幻想殺しと電脳少女の幻想郷生活   作:軍曹(K-6)

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Stage4 吸血鬼同士の闘争で目覚めた旦那

「・・・なぁ忍。次の相手に対して何か知ってる事無いか?」

「どうしたのじゃあるじ様。ドラマツルギーの時は何も聞かなかったのに」

「流石に何の情報も持ってないのは痛いと思ってな」

「そうじゃな奴はエピソード。ヴァンパイア・ハーフじゃ。ヴァンパイア・ハーフは吸血鬼よりも不死力が弱い代わりに、吸血鬼としての弱点をほとんど持たんのが特徴じゃ」

「吸血鬼の利点が弱くなる代わりに弱点がほぼ消えるってことか」

「そう言うことじゃな。じゃが、普通にやり合えば吸血鬼であるあるじ様が負けることはないじゃろう」

 

 

上条は夜の人里外れた場所に来ていた。

上条が向かうとそこにはすでにエピソードがいた。自分の身体よりも大きな十字架を背負って状態で。

 

「ははっ、超ウケる。お前、ドラマツルギーの旦那ボコボコにしたんだってな」

「・・・・・・・・・」

「でもまぁ、おれはドラマツルギーの旦那みたく甘くねぇーからよー。きっちり退治してやるよ、ハートアンダーブレードの眷属よぉ!」

「返り討ちにしてやるよ。吸血鬼もどき」

 

吸血鬼の能力しか使わないと言った矢先。上条の体から吸血鬼の力がどんどん抜けていく。

 

「あ? なんだそりゃー」

「まさか・・・」

「ク・・・。クハ・・・ッ。クハハハッハハハ」

 

上条の体から吸血鬼の能力を九割九分抜き取ってその男は幻想郷に出現した。

 

「起きてたのか。お前」

「我が宿主。情けない。吸血鬼としての能力をほとんど引き出せていないではないか」

「いやいや。そんな事言われても」

「では勉強会と行こうではないか」

「何だオメー。無視してんじゃねぇ」

「私か。私の名前はアーカード。()特務機関『HELLSING』()()()()()。お前等みたいなの専門の殺し屋だ」

「出てきちゃったよ」

「殺し屋? 殺し屋だぁ? 本気か? 正気か? お前?」

 

エピソードは怒りを滲ませた顔をして、肩に担いでいた馬鹿でかい十字架を上条達に目掛けてぶん投げる。

十字架は横回転しながら上条達に向かう。上条はその場に棒立ちになるアーカードを放ってアーカードの吸血鬼の能力を放って、忍野忍の吸血鬼の能力を使う事にした。

上条は武器を投げ終えたばかりのエピソードの所に向かって駆ける。が、上条がエピソードに殴りかかった瞬間にエピソードが霧となって消えた。

 

「ほう。霧になれるのか!」

「それだけだと思うぜ? ああやって距離を取って十字架を投げてくるんだろう」

「つまらん。つまらないな」

 

アーカードはコートの中から白銀の銃を取り出し、発砲する。

 

「殺し屋ってのも大したことねーな! 吸血鬼に銃が効く訳が・・・。あぁ!?」

 

エピソードの腹には大きな穴が開いていた。

 

「ランチェスター大聖堂の銀十字を錫溶かして作られた13mm爆裂徹鋼弾だ。コイツを喰らって無事な化物なんていないよ」

「ははっ、超ウケる。これじゃあまるで」

「噂に聞いた吸血鬼アーカードだって? その通りさ」

 

光速で突っ込んだ上条は、思いっ切り振りかぶって拳をエピソードの顔面にぶち込んだ。縦に回りながら飛んでくエピソード。上条は隙を逃さまいとエピソードへ走ろうとした。

が。

 

「そこまでだ、上条くん」

 

唐突に肩を掴まれた上条は少しびっくりする。

 

「勝負ありだよ。上条くんの勝ちだ」

「だが、相手は降参してないぞ?」

「そりゃそうだよ。今の上条くんの鉄拳で気絶しちゃったからね。相手の戦闘不能で上条くんの勝ちだよ」

「そうか」

 

(どうやら、勝てたようだった。というか、忍野がここにいるという事は・・・まさか・・・・・・)

 

上条がギリギリとアーカードがいる方に首を向けると、困ったような顔をしたアーカードが上条の方を向いていた。

 

「なぁ、我が宿主よ。この娘は何なんだ?」

「えっとなー」

 

アーカードの足元では金髪幼女(忍野忍)が『本物じゃ! ぱないの!』とか言いながらぐるぐると回っていた。

 

「俺の眷属だよ鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼・・・ハートアンダーブレード」

「ほう」

「あるじ様! マジモンか!? 改めて確認するがマジモンのアーカードなのか!?」

「あぁ、そうだよ」

「ぱないのう!」

「まったくそうは見えないな」

「だろ? 威厳とか全くなくなってただの幼女に成り果ててるんだから」

 

そこで上条は思い出したように団子を取り出す。

 

「おぉ! それは!」

「今度は左脚。後は両腕だけだからもうちょっと待ってくれ」

 

 

 

 

「どうじゃあるじ様よ! 可愛いか?」

 

一気に、十七歳くらいの外見年齢になった彼女が元気よくそんなこと上条に問う。

 

「・・・いや、可愛くはないな」

 

その言葉に意地悪をする上条。

 

「そ、そうか・・・」

今にも泣きそうな顔で下を向く忍に、背中を走るゾクゾク感を覚えながら上条は。

 

「だけど、とても綺麗だよ。忍」

 

表面上は笑みを作ってそう言った。

 

その・・・・・・ありがとう

 

忍は小さな声でそう言った。

 




アーカードさん覚醒。

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