超次元機動戦士ネプテューヌ   作:歌舞伎役者

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クロスボーンが出た、ということであのガンダムが登場。個人的にはあの武装の派手でもなく地味でもない感じが凄く好きです。


侵攻

ミズキはネプテューヌの前の部屋に立つ。

 

「入るよ、ネプテューヌ」

 

ミズキが部屋のドアを開いた。

その中にはピーシェのぬいぐるみを抱き締めたネプテューヌが蹲っていた。

 

「ネプテューヌ」

「……信じてた。きっと仲直りできるって。……信じてた、のに……!」

 

ミズキは泣き出しそうなネプテューヌの手を取った。

 

「まだ、遅くないよ。ピーシェはまだ死んだわけじゃない……まだ、取り戻せる」

「でも、ぴー子は私のこと、知らないって言って……!」

「君なら取り戻せる。僕の中で見せたあの力……あの力はまだ、君の中にある」

 

ミズキがネプテューヌの頭をもう片方の手で撫でた。

 

「わかってるはずだよ?……何が不安?僕に話して」

「でも……だって……!」

「言ってくれなきゃわからないよ……。それは、ピーシェだってそうだ。伝えて、ネプテューヌ」

「……っ、うぅっ!」

 

ネプテューヌがミズキの胸に顔を埋めた。

 

「なんで……なんでこんなに遠くなっちゃったの⁉︎あの時、ごめんなさいって、言えてれば、こんなこと……!」

「うん、そうだね。きっとその時にネプテューヌは間違えちゃったんだ」

「それで、私、謝まろうって……!嫌いって言われても会いたくないって言われても謝まろうって……!でも、今のぴー子にはごめんなさいしても、届かないよ!」

「違うよ、ネプテューヌ。……届けるんだ」

「………!」

 

ミズキがネプテューヌの手を強く握った。

 

「届かせるんだよ、君のその想い。僕の時と同じように……ピーシェの中から、本当のピーシェを引っ張り出すんだ」

「それが、私の役目なんでしょ……?でも、怖いよ……!出来なかったら、今度は誰がいなくなるの……⁉︎」

「……ネプテューヌが1人なら、きっと出来ない」

「………!」

「……落ち着いて周りを見渡して、ネプテューヌ。君の隣からピーシェはいなくなってしまった……。けど、君の友達はピーシェ1人じゃない。誰がいる?」

「わ……たしの、友達は……!」

「ネプギアがいるよ。コンパもアイエフもプルルートもジャックも女神も女神候補生も……僕もいるよ」

「っ、ぅっ………!」

「君が取り返したいものは……みんなで取り戻す。力を貸すから、力を貸して?」

「私、貸すものなんて……!」

 

ミズキはクスリと笑ってネプテューヌの手の甲に炎のシンボルを刻みつけ始めた。

 

「あの時さ、ネプテューヌは……僕の隣にいるって言ってくれたよね。その言葉……まだ僕の支えになってる。ネプテューヌがいるならって思えるんだ」

「ミズキ……」

「本当言うとね。僕も泣きたいんだ。絶対起こしたくなかった戦争が起こって……ピーシェが僕達のこと忘れてしまって」

「じゃあ……なんでミズキは泣いてないの……?」

「クスクス、みんながいるからだよ。ネプテューヌがいるからだよ」

 

ミズキがネプテューヌの手に炎のマークを刻み終わる。

 

「僕はここにいるから。信じることだよ。僕ができたこと、ネプテューヌにもできるはず。1人じゃない、力を貸すから。信じてるよ、ネプテューヌ」

「ミズキ………」

 

すると部屋の外から慌ただしい足音が聞こえた。

 

「ネプ子、いる⁉︎」

「き、来たですぅ!」

「…………!」

 

コンパとアイエフが部屋のドアを開ける。来た、とはエディンの軍隊のことだろう。

 

「………僕は行くよ、ネプテューヌ」

「待って、ミズキ……!」

「僕は、いつもここにいる。君の隣を離れたりはしない」

 

ネプテューヌの手をミズキはもう1度握った。

 

「だからネプテューヌ、信じて」

 

ミズキは立ち上がってアイエフとコンパと共に部屋を出て行く。寸前、ミズキは右手の甲の炎のシンボルをネプテューヌに見せた。コンパとアイエフも右手に刻まれた炎を見せる。

 

「待ってるわよ、ネプ子。なんてことないわ、助ける人がピーシェに変わっただけ」

「前はねぷねぷのおかげでみずみずが助かったです。今回だって、きっとできるです!」

「………私には……できるかな……?」

 

そう呟いても聞いてくれる人はもういない。

顔を見上げて見れば、ミズキがくれたぬいぐるみ。

 

きっと、まだミズキは私のキーホルダーを持ってるんだ。私の言葉がミズキを励ましているんだ。ミズキは私を励ましてくれた。

………いい加減、逃げられない。

 

ネプテューヌはピーシェのぬいぐるみをミズキがくれたぬいぐるみの横に置く。

 

「もうぴー子から……逃げたりしない。みんな、私を信じてる。私しかできないことが、あるんだ」

 

ネプテューヌは右手の甲のシンボルを左手で握り締める。

あの時と同じだ。不思議とそこから熱が伝わってくるようで、勇気が湧いてくる。

 

「……ぴー子。私が、助けに行くから」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

エディン軍は夕方17時27分から各国に向けて一斉に進軍を開始した。

人口とシェアが少ないエディン軍はまずどこか1つの国に狙いを定めて侵攻するかと思われたが、予想は大きく外れることとなった。

だが、それでは明らかに戦力不足。エディン軍はどのような手段で戦力の増強を行ったのか。その答えは………。

 

「そんな……まさか……」

 

レーダーに映った多数の反応。各国はそれを軍隊だと勘違いしていたのだ。

それは軍隊ではない。あえていうなら群体。

 

「EX……モンスター……!」

 

空を飛び、地面を走るEXモンスターの大群。巨大で赤黒いモンスター達だ。

しかも様子がおかしい。本来EXモンスターは目に入ったものから攻撃するほどに獰猛なはずなのにまるで、統率がとれているように……!

 

「まさか、エディンはEXモンスターまで……⁉︎」

 

ネプギアは絶句する。

だがいつまでも止まっていてはいられない。

 

「最初から本気です……!」

 

NEXTへと変身したネプギア。

 

「プラネテューヌには、指一本だって!」

 

M.P.D.B.Lを乱射してEXモンスターを牽制する。モンスター達は散開して弾を避けた。

 

「くっ、数が多すぎる!」

 

ネプギアの武装は基本的に1対1のもので、対多数戦には向いていない。M.P.D.B.Lも連射性能はあまり高くなく、牽制すら満足にできない。

 

『………対多数戦能力』

 

「また……っ⁉︎」

 

また不思議な感覚がネプギアを襲う。人の声ではない、機械音声のような声だ。

そして別の感覚もネプギアに芽生える。

 

「………っ、見えますっ!」

 

複雑かつ不規則に移動していた鳥モンスターの軌道が読め、その先にビームを撃つとモンスターは吸い込まれるようにそのビームに当たった。

 

「やった!……いけない!」

 

地上もモンスターが襲い始めていた。

ネプギアはタイタスに換装して地上へと降り立つ。

 

「やああっ!どいて!」

 

落下する勢いでモンスターを踏みつける。さらにモンスターを殴り飛ばし、他のモンスターに投げつける。

だがそれでは空が手薄になってしまう。

 

「手が、足りない!」

 

だが遠距離から狙撃されたビームがモンスターの体を射抜く。

 

《ネプギアァーーッ!》

「ミズキさん!」

 

飛翔してきたのは右肩にF、左肩には91の文字が刻めこまれたガンダム、ガンダムF91だ。ダクトが露出した特徴的な胸部ブロックや背中の2本のビーム砲が特徴的だ。

 

《空は任せて!ネプギアは地上を!》

「わかりました!」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

プラネテューヌの教会、その部屋にプルルートとジャック、それに小さいイストワールのホログラムとこちらの次元の大きいイストワールがいた。

 

「た、大変です!その女神さんが大きな存在であることが、わかったんですよ!((((;゚Д゚)))))))」

「やはりそうですか……。それではあの女の子が最初からアイエフさんやコンパさんを知っていたのは……」

「多分、こっちの次元のアイエフさんやコンパさんと知り合いだったからだと思います(・ω・)」

「なるほど……」

 

2人のイストワールの間で話がされる。

 

「こちらでは世界の一部がもの凄い勢いで荒廃を始めています!恐らく、そこが本来ピーシェさんが治める地域だったのかと……!(;´Д`A」

「確かに、その可能性は高いですね」

「ちょっと!2人も話聞いてますか⁉︎(−_−#)」

「……聞いてるよ〜?」

「……………」

「ジャックさん……?」

 

プルルートは返事をしたがジャックは黙っているだけだ。

 

「俺は……戦争が嫌いだ。大っ嫌いだ。いや……俺は戦争が怖い」

 

ジャックが大きいイストワールを見つめる。

 

「震えが止まらん。俺達は常に戦火の中で暮らしてきたが……それでも戦争にはなれない。今この瞬間も砲撃音が聞こえてきたのなら逃げ出したいくらいだ」

「ジャックさん……」

「……俺やミズキを追い詰めるものが多すぎる。次元の崩壊、友との別れ、洗脳、望まぬ争い、そして戦争」

 

全てが忌み嫌うものだ。全てが2度と見たくないものだ。

 

「………俺は自分で戦争を止める力を持っていない。だから、怖い。俺の持つ情報処理能力やハッキング能力など、ピーシェを取り戻すために何の役にも立たん。無論、協力はするが……」

 

イストワールはジャックの震えを見た。鉄面皮のジャックが目を逸らす。それはイストワールが初めて見るような弱さがあった。

 

「すまないな。俺はとてもこの戦争には立ち向かえない」

 

ジャックは部屋を出て行く。

 

「私も〜、ピーシェちゃんは連れて帰りたいよ〜?でも〜、私にはできないから〜」

「な、なんでですか⁉︎プルルートさんが精一杯戦えば……!(◎_◎;)」

「連れ帰れるのは〜……ねぷちゃんだけだよ〜。無理矢理連れて帰っても〜、ピーシェちゃんの国〜、どっちにしても滅びちゃうも〜ん」

「………」

「でも〜、プラネテューヌは〜、守るよ〜?」

 

プルルートも部屋を出て行った。

 

「……きっと、勝って連れ帰るだけみたいな……そんな簡単なことじゃ、もうなくなってしまったんです。いろんな人の思惑とか……気持ちとか……そういうのが、絡まり合って……簡単なはずの問題が、難しくなっていった」

「……………」

「………でも、本質は1つです。みんなを私は信じます」

「あ!ど、どこに行くんですか!(つД`)ノ」

「少し不器用な人を、励ましに行ってきます。それでは」

 

イストワールも、部屋を出て行った。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

各国を襲うEXモンスター達。

女神や女神候補生、軍が懸命に退治しているが劣勢気味だ。

 

「あははは、いいわぁ……それそれもっと!」

「一瞬にして世界中がこんなめちゃくちゃに……」

「何他人事みたいに言ってるのよ。我が軍の最高責任者はアナタなのよ?」

「我が軍って……女神も軍隊もモンスターも……!全部操ってるだけじゃないですか……!」

 

女神は強化人間としてアノネデスとレイを攻撃するもの全てを敵とみなすように調整してある。

軍隊は観光客を不思議な瓶詰めの赤黒い瘴気で操った。

モンスターは瘴気によってEX化された後に体に機械を埋め込んで支配を可能にした。

 

「だいたい、なんなんですかあの赤黒いの……!」

「だからアタシも知らないんだってば。クライアントに送られたものだし、詮索も禁じられてる」

 

実はエディンの実質的な支配者であるアノネデスもほとんどやっていることがどんな原理でどんな理由でやっているかはわかっていなかった。

送られてきた資料通りにピーシェを改造して、人を操り、モンスターを操った。

 

「私……怖いです。このまま世界がどうにかなっちゃいそうで……」

「さあ、どうかしらね」

 

モニターには各国の混乱が映し出された。

だが突如、リーンボックスの女神の体が輝き始めた。

 

「………?」




女神たちの新たな力の芽生え。さあ、必殺技のオンパレードと洒落込みましょう。

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