超次元機動戦士ネプテューヌ   作:歌舞伎役者

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キャラ崩壊してますかね…。まあさせたんですけど(開き直り


第6章〜日常への回帰。ミズキの国巡り〜
甘えん坊ネプテューヌ


「ん〜ふふふ♪」

「…………」

 

ミズキの膝の上にネプテューヌが座っている。

リビングではあるもののネプテューヌは何をしているというわけでもない。

ゲームしているわけでもなく仕事しているわけでもなくプリンを食べているわけでもなく本当にただミズキの膝の上に座ってご機嫌そうに笑っているだけだ。

 

「んふふ♪むふ〜……」

 

ミズキも何をするわけでもなくネプテューヌの脇の下から手を通してネプテューヌの頭に顎を乗せている。じんわりと顎が温かい。

 

「んふっ、ふふふ〜♪」

 

ネプテューヌが反転してミズキに頬ずりし始めた。ミズキは構わず顎だけネプテューヌの頭から離してされるがままにする。

それをアイエフが遠巻きに眺めていた。

 

「なにあれ……キモっ」

 

女子の言葉って辛辣だよね。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「えへへ〜♪ミズキ、頭撫でて〜♪」

「ん」

「えへへ〜」

 

「何よアレは……砂糖吐きそうなんだけど」

「ちょっと重症ですよね……」

「あ、ネプギア」

 

言われるがままに頭を撫でるミズキとご機嫌なネプテューヌ。

遠巻きに眺めているアイエフの隣にネプギアがやってきた。

 

「どういうことよ、アレは。ほんの3日会わなかっただけでとんでもないことになってるわよ」

「なんか、反動だと思います……」

 

ネプテューヌが笑っているのはいつものことなのだが……なんか、ベクトルが違う。

ネプテューヌの笑顔はあくまで屈託のない元気な笑顔であってあんな新婚ホヤホヤみたいな甘ったるい蕩け切った笑顔ではないのだ。

 

「最初はミズキさんも困った顔してたんですけど……最近はもう受け入れ始めちゃって」

「現実逃避じゃないのそれは」

 

ネプテューヌの優先順位はこの3日の間ゲームよりもプリンよりも仕事よりもミズキとの触れ合いの方が上だというのだろうか。

 

「ねえ、ミズキ。ぎゅってして〜」

「ん」

「んふ〜♪」

 

「待って、ごめん、限界。ブラックのコーヒー頼める?ジョッキで」

「それはカフェインが致死量だと思います」

「糖尿病になるのよりマシよ」

「アイエフさん、優先順位が入れ替わってますよ」

 

見るものすら狂わせる甘ったるさ。ここまで来ると甘さは兵器である。

 

「ふわぁ……眠くなってきたよ」

「私も〜。このまま寝ちゃおっか〜……」

「うん……そうしよっか……」

「カンガルーが1匹……カンガルーが2匹……カンガ……ルー……」

「なんで……カンガルー……」

「スヤァ」

「スピー」

 

「なんなのよあの落ち着いた空間は」

「安らぎを感じますね……」

 

するとそこにイストワールとジャックがやって来た。

 

「イストワール様、ネプ子はあれで大丈夫なんですか?」

「仕事はしてるので……文句が言えないんですよね……」

「あれでしてるんですか?」

「ちゃんとネプテューヌだけでな。仕事終わるまで触れ合いはなし、と言ったら超速で仕事を終わらせるようになった。おかげでシェアも持ち直してきてる」

「ええ……」

「織姫と彦星も再開したらあんな感じなんでしょうねって思うネプギアです……」

 

ぐっすり眠る2人を遠巻きに眺める。

 

「こんなんでみんなは大丈夫なんですか?」

「そうだな。今教会では砂糖菓子を売りさばいてる」

「ああ……もう砂糖大放出なんですね……」

 

アイエフはげんなりとしている。

 

「今この教会で唯一2人に近付ける人といえば……」

「あれ?また寝ちゃってるですか?」

 

後ろからやってきたのはコンパ。2人の放つ甘ったるいオーラを物ともせずに音を立てないように2人に近付いていく。

 

「コンパくらいなんですか」

「そうなんです。さすがに私でも近寄り難く……」

「イストワール様は悪くありません。あの2人が悪いんですあの2人が」

 

「こんなところで寝たら風邪引くですよ?」

「ん、ん〜……コンパ?ごめんね、今ネプテューヌを動かーー」

「ん〜……や……!」

「せないみたいだね。悪いけど毛布を持ってきてくれるかな」

「はいです。ふふっ、ねぷねぷが甘えん坊さんです」

 

コンパが毛布を取りに部屋へと向かう。

ミズキはネプテューヌの頭を撫でながらアイエフ達に困った顔を見せた。

 

「ごめんね。ネプテューヌが甘えてくるから……」

「ミズキ、アンタ無事だったの?」

「心を殺して飲み込まれるのを防いでたよ……。ああいう絡まれ方はあんまり体験したことないから……」

 

ミズキは苦笑いしながらネプテューヌを眺める。

 

「まあ、こういうのも良いかなって。いつもの元気なネプテューヌに戻るまで、こういうのを楽しんでるよ」

「こんなお姉ちゃん初めて見ます……」

「私もですね。子供の時からネプテューヌさんは元気でしたから……」

「クスクス、イストワールも見たことないネプテューヌなんて相当レアだね」

「思い出したら赤面するパターンだな」

「ネタにするよ。クスクス……」

 

安らかな顔でぐっすり眠るネプテューヌ。ミズキは優しい顔でその頭を撫でていたのだった。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「ねえ、ネプテューヌ」

「ん?なに?」

「………これは、女神会議のはずよね?」

 

ネプテューヌが見ている先はパソコンの画面。そこにはノワール、ブラン、ベールの顔が映っている。

 

「まあ、確かに非公式ではありますが……それにしても……」

「……離れなさいよ、ネプテューヌ」

「イヤだよ!ミズキは私のものなの!」

「あはは……ネプテューヌの所有物になった覚えはないんだけど……」

 

ネプテューヌはミズキの膝の上に座っていた。ネプテューヌの頭の上には困った顔のミズキが映っている。

 

「百歩譲ってミズキが一緒にいるのはいいとして!なんで膝の上なのよ!」

「私が座りたいからだよ!キリッ!」

「理由になってな〜い!」

「チッ」

「ほら、ブランも舌打ちし始めたことですし……。少しでいいので離れては?」

「え〜!いいじゃん別に!私がどうかするわけじゃないんだしさ!」

「そりゃテメエは幸せだろうなぁッ⁉︎」

「ま、まあまあブラン。僕がしばらくいなかったからその反動なんだ。ごめんね」

「……ケッ、ミズキに免じて許してやるけどよ……」

「ですが、やりにくいですわね……」

「……はあ、もう仕方ないわよ。何か議題はある?」

「ないよ〜」

「ないわ」

「ありません」

「あらそう?じゃあ……」

「あ、はい」

 

ミズキが手を挙げた。

 

「議題っていうか相談事なんだけど、いい?」

「へ?そんなことあったっけ?」

「ん、今思いついた」

「……?まあいいわ。それで、その相談事っていうのは?」

「ちょっと、君達の国に行きたいなって」

「へ?私達の国に?」

「うん。ちゃんと顔合わせて謝罪とお礼がしたいって思ってて」

「ダメ〜〜っ!」

「あはは……まあ、そう言うとは思ってたけど……」

 

ネプテューヌが荒ぶってミズキの膝の上で暴れる。

 

「大丈夫だよ、ネプテューヌ。すぐプラネテューヌ(ここ)に帰ってくるよ」

「ダメッ!それは信じてるからいいけど、ダメなの!」

「いいじゃないの、別に。そりゃ私達だってミズキがいると嬉しいけど、奪い取るつもりはないわよ」

「ノワールが1番奪う確率高いじゃんか!」

「な、なんでよ!」

「私も、執事じゃないミズキに来て欲しいのだけど。ロムとラムも喜ぶだろうし」

「私もミズキ様には正式にお礼がしたいですわ。ミズキ様だけリーンボックスでもてなしていませんし……」

「ほら、ネプテューヌ。みんなもそう言ってるし……」

「ダメ〜!絶対ダメっ!」

「ネプテューヌ、独り占めはダメよ……」

「みんなが独り占めするからダメなんだよ!」

「ああ、もうこんがらがってきたわ」

「いいじゃないですの、ネプテューヌ。何故そんなワガママを?」

「そうね。いつにも増して頑固だけど……」

「何か理由があるのかしら?」

「て、テメエの胸に聞け〜!特にノワール!」

「だからなんで私なの⁉︎」

「とにかく!これはミズキの前では話せないから、また私達だけで話す機会を作るよ!」

「クスクス、お願いね」

「前向きに善処する方向性で検討しとく!」

「それはやらないと言ってるようなものでは……」

「やれたらやる!」

「それもですわよ……」

 

本日の女神会議、成果。

…………特になし。

 




行けたら行く。魔法のような言葉ですね。
ネプテューヌは甘えきったらこんな感じだと思います。いつもならもうちょっと連れ回したりすると思うんですけど。

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