[完結]師匠はヤムチャ！突然来たドラゴンボールの世界 作：ゆーこー
全員が最初から全力を出して魔人ブウに突撃した。
一番早く接近した俺の空中真狼牙風風拳を魔人ブウに軽く受けられ、コンマの差で追い付いたヤムチャさんも真狼牙風風拳をお見舞いするも、どちらも片手で対応された。ラディッツとバーダックが足元から殴り掛かろうとしたが、ブウは足を伸ばして二人を軽く蹴り飛ばした。
伸びた足が収縮される前にクリリンさんが気円斬で切断。すかさずナッパがｸﾝｯ!と、消し炭にした。
ピッコロとギニューが更に下から追撃を試みたが、俺とヤムチャさんの首を掴んだ魔人ブウが俺達を弾にしてピッコロとギニューに投げ、四人揃って吹き飛ばされた。
ジンジャーとホーディッシュが気弾で牽制しながら接近。ジンジャーが俊足でブウの背後に回り込み挟み撃ちの形を取るも体をねじ曲げたブウが駒のように二人を吹き飛ばした。
「喰らえ！スーパーデコピーン！」
母のミネラにより高速で投げられたコウがブウ目掛けて一直線に突撃。驚いたブウは手で防ごうとしたが、渾身の力を指先一点に込めた一撃は、本人の何倍もの力を発揮し、魔人ブウの手が威力で爆ぜた。
復帰したラディッツが気功波で援護し、気功波の後ろからバーダックがライオットジャベリンを仕掛けた。
ブウは気功波を跳ね返したがバーダックはそれに負けず突っ込み、ブウの腹に風穴を開けた。
しかしブウも体の再生を始め五体満足に戻る。
イラついたらブウはバーダックの右足をへし折った。
「ぐわぁ！まだまだぁ！」
バーダックはブウの頭に気弾をブチ込み爆風で地上に落下した。
一瞬空いた攻撃の隙に、気円斬が鬱陶しいクリリンさんが狙われた。ブウのビームで一瞬にしてクリリンさんの心臓が貫かれ、ミネラさんの看病虚しく死は逃れられなかった。
「「繰気弾！」」
俺とヤムチャさんの一子乱れぬ繰気弾の連携でブウを翻弄しながら、ナッパ、ピッコロ、ギニュー、ホーディッシュが力を溜めている方向に誘導。ブウはそれに気付き引き返そうとするがジンジャーが殴って強引に送った。
「喰らいやがれはぁぁぁ！」
四人の渾身の気功波等の技でブウを消し飛ばした。
「残りカスを消し飛ばすんだ！」
急いで蒸発させようとするが、ブウの細胞が細かすぎて発見できないものがありまた再生を始めてしまった。
「スーパーデコピーン！」
再生途中のブウに攻撃を仕掛けたコウだったが少し再生が遅れる程度だった。
「かめはめ波！」
ヤムチャさんも攻撃したが、やはり無理だった。
「狼牙手装拳！」
俺が再生直後のブウを切り刻み、ナッパが破壊を試みたがこれも失敗。しかし、時間稼ぎは充分にこなせている。
「いい加減に、しろぉぉ！」
ブウの怒りで周囲の物を全て壊す気の爆発が起きた。
これに巻き込まれた追撃に行こうとしたギニューとピッコロが重体となった。
重体となった者はミネラが回復させつつ非戦闘員のみんなの方に移動させている。
「ブウもいよいよ本気だぞ！気を付けろ！」
ヤムチャさんの言葉を聞かずナッパが迂闊に接近した。
「死ね」
ブウの気功波でナッパがグロテスクな形になったあと消し飛んだ。丁度ベジータに消されたときのような姿だった。
「あんなの時間稼ぎ出来るかよ！？」
ジンジャーが娘のホーディッシュを逃がそうとしたところを腹部を貫かれ重症。怒ったラディッツとホーディッシュが冷静な判断力を失い特攻。全員で援護はしたものの二人は戦死した。
「おい！ヤムチャ！ライア！少しだけ時間を稼ぐ。フュージョンしてこい！」
既に右足の使えないバーダックさんが俺達にそう言った。
「急げ！お前ら抜きじゃそう長くは持たねぇ！」
「すまん皆！すぐ戻る！」
「……みんな！死ぬなよ！」
「甘ちゃんが…必死でやらねぇで戦える相手かよ」
俺達が非戦闘員のみんなのいる方まで後退すると、
「人手が必要なんだね？あたしも行くよ！」
と18号さんが向かっていった。
「早くやるぞライア！」
「はい！」
「「フュージョン…はっ！」」
「元々俺はたまたま生き返っただけの……存在。カカロット、ラディッツ、そしてその家族と居れただけで充分すぎるぜ。俺も、久し振りに嫁に会いたくなっちまった……待ってろギネ……今いくぞぉぉ！ファイナルスピリットキャノン！」
他の者は倒れ、残されたバーダックは最期の必殺技をブウに撃ち込んだ。
「ハァハァ、あばよ…後は、任せたぞ」
力を出し尽くしたバーダック、地面に倒れ伏した。