特別S級隊員比企谷八幡   作:ケンシシ

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川崎家①

「で?これはどういう状況だ?」

 

雪ノ下達とのテニスでの一悶着から数日。八幡は妹の小町に呼び出されていた。ちなみに三浦と八幡は昼練に付き合っている

 

「ハッハッハッ、良くぞ来た我が相棒よ。ほれ座るがよい」

 

「八幡!!あんた何で最近玉狛に来ないのよ!?」

 

「八幡は玉狛が嫌いなのか?」

 

「やっと来たね、お兄ちゃん!!」

 

ボーダー支部の1つ玉狛支部のメンバーに中2患者、小町と小町の『隣』に見知らぬ少年がいた。

 

「すまんな陽太郎、最近は忙しくてな。」

 

玉狛支部所属でボーダー最年少の陽太郎の頭を撫でながら座る。

 

「桐絵そういうことだ。で?何で材木座までいる?お前の相手をしてる暇はない。そこの少年をベイルアウトさせなきゃならん」

 

「わ、わたしはべつに?寂しくなんてなかったし?」

 

「我は偶然小南嬢と一緒にいたまで……小南嬢に八つ当たりされるから玉狛にもっと来てくれ八幡!!」

 

玉狛第1所属の小南桐絵がそっぽを向きながら言うが八幡には聞こえておらず、材木座の泣き言はあからさまに無視し、少年に目を向けながら八幡がトリガーを起動する素振りをみせると

 

「お兄ちゃん、ポイント低いよ?」

 

小町の低い声が響いた。

 

「はぁ、冗談だよ。で?誰なんだ?」

 

「はじめましてお兄さん!!比企谷さんと同じ塾に通う川崎大志っす」

 

「ハッハッ、お兄さんて呼ぶな殺すぞ?」

 

「小町ちゃん関わると相変わらずね、あんた」

 

小南が呆れながら言う。

 

「えと姉の事で悩んでたんですけど、姉がお兄さんと同じクラスって比企谷さんから聞いて、相談に乗ってもらってました」

 

いまいち要領を得ないので八幡が1つ1つ聞いていくと

姉の帰りが最近遅く心配してたところに、エンジェル何とかと言うお店から電話がきたそうだ。悩んでたのを小町に見抜かれ話をするとその姉は小町の兄の八幡と同じクラスと言うわけで呼び出されたのだ。

 

「直接お姉さんに聞けばいいじゃない。何してんだーって」

 

桐絵が言うが

 

「何言っても聞く耳もたずで、あんたには関係ないって言うばかりで……」

 

拒絶された時のことを思い出したのか大志は泣きそうになっているが

 

「ふむ、大志殿の1番の心配は無用でござろう。エンジェルと言うのがつくお店は2件しかござらん」

 

「あんたたまには役に立つのね」

 

小南が辛辣に言う。

 

「で?材木座。その2件ってどう言う店だ?」

 

「うむ、1つはメイド喫茶でもう1つがBARである」

 

八幡は少し思案すると

 

「多分BARの方だな。ただのメイド喫茶でそこまで遅くなるとは思えない」

 

川崎大志の話によると姉の帰りは朝方だと言う。そんな時間まで営業しているのは酒を扱う店のが可能性は高いだろう。

 

「ところでそのお姉さんが帰りが遅くなった原因は心当たりはあるの?」

 

小南が聞くと

 

「いえ、今年の4月から急に始まって……」

 

「ふむ、ならばその時期に何かあったか?」

 

「家の中では自分が塾に通い始めたくらいっす」

 

それを聞き八幡は話が繋がった。思い出すのは穏やかな性格の苦労人のモサモサイケメン。

 

「分かった。何とかしてみる。だから終わったら小町に近づくな」

 

再びシスコンの鬼と化すが

 

「まったく、お兄ちゃん。大志くんは霊長類ヒト科オトモダチだから何も心配しなくていいよ。あっ小町的にポイント高い!!」

 

流石の八幡も川崎大志に同情した。


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