超次元機動戦士ネプテューヌ   作:歌舞伎役者

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プルルート対フルクロスとネプテューヌ対ピーシェの同時進行。クソ長くなりそうだよぉ〜。


Feeling

 

「ぴー子!私よ、思い出して!ネプテューヌよ!」

「知らないってばあっ!お姉ちゃんのことなんか嫌いだし、会いたくない!」

「ウソよ!私がぴー子に会いたいんだから、ぴー子も私に会いたがってるのよ!」

「なにそれぇっ!」

 

太刀と爪が何度もぶつかり合う。

 

「嫌い嫌い嫌い嫌い大っ嫌い!寄らないでよっ!寄ったら、裂くよっ⁉︎」

「切ってみなさいよ!ぴー子がなんて言ったって、私はぴー子を取り戻す!謝りたいの!」

「いい!いいから!だから寄らないでって、言ってるの〜ッ!」

 

ピーシェがネプテューヌへ爪を何度も打ち込む。ネプテューヌはその攻撃を太刀で受けて後退した。

 

「ぴー子、私がわかるはずよ!アナタの中の私はまだ消えてないはず!」

「知らないことを、ごちゃごちゃぐちゃぐちゃ……!」

 

ピーシェは頭をガリガリと掻く。

 

「痒い、痒い、痒いの……!お願い、やめて!」

「っ、ぴー子……!」

 

ピーシェは涙を流していた。ネプテューヌの顔にほんの少し躊躇いの色が映る。

 

「やめて……!なんで、なんでイジメるの……?イヤだよ……!私、もうイジメられるのは……!」

「っ、ぴー子⁉︎」

「呼ばないでって、言ってるでしょぉぉっ⁉︎」

 

ピーシェの体から黄色のプレッシャーが放たれてネプテューヌが吹き飛ばされてしまう。

 

「きゃあああっ!」

「イヤァァァァッ!」

 

ピーシェの体から黄金のオーラが迸る。身体中から吹き出すオーラはピーシェそのものを内側から破壊してしまいそうに見えた。

 

「ぴー子⁉︎ぴー子、どうしたの⁉︎」

「あああああぁぁぁぁぁぁっ!」

 

ピーシェのプレッシャーがまるでピーシェの中に収まるように消え去る。

 

「……………ぴー子……?」

「きらい……きらい」

 

うわ言のようにぶつぶつとピーシェがそれだけを呟く。

 

「きらいなひとは……みんな、けす!」

「っ⁉︎」

 

ピーシェが急接近してネプテューヌの鼻先に迫った。

 

「あなたも、きらい!」

「うぐっ!」

 

ピーシェの爪がモロにネプテューヌの腹に当たる。ネプテューヌは大きく吹き飛ばされた。

精一杯逆制動をかけるがピーシェは眼前に迫っている。

 

「きらい、けす、きらい、けす、きらい、けす!」

「ああっ!」

 

何度も何度もネプテューヌに爪を浴びせて追い越し、後ろから背中を蹴る。

 

「あは!むねがきゅんきゅんする!あなたをなぐると、きもちいいの!」

「あっ、ぐぅ、やあっ!」

 

何度も爪で切りつけて怯んだネプテューヌに向かって右手を大きく振り上げる。

 

「おっちろ、おっちろ!」

「あああっ!」

 

渾身の一撃でネプテューヌは地面に叩き落とされる。

ピーシェは上空から地面にめり込んだネプテューヌを見ていた。

 

「まだこわれないよね⁉︎もっとあなたをなぐりたいもん!」

「かはっ、あっ、くっ……!」

 

全身が痛い。体が思うように動かない。口に鉄の味が満ちる。呼吸が苦しい。

 

「でも、諦めないわよ!」

 

ネプテューヌが立ち上がって太刀をピーシェに突きつける。

 

「私は、ぴー子を!」

「よばないでって……いったよね⁉︎」

 

瞬間移動と見紛うほどのスピードでネプテューヌに接近していたピーシェのボディアッパーを食らう。

 

「うぐっ、ふっ……」

「あはっ、あはははっ!」

 

上空へと吹き飛ばされるネプテューヌ。それに追いついたピーシェは一回転してかかと落としを食らわせた。

 

「またおちた!たのし〜!」

「っ、私……!」

「つぎはね!ひっさ〜つ!」

 

ピーシェが地面にめり込んだネプテューヌへと飛び込む。

 

「ぴー、ぱ〜んち!」

「うぐっ……あっ……!」

 

ネプテューヌの腹に爪がめり込んだ。

ネプテューヌはそれで力尽きると思われたが、その瞳が光を取り戻す。

 

「ぴー子……!」

「えっ⁉︎」

 

腹にめり込んでいたピーシェの手を右手で握る。

 

「ぴー子が私のこと嫌いでも……私はぴー子のこと、大好きなのよ……?」

「やだ、やだ……!なんで、あついよっ!」

「きっと、殻で覆っちゃったのよね……?私と同じよ、殻に閉じこもるのは楽だから……」

「あ、あつい!もえちゃう!あついよ!はなして、はなしてっ!」

「その奥、泣いてるぴー子が私には見える……!赤黒い霧に覆われて、必死に泣いてるぴー子が私には見えるの!」

「やだっ!」

 

ピーシェはネプテューヌの手を振り払う。

ネプテューヌはゆっくりと体を起こした。

 

「私ね……魔法の言葉を知ってるの。どんな怖くても、安心できる魔法の言葉……!ねえ、ぴー子?」

「だ、誰⁉︎ぴぃ知らないはずなの!会ったことないもん!嫌いな人だもん!」

 

「………私が、助けに来たわ」

 

「い、いらないよ!お姉ちゃんなんか、いらない!」

「………もう1度、会いたいだけだから」

「や、やだやだやだっ!」

「NEXT。……お願いミズキ。私に力を貸して?」

 

優しい笑顔を浮かべて右手を胸に当てる。

ネプテューヌの体が光に包まれた。

 

「な、なに、これ……?暖かい、よ……!」

「そうよ。みんなの光だもの……。暖かくないはずがないわ」

 

ネプテューヌのスーツに紫の輝く筋が刻まれてプロセッサユニットはさらに4つのブースターを装着してサーベルラックが立ち上がる。

太刀も拡張して紫のフレームを見せて長くなり、盾もNの字に展開して紫のフレームを見せた。

そしてネプテューヌの手には新たに無骨な色のビームマグナムが握られた。

 

「お願いぴー子、帰ってきて!私達は友達でしょう⁉︎私は、ぴー子のこと、大好きなのっ!」

「ぴぃはお姉ちゃんのこと、嫌いだもん!友達なんか、いや!」

「ぴー子!」

「大ッ嫌い!こないでっ!」

 

ネプテューヌとピーシェがぶつかり合う。

まだピーシェに記憶を取り戻す兆しは見えないが、それでも!

 

「絶対に連れ戻す!2度と離れない!ずっとずっと、一緒よ!」

「お姉ちゃんの言うこと、わかんないよ!軽くて、ふわふわなんだよ!」

「届かせる!その、胸に!」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

フルクロスに変身したミズキとプルルートが向かい合う。

 

「なぁに、それはぁ。なんだかぁ、イジメ甲斐があるわねぇ?」

《プルルート!お願い、正気に戻って!君はあの毒に負けてしまうような弱い人じゃないはずだ!》

「それは違うわよぉ?私は、進んで身を委ねてるの」

《嘘だよっ!本当のプルルートは優しくて、強いんだ!》

「私も本当のプルルートよぉ?どうしても私を止めたいっていうのなら……」

 

パシィンと鞭で床を叩く。

 

「私を……イカせてみなさい⁉︎」

《うくっ、くっ⁉︎》

 

プルルートが急接近してフルクロスに剣を振るう。フルクロスはムラマサ・ブラスターで受け止めた。

 

「ほらほらほら!もっといい悲鳴を頂戴!」

《うくっ、セーフティ解除!》

 

ムラマサ・ブラスターからビームサーベルが木の葉状に突き出した。

フルクロスは剣を振ってプルルートと間合いを取り、天井に開いた穴から外へと脱出した。

 

「逃がさないわよ!」

《逃げ回れば、死にはしないから……!》

 

後を追ってプルルートが飛翔する。

剣を鞭状にしてプルルートはフルクロスへと叩きつける。

 

《鞭を使うのは、君だけじゃない!》

 

ムラマサ・ブラスターをシザーアンカーに接続、振り回してプルルートの鞭をはじき返した。

 

《ピーコック・スマッシャー!》

 

プルルートが左から右に動くのを確認して扇状に開いたピーコック・スマッシャーが左から右にビームを放つ。

プルルートは寸前で上に飛び上がって避けた。

 

「いい、いいわ!もっと抵抗しなさい!私が屈服させてあげるからぁ!」

《そんなこと、ならない!》

「アナタが私を屈服させられるの⁉︎」

《違う!何としても、君を取り戻すんだァァッ!》

 

何度も剣戟を繰り返していると砲台のまだ生きていたマイクからアノネデスの声が響く。

 

「元気かしら〜?この戦争はほぼ負けが決定してるけど……だからって何もしないで大人しく捕まるなんてできないのよね〜」

《僕の方は戦争をやっているつもりなど、なァァァァいッ!》

「あっそ。そんなアナタに、私からスペシャルプレゼント〜」

 

フルクロスが砲台の方を見るとそこから飛翔する人の大きさほどの赤黒い鳥が見えた。

おそらくEXモンスターだが、体の多くを機械が覆っている。頭や翼には銃があるし、なにより頭を完全に機械が覆いつくしてしまっている。

 

「ごめんねぇ?アナタ達がいろいろ壊しちゃったせいで、この子制御できないのよ。ついでにお願い」

《っ、マズい……!》

「余所見なんていい度胸ね!」

 

プルルートの剣を受け止める。

マズい、と言うのはプルルートとモンスターを相手にすることがではない。

この毒が愛玩鳥と同じなのなら、プルルートは周りが見えてないことが問題なのだ!

 

「ケェーーン!」

 

モンスターが翼のビーム砲を撃って来る。制御をなくしたモンスターはプルルートに狙いを定めているが、やはりプルルートは避ける気配がない!

 

《っ、Iフィールド、展開!》

 

モンスターとプルルートの間に立ちはだかるように回り込み、両肩に装備されたスカルヘッドの機能、Iフィールドを展開する。

Iフィールドが展開されたことによりモンスターのビームはフルクロスに当たる前に弾けてしまう。

 

「これで2対1……いや、それよりもヒドイわね」

《アノネデスっ!プルルートを返せよっ!こんな、こんなことあっちゃいけないのに!》

「いやよ、渡さない。このままここで、力尽きちゃいなさい」

《だったら!君がプルルートを返さないっていうのなら!》

 

プルルートを押し切って蹴飛ばした。

 

《僕は、僕らしく!いただいていくッ!》

「いいわ、もっと抵抗してぇ!痛めつけて、ボロボロにして……殺してあげるからぁ!」

 

プルルートと何度も剣戟を重ねる。プルルートやフルクロスに浴びせられるビームは全てIフィールドで無効化された。

 

《無駄だよプルルート!僕には君の動きが、手に取るようにわかる!》

「だからなによぉ⁉︎私はイジメてイジメて……最後には殺したいだけ!」

《優しさを蝕む毒め!今僕が、吸い出してやるからッ!》

「アナタみたいなお人好しって、死ぬほどイジメたくなるの!化けの皮を剥いで、本性晒してぇ……!そうしてあげなきゃ、私が死んじゃう!」

 

プルルートの鞭がフルクロスを打つ。Iフィールドはビーム攻撃以外は無効化できないため、吹き飛ばされてしまう。

 

《っ、くっ!僕に、化けの皮なんてない!ずっと晒し続けて、君と素直に接したつもりだよ!》

「そういう偽善よ!大ッ嫌い!嘘つくくらいなら、死んだ方がマシじゃない⁉︎」

 

プルルートの手から小型の電撃が飛んでくる。ブランド・マーカーで受け止めてモンスターに牽制のビームを撃つ。

 

《何を根拠に!毒は君に懐疑さえ植え付けたっていうの⁉︎》

「経験よ!教えてあげる、人は嘘をつくのよぉ⁉︎」

《なら僕は、君にとって初めての人間だ!心の底を晒し続けた、馬鹿みたいな男だよ!》

「本性、晒しなさいよ!私がアナタを裸にしてあげる!」

 

プルルートの鞭をブランド・マーカーで受けたが吹き飛ばされる。体勢を崩したフルクロスにモンスターが狙いを定めた。

 

「ケェェンッ!」

 

ビームを乱射してフルクロスへと近づく。絶体絶命、万事休すのように見えた、が。

 

《っ、この瞬間を待っていたんだ!》

 

フルクロスが身を翻してモンスターへと直進。放たれるビームはIフィールドで弾かれる。

 

《鳥頭の君が!ビームが効かないと理解して直接攻撃を仕掛けるのを、待ってたんだッ!》

「ケェェッ!」

《落ちろッ!僕の邪魔を、しないでッ!》




ハマーン様、バンザーーーーイ!みたいなイメージのプレッシャー。
マシュマーのように暴走しかけたものの、ネプテューヌの変身でなんとか暴走しなかった模様。

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