[完結]師匠はヤムチャ!突然来たドラゴンボールの世界 作:ゆーこー
やったか!?はフラグである。俺はそれをよく知っている。
だが俺は思わず叫んでしまった。俺の放った10倍界王拳かめはめ波がセルを包み込んだときに…
次に俺がセルの姿を確認したのは俺から離れた場所、ピッコロの後ろにいた。
「避けろ!ピッコロ!」
慌てすぎた俺は何をどう避けるのか伝えられなかった。
ピッコロはその言葉だけで咄嗟にその場を離れてくれたから良かったが、それでも意味が曖昧だった指示では避けきれず、ピッコロの右腕がセルの手刀で切断された。
正直に言う、ピッコロで良かったと。
「お前の相手は俺のハズだぞセル!他の人を巻き込むな!」
「ええい黙れ!セルゲームは終了だ!こうなったら乱戦だぁ!」
セルはセルJr.を人数分、つまり七匹を産み出した。
「今さっきの攻撃で死にかけた私は先程より遥かに強くなった。その私から産まれたセルJr.ならば、ククク。誰も敵わないのだ!」
セルは完全にキレている、頭の良い奴だと思っていたんだがな。
そんなことを考えている場合じゃない、確かにこれは不味い。ヤムチャさんはさっきの戦いで体力を消耗している。ミネラさんもヤムチャさんに気を送っているから只でさえ皆より低い戦闘力がより際立ってしまっている。
ピッコロは腕を再生させて一番まともに戦っているが、それでも劣勢には変わりなかった。
天津飯さん、ギニュー、16号、クリリンさんは当然セルJr.には勝てない。
俺もセル本体が相手になっていて援護が出来ない。
畜生!このままじゃ皆やられちまう!
そんなとき、通常の三倍のスピードで援護に駆けつけた男がいた。
「キャスアさん!」
最大スピードでミネラさんと戦っていたセルJr.を蹴り飛ばし、抱き抱えていたこの地球の新しい神様デンデを下ろして戦闘に加わる。
「すまない、遅くなった」
本来神様の守り人であるキャスアさん、そしてデンデがこんなところに来るなんて誰も想像していなかった。
「地球のピンチをノコノコ見ている私ではない。ドラゴンボール用意した、必要に応じて使って欲しい」
キャスアさんの参戦と、デンデの治療のお陰でヤムチャさんが戦線復帰、これによりセルJr.達は徐々に押され始めていった。
俺はと言うとパワーアップしたセルに界王拳も全快で挑んでいるが互角かもっと不味いか…
「どうした!その程度か!」
「死にかけといてよく言うぜ!」
出すしかない、界王様!忠告無視させて貰うぜ!
「四倍!狼牙風風拳だぁぁぁ!」
その頃、ギニューがドラゴンボールを使った。
「さあ神龍よ!私にあれを復活させてくれ!」
「あれとはなんだ!」
「俺は言えないんだよ!日本語で言うと体交換って技た!」
「わかった。願いは叶えたぞ!2つの目願いを言え」
願いを叶えたギニューは既に戦線に戻っていた。
「……消えて良いのかな?」
ギニューは早速ボディチェンジをした。セルJr.と!
「フフフ、ハハハ!見た目は最悪だがこれで勝てる!」
セルJr.の姿をしたギニューは味方を装いセルJr.に接近し、致命傷を与えさせる。心と体が完全に一致はしていないのでトドメはそのセルJr.と戦っていた人に任せた。
「良いぞギニュー!だけどもうチェンジは禁止だからな!」
元々のギニューの体は既にヤムチャさんがかめはめ波で処分し、あと少しで消えようとしていた神龍に、ギニューのボディチェンジにキーワードを付け封印させていた。
「くぅ!俺はこれからこんなダサい体なのか!」
こうしてセルJr.は全滅した。
そして俺の方に戻る。
自分の体が悲鳴を上げるのを感じながら四倍狼牙風風拳を使う俺は、セルにダメージを与え続けた。
「あり得ない!たかが地球人ごときにこの俺がぁぁ!」
狼牙風風拳最後の一撃を放ちセルを上空に上げる。
「覚えておけ!サイヤ人だけがすべてじゃないと!地獄の地球外生命体に話しとけ!10倍かめはめ波だぁぁ!」
「まだだ!かめはめ波!」
この状況で体制を整えてかめはめ波を放つなんて、素直にすごいと思う。だけどな、セルゲームを終了させた時点でお前の負けは決まっていた!
「蓄積ぉぉ!」
俺は見逃さなかったぞ、お前本体が消滅する瞬間にセルJr.をもう一体放ったことを…
どこだ、どこに隠れたんだ!
俺は悪知恵を働かせ、繰気弾と繰気爆弾を二つずつ、誰にも見られないように放った。
「皆やったぞ!セルの気が完全に消えた!俺達はセルに勝ったんだ!」
完全に油断したように見せ掛け、セルJr.が誘い出されるのを待った。
「ライア、後ろだ!セルJr.がもう一匹!」
ヤムチャさんがそう叫んだ。
見事に引っ掛かってくれた。
俺は振り返りながら隠していた繰気弾を二つセルJr.に直撃させた。
そして繰気爆弾を二つ体内に入れセルJr.を木っ端微塵に…
この戦いの最後を締め括ったのは、繰気弾だった。
後から聞いた話だと、セルJr.は俺に自爆攻撃を仕掛けようとしていたらしい。
全く、栽培万のヤムチャさんとの自爆を彷彿とさせるようなことをしてくれるなぁ~。
緊張とかが抜けた俺は、体中が悲鳴をあげていることに気が付いた。
幸いデンデの治療で完治したが、やはり骨が砕けて肉に食い込んでいたりしたと言う。むしろ何故立っていたのか不思議な状態だった。