超次元機動戦士ネプテューヌ   作:歌舞伎役者

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NTRはイヤぁぁぁ!(ステラ感
次回予告忘れてた…。まあ、閑話みたいなものだし、多少はね?


第7章〜復讐の時。女神(居候)と幼女(居候)とパワードスーツ(オカマ)〜
NTRネプギア


プラネテューヌの外れ。ネプテューヌがお気に入りと言っていた場所にプラネテューヌのみんなでピクニックに来ていた。

イストワールは留守番で、それに付き添ってジャックも留守番だ。

照りつける日が心地よく、吹き抜ける風が心地よい。

 

「はむ……ん、美味しい」

「はむ!ん、おいし〜!」

「……アンタ達も変わらないわね」

 

サンドイッチを頬張るミズキとネプテューヌを見てアイエフが呆れたような声を出す。

 

「生死の境を彷徨ったりとか、ミズキはしばらく旅行してたりしてたのに」

「クスクス、そうそう変わらないよ。僕の中じゃ、あれくらいの生死の境は通学路みたいなものだよ」

「毎日往復するレベルだね⁉︎」

「まったく……」

 

驚愕に目を見開くネプテューヌを見ながらアイエフがお茶を飲む。

 

「でも、また元通りですね。しばらくは大きなこともないといいんですけど……」

 

ネプギアが気持ち良さそうに目を細める。

だが、そんなわけはなく。

 

「あーーーーーーーーっ!」

 

『?』

 

後ろを振り向くとそこには黄色い髪に青い瞳の女の子。ていうか幼女。もこもこした黄色地に黒のシマシマが入った服は蜂を感じさせる。

 

「あーーーーーーーーっ!」

 

「な、なに?あの子」

 

ネプテューヌが困惑したように周りを見る。ネプギア、コンパ、アイエフを見て最後にミズキを見たがミズキも『僕も知らない』という風に首を振った。

 

「コンパ!アイエフ!」

 

「え⁉︎」

「だ、誰ですか?」

 

何故かコンパとアイエフの名を知っている黄色い幼女。その子は2人を指差してにひひと笑った。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

舞台は移ってラステイション。

その教会でノワールが後手に自分の部屋の鍵を静かに閉める。静かな室内にカチャリと鍵が閉まる音が響いた。

それからノワールは抑えきれなくなったように口角を上げてスキップし始める。

 

「ふんふんふんふふ〜ん♪ふふふ〜ん♪ふ〜ん♪」

 

鼻歌も歌って小躍りしながらだ。こんな姿をノワールを知る誰かが見れば別人と思うほどだろう。

 

「やっと、やっとこの時が来たわ♪」

 

そして姿鏡の中の自分を見つめてまたふふっと笑う。

そして着替えでもするのか服をするすると脱いでいく。ノワールの体を包んでいた服がだんだんと衣擦れの音を立てながら地に落ちていく。

 

…………その様子を盗撮されているとも知らずに。

 

ノワールの部屋には無数の小型カメラ。そしてその映像でノワールの着替えを見ながら笑う強化外骨格を着た者がいた。

それはどこかはわからないが部屋全体が現在のノワールの様子を収めた別々のカメラの風景に覆われている。

ピンク色の強化外骨格を着た何者かはその様子を見ながらふふっと笑うのだった。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「うおっ、くっ!この、こうして!はぁっ、危ない!」

「む〜………!」

 

ネプテューヌがいつものようにテレビに向かってゲームをしている。カチャカチャと高速でボタンを押してスティックを回す様子を黄色い幼女が不機嫌そうな顔で見つめていた。

 

「ぴー、暇!ねぷてぬ、遊んで!」

「ぴー子、だから言ってるでしょ?ねぷてぬじゃなくて、ネプテューヌ。のぉぉぉぉぉ!」

 

ネプテューヌがゲームをしながら悲鳴をあげる。その画面が突然プツリと途切れた。

 

「えっ⁉︎あっ!」

「へへ〜ん」

 

犯人はぴー子か!

 

「もう、ダメでしょ?セーブしないでブチ切りするなんて……」

 

一応さっきまでやってたのはボス戦でその前にセーブしておいたから大した被害はないが。

ゲームを再起動しようとゲーム機のボタンを押すがテレビが点かない。真っ暗なまんまだ。

 

「え?あれ?あれあれ?」

 

どうしたことか。テレビをやられたのかゲーム機がやられたのかとあちらこちらを見回していると異常の原因を見つける。

 

「あ〜っ!」

 

見るとコードが切れている。ぴー子、引きちぎったの⁉︎

 

「ちょっとぴー子!さすがにこれはダメでしょ!」

「わ〜い!」

 

ネプテューヌがぴー子を叱るべく追いかけ回す。ぴー子はやっと構ってもらえて嬉しそうにネプテューヌから逃げる。

 

「こら〜!」

「わ〜い!」

「待て〜!」

「きゃ〜!」

 

部屋の中をドタバタとあちらこちらへと往復するネプテューヌとぴー子。

それをアイエフとコンパは椅子に座って見ていた。

そこにミズキもやってくる。

 

「クスクス、今日も元気だね」

「あ!みずき!」

「おはよ、ピーシェ」

「うん!おはよ!」

 

その子の名前はピーシェと言った。

 

「話を聞いててもなかなか要領を得なかったけど……」

「おぱんつに名前が書いてあって良かったですぅ」

 

ピーシェがミズキの方へ駆け寄る。ミズキはしゃがみこんでピーシェを抱き締めた、

 

「ナイス、ミズキ!さあ、私のゲーム機の恨み〜!ここで会ったが100年目〜!」

「ま、まあまあ。ゲーム機は僕が直すからさ」

「ふ〜ん!ぴー、ねぷてぬなんかに負けないもん!」

「言ったな〜!この〜!」

「とぅ!」

「あっ」

 

ネプテューヌがミズキに抱かれたピーシェに殴りかかるとするとピーシェはミズキの腕を抜け出してジャンプした。

 

「ぴー、ぱ〜んち!」

 

「あっ………ぐえっ………!」

 

「あ、あ〜あ………」

 

ネプテューヌの背後にピーシェが降り立って振り向いたネプテューヌに華麗なアッパーを決める。

ネプテューヌはパタリと倒れて白く燃え尽きて灰になった。

 

「へっへ〜ん!どう、みずき⁉︎ぴー、つよいでしょ⁉︎」

「強い強い。ピーシェは凄いね」

「えへへ〜……」

 

幼女にモテる、という嬉しくない特性を持つミズキがその力を遺憾なく発揮してピーシェの頭を撫でる。ピーシェは嬉しそうに笑った。

 

「でも、暴力はダメだよ、ピーシェ。強いのはいいけどね」

「つよいと、いいの?」

「そう。包丁は食べ物を切る物だけど、人を切っちゃダメでしょ?」

「うん。きっちゃ、め!」

「同じことだよ。その拳は使うべき時に使って使うべき相手に使うんだ」

「………?ぴー、よくわかんない!」

「クスクス、そのうちわかるよ」

 

またピーシェの頭を撫でる。

するとネプテューヌがダウンから復活した。

 

「く、くら〜!私はまだ負けてな〜い!」

「あ、そうだネプテューヌ。またベールが来てるよ」

 

ミズキがリビングにやって来たのもそのためだ。

 

「ベールが?いや、今はそんなこと……ってベール⁉︎」

「うん。ネプギアがNTRれそうだよ?」

「ネプギアぁぁぁぁっ!」

「クスクス……」

 

ネプテューヌが全速力でベールの元へと向かう。

それを見てひとしきり笑ってからミズキもそれを追いかけた。

 

「NTR?ってなんですか?」

「………知らないでいいわよ」

 

はぁ、とアイエフは溜息を吐く。

すると部屋にイストワールとジャックが入ってきた。

 

「イストワール様、まだピーシェの保護者は見つからないんですか?」

「ええ。もう3週間も見つかりません」

「何かしらの情報は寄せられてもいいはずだがな。何かわけがあるのかもしれん」

「わけってなんですか?」

「………出来れば考えたくはないな。親の愛情を受けられぬ子供など、いてはならない」

 

ピーシェはミズキとネプテューヌがいなくなって退屈そうにソファーに座って足をプラプラさせている。

あれぐらいの歳の子供をミズキ達は何人も保護した。あれぐらいの歳の子が死んでいくのも何回も見た。あれぐらいの歳の子が泣くのも、何回も見た。

 

「子供は笑顔がいい。楽しく笑っているのが、1番だ」

 

ジャックはそう言ってリビングを後にした。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

教会のベランダでは百合の花が咲き乱れていた。

真っ赤なソファーにベールが座ってネプギアはその胸に顔を埋めて抱きしめられている。

 

「ネプギアちゃん、柔らかいでしょう……?」

「はい、ベールさん……」

 

夢見心地といった有様である。ネプテューヌではたとえ変身してもこの柔らかさを味わうことはできない。

 

「ふふ、いいんですのよ?お姉ちゃん、と呼んでくださっても」

「でも、私のお姉ちゃんは、あんっ」

 

ベールが一層強くネプギアをぎゅっと抱きしめる。

 

「ああ、もうベールさんがお姉ちゃんでいいかも……」

「そうでしょう?」

 

「………出来上がってるね〜」

「あらあら、ミズキ様」

「ネプギア妹化計画は着実に進行してるみたいだね……」

「ええ。あと一歩というところですわね。えい」

「あぁん」

 

ベールがまた強くネプギアを抱きしめる。もうネプギアの瞳は蕩け切ってトロットロだ。

そこにエレベーターが到着し、中から荒々しい足並みでネプテューヌが参上した。

 

「くぉら〜!ウチの妹に〜、何してくれとんじゃ〜っ!」

「お姉ちゃん!」

 

ネプテューヌの参上で一瞬正気を取り戻したネプギア。だがすぐに抱きしめられて「あは〜ん」とか言いながら目を蕩けさせた。

 

「いいじゃないですの。たまに親交を深めるくらい」

「たまにじゃない!ここのところ毎日でしょ⁉︎」

「まあまあ、私は情報を提供したわけですし。少しくらい役得があってもいいでしょう?」

「ぐ………!」

「ん?情報って?」

「なんでもありませんわ」

 

主にミズキのこととかミズキのこととかミズキのこととか。他にもミズキのこととか例えばミズキのこととか。

 

「やれやれ、まるで小姑ですわね。これからもゆっくりと関係を育んでいきましょうね、ネプギアちゃん」

「はぁ〜………!」

「ネプテューヌ、もう手遅れな気がするけど」

「手遅れじゃないよ!ネプギアは渡さないんだから!」

 

ムキー!と両手を上げて怒るネプテューヌをミズキが宥める。

 

「それに、今日はアナタを呼びに来たんですのよ?ネプテューヌ」

「え?私も攻略対象?まさか、姉妹丼⁉︎やだ、そんな、ねっぷぅ〜……!」

 

体をクネクネさせて照れを表現するネプテューヌ。

 

「なんか、変だよネプテューヌ」

「変⁉︎キモいって言いたいような顔してるね!」

「そうではなくて。ブランから連絡が入っているでしょう?」

「え?そうだっけ?」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

ラステイション、教会。そのベランダではピョンピョンと耳の長い小さなカンガルーのような動物が跳ね回る。

ユニがその動物を捕まえて抱き上げる。

 

「見て、耳長バンリクートのクラタンよ。最近飼い始めたの」

「可愛い……!」

「抱っこさせてさせて〜!」

 

それを見てラステイションに訪れたロムとラムが喜ぶ。撫でたり触ったりして楽しんでいたが、その隣ではブランとノワールが話していた。

 

「で、何の用?」

「ノワール、簡単に言うとネットワークセキュリティのことよ……」

「ああ、ウチの鉄壁のセキュリティを手本にしたいのね〜」

「いや、あの……」

 

ノワールはそのセキュリティに自信があるらしく得意げにしている。ブランの言葉なんて聞こえちゃいない。

 

「まあ当然ね。一流のスタッフを惜しみなく雇って作られた難攻不落のファイヤーウォールだもの」

「最近稼働を始めた人工衛星システムもそれで守られているの?」

「ええ、もちろん。真似させてあげてもいいけど……正直お金はかかるわよ♪」

 

華麗にウィンクをするノワール。そんなノワールにブランが信じられないことを告げた。

 

「ラステイションのサーバーから衛星にハッキングされた形跡があるわ」

「………はいぃ⁉︎」

「だから……」

「ありえないわ!あのセキュリティが突破されるのは空から人が落ちてきて衝突するくらいのーーー」

 

「ーーーーぅーーーー」

 

「え?」

何か上から悲鳴が聞こえた気がして空を見る。するとそこにはネプテューヌがいた。

 

「………は?」

 

「ねっぷぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

 

「ちょ、ちょちょ、え⁉︎」

 

ネプテューヌはノワールに向かって落下してくる。なんで落ちてるの、とか変身しろ、とか言いたいことはあるものの、まずは回避から!

するとさらにネプテューヌに追いつこうとする赤く光る戦闘機が見えた。

 

《ネプテューヌぅぅ⁉︎》

「み、ミズキ!ちょうど良かったヘルプミー!」

《くぅぅぅぅぅあぁぁぁぁ!》

 

赤く光っているのはトランザムだろうか。元の色がオレンジであるその機体の名前はキュリオス。可変式の機体であるのだがーーー説明はまたいつか。

そのキュリオスがネプテューヌの隣に並んで変形し、人型になる。

そしてネプテューヌを抱き締めて精一杯逆制動をかけるが減速する気配がない。

 

《ネプテューヌ、歯食いしばって!》

「う、うん!いー!」

《健康な歯!ぐわぁぁぁ!》

 

ドカーンと音を立ててミズキがネプテューヌを庇って不時着する。

周りにはコンクリートが砕けた砂埃が舞い上がった。

 

「ごほっ、ごほっ!み、ミズキ⁉︎」

「ミズキ……!」

 

全員もれなくネプテューヌより先にミズキの心配をしているのは言及してはならない。

砂埃が晴れるとそこにはネプテューヌが尻餅をついて座っていた。

 

「ふ〜、助かった〜!あれ?ミズキは?」

 

周りを見渡すがミズキがいない。

 

「………アナタの下よ」

「ミズキが、目を回してる……」

「きゅ〜………」

「うわわわっ!ミズキ⁉︎」

 

地面にめり込んで変身が解けたミズキはそのまましばらく目を回していたのだった。




キュリオス、下敷き。
僕はあの機体大好きなんですよ。大好きなんです。あのトランザムとか最高じゃないですか。アレルヤ機は不遇ですけど……。

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