[完結]師匠はヤムチャ!突然来たドラゴンボールの世界   作:ゆーこー

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第101話 異世界転生者

ジンジャーさんは数秒間の沈黙の後、語りだした。

「今話していることは私の知ることではない。界王神の力により私の会った彼女の記憶を再生したものである」

不気味な雰囲気だった。いつもの彼女の野生っぽい雰囲気は無く機械的に話している。

 

近未来、我々の住む世界。

転生系作品のブームは最高潮に達していた。

そのブームに乗ったとある日本の科学者達が、異世界転生を可能とする装置を開発したのだった。

ライアの姉、ユズはその開発チームの二番手だった。

 

試作装置は猿での実験を行い無事成功した。

そして、人間での試験段階に入ろうとしていた。

 

ユズは善意でライアをその装置の記念すべき転生者第一号になってもらおうと誘った。ライアは目を輝かせその誘いを受けた。

 

ライアが希望したのは勿論ドラゴンボールの世界であった。

さてこの装置、試作段階という理由もあり異世界に行くには適性が必要であった。

ライアは無事その適性をクリアした。

 

「異世界とのシンクロ率100%…ユズさん、あなたの弟は大したものだよ」

 

開発チームのメンバーは口々にそう言った。

この装置はシンクロ率が高ければ高いほど異世界に希望通り飛ばされるという仕組みに理論上なっている。

ライアは人間でZ戦士の新たな仲間としてDB初期から登場したいと言った。出来ればヤムチャの弟子になりたいとも言った。

 

その希望を全て詰め込んでライアはドラゴンボールの世界へと飛ばされるのであった。

 

 

 

しかし

 

 

 

 

「緊急事態!緊急事態!被験者の意識が不明!肉体がこの世界から消えていきます!」

「な、いったい何が!」

「シンクロ率100%を越えています!」

「ライア!!」

ユズは装置の元へ駆け寄ったがそのときにはライアの身体は完全に消えていた。

 

 

ユズは開発チームのリーダーに駆け寄った。

 

「お、恐らくあまりの異世界とのシンクロ率の高さで、完全にあちらの世界に行ってしまったのだと思われる…」

「じゃあライアはあっちの世界にあのまま!?」

「わからん、もしかしたら記憶も一部無くなっているかもしれない。それも、最近の記憶の方から」

「一体、どうすればライアを救い出せますか?」

「確か、彼はドラゴンボールの世界に行くと言ったな?ならば、全く同じ世界に誰かが転生し、ドラゴンボールとやらでこの世界に戻してくれるよう願えばあるいは…」

 

「私行きます!私がライアを誘わなければこんなことにはならなかったんです!私を!私をあの世界に飛ばしてください!」

「待て待て!まずは適性検査から…」

 

ユズの適性検査の結果

 

 

シンクロ率53% これは、ギリギリ転生は出来るラインである。

 

 

本人の希望はほぼ無視して異世界に飛ばされることになる。

シンクロ率の低さから記憶などの内面的なものの保管は保証されているが、身体に関しては新しく生成されている可能性が高かった。

 

 

ユズはドラゴンボールの世界へと飛び立った。

それは世界を変える力になるかはわからない。

しかし、世界に影響を与える可能性の充分にある転生だった。

 

 

「そして、ここからはあたしの記憶だ。ちなみに今まで言ったことを私は覚えてないから、もしかしたらおんなじことを言うかもしれないが許してくれ」

いつもの彼女に戻った。

「お前の姉は科学者だった。そう私は聞いてる。何でも、実験の失敗で帰れなくなったお前を連れ戻すためらしい。後を追ってこの世界にやってきて、惑星ベジータから何とか地球に行こうとしたんだ。

私はあいつと同い年で、あいつと、他四人のサイヤ人でチームを組んでたんだ。

あいつは小さい頃から腕っ節は悪いがサイヤ人らしからぬ知性があった。まあ、頭が良くてもサイヤ人じゃあ意味無いがな……

でもアイツは生き残るのが上手かった。相手の実力を見抜き、勝てない相手はこっちに回してたからな。

さて、そんなことを続けているうちに、惑星ベジータ消滅の日が近付いてきてたんだ。

その頃になると最初から一緒に居たやつなんてアイツしかいなかった。あいつはよく「私は転生者だ。弟を助けに来た」と言ってたけど、結局最後の最後まで私はその言葉を信じることは出来なかった。一番信頼できる存在だったけど、やっぱそんなおかしな話は信じることが出来なかった」

 

ここまで話すと、ジンジャーさんの顔は険しくなっていた。

 

「そして運命の日、私達は丁度惑星ベジータに帰ってきていた。これからゆっくり休もうかと思っていたとき、下級戦士から戦闘力一万まで上り詰めた男、バーダックが騒いでたんだ。それを見たアイツは顔面蒼白、ガクガク震えて口を手で隠しながら遂にこの日が来てしまったのね…って言うもんだから、

一体何が来たって言うんだって聞いたら、惑星ベジータがフリーザに破壊される何て言うんだ。当時の私はそんなこと信じられるはずもなく、バカ言ってないで風呂でも入ろうぜって言ったんだ。大人しく一緒に風呂に入ったから大丈夫かと思ったんだ。そしたら急に真面目な顔でまた信じられないことを言ってきた。『前から話してると思うけど、私はこことは違う世界からとある装置でやって来たの。それは、その装置のトラブルでこの世界に同化してしまった弟を救い出すため。』私は『はぁ?お前何言ってんだ?』と言ってしまった。だが、あいつの目はマジだった。私はフリーザがこの星を破壊することも弟を救うなんてことも信じられなかったけど、ずっと一緒にいたこいつのことを信じた。だから私はあいつの言う通りにした。

急いで戦闘服に着替えてスカウターを着け、一人用のポッドに向かった。

私とあいつは無事脱出することに成功したのだが、逃げた先の星にはサイヤ人を殺すよう命じられていた兵士が待っていたんだ。

ポッドから降りたばかりのあたしたちを、兵士は不意打ちで放った気功波であいつの胸を撃ち抜いた。その後すぐあたしがその兵士をぶっ殺したんだが、もうあいつは死ぬ間際だった。あたしは抱き抱えて『おい!大丈夫か!?返事をしろ!』って大声で言った。そしたらあいつはギリギリの意識であたしに最期の言葉を残してた『聞いて…ジンジャー……フリーザは生き残りのサイヤ人を部下にする。今はまだその命令が出てないだけ……私の弟の名前がもし変わってなかったら…ライアっていう地球人になってるはずなの…あの子を見たら私の言葉…信じてね……』そういうとあいつは息を引き取った。これが私の知ってる全てだ」

 

 

俺はそんな何年分もの記憶が無くなっていたのか……

ユズ姉ちゃん、すまない!

「ちなみに、貴方はこの話を聞いた上で元の世界に帰りたいと思いますか?」

界王神様が訪ねてきた。

「最後には帰って姉を安心させたいですが、まだ早いです。この世界に存在する以上。二度と生き返られなくなるまでこの世界に残ります」

「そうですか。わたしに出来ることがありましたら、何でも言ってください。これでもわたしはこの世界を管理する立場にあるんですから」

界王神様に礼を言い。この話を聞いて驚いていたヤムチャさんがこちらを見つめた。

「ライア、お前が何者だったかというのは関係無い。俺にとってお前は掛け替えのないライバルなんだ!そして、信頼すべき弟子だ。まあ、今は師弟関係は無しにしちまったけどな」

「ヤムチャさん…ありがとうございます!」

 

俺はヤムチャさんの言葉に励まされた。やりきるぞ。この魔人ブウを乗り切るぞ!

 




投稿が遅れて本当に申し訳ないです。リアルの忙しさ、病んでた等言い訳は沢山あるのですが何よりも気力が振り絞れませんでした。遅くなると思いますがドラゴンボールZをしっかり終わらせたいと思います!

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