「材木座、あーしと10本勝負いくよ!!」
「ちょ、待っ、我さっき小南嬢にボコされたばかり!!」
職場見学から1週間たち三浦と海老名は葉山隊を抜けて八幡の紹介で玉狛支部に居座っていた。来馬や村上も仕方ないとあっさり受け入れてくれた上に何かあったら来いと言ってくれていた。
「来馬先輩×村上先輩も良かったけど烏丸先輩×木崎先輩も……いやそこに迅さんも加わって……愛憎巡るみつどもえ……
『キマシタワー!!』
「こなみ、あれはなんだ?」
「陽太郎は気にしちゃだめよ」
不思議そうな顔で海老名を見る陽太郎に小南が言う。
「いやぁ、ここもさらに賑やかになったねぇ」
玉狛支部長、林藤匠がやってきてしみじみと言う。
「八幡は何を考えてるのかしら?人を集めて……」
「そら小町ちゃんのためだよ」
小南の質問に林藤が答える。
「小町ちゃんのため?」
小南が聞くと
「そう、迅の予知によれば小町ちゃんが近々ボーダーに入隊するのは確定事項らしい。それである程度信用の置ける人材を集めてるんだよ」
「へぇ、小町ちゃんが。楽しみだわ!!」
小南が嬉しそうに言う。
そして三浦と材木座は
「ヌハハッ、まだまだだな!三浦嬢!!」
「ちゅ、厨二のくせにぃ」
三浦は孤月を使っているが、同じ孤月使いの材木座に今だ勝てないでいた。
「我に勝てぬようでは八幡を倒すなぞ夢のまた夢ぞ」
「そんなん、わーってるし」
三浦は思い出していた。孤月を使うようになってからたまに村上鋼に教えてもらいながら練習していたが
回想
『少しは成長したあーしを見てもらうし』
そう言い孤月を抜く三浦……
『はっ!!』
気合いとともに駆け出した。
全身に力を込めた一撃はあくまで剣道などの延長でしかなかった雪ノ下のと違い相手を殺すつもりなのが見て取れた。
『やっぱり孤月のが三浦には合ってるな。力の加減が取れている』
しかしそれでもあっさり防がれ
『まぁ、まだまだだけどな』
三浦が1度離れようとするがその前に
『戦闘体活動限界 緊急脱出』
孤月で首を飛ばされランク戦が終了した。
回想終了
「どうやったら強くなれるんだろ」
「ふむ、思うに三浦嬢は今だに自分の戦闘スタイルと言うものを見つけていないのではないか?」
三浦の言葉に材木座が反応する。
「正直に申すと今三浦嬢はただ孤月を振り回してるだけ、それでは良くてB級下位止まりでござる」
「いっ、言ってくれるじゃん」
「ひぃっ!!」
三浦の迫力に材木座が怯むが三浦が続けてと言うと咳払いしたあとに
「上手い人たちは自分の戦い方と言うのを持っておる。例えば八幡や小南嬢、太刀川先輩殿は徹底的に攻め立てる。村上先輩殿はレイガストを組み合わせた攻守のバランスを取り、那須隊の熊谷嬢は守備に重きを置いてるように。それぞれが戦闘スタイルを確立している」
「あーしにはそれがないと?」
うむ、と頷く材木座。
「じゃあ材木座はどうなん?」
「我が目指すは最強の戦士だからな!目指すはパーフェクトオールラウンダーよ!!」
三浦は内心、自己紹介で言ってた剣豪なんちゃらってのはどこに行ったと突っ込んでいた。
「じゃあ次いくし」
「ほむん、かかって参られよ!!」
そして2人はまた剣を交え始めた。