超次元機動戦士ネプテューヌ   作:歌舞伎役者

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引き続き赤い一撃をお楽しみください。


ドSのSは何のS?

ーーーー『赤い一撃』

 

 

ナスを両断したレッドドラゴンの腕から排熱で蒸気が吹き上がる。

 

《プルルート、そっちは⁉︎》

「もう終わっちゃいそうよ。コイツも弱すぎ」

 

プルルートが力を入れて鞭を振るうとトドメを刺されてナスが消えた。

 

「あとは、この置物だけね」

「ククク……」

 

EXモンスターが2体も倒されたというのにマジェコンヌは小さく笑っていた。

 

「バカめ!こっちが本命だ!出でよ、ナス魔人!」

「ナス魔人〜?」

 

ネプテューヌが小馬鹿にしたような目でマジェコンヌを見る。

だが巨大なだけのナスは真っ二つに割れた。まるで卵から新たな命が生まれるように、そこには赤黒い人がいた。

 

「完全に人じゃない!」

「紫じゃないし、アレはもうナスって呼べるのかな……」

「なんでもいいわよ。私を絶頂させられないなら……!」

 

プルルートが円陣を蹴って急接近した。

 

「さっさと砕け散るがいいわ!」

 

剣でナス魔人を切りつけた。だが、刃が通らない。

 

「あら、カチカチなのねぇ」

「ーーーー」

 

腕を振ったナス魔人の攻撃を避ける。

 

《アイツ、硬い……⁉︎》

「これなら、どうです⁉︎」

 

ネプギアがM.P.D.B.Lを乱射する。だがM.P.D.B.Lの貫通力を持ってしてもナス魔人には傷1つない。

 

「そんな、直撃だったのに!」

『………貫通力』

「え?」

 

「だったら!」

 

ネプテューヌがナス魔人に向かって突きを繰り出す。攻撃力を一点に集中してもナス魔人の硬い表皮には傷1つつかない。

 

「くっ!」

《みんな、陽動頼める⁉︎》

「策があるんですか⁉︎」

《ある!援護して!》

「仕方ないわねぇ……」

 

遠距離からはネプギアのM.P.D.B.Lが、中距離ではプルルートの鞭がナス魔人を牽制する。近距離ではネプテューヌが気を引いてくれている。

 

「くっ、あっ!」

 

ネプテューヌがナス魔人に太刀を受けた腕を振られて飛ばされた。だがその時には既にレッドドラゴンがナス魔人に接近している。

 

「ミズキ!」

《任せて!》

 

右手での手刀で袈裟斬り、左手で発勁。

そしてレッドドラゴンが右手を握って振り被る!

 

《これが僕の、赤い一撃(レッドフレイム)だッ!》

 

そのまま全力でパンチ!

150ガーベラを持ち上げるほどのパワーを持った腕は武器にもなり得る。赤い一撃を食らったナス魔人は吹き飛んでゴロゴロと地面を転がった。

だがそのパンチでもナス魔人の表皮は軽く凹んだ程度だ。

 

「ふん、奥の手とは言ってもその程度か!行け、ナス魔人!………ナス魔人?」

 

ナス魔人は立ち上がろうとしている。だが立ち上がれていない。腕や足に力を入れているがプルプルと震えるだけでその場から動けていない。じきにナス魔人は光になって消滅した。

 

「バカな⁉︎ナス魔人の鎧はあの程度……!」

《脆い部分を狙って体の内部に直接ダメージを与える……それが赤い一撃の真髄だよ》

 

ミズキは変身を解いたが、その手にはガーベラ・ストレートが持たれている。

 

「お終い?マジェコンヌ」

「くっ……!」

 

マジェコンヌに向けてミズキが切っ先を突きつける。

 

「……僕は、君を殺す気なんてないよ。誰も怪我してないんだし。でも、その欠片は持ってちゃいけないものだ。渡してくれる?」

「誰が渡すか!こうなれば……!」

 

マジェコンヌがアンチクリスタルを懐から取り出した。

だがアンチクリスタルはマジェコンヌが掴んだ先から砕け始めてしまった。

 

「なっ⁉︎こ、この、アンチクリスタルが!」

「これは………?」

 

アンチクリスタルは砂のような小汚い色になって塵になって消えてしまった。マジェコンヌはそれを逃さまいと虚空で腕を振るが徒労に終わる。

 

「アンチクリスタルが……どうして……?」

 

ミズキはその現象を信じられないような顔で見ていた。アンチクリスタルが砕けるようなことがあるのか?時間経過?何か方法があったのか?

 

「ミズキ、あいちゃんは解放したわよ!」

「無事です!」

 

アイエフが縛り付けられていたところを見るとネプテューヌとネプギアがアイエフを解放しているところだった。アイエフは体の感覚を確かめるように手足を動かす。

 

「コンパ、コンパをどこにやったの⁉︎」

「……あの胸のでかい小娘ならあそこだ」

 

アイエフが詰め寄るとマジェコンヌは観念したのか遠くの小屋を指差した。

 

「行ってくるわ」

 

ネプテューヌがその小屋に向かって飛んでいく。

 

「ふぅ、一件落着かな……」

「ねえ、それはないんじゃない?」

 

振り向くとプルルートが不満そうな顔でミズキを見ていた。

 

「全っ然、満足してないんだけど〜?」

「あはは……でも、もう敵はいないし……」

「私は別に敵を倒したいんじゃないのよ〜?誰かを〜、イジメたいだぁけ」

「……え〜と、それはつまり?」

 

ミズキの頬に冷や汗が滴る。

 

「ミズキなら私を絶頂(イカ)せてくれるわよねぇ〜……」

「………タンマ」

「だぁめッ!」

「ぷ、プルルートさん⁉︎」

 

プルルートがミズキに向かって剣を振るう。ミズキは鞘に収めたガーベラストレートでその剣を受けた。衝撃で腕が痺れる。

 

「ち、ちょっと待ってよ!イジメるってどういうこと⁉︎」

「ミズキが〜……泣いても〜……叩くのをやめないわぁ〜!」

「終わりないよねそれ!終わりがないのが終わりだよねっ⁉︎」

 

ミズキが大きく飛びのいてプルルートとの間合いを取るがプルルートにすぐに間合いを詰められる。

ガーベラストレートの鞘で剣を受け止めた。

 

「いいわぁ、もっと抵抗しなさい?この、童貞」

「ど、童貞言うな!」

「あわわわ、私、どうすれば……!」

「わ、私にもわからないわよ!」

 

ネプギアとアイエフは困惑するばかりだ。

 

「いい、いいわぁ……!もっと、もっと抵抗しなさい!私が屈服させてあげるから!」

「うわっ!」

 

プルルートが重なった刀を上に払う。ミズキの浮いた体をプルルートがヒールのようなスーツで蹴飛ばす。

ミズキはコンパがいるという小屋へと壁を突き破って入ってしまった。

 

「な、なんだヤツは……めちゃくちゃだ……!」

 

マジェコンヌはドン引きしている。

 

「いたた……あ、ネプテューヌ」

「あ!ちょっとミズキ聞いてよ!このネズミったらコンパを襲おうとしたのよ⁉︎」

「チュ、チュ〜!離せっチュ〜!」

「ネズミ……じゅるり」

「チュ⁉︎お、オイラは美味しくないっチュよ⁉︎」

「それより、なんで壁から突っ込んできたですか?」

「あ………」

 

コンパの当然の疑問にミズキがさっきまでの非常事態を思い出す。

小屋に開いた穴から外を見るもプルルートが剣の先に電撃の球体を作っているところだった。人1人は飲み込んでしまうほどの大きさだ。

 

「いいっ⁉︎」

「ちょ、あれぷるるん⁉︎なんでミズキを攻撃してるのよ⁉︎」

「そ、それはその……!」

「あんなの食らったら死ぬっチュよ!」

「し、死んじゃうですかぁ⁉︎」

 

「アハハハ!アナタの悲鳴を聞かせて〜⁉︎」

 

プルルートが剣の先から電撃の球体を投げつけてきた。

 

「きゃあああっ⁉︎死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死んだ〜!」

「ま、まだ死んでないから!」

 

ネプテューヌはパニック状態だ。

コンパも驚いて動けない。ワレチューはネプテューヌに尻尾を掴まれて吊るされていないために最初から動けない。

 

「ど、どうにかするっチュよ!」

「言われなくても!避けてよね、プルルート!」

「はあ?」

 

ミズキがガーベラストレートを抜刀して振り被った。

 

「ガーベラァッ、ストレートォッ!」

 

そのままガーベラストレートをぶん投げる!

真っ直ぐ飛んでいくガーベラストレートが電撃に触れた瞬間、電撃は真っ二つに切り裂かれた!

 

「へえ、やるじゃない」

 

プルルートは体を少し横に逸らして貫通してきたガーベラストレートを避ける。

勢い余ってガーベラストレートはアイエフの足元に刺さった。

 

「ひいっ⁉︎」

「な、なんて切れ味……!」

 

ガーベラストレートは鍔の部分までまったく摩擦を感じさせずに減り込んでしまった。

 

「でもぉ……これで武器がなくなったわけよねえ……?」

「た、タンマタンマ!君を傷つけるわけには……!」

「さあ、お仕置きの時間よ!」

 

プルルートが円陣を蹴って突っ込んでくる。

ミズキは止むを得ず壁の穴から飛び出した。

 

「変身!」

「させないわよっ!」

 

空中でミズキが光り輝く。

プルルートはそれに構わずにミズキがいる場所に剣を振るうが何かに弾かれる感覚。

光が消えた時、その場にミズキはいなかった。

 

「あら、隠れんぼかしらぁ?出てきなさいよ、可愛がってあげるから……!」

 

プルルートが自分の周りを無差別に鞭で払っていく。

 

「あ、あれがぷるるんですかぁ?」

「……変身させちゃいけない理由がわかったわよ」

 

戦慄するネプテューヌ達。

するとプルルートの腕が何かに締め付けられてまるで縛られるようになった。

 

「あ、あらぁ〜……?なにかしら、これは……?」

 

戸惑うプルルート。その正面に色が広がるように機体が現れた。

 

《あ、危ない……便利だなぁ、ミラージュコロイド……》

 




レッドフレームでやりたいことはやった。あとはもうわかんないや…。


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