[完結]師匠はヤムチャ!突然来たドラゴンボールの世界   作:ゆーこー

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第88話 トランクスVSホーディッシュ

「さあ天下一武道会子供の部決勝戦!一人目は六歳にして決勝戦まで勝ち進んだ少女ホーディッシュちゃん!そしてもう一人は八歳の少年トランクス君です!お二人とも先程は凄まじい戦いを披露してくれました!この決勝戦では、一体どれほどの激闘が見れるのでしょうか!」

ほんと、あの司会はよくやるよ。あの人にはトランクス達の戦いは見えないのに、あんなにも熱くなれるんだからな。

俺が子供の時から、ずっと天下一武道会の司会をこなしているあの人のプロ根性にはいつも感心させられる。

さて、ここからは戦いの見える俺が話さないといけないな。

 

トランクスとホーディッシュ、性格的には真逆に位置するだろう。

トランクスはコウ同様戦略を練るところがあるが、ホーディッシュは直感で戦う傾向にある。

殴り合いになるとホーディッシュの方が有利だが、トランクスとしては接近戦になる前にダメージを増やしたいところなのだが、コントロール不能の気弾を無闇に撃つと観客に当たってしまう恐れがあるので、ホーディッシュに有利な接近戦を余儀無くされていた。

インフレのせいもあるだろうが純血サイヤ人として破格の戦闘力を持って生れたてホーディッシュの戦闘は、まさに戦闘民族サイヤ人と言える。本能のままに戦いを楽しみ、野生の勘で戦う。

トランクスの攻撃を避けながら、トランクスに最も近い手足を使い反撃を加える。

ホーディッシュ有利で進んでいた戦いは、一瞬にしてその流れを変えた。ホーディッシュの体力切れだ。

ホーディッシュの戦闘は本能的と言ったが、粗削りな面が多い。先程の攻撃を避けながらのカウンターも本能的に攻撃を仕掛け、トランクスにダメージを与えることはできたが、ホーディッシュ自身も無茶な体制をしているために体力の消耗が激しい。そんなことを繰り返しているうちに体力の限界が近付いていたようだ。

トランクス達はよく戦いごっこをしているから、お互いの弱点も熟知しているのだろう。まあ、悟天やホーディッシュはそんなことはあんまり考えてなさそうだがな。

さあ、体力的に有利になったトランクスは怒濤の連続攻撃を仕掛ける。ホーディッシュは体力限界が来ても猛然と激しい打ち合いを避けようとしなかった。

結果としてトランクスの勝利となったが、俺の知ってる話だとトランクスは完全に不利だったはずだ。

いつもの遊びでは超サイヤ人になれる分トランクスが勝っているらしいし、心のどこかにトランクスには勝てないという気持ちがあるのかもしれない。

 

皆が健闘した子供達に称賛の拍手を送っている。

さて、気持ちを切り替えようか!

これから俺達の戦いが始まるんだからな。

俺は拍手の最後に自分の頬をパチンと叩き、まだ拍手を続けているヤムチャさんの方を向いた。

 

 


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