超次元機動戦士ネプテューヌ   作:歌舞伎役者

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ネプテューヌ瞬殺。この小者感。
この章は早く終わるかも。前回が長すぎだんだっつうの。


奮戦

撃ち抜かれた教会の上部は崩壊を始めていた。

祭りの会場となっていた場所にも鉄骨や天井の破片が落ちてきていた。

 

「みなさん、落ち着いて避難してください!」

「公園に向かうですぅ!」

 

ネプギアとコンパが懸命に破片から国民を守りつつ安全な場所へと誘導する。

 

「みんな避難したですか⁉︎」

「はい!もう誰も……っ!アイエフさんと、イストワールさん!ジャックさんも!」

「ど、どこに行ったですか⁉︎」

 

コンパとネプギアが周りを見渡すと階段を下ってくるアイエフとイストワールが見えた。

 

「アイエフさん!イストワールさん!」

「ジャックさんは、何処ですか⁉︎」

「ジャック⁉︎見てないわ、何処に行ったの⁉︎」

「そういえば、今日は部屋にいるって言ってました!」

「じゃあ、まだ逃げ遅れて……⁉︎」

 

イストワールの顔から血の気が引く。

 

「ジャックさん!ジャックさん!」

「待ってください、イストワール様!危険です!」

「ですけど……!」

「俺なら心配はいらない!」

「ジャックさん!」

 

上の階からジャックが降下してくる。

 

「急げ、避難しろ!ビフロンスが来たのだろう……⁉︎」

「ビフロンスって誰よ!」

「俺達の次元を壊した張本人……奴は悪魔だ!すぐに各国と連絡を取って倒さなければならん!」

「でも、連絡ができないのよ!」

 

アイエフとイストワールはここに来るまでに何度も各国に電話をかけていた。だがただの一度として通じない。電波も完全に掌握されているのだ。

つまり、各国に救援が頼めない。

 

「わかっている!それを俺がやるのだ……!」

「何をする気ですか⁉︎」

「地下へ。プラネテューヌが保有するスーパーコンピューターと直結して、奴のハックを打ち破る!」

「そんな、危険です!」

「いいからお前達は先に避難しろ!」

「ジャックさんっ!」

 

ジャックは地下へと向かって降下していく。

イストワールはそれを追おうとするが、みんなに止められた。

 

「イストワール様、ダメですぅ!」

「でも、ジャックさんは!」

「地下ならまだ安全です、ここは彼に任せましょう!」

「ですけど、撃ち抜かれない保証なんて!」

「行きましょう、イストワール様!ジャックは必ず帰って来ます!」

 

そうだ、まだ答えも言い渡していないのだ。

ジャックはまだ、答えを受け取っていないのだ。

だから、死なれたら困る……!ジャックだってそうだ、だから、きっと……!

 

「……わかりました。急ぎましょう!」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

ネプギア達が外に出るとさっきまで笑顔にあふれていたプラネテューヌから一転、泣き声がこだまする場所へと変わってしまっていた。

ネプギア達の誘導で公園に向かっているものの、怪我人や迷子は未だその場に留まってしまっている。

上空ではビフロンスとネプテューヌが戦っている。

 

「お姉ちゃんを助けなきゃ……!」

「待って、ネプギア!避難させるのが先よ!」

「でも…っ……!」

 

ネプギアは上空で戦っているネプテューヌを見る。一刻も早く助けに行きたいが、今は……!

 

「こちらです!公園へ向かってください!怪我人は運びます!」

 

怪我人や迷子を公園へと連れていく。

これで少なくとも周りに人はいなくなったはずだ。まだコンパが治療をしているし、迷子は親を探しているがすぐに見つかるだろう。

一安心していると国民の1人が悲鳴をあげた。

 

「パープルハート様が!」

「え⁉︎」

 

ネプギアがその声につられて上空を見るとそこにはビームを浴びているネプテューヌの姿があった。

 

「お姉ちゃんっ!」

 

ネプテューヌは結晶の中に磔にされ、爆弾に固定された。

それを見た国民が絶望する声を上げている。

するとビフロンスはビーム砲の砲口を避難している人達が集合している公園へと向けた。

 

「ん〜、あそこ。目が覚めた時たくさん国民が死んでたらショックだもんね」

 

ビーム砲にエネルギーがスパークし始める。

国民達は逃げ惑うが間に合わない。おそらく、この一帯は……!

 

「発射」

 

ビフロンスが手を振るとビーム砲から極太のビームが公園に向かって照射された。

ネプギアが諦めかけて目を閉じた、その瞬間。

 

 

ーーーー『MAIN TITLE』

 

 

《フィン・ファンネル!》

 

ビームとの間にコの字型のファンネルが6基入り込み、ファンネルとファンネル同士がビームの膜を張る。

それに阻まれてビームは弾け飛んだ。

 

「おっ」

《っ、くっ!お前、お前……!》

 

ネプギア達の前に新たなガンダムが舞い降りた。

名はν(ニュー)ガンダム。純白の装甲に身を包む、ニュータイプ専用のガンダムだ。

νは背中にフィンファンネルを収納してビフロンスを見据えた。そして次に視線はビフロンスに囚われたネプテューヌへと向かう。

 

《ビフロンスゥゥッ!よくも、よくもッ!》

「いらっしゃい、ミズキちゃん。アナタが来たなら……私もちょっと本気にならなきゃね」

 

ビフロンスが髪をかきあげるとそこには先程までのふざけた雰囲気はなくなる。

ただ冷たい瞳でνを見つめていた。

 

《ネプテューヌを返せっ!》

「大丈夫、死んではないわよ。アナタとの決戦に邪魔だったから閉じ込めただけ」

《決戦なんて、バカなこと!》

「あら、本気よ本気。前回私はアナタ達に負けた……。敗北は、乗り越えなきゃ」

《相変わらず、綺麗な言葉をッ!》

 

νが大空へと羽ばたいてビフロンスに向かった。

 

「わ、私も戦います!変身……っ⁉︎」

 

ネプギアが変身したが、力が抜けてその場に膝をつく。

 

「ネプギア⁉︎」

「まさか……!アイエフさん、シェアクリスタルは……⁉︎」

 

アイエフが懐からシェアクリスタルを取り出す。だがシェアクリスタルはさっきまでの輝きはどこへ行ったのか、錆び付いたように濁ってしまっていた。

 

「そんな、シェアが!」

「まさか、吸われて……!」

 

イストワールが空に浮かぶ爆弾を見るとその下部に大きく光を放つモノを見た。

間違いない、あの輝きはシェアクリスタルだ。

 

「ネプギアさん、変身を解いた方がいいです。消耗が激しくなります!」

「でも……!」

「今はミズキさん以外戦えません。彼に託すしか……!」

 

《行くよ、フィンファンネル!》

「擬似ファンネル、向かえ!」

 

νの背から6基のフィンファンネルが射出されてコの字型に変形して飛んで行く。

ビフロンスの周りには赤黒い結晶が6つ現れて反射して飛んで行く。

 

《何故、お前が今更!お前はあの次元の崩壊に巻き込まれて、死んだはずだ!》

「アナタ達が開いたゲートのおかげよ?次元が不安定な状態であんなゲートを開いたら、そりゃ異常も起こるわよ。結果、私の想いが結晶というカタチでこの次元に召喚された……」

《だったらもう1度倒すまでだよ!》

「できるかしら?1人ぼっちのアナタに!」

 

擬似ファンネルはνへと向かって行くがそのことごとくはνのビームライフルやフィンファンネルに撃ち落とされる。

 

《なんでみんなを弄んだんだ!どうしてみんなを傷つけた!》

「仕方ないじゃない。最初はエディンに国を作ってそのシェアで蘇るつもりだったのよ?事実私はあの黄色い子にも取り憑いた……」

 

だが擬似ファンネルはビフロンスの号令により、いくらでも増えて行く。

それをνは片っ端から撃ち落とす。

 

「この子が私を拾ったのが始まり。そして私はこの子に取り憑いて……今や完全に掌握した」

《何故、シェアを奪う⁉︎》

「私が復活するのに必要だったからよ。そして私が顕現することにもシェアは必要なの」

《不完全なお前なんて!》

「事実、私は不完成。あの時ほどの力はないけど……それでもアナタ、私に勝てる?」

《勝つ!僕は今日、君の呪縛を断ち切るんだ!》

 

フィンファンネルの集中砲火がビフロンスへと向かう。

だがビフロンスの目の前でそのビームは湾曲して彼方へと飛んで行く。

 

「次元フィールド。アナタの攻撃は私に届かない」

《届く届かないじゃない!届かせるんだ!》

「ホーミングレーザー」

 

ビフロンスの手から無数の細いビームがνに襲いかかる。

νはそれを避けるがビームは湾曲してνをどこまでも追って行く。

 

《あの歪みの応用⁉︎それでも、逃げながらでも!》

 

νの背中のバズーカが引き金を引かずともビフロンスへと弾を打ち出す。

だがその弾頭もビームに撃ち抜かれて爆発した。

 

《くっ、追いつかれる……っ!》

 

ビームの何本かはνに追いついて蛇のようにνの体を貫こうとする。νは盾でそれを受けるが、背中から回り込んでビームがやってきた。

 

《っ!》

「落ちなさい!」

 

振り向いたνだったが次の瞬間、大爆発が起こった。

その爆発の中にνは巻き込まれる。

 

「やった……?いえ、まだね!」

《うおおおおおっ!》

 

爆発の煙の中からνが現れる。

先ほどの爆発はダミーの爆発だったのだ。

 

「甘い、ホーミングレーザー!」

《君がたとえ、無敵のフィールドを持っていたとしても!》

 

フィンファンネルがνの周りへと集まり、四角錐のバリアを形成してνを覆い尽くした。先程のビーム砲も防いでみせたフィンファンネルバリアだ。

 

《それは、僕だって変わらない!》

 

ホーミングレーザーはことごとくνに特攻を試みるが、全てバリアで散らされる。

 

「小賢しい!」

《フィールド、干渉できるか⁉︎》

 

νのフィンファンネルバリアとビフロンスの次元フィールドがぶつかり合う。

スパークするフィールド同士。

だがビフロンスは一瞬でバリアの弱点を見抜いていた。

 

「擬似ファンネル!」

《っ、くそっ!》

 

フィンファンネルバリアはビームしか防げない。実体弾の防御は不可能なのだ。

ビフロンスの周りに現れたファンネルを避けるためにνを一旦退く。

 

その戦いの様子をネプギア達は地上から見ていた。

 

「こんな時に、戦えないなんて……!」

「ちょっと、アンタどいて!そこが1番いいアングルなの!」

 

ネプギアが悔やんでいると避難し終わったアブネスか三脚を設置して上にカメラを乗せた。

 

「アブネスさん、何を⁉︎」

「決まってるじゃない!この戦いを世界に広げるのよ!ガンダムが、頑張ってるんでしょ⁉︎」

「でも、今ネットワークは……!」

「じゃあ直接フィルムに焼き付けて私が見せに行くわよ!」

 

アブネスはカメラをいじってピントを合わせ、カメラの前に立つ。

 

「元気かしら、アブネスよ!これは上空で行われているプラネテューヌの戦闘の様子よ!」

「アブネスさん……」

「くっ、なんで繋がらないのよ!これを、ネット配信できれば……!」

「……ジャックさんが」

「え?」

「ジャックさんが、やってくれます!」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

プラネテューヌの地下、スーパーコンピューターが立ち並んでいる部屋。

そのコンピューターの1つにジャックは自らの体を接続してネットワークに入り込んでいた。

 

「さすが、城レベルのファイヤーウォールだ……!短時間でこれだけのハッキングをし、プロテクトまで作り上げるとは!だがな……!」

 

ジャックの体は処理による熱で触れられないほどに熱くなっていた。周りの空気が歪んで見えるほどだ。

 

「今の俺は、あの時とは違うぞ!ビフロンスゥッ!」

 




人は恋をすると変わるらしく。ジャック大奮戦中。もちろんミズキも。
誰しも叫びたいガンダムのセリフ、上位に食い込むと思います。「行けっ、フィンファンネル!」

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