特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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職場見学③

「予定外ではありましたがチームランク戦が始まりましたね。私も出てくる予定はありませんでしたが実況と解説もできる状況になりましたので、出てきました。実況を担当します、嵐山隊オペレーター綾辻遥です」

 

そして

 

「解説にはこちらのお二方、嵐山隊長と木虎藍ちゃんです」

 

「「よろしく」」

 

2人も挨拶をすると

 

「このチームランク外対戦、お二人はどうみますか?」

 

「八幡先輩の圧勝ですね」

 

木虎が即答する。

 

「まぁ正直なところを言うと葉山隊の勝ち目は少ないかな。」

 

嵐山も苦笑しながら言うと

 

「これは葉山隊には厳しい評価です。勝つにはどうすれば良いかなどはありますか?」

 

絢辻の質問に2人は困るが木虎が

 

「八幡先輩には正面から挑むのは無謀、かといって小細工も何も通用しません。勝つには最低限でA級並みの実力を持ってして、なおうまくチームワークを駆使しなければなりませんから」

 

木虎の酷評に一部ブーイングが上がるが

 

「あっ、戦闘が始まったようです!!戦場は市街地Cとなります!!

 

 

 

 

 

「市街地Cか……」

 

八幡は自分の位置が最下段にいるのを確認し、レーダーに敵が映らないのを観ると全員バッグワームをつけたのだろうと目星をつけ

 

「バッグワームあんま意味ないのにな」

 

恐らく自分に頂上からフルアタックでも仕掛けてきそうなのを考えつつため息を吐く八幡である。

 

『相手は最下段だね。こっちは全員ヒキタニくんよりは上にいるから最上段での合流は簡単そう』

 

オペレーターの海老名が告げる

 

『では最上から彼を狙い撃ちにするわ』

 

『『了解』』

 

 

「葉山隊は全員バッグワームを起動した模様。ちなみにステージ選択にはどんな意図があると思われますか?」

 

「まぁスナイパーに加え他の隊員も一緒に最上からシューター、ガンナートリガーも使っての射撃戦をしたいんだろう。これが他の隊もいる通常のランク戦なら簡単にはいかないけどね」

 

嵐山が言うと続けて

 

「ですが通常ランク戦以上にマップと状況は八幡先輩相手には悪手も良いところですね。その証拠に八幡先輩はあまり動いていません」

 

「その行動にはどんな意味が?」

 

木虎は画面のマップ最上段を見て

 

「一箇所に集まるのを待っているんでしょう。一網打尽にするために」

 

 

 

『ヒキタニくんはゆっくり登ってきてるね。間違いなくこっちの合流が先になるよ』

 

『舐めてかかったこと、後悔させてあげましょう』

 

八幡からの妨害すらなかったのを雪ノ下はバカにされていると感じたが三浦は訝しんでいた。

 

『幾ら何でもおかしすぎるし、ヒキオはバカじゃない。多分何かある』

 

『優美子の考えすぎだって、多分』

 

由比ヶ浜はこんな時でも能天気である。恐らく普段学校の八幡を想像しているのだろう。

 

『まぁ最上段にいるこっちが有利なのには変わりないからね』

 

葉山が言うと三浦は内部通信を切り

 

「はぁ……」

 

盛大にため息をついた。

 

(あーしらが見たヒキオの数少ない戦闘は確かに孤月かシュータートリガーで戦ってたけど、ここまで油断しきるのはダメだし。)

 

『遅かったわね、三浦さん』

 

『悪かったし』

 

三浦を最後に全員が揃った。

 

 

 

「あー、全員あんな無防備に……」

 

「狙い撃ちされたらマズいですね」

 

解説の2人が言った瞬間である。

 

 

 

『警報!!』

 

葉山隊に海老名の叫び声が響いた。

 

『『え?』』

 

『戦闘体活動限界、緊急脱出』

 

光の砲撃に葉山と由比ヶ浜はなすすべなく吹き飛ばされた。

 

『今のは!?』

 

『ヒキオの攻撃に決まってんじゃん!!』

 

 

 

 

 

「撃ってみるもんだな、2人消し飛ぶとは思わなかった」

 

八幡がしたのは合流する時間にだいたい予測をつけ最上段の建物目掛けてアイビスを撃ち放っただけだ。だが八幡のアイビスはもはや射撃ではなく砲撃だ。その1発は射線も何も関係なかった。

 

「さて行くか」

 

八幡はそう言うとグラスホッパーを起動した。

 

 

 

 

『ヒキタニくんが一気に登ってきてるよ!!』

 

海老名が八幡の行動を言うと

 

『三浦さんは奇襲の用意を、私が迎え打つわ』

 

『わーったし』

 

三浦はもう結末が見えていた。以前雪ノ下から聞かされたのだが、自分は何でもすぐに極めてしまい、習い事の先生をみなすぐに追い抜いてしまったと。

 

『一応忠告しとくけど、ヒキオは近接も強いよ?』

 

『私は剣道の有段者レベルよ、問題ないわ』

 

(雪ノ下さんの剣じゃヒキオには届かない)

 

雪ノ下の剣と八幡の剣、両方知っているからこそ三浦はそう確信していた。

 

「あら、逃げ出さずによく来たわね」

 

「ん?射撃はしないのか?」

 

八幡が聞くと

 

「それは葉山くんと由比ヶ浜さんの役目よ。もういないけど。」

 

あわよくば、ベイルアウトしたのは誰か聞き出せればと思った八幡だがあっさり喋ったのに呆れていた。ただ八幡はそれが嘘の可能性も捨てていないの考慮し射線などに気をつけている。

 

「いくわよ!!」

 

雪ノ下が掛け声とともに踏み込むが

 

「……え?」

 

雪ノ下の首は宙を舞っていた。

 

「遅いな、話にならないぞ?」

 

その八幡の呟きが聞こえたのか雪ノ下の顔は歪むがすぐにベイルアウトした。

 

「ヒキオ勝負するし」

 

「てっきり奇襲仕掛けてくると思ったんだがな」

 

後ろから三浦が話しかけてきた。

 

「雪ノ下さんの作戦だと雪ノ下さんがヒキオを抑えこんでいる間にあーしがモールクローで倒す算段だったけど」

 

抑えこむどころではなかったため出てきたようだ。

 

「少しは成長したあーしを見てもらうし」

 

そう言い孤月を抜く三浦……

 

「はっ!!」

 

気合いとともに駆け出した。

 

 

 

 

 

「特殊なランクは葉山隊の敗北でしたが、敗因は何でしょうか?」

 

「八幡先輩に挑んだ事ですね」

 

綾辻の質問に木虎が即答する。

 

「比企谷の規格外の強さを全然理解していなかったことが原因だね。比企谷はノーマルトリガーにおいて全てが規格外。何を使ってもこちらの性能の2倍3倍の力を出す。それを考慮しないで対チームランク戦の動きをしてしまったのがダメだったね」

 

「改善点などはありますでしょうか?」

 

綾辻が聞くと

 

「改善も何も一番は経験不足ですね。葉山隊はまだ普通のチームランク戦の土俵にもあがれてませんから」

 

木虎の厳しい評価に嵐山と綾辻は苦笑する。

 

「嵐山隊長、藍ちゃんもありがとうございました」

 

「「ありがとうございました」」

 

こうして葉山隊のランク戦デビューはあっさりと終わりを告げた。




実況と、解説難しすぎます。精進したいです。

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