて去ろうとしたところ

 

「やっと見つけた、雪乃ちゃん。あれ?喧嘩中?」

 

1人の女性がやってきた。


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