超次元機動戦士ネプテューヌ   作:歌舞伎役者

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やってやった。やってやったぞ。後悔はない。


告白

ミズキ「次、誰行く?」

ねぷ「あ、ねえ私1人で飛んでいい?」

ミズキ「いいけど……飛べるの?」

ねぷ「なんとかなるなる!助走を付けて〜」

 

ネプテューヌが精一杯後ろに戻って「よーい」の準備をする。

 

ぶらA「その、次……お願いできるかしら」

ミズキ「ん、わかった。この前みたいのがいい?」

ぶらA「……お任せするわ」

ミズキ「はいはい。クスクス……」

 

消え入りそうなブランの声も聞き逃さずに抱き上げる。

前、つまりミズキが最初にルウィーに行った時と同じのお姫様抱っこだ。

 

ぶらA「っ………」

ミズキ「よし、それじゃ……」

ねぷ「ぴょ〜ん!カンガルーのように!」

 

ネプテューヌがミズキの横で走り幅跳び。

しかし。

 

ねぷ「いぃぃぃぃ…………」

ミズキ「落ちた⁉︎」

のわA「あの、バカ……」

 

突然の女神堕天の報告。

しっかり変身したあっちのノワール達が引き上げてくれました。

 

ぶらA「あの、その、早く……」

ミズキ「あ、ごめんごめん。んっしょ」

 

もう1度ブランを抱え直して大ジャンプ。ミズキは堕天することなく向こう岸にたどり着いた。

 

ミズキ「はい。お嬢様、乗り心地は如何でしたか?」

ぶらA「……うるさい」

ミズキ「お褒めいただいてるようで。クスクス……」

 

顔がうっすら紅潮しているブランの頭を撫でてまた戻る。

 

ぴー「ね、ぴーもいく!」

ミズキ「ピーシェも?じゃあ、はい」

 

しゃがみこんで両手を差し出すがピーシェが飛び込んで来ない。ピーシェは首を振って両手を出した。

 

ぴー「なげて!」

ミズキ「投げ⁉︎」

 

想像の斜め上をいく穴の渡り方だ。

ミズキは渋々ながらもピーシェの手を握って回り始める。

 

ぴー「あはは!」

ミズキ「ジャイアントスイン、グぅっ!」

ねぷ「あべし!」

 

なんということでしょう。

匠によって撃ち出された黄色の弾丸は吸い込まれるように紫の女神に向かって行ったではありませんか。

あんなに元気だった紫の女神もほらこの通り、即死です。

 

ねぷ「死んで……ない……」

のわA「しぶといわね」

 

おかしいな、あの威力なら即死のはずなのに。きあいのタスキとか持ってたのかもしれない。

 

ぴー「あははは!ねぷてぬたおれた!」

ねぷ「……身代わりの習得を……」

のわA「誰に身代わりさせるつもりなんだか」

 

ネプテューヌはぐったりと床に倒れてその上にピーシェが跨っている。ピーシェはぺしぺしとネプテューヌを叩いて追い討ちをかけている。

 

ミズキ「それじゃ次は……」

べるA「私は私に運んでもらいますわ」

ミズキ「そう?」

べるA「ええ。なので残った1人を運んであげなさって」

べるB「運びますわよ?」

べるA「頼みますわ」

 

ベールAがベールBに運ばれていく。

去り際にベールAがノワールAを見てウィンクしていく。

 

ミズキ「じゃあ……」

のわA「た、頼むわ。……優しく、慎重にね」

ミズキ「了解です、お姫様」

 

クスクスと笑いながらミズキが寄ってくる。

 

ミズキ「抱かれ方にリクエストはある?」

のわA「い、いいわよ普通ので」

ミズキ「ん。それじゃ失礼」

 

ノワールがミズキが抱きやすいように両腕を横に開く。

ノワールの脇の下にミズキが手を入れて持ち上げ、抱き上げた。

 

ミズキ「それっ」

のわA「っ」

 

ふわりと一瞬の浮遊感がノワールを襲う。

いつも空を飛んでいるはずなのだが、自分で飛んでいるわけではないからかノワールは少し不安になり、きゅっと抱き締める腕に力を込める。

それを感じたミズキが小さく笑った。

 

ミズキ「はい、おしまい。残り時間は?」

べるB「あと1時間くらいですわ」

ミズキ「余裕だね」

のわA「あの、ミズキ、その、ありがと」

ミズキ「どういたしまして。っても、この穴自体僕が作っちゃったものだし」

 

申し訳なさそうにミズキが頬を掻く。

ノワールBはそれを横目で見ながらミズキが全て計算済みである可能性を考え疑心暗鬼に陥っていた。なんだか喉も痒かった。

 

ぶらB「ここから先はワープポイントで先に進むらしいわ……」

ミズキ「へえ。それでワープポイントってどこ?」

ぶらB「あそこじゃない?」

 

ブランが指差した向こうには小さく光るワープポイント。

……とその前に立ちふさがるモンスター。

 

ねぷ「ねぷっ⁉︎多くない⁉︎」

ぶらB「硬そうね……。腕がなるぜ……!」

のわB「私達の出番ってわけね」

べるB「突破口を開きますわよ」

ぷる「いいとこ〜、見せてあげる〜」

 

4人の女神が変身した。

同じような容姿といってもプロセッサユニットは微妙に違う。プルルートはもう、何もかも違う。見慣れたけど。

 

ぶらA「大丈夫?随分数が多いけど……」

ぶらB「任せな。もともとそのつもりで来てる」

 

武器を構える女神達だったが、ミズキが女神達の前に出た。

 

のわB「ちょっと、下がってなさいよ。ここは私達の出番よ」

ミズキ「悪いけど、出番は譲ってもらうよ。僕だって、いいとこ見せなきゃ」

 

クスクスと笑ってミズキは右手を胸に当てた。

 

ミズキ「あと、これから先しばらくは金輪際ぼくに近づかないでね」

 

全員『⁉︎』

 

笑顔でそんなことを言うミズキに全員が凍りついた。まさか、怒ったとかそういう……。

 

ミズキ「でないと、服脱げちゃうから」

のわA「……へ?」

ミズキ「変身」

 

ミズキが光に包まれる。

その光が消えた時、立っていたのは白い機体。近未来的な流線的な装甲が目立つが、何よりも目立つのは……。

 

ねぷ「ヒゲ⁉︎」

ターンエー《ヒゲじゃない、ターンエー》

 

他のガンダムとは一線を画している形だ。

 

ターンエー《言いたいことはわかるよ?筆者も最初はそうだったもん。でもね、見てるうちに段々カッコよく見えてくるんだよ》

ねぷ「ええ〜……。うっそ〜……」

ターンエー《原作見たらわかります。それともう1つ》

 

ターンエーがモンスターに向き直った。

 

ターンエー《無双はガンダムの18番だよ!》

 

ターンエーが単身敵に向かって飛んでいく。

止める暇もない。

しかしターンエーの背中からキラキラした青白い粒子が背中から放たれ、それはまるで巨大な蝶のように広がる。

 

ターンエー《月光蝶!呼ぶよ!》

 

ターンエーがモンスターの上空を飛んでいくことで月光蝶がモンスターに触れる。するとモンスターは触れた端から砂になって消え、上半身を失っていく。

 

のわB「な、なによアレ!どんな武器⁉︎」

ターンエー《機械モンスターばかりで良かった。動物とかには効かないからね……!》

 

月光蝶はナノマシンを散布し、文明を砂に変えてしまう恐ろしい武器だ。過去に何度も文明を砂にして、リセットしてしまうほどの。

そのため、月光蝶に触れた機械モンスター……つまり文明は砂になって消えてしまうのだ。

ターンエーが部屋の端にたどり着く頃には全てのモンスターが砂になってしまっていた。

そして塔の中に風が吹き荒れ、砂を撒き散らす。

そして変身を解いた。

 

ぶらB「ったく、なんてヤツだよ……」

ミズキ「さ、行こう!みんなで!」

 

ニッコリとミズキが微笑む。

全員ため息を吐いてついて行った。その後にはしっかりと笑っているのだが。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

10000階にたどり着いたミズキ達。

すぐ前にはボロボロでコケが生えている遺跡のような大地がある。さっきまでの近未来的な足場とは大違いだ。

そして星型に5つの分かれ道。

 

ミズキ「分かれ道が……5つ。手分けしよっか」

のわA「ちょうどいいじゃない。別次元の自分達でペア組んで……ミズキはピーシェと組む?」

ミズキ「そうだね」

ピーシェ「ぴー、ねぷてぬといきたい!」

ねぷ「うっ、よよよ……。そんな嬉しいことを……」

ミズキ「クスクス、今回ばかりはネプテューヌに負けちゃったね。いいよ、行ってきな」

ぴー「うん!」

ぶらA「……待って。ということは、ミズキは……」

ぷる「私と。……ってことになるわねぇ」

ミズキ「そういうことだね」

のわA「ちょっと待ちなさいよおかしいわよそれ!っていうか変身解きなさいよ!」

ぷる「いいじゃない。いつ変身しようが私の勝手でしょう?そ・れ・に……」

 

プルルートこと、アイリスハートが指先でコツンとノワールAのおでこを小突く。

 

ぷる「こんな時くらい、いいじゃないのぉ。アナタ達はいつも一緒にいるんでしょう?」

のわA「うぐ」

ぷる「もしかしたら、盗っちゃうかもしれないけどぉ……許してねぇ?」

 

プルルートが手を振りながら行ってしまう。

 

のわA「ぐぐ……!なんなのよあの余裕は……!」

ぶらA「……不安しかないわね……」

のわB「ま、なるようになるわよ。一応ミズキはプルルートに勝ったって言ってたし、心配はいらないんじゃない?」

ぶらA「とは、言っても……」

ぶらB「不安なら、さっさと回収して戻ってきましょう。今のプルルートには何を言っても無駄よ」

べるA「それじゃあ私達は先に行ってますわね。それでは」

べるB「皆さんも、お気をつけて」

 

ベール達は手を振りながら1つの道へ消えた。

 

ねぷ「私達も行こっか!」

ぴー「うん!はやくはやく!」

 

ピーシェとネプテューヌ組も手を繋いで走って行く。

 

ぷる「それじゃあ、私達も行ってるわねぇ」

ミズキ「またここで会おうね」

 

ミズキとプルルートも行ってしまう。

ミズキは去り際、ペロリと舌を出してノワールとブランに合図していく。

大丈夫、という合図だろうか。

 

のわA「……不安だわ……。自信あるみたいだけど……」

のわB「イジイジしてても仕方ないわよ。私達も行きましょう」

ぶらA「……そうね。本題はロムとラムのためだし……」

ぶらB「急ぎましょう。それじゃまた」

 

ノワールとブラン達も別々の道に消えていく。

しかし彼女らにはふと、違和感が芽生えた。

 

のわA、ぶらA(ん?なんで合図……?)

 

 

ーーーーーーーー

 

 

ミズキとプルルート組、少しばかり駆け足で急ぐミズキとプルルート。

するとすぐに行き止まりにたどり着いた。

 

ミズキ「行き止まり、か……。ここは外れみたい」

 

振り返って別の道を探そうとして後ろを振り向くとプルルートが頬を両手で触ってきた。

 

ぷる「ねえ、ミズキ?あのキスの意味……わかってるわよねぇ」

ミズキ「……もちろん。間違って受け止めてる気はないよ」

ぷる「よねぇ。てっきり、次にこっちに来た時がその時かと思って……内心私、凄くドキドキしてたのよぉ?」

 

プルルートの右手がミズキの頬から離れて鎖骨の窪みをなぞる。

ミズキは少しこそばゆかったがプルルートの瞳を見つめ続ける。

 

ぷる「だからぁ……『あと少し』って言ってたけど、今、教えてくれないかしらぁ?」

ミズキ「…………」

ぷる「あの2人の気持ち……気付いてるわよねぇ」

ミズキ「うん。今頃気付いてる頃かもしれないね」

 

「大丈夫、抜け駆けされることはないよ」という意味の合図だった。

それはつまり、2人の好意を知っていると言ってもいい。

 

ぷる「でぇ?決断はどうする気?」

 

プルルートがさらに顔を近づけてくる。

額と額がくっついた。プルルートの前髪がこそばゆい。目と目が近い。プルルートの甘い香りが鼻腔をくすぐる。

そんな風に段々と今の状況を認識していく。ミズキだって動揺はしているが、それはプルルートも同じだった。

お互い平静を装っているが、頬が少し染まっている。

目を瞑り、唇を前に出す。それだけで同意が完了する体勢だ。

 

ぷる「私……わかってるつもりよぉ?アナタが優しいっていうのもわかってるつもりだし……だからぁ、私をフったっていいの。仕方ないわよぉ、あんなことしでかしたんだから……」

 

プルルートが言っているのはエディンとの戦争の時の話だろう。

毒のせいとはいえ、ミズキを刺した。

 

ミズキ「違う、プルルート。そんなことで君を嫌いなんてしないよ」

ぷる「……じゃあ、誰を選ぶ気ぃ?もしくは、全員?それともぉ……誰も選ばない?」

 

プルルートが額と額をくっつけたまま瞳を見つめてくる。

けれど、その瞳は揺れている。不安なのだ、彼女も。

 

ミズキ「僕は、プルルート達が僕を好いてくれるのを嬉しく思う。本当に、心の底から。それはきっと、今まで他の誰にも向けられたことのない気持ちだし、これから先向けられることがないかもしれない気持ちだってこともわかる」

 

プルルートが泣きそうな顔になる。ミズキの言葉の先を察したのだろう。

普段から眉は垂れているものの、今はさらに。あと少しだけでも言葉を紡げば決壊してしまいそうだ。

それでもミズキは言葉を続ける。

 

ミズキ「でも、僕は君の、君達の言う『好き』ってことがわからない。僕は1度間違えたんだ。『好き』って気持ちを間違えた。ねえ、プルルート。僕の胸にあるこの気持ちって好きって言える?」

ぷる「そんなの、そんなのぉ……」

 

プルルートの瞳に涙が滲んだ。

ミズキの頬から手が離れてミズキの胸に添えられる。

 

ぷる「鼓動が、物語ってないぃ……?」

ミズキ「……なら」

 

ミズキがプルルートを抱き締めた。

ミズキの胸の中にプルルートが顔を埋める。プルルートもミズキの背に手を回して強く抱き締めた。

 

ミズキ「なら、僕は……ごめんね、みんな好きだよ」

ぷる「それはぁ……っ、フってるつもり……?」

ミズキ「そんなことないよ。……プルルートも好き、みんなも好き」

 

プルルートの頭が優しく撫でられる。

 

ミズキ「僕はとんだ浮気者みたいで。……区別、つかないや。みんな、胸が高鳴る」

ぷる「ぅ、最低ぃ……」

ミズキ「うん、最低だよ、僕は」

ぷる「でも、私……」

ミズキ「言わせないよ」

 

顔をあげたプルルートの唇が塞がれた。

予想外の不意打ちにプルルートが目を見開く。けれどそれも一瞬のこと、触れ合った唇はすぐに離れた。

 

ミズキ「プルルート、好きだよ。これは……言わせない。僕が最初に言う」

ぷる「……私、も……。好き……ぃ……」

ミズキ「こんな、最低の男を?」

ぷる「うん。……だいすき……」

 

素に戻っているプルルートをさらに強く抱きしめる。

 

ミズキ「僕も、大好きだ」

 

少しだけ時が止まったような感覚。

いつまでもこうしていられる気がしたが……そんな時もそんなに長くは続かない。

静かな時は爆発音と悲鳴に遮られた。

 

「きゃぁぁぁぁっ!ひぇぇぇぇ!」

 

ミズキ「この声、ネプテューヌ……」

 

続いて大きな足音。モンスターに追いかけられているらしい。

視線をプルルートに戻すとプルルートが胸から顔を離してこちらを見上げていた。

 

ぷる「行きましょ。……いいから」

ミズキ「うん。行こう。でも君はお留守番ね」

 

意地悪に笑ってプルルートの瞳の涙を拭う。

 

ミズキ「顔、赤くなってる。……バレちゃうよ」

ぷる「……ミズキだって、顔赤いくせに……」

ミズキ「文句言わない。待ってなさい」

 

お互い抱き合いながらしゃがみこむ。

ミズキのは羞恥からくる赤さだが、プルルートは涙を拭った赤さなのだ。同じ赤さでも訳が違う。

プルルートは割り座になってそこに座った。ミズキとプルルートは離れたが、ミズキがプルルートの頭を撫でる。

 

ミズキ「すぐ、迎えに行くよ」

 

それだけ言ってミズキが駆け出していってしまった。

残されたプルルートは少し逡巡して、けれど立ち上がる。

 

ぷる「……待つなんて、できるわけないわよぉ……?」

 

ミズキ、現在彼女、1人。

 




ターンエーの最初はダサく見えても後半はカッコよく見える率は異常。最初はデストロイモードかっけーが段々とユニコーンモードかっけーになるみたいな。

ミズキが言うみんなはみんなです。みんな。ほんとみんな。

ちなみにこちらはグッドエンドのその後ですが、トゥルーエンドではまた毛並み変えようかと。ま、その前にトゥルー進めないといけないんですけど。

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