超次元機動戦士ネプテューヌ   作:歌舞伎役者

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ドラマCDを参考にしました。
イチャイチャパラダイスにできるように。


ネプテューヌとデート大作戦

 

みんなといると楽しいね。

 

みんなといるあなたはとても楽しそう。

 

1人でいると寂しいね。

 

1人でいるあなたはとても寂しそう。

 

ふふっ、あなたは嘘つきなのね。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

テレビの前で真剣な目をした男女が1組。

2人ともコントローラーを両手で持って一心不乱にテレビの画面を見つめてカチャカチャとボタンを連打し、スティックを回す。

 

「…………っ!」

 

そして2人は揃って両手を挙げた。

 

『クリアー!』

 

ネプテューヌとミズキだ。

 

「やったやった!まさかミズキとやったらこんな簡単にクリア出来るなんて!ミズキのおかげだよ〜!」

「ネプテューヌこそ、凄い反射神経だったじゃないか。ネプテューヌは対戦より、協力の方が好き?」

「うん!対戦も対戦で好きだけど、やっぱ協力っていいよね!」

 

いや〜、良かったよ〜。

式典の前の最後の休日だからね、この日までにこのゲームをクリアしたかったんだよ〜!

私1人で一日中頑張るつもりだったけど、ミズキとやったら午前で終わっちゃったね!

午後が余っちゃった。

 

「どうする?最後の休日でしょ?他のゲームする?」

「え?う、う〜ん……」

 

どうしよう。

これから先、ミズキとはしばらく遊べないし、それを普通のゲームで終わらせたくはないな……。

 

「そうだ!ゲーセン行こうよ!」

「ゲーセン?」

「うん!私の超プロゲーマー並みの実力、見せてあげるよ〜!」

「ゲーセン、ゲーセンか……。行ったことないな」

「ならちょうどいいね!」

 

案内してあげよう!そして初見ゲームをやらせてボコボコにしちゃおう!

 

「ネプテューヌ。今すっごい意地悪いこと考えなかった?」

「へ?ぜ〜んぜん、そんなことないよ〜!このプラネテューヌの女神たる私がそんなこと考えるわけないじゃ〜ん!」

「………ふ〜ん」

 

やば、ジト目でこっち見てるよ。超疑ってる!こんな時は逃げるが勝ちだね!

 

「じゃあ私着替えてくるね〜!」

「あ………クス」

 

言うが早いがピューンと駆けて行ったネプテューヌを見て呆れたように口元を緩ませる。

そしてミズキはゲームの後片付けをするのだった。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

それから数分後。

ミズキも着替えてテレビの前でネプテューヌを待っていた。

昔から女性は身嗜みに時間がかかる。ミズキの次元でもそれは同じだった。

遅いなどというとよく説教されたものだ。

 

「………クス」

「ごめんなさい、待たせたわね」

「ううん。全然待ってない……よ……?」

 

目の前にいたのはネプテューヌではなかった。別人だ。

 

「どうかした?そんなにジロジロ見て。どこか変?」

「いや、その………」

 

髪は紫で長く、結ばれている。僕より低いけど身長高め。胸も大きい。正直スタイルもいいし、美人だと思う。

うん………うん。そうだね………。

その、つまり、なんていうか……

 

「……………誰?」

「へ?」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「ふふふ、そういうことね。ミズキのキョトンとした顔、可愛かったわよ」

「やめてよ。まさかこんなに変わるとは思ってなかったんだ」

 

2人はプラネテューヌの町並みを歩いていく。目指すは大型ショッピングモール、その中のゲーセンだ。

ネプテューヌはミズキの顔を覗き込んでからかう。ミズキは恥ずかしいのか顔を赤くしてしまっている。

 

「それが女神化なんだね。みんなそんなに体格変わるものなの?」

「私は特に極端ね。どう?私のセクシーな体つきに声も出ないでしょう?」

 

ボン。

キュッ。

ボン。

 

確かにスタイルはいい。自慢するだけのことはある。っていうか性格まで変わってるし。まるで別人みたいだ。

 

「なんていうか、うん、美人だと思うよ」

「あらあら。もっと褒めていいのよ?これは、サービスなんだから」

 

そう言って腕を組んでくる。

ぎゅっと抱き締められると、その、柔らかいのが……。

 

「ネプテューヌ。その……胸、胸」

「当ててるの。ふふっ、嬉しい?」

「嬉しいって答えたらセクハラで逮捕されそうだよ……」

 

ミズキは苦笑いで答える。

 

「それにしても……あんまり動揺しないわね。もしかして、嬉しくなかった?」

「ああ、いや、そうじゃないよ。ごめんごめん」

 

不安そうな顔をしてしまった。安心させたくて頭を撫でる。いくら身長が高くなったといっても僕よりは低い。

左腕にくっついているネプテューヌの頭を右腕で優しく撫でているとネプテューヌは頬を膨らませた。

 

「もう。せっかく女神化したのに、また子供扱い?」

「くす、そういうわけじゃないよ」

 

拗ねてるのかな。だとしたら可愛い。

引き続き頭を撫でる。

 

「じゃあ、なんでここまでしてるのに反応薄いのよ」

「へ?」

「こんな美人が腕組んだり、胸当ててあげたりしてるのよ?普通はドギマギしたりするものなんじゃないの?」

「自分で言うかな……」

「さっきミズキが言ったんじゃない」

「くす、そうだったね」

 

また拗ねてる。頭を撫でる。また拗ねる。

ネプテューヌにとっては悪循環かもしれないけど、僕にとってはいいサイクルだ。

 

「なんていうかね………うん、慣れてるんだ」

「慣れてる?」

「うん。僕の次元でもよく友達がこうやって胸当ててからかってきたんだ。だから、耐性はあるってことかな」

「………なんか、ジェラシー」

 

嫉妬しなくても………。

僕は苦笑いする。

 

「……その人と」

「ん?」

「その人と、私。どっちが美人?」

「え?」

「その人と私。どっちが可愛いって聞いてるの」

 

むすっとまた頬を膨らませている。

でも、心配はいらない。僕には選択肢は1つしかないのだ。

 

「大丈夫だよ。その子には彼氏がいたから」

「へ?そうなの?」

 

そう、女の子には彼氏がいたのだ。だから、彼を差し置いて彼女を可愛いなんて言えない。

女の子はカレン。男はジョー。

カレンはたくさん笑う元気な子でイタズラ好きだった。ジョーはいつも冷静沈着でクールだった。

今でもあの2人がよくくっついたものだと思う。まるで正反対な性格だというのに。

 

「クスクスクス………」

「何笑ってるのよ」

「クス。……ううん、なんでもないよ。だから、僕も対抗策を教えてもらったんだ。彼氏さんから」

「対抗策?」

 

そう。ジョーに聞いてみたんだ。いっつもカレンが胸をくっつけてからかってくるんだって。そしたらジョーはこう言ったんだ。

 

『俺なら……そうだな。まずその手を振りほどくんだ。そして………』

 

「んっ」

「あっ………」

 

腕を離すと不安そうな顔をするネプテューヌ。それも作戦のうち。

 

『そしたら、不安そうな顔をするはずだ。その隙を突いて……』

 

「えいっ」

「あっ…………」

 

『肩を寄せて抱き締める』

 

「どう?ネプテューヌ」

「………ばか」

 

効果は絶大。

 

『ジョーもやったの?』

『ああ。その場の思いつきでやったら大成功だ。カレンのやつ、顔を真っ赤にして黙り込んだ。新鮮だったぞ』

『ジョー、後ろ……』

『にゃ〜っ!ジョーのバカ〜!』

『おっと。すまん、ミズキ、また後でな』

『あはは……』

 

 

ーーーーーーーー

 

 

吹き荒れる爆音。耳を劈くゲーム音。そう、これがゲーセンだ。

 

「さあ、楽しみましょう。ミズキにいいとこ、見せてあげるんだから」

「うん。楽しみにしてるよ」

 

ネプテューヌはスタスタと慣れた足取りでゲーセンの奥に向かう。

 

「何するの?」

「まずは、ガンシューティングなんてどう?」

「いいね。それなら僕も慣れてるよ」

「ミズキの場合は実銃でしょ……」

 

2人並んで銃を手にする。

重さと感触を確かめる。ゲームシステムも書いてあるので、一応それも読む。

 

「オッケー。ネプテューヌはどこまで行けた?」

「最高記録で4階層くらいまでだったわ」

「なら、クリアも出来るかもね。僕もいるから」

「あら、私がいいとこ見せるのよ?ゲームで私に勝てるなんて、思わないことね」

「クス、頼りにしてるよ」

 

2人揃ってコインを入れる。

すると目の前で2人の男女が部屋の中にいるシーンから始まった。

どうやらゾンビが溢れるこの建物から脱出するのがストーリーらしい。

 

「行くわよ!」

「任せて!」

 

ネプテューヌは正確無比な射撃でゾンビをどんどん倒していく。

片やミズキといえば。

 

「………………」

 

全ゾンビの頭に1発、ヘッドショットで倒した。

 

「弾は無限にあるんだから、節約しなくていいのよ?」

「つい、クセでね」

 

現実の弾薬は無限じゃないからね。

 

「さあ、気を抜かずに行くわよ!」

「うん」

 

 




ジョーのイメージは叢雲劾です。
カレンのイメージは……なんか、猫耳さん。髪は短め。

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