[完結]師匠はヤムチャ!突然来たドラゴンボールの世界   作:ゆーこー

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第89話 恩返しなるか!?ライアVSヤムチャ

子供の部が終わり、ついに大人の部が始まる。

最初の戦いは俺もヤムチャさん。

俺としてはライバルとして以上に弟子だったから勝ちたいという気持ちがある。恩返しってやつだ。

「それでは、両選手入場してください!」

司会の声がしたので俺とヤムチャさんは横にならんで入場した。

「このヤムチャ選手とライア選手は、現在は野球選手としてお二方共エースで四番をやっておりますが、実は中止になる前の天下一武道会で本選に進出している実力者なのです!さらにライア選手はヤムチャ選手の弟子として育ってきました!現在は独立しライバルという関係になったそうですがこれは非常に見物です!」

全く、入場前に巧みに話を引き出したのは誰なんだか…

お陰様でうっかりヤムチャさんとの師弟云々を話しちまったよ。

 

試合が始まった。最初の攻撃は勿論狼牙風風拳だ。

お互いの最高の攻撃を最初にぶつけたい。この気持ちは一緒だった。

「さあ早くも腕が全く見えない高速の勝負だぁ!」

この攻撃だわかったことがある、地力では俺がやや上回っている。

そういえばヤムチャさんは現在一人で修行をしているんだったな。だから僅かな差がついたのか…

ヤムチャさんの手数を上回り攻撃に成功した俺は狼牙風風拳のフィニッシュに蹴りをお見舞いし、ヤムチャさんは吹き飛ばされた。すぐに立て直したヤムチャさんを見て追撃を試みた。

ヤムチャさんは迎撃で繰気弾を放った。ひとつ、ふたつみっつ…六つだと!?

俺はバラバラに俺を狙ってくる六つの繰気弾に翻弄されている。

ヤムチャさんは操作に集中しているがとても近づけない。

ひとつ直撃すれば間違いなく追撃が来てやられる。避け続けて繰気弾が消滅するのを待つしかない。

しかし思い通りにはいかなかった。ヤムチャさんは繰気弾が消える前に新しい繰気弾と入れ換えた。

先程から体のすれすれを避けている俺だったのだが不注意だった。繰気弾を避けている途中、不意にひとつの繰気弾が爆発した。そう、新しく投入された六つの繰気弾の中には、ひとつだけ繰気爆弾が含まれていたのだ。

この攻撃で無防備となった俺の体に五つの繰気弾が襲い掛かる。前から後ろから横から下から…俺の体力をゴリゴリと削った。

この攻撃のフィニッシュは次の攻撃の幕開けだった。

地面に叩き付けられたと思った次の瞬間にヤムチャさんが真狼牙風風拳を使ったのだ。

この猛攻に耐えられなかった俺は場外に落ちかけたのだが、自分の繰気爆弾を背中で爆発させることにより強引に復活した。

だが、俺の残りの体力ではとても勝ち目があるとは言えなかった。

一体どこで差がついた?

セルゲームの段階では俺達の実力はほぼ互角、セルゲームが終わってからの修行はヤムチャさんが一人で、俺は家族でやっていた。

地力では俺のほうが上回っているが、俺はあの数の繰気弾を操ることはできない。何がこの差を生んだんだ?

考えるのをやめ、かめはめ波を撃つことにした。

体力の限界の俺のかめはめ波の構えは隙だらけだった。その気になればすぐ倒せただろう。だが、ヤムチャさんはあえてかめはめ波で迎え撃つ道を選んだ。

俺はヤムチャさんに負けた。

試合のあと、ヤムチャさんが話しかけてきた。

「何故最後俺がかめはめ波で迎え撃ったかわかるか?」

その方がカッコいいからだろうか?俺には理由がわからなかった。

「んー、第23回天下一武道会で俺とお前が戦ったときの決め手は何だったか覚えてるか?」

一瞬考えたがすぐに思い出した。

「かめはめ波」

「そういうことさ、あんときはお前の方が実力的には下だったけど、技を工夫して使い五分五分に持っていった。」

そう言われると、俺も自分の息子のコウも似たようなことしてるんだなと思った。

「だから今回は全てが逆になった戦いだったんですね。」

「ああ、勝敗含めてな」

「なら、ひとつだけ聞いていいですか?」

「なんだ?」

「あれほどの数の繰気弾、どんな修行したら操れるようになったんですか?」

ヤムチャさんはにやけ顔になってから頭の後ろをかきながら嬉しそうに話した。

「いやぁ一人で修行しているときにさ、何かぶつかってくるものが欲しいと思って繰気弾を組み手の相手として使ってたら使える数が増えちゃってな。アハハ」

俺はクスッと思わず笑ったあと納得した。

自分の気を高めながら繰気弾を操れるその修行方法は、一人じゃないと逆にできないものだった。

ヤムチャさんは真剣な顔に戻した。

「ライア、お前の良いところは力のぶつかり合いより技の駆け引きにあると俺は思ってる。最近のお前はどこか力だよりの戦い方になってるから、その警告の意味も含めて大胆な戦法に出たことを忘れないで欲しい」

それだけ言うとヤムチャさんは俺から離れた。

俺は観客席のミネラ達の方に向かった。

 

 

 

 




師弟関係をやめたとしても、やっぱり心配なところは示してくれる。
かつて自分の弟子だっと男が見せたような戦いを師匠だった男がやる。
ライアの最初の目的だったヤムチャのインフレ置いてきぼり回避のひとつの形がそこにはあった。

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