『対ブラックトリガー訓練を始めます、各部隊転送開始』
オペレーターの声が響くと遠征部隊筆頭のA級1位太刀川隊、A級2位二宮隊が戦場へと転送された。
『今日の訓練のブラックトリガーの想定は遠中距離タイプのブラックトリガーが想定されてるよ〜』
太刀川隊オペレーター国近の間延びした説明を聞くと太刀川は少し思案し
『中遠距離隊員が中心に攻撃、近距離の俺たちは撹乱メイン。まずは定石通り行くか』
各隊員は了解の言葉を発すると
『見つかったみたい!!攻撃くるよぉ!!』
国近の声と同時に攻撃反応が示される。全員が散開すると同時にその場を光が薙ぎ払った。
『これはアイビスか?……ブラックトリガーに近づけるため改造されてそうだが』
二宮隊隊長、二宮匡貴はその威力を見て呟く
『第2射きます!!』
そして二宮とは反対に逃げた隊員達の方を再び光が薙ぎ払った。
「これは俄然楽しくなってきたな」
太刀川は嬉しそうに呟くと次の指示を全隊に飛ばした。
四年前に三門市は突如謎の異世界の住人、後に近界民(ネイバー)と知られるもの達の攻撃を受けた。未知の技術で作られたそれらは此方の技術では歯が立たず人々が絶望しかけた時、突如謎の集団が現れ告げた。
「こいつらの事は任せて欲しい、我々はこの日の為に備えてきた」
彼らの活躍によりネイバーの侵攻は終焉を見せたがそれでも2日間で犠牲者は1200人以上、400人以上が行方不明となった。
侵攻を止めた彼らはほどなく巨大な基地を建設、『対近界防衛機関』通称ボーダーが発足した。
『対ブラックトリガー訓練は終了です。お疲れ様でした。』
太刀川隊、二宮隊ともに犠牲者を出しながらも勝利し対ブラックトリガー訓練は幕を下ろした。
ブラックトリガーとは優秀なトリオン使いが己の命と全トリオンを注いで作りだすトリガーで、その力は通常のトリガーを遥かに凌ぐ性能を持っている。
本部休憩室の一角にて
「やっぱ比企谷はつえーな!!」
先程まで対ブラックトリガー訓練でブラックトリガーの役割をしていた男、比企谷八幡は訓練終わりのMAXコーヒーを飲もうと休憩室に来ていたところに太刀川がやってきた。
「太刀川さん達はもっと加減してくれていいんですよ?」
太刀川さんと二宮さんに狙われるの怖いんすからと内心愚痴り
「はっはっ、そりゃ無理だな。おまえと殺り合うの楽しいし」
八幡はため息をつきMAXコーヒーを早々に飲み干す。
「では俺はこれで……」
「おう!!今度はサシでやろうぜ」
八幡は考えときますと考える気のない返事を返し去っていった。
プロフィール
比企谷八幡 S級隊員
トリオン 36
攻撃 22
防御・援護 17
機動 10.
技術 13
射程 10
指揮 2
特殊戦術 2
合計 112
『存在がブラックトリガー』
生まれ持ったトリオンが尋常じゃなく高く、それに無理矢理引き上げられる形で攻撃などが高くなった。生まれた時からトリオン量が高かったことと、父母が旧ボーダーからのメンバーであったため旧時代からのボーダー隊員となる。ボーダー設立後はブラックトリガー持ちではないし、隊も組まなかったためB級だったがノーマルトリガーを使用しているにも関わらず規格外の力を出すため特殊な形でS級隊員となった。しかし高トリオン持ちなのにサイドエフェクトらしい能力は見当たらないという稀有な例でもある。あまりに地味すぎて気づいてないという可能性もある。