超次元機動戦士ネプテューヌ   作:歌舞伎役者

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対プロヴィデンス戦。意味は天帝とか神意とか摂理って意味らしいです。カッコよすぎィ!

今度はジャックの挿絵も書きました。ジャックは裸に腰巻が普段着れす。第2話、戦闘にも貼っています。


【挿絵表示】



プロヴィデンスー天帝ー

プロヴィデンスは核エンジン搭載型の高性能機だ。核エンジンより得られるほぼ無尽蔵の電力により、PS装甲は常に展開されビームも弾切れすることはない。

 

「落とす……!」

 

そのユーディキウム・ビームライフルから緑色のビームがベールに向かって飛んでいく。

だがその大型のライフルはベールの素早い動きを捉えられなかった。

ビームが届く頃にはベールは既に移動している。

 

「悪いですけど、ここでモタモタしている暇はありませんっ、のっ!」

 

接近したベールが槍を突き出すがプロヴィデンスの複合兵装防盾システムから突き出したビームサーベルがそれを弾く。

 

「何故起こす……!長き戦いからようやく休めるというのに!」

「くっ!」

 

振り戻したビームサーベルを後退して避ける。

 

「ただ助けると、ただそのためだけに戦い続け、苦しみ、悩み、足掻く!その姿のなんと哀れなことか!」

「アナタは、何を!」

 

接近したプロヴィデンスのビームサーベルを槍で弾く。そしてプロヴィデンスを蹴飛ばした。

 

「だが、ただ真摯に!無垢に!その心を貫く姿のなんと美しいことか!」

 

下がりながらユーディキウムの引き金が引かれる。ベールは間合いを取りながらそれを避けて行った。

 

「お前が!またその戦いの中にミズキを連れ戻そうというのなら!」

「っ⁉︎」

 

プロヴィデンスの背中の円板状のバックパックから多数の円錐状の物が分離した。

その名はドラグーン。量子通信により無線で動くビーム砲だ。

プロヴィデンスに装備されているのはビーム方が2門装備された小型のタイプが8基、ビーム砲が9門装備された大型のものが3基、合計11基に、砲門の数は43門。

それはピュンピュンと素早い動きでベールに襲いかかる。

 

「くっ、はっ、っ!」

 

ベールもドラグーンから発射されるビームを懸命に避けながらその間合いから離れようと後退する。

 

「所詮、貴様は!」

「くっ!」

 

だが接近したプロヴィデンスが息つく暇を与えない。

ビームサーベルを槍の柄の部分で受けた。

 

「半端な覚悟でミズキに責を負わせる!奴の荷物を増やす!それを見ていた気分はどうだ⁉︎荷物にも気付かず気楽に過ごしていた時間は楽しかったか⁉︎」

「っ、そんな……!」

 

ドラグーンが鍔迫り合っているベールに追いついた。

ベールは瞬時に間合いを取ってドラグーンの間合いから離れようとする。

 

「“助ける”ことの重さも知らずに!知らないから笑い、楽しみ、喜ぶ!貴様がミズキの何を知る⁉︎」

「くっ、うっ……!」

 

ドラグーンがプロヴィデンスの周りに集まり、44門の銃口が一斉にベールに狙いを定める。

ベールはできるだけ躱すが、いくつかは防御魔法で受けざるを得ない。

 

「ミズキ様は……!いつも笑っていました!アナタこそ、ミズキ様の何を知っているというのですか⁉︎」

「全てだ!奴は知ってこそ、笑う!楽しむ、喜ぶ!知っているからこそ、失敗すれば啜り泣く!成功すれば微笑む!だが、その日々に安らぎはない……!また、次の者が助けてと叫ぶ!」

「っ、ああっ!」

 

ついにベールの防御魔法が破られる。

ベールは一か八か、プロヴィデンスに接近した。

 

「お前もその1人だろう?お前もミズキの心をすり減らした者の1人だ!その咎人が、何故ここに来るッ!」

「レイニー……!」

 

弾幕を避けながらベールはプロヴィデンスに接近する。

槍を構えて接近した瞬間、全てのドラグーンが一斉に火を噴いた!

 

「ああっ⁉︎」

 

まるで網のようなビームがベールを射止める。

左肩に被弾して勢いが止まったベールの隙を見逃しはしない。

瞬時にドラグーンはベールを囲んでいた。

 

「しまった⁉︎」

「堕ちていけ、女神!」

「っ、あっ!うっ、あああっ!」

 

懸命に避けるがビームの雨から逃れることはできない。ベールの全身をビームが打つ。

 

「綺麗事を並べて御託を言いに来たのなら!今ここで、死んで行け!」

 

ボロボロになって体中から黒煙を上げるベールにビームサーベルを発振しながら接近する。

 

「っ、うあっ!」

「フハハハ、フハハハハハハ!」

 

ベールの胴がビームサーベルで切られ、ベールは吹き飛ぶ。そしてデブリにその体を埋めた。

 

「まだ終わらん!何人たりともこの眠りを邪魔させはせぬ!」

 

デブリに埋まっているベールにドラグーンがビームを浴びせていく。ベールは声も上げない。そのうちにデブリは繰り返されるビームに粉々に砕けた。

 

「フハハハ!ハハハハハ!」

 

ベールはその笑い声をひたすらに聞いていた。

彼の言葉の意味も考えた。

ミズキのことを考えればこそ、ミズキを助けない方がいい?

 

「そんな……こと……ない……ですわ」

 

ミズキは、ミズキはあの時に言ってくれたのだ。助けてと言ってくれたんだ。

それを私が信じなくて、誰が信じる……!

 

あら、手酷くやられたわね。

 

「な……に………?」

 

ま、ミズキの心を突破するなんて私でも無理よ。ここはひとつ、手を組まない?私も寝たきりのミズキは嫌なのよ。

 

「……残念ですけど……遠慮させてもらいますわ」

 

ベールはもう1度槍を握り締める。

そして高笑いをしているプロヴィデンスをキッと見つめた。

 

「散々、助けてもらったのですわ、私達は……。今回くらいは……自分の力で、やらなければ、面目がありませんの……」

 

プロセッサユニットがベールの体を支える。

 

「まだ、ですわ……!覚悟、してもらいますわ!」

「フン!ならば叩き潰すまでだ!」

 

再びベールは槍を持って接近するが動きに冴えがない。

すぐにドラグーンの弾幕に捕まって集中砲火を食らってしまう。

 

「ううっ、あう!」

「気付け!その想いは間違いであるということに!」

「うああああっ!」

 

ビームの雨がベールの体を焦がしていく。

 

「何故起こそうとする⁉︎結局貴様は自分のことしか考えていない!お前のため、君のためと言いながら自分のためだ!それに気付きながら認めようともしない!逃げ、知らず、聞かず!そして自分をも誤魔化す!」

「っ、私は……っ!」

 

ベールは槍を回転させて正面からのビームを弾く。

そのままデブリ帯に入ってドラグーンの集中砲火を防ぐ。

 

「何が違う、何処が違う!答えて見せろ、見せてみろ!貴様はミズキの新たな未来たり得るのか⁉︎」

 

デブリ帯から飛び出したベールはプロヴィデンスに回り込みながら接近、だがプロヴィデンスは盾でその槍を防ぐ。

 

「私は、私のためにミズキ様を起こすのですわ!」

「それでミズキを崩すつもりか!辛うじて形を保っているだけの脆い男を!」

「崩しはしません!」

「何故そう言い切れる⁉︎」

「私が、支えます!」

「貴様に出来るわけが!」

「やるしか、ないのですわ!」

 

ベールがプロヴィデンスを蹴飛ばす。そして間合いを詰めて槍で薙ぎはらう。それをプロヴィデンスはビームサーベルで払って受けた。

 

「私が、ミズキ様に会いたいのですわ!会った結果ミズキ様が崩れてしまうと言うならば……支えるしかないのですわ!」

「まだ並べるか!耳に心地よい言葉はまるで毒だ!人の心を溶かし、変えていく!」

「御託でも綺麗事でもありません!人は、1人では崩れてしまうから集まるのですわ!」

「その集まった仲間は死んだ!あの次元に残されて!貴様に彼ら彼女らの代わりができるか⁉︎」

「代わりなんて、最初っからなる気はありませんわ!」

 

ベールの周りにドラグーンが接近する。それを避けながらベールは大きく後退し、回り込みながら再びプロヴィデンスに接近しようとする。

 

「1人では崩れてしまうから!私が、今度こそは友達になるのですわ!彼が崩れてしまいそうな時に、寄り添い、助ける!」

「また助けると!その重みをわかれと、言ったはずだぁっ!」

「うあっ!」

 

ドラグーンから放たれたビームがベールの右手に当たる。その衝撃でベールは槍を手放してしまった。

 

「貴様が言っていることは欺瞞だ!ただ共に沈みゆくことを良しとするか!そんなもの、刹那の快楽を与える毒だ!」

「うあああっ!」

 

ドラグーンがまたベールの体にビームの雨を降らす。

 

「その想いを貫く強さもない者がぁッ!」

「あうっ!」

 

プロヴィデンスがビームサーベルでベールを叩き落とす。

 

「くっ、はっ……っ!」

 

アナタ、なかなか良いこと言うじゃない。力、貸してあげるわよ。

 

「いらないと、申しております……!」

 

そう言わないの。私があげたいんだから、私がやるの。

 

「ですが……!」

 

アナタがしたいことは、そういうことでしょ?

 

「……っ、好きにすれば良いですわ!」

 

良い子ね。それじゃ、頑張って。

 

ベールは左肩に熱を感じる。そこには炎のマークが刻まれていた。ミズキのマークと同じもの。『子供達』の、仲間の証。

 

「まだ立つか!まだ聞かぬか!まだ逃げるか!」

「逃げなんて、しませんわ……!」

 

ベールはその左肩に右手を重ねる。

 

「私はこの想いを貫くことから、逃げはしませんわ!誰に何を言われようと、この想いを貫きます!」

「非力な者が、生意気に!」

「私はもう、非力ではありません!」

 

女神候補生のように、その力を、その身に!

 

変身(change)、NEXT!」

 

 

ーーーー『Realize』

 

 

「ぬうっ!」

 

ベールのプロセッサユニットが形を変えていく。青く輝くその翼は自由の翼。

その右腕には盾が装備され、ベールの新たな槍がその手に握られる。

 

「フリーダムの力!味わってもらいますわ!」

「貴様がその力を扱ったとて!」

 

ベールの中で何かが弾ける。ベールの瞳はハイライトを失った。ベールはSEEDすら発現して見せたのだ。

 

「覚悟なさい!」

 

ベールが大きく飛翔する。それを追いかけるドラグーンに反転しながら翼の中に収納されたバラエーナプラズマ収束ビーム砲を2門同時に発射する。そのビームに巻き込まれて小型ドラグーンが1基爆発する。

 

「不完全なその力で!」

「不完全でも!」

「ミズキを救うなどと!」

「私は、それしか知らないのですわ!」

 

ベールの手にさらにもう1つ槍が握られる。その柄同士を連結させてベールの手に長大な槍が握られた。さらにその槍の刃の部分からビームが突き出てさらにリーチを伸ばす。

アンビデクストラスハルバードだ!

 

「はああっ!」

 

ベールが突進しながら槍を振り回してドラグーンを2基落とす。

そのままプロヴィデンスに近付いて槍を振るった。

 

「くううっ!」

 

プロヴィデンスは後退して避けるがビームの刃がユーディキウムに当たって爆散する。

 

「やめろ、やめろ!ミズキを、苦しめるなぁッ!」

 

プロヴィデンスの周りに集結したドラグーンが一斉にビームを撃つ。

だがベールは槍を回転させてそれを防ぎながら突進する。

 

「私が、私が……っ!」

 

ベールはその槍を右手に持ち、大きく振りかぶって投合した。

ドラグーンがビームを数発浴びせるが槍は壊れない。

その槍は吸い込まれるようにプロヴィデンスの胴体に当たった。

 

「ぐっ、ううっ!」

「ミズキ様を、支えるのですわ……!」

 




ベールにはSEED系の力が。シルヴィアが力を貸してくれました。
変身はまだまだ不完全で発現してるのは翼のユニットと盾くらい。

クルーゼはごちゃごちゃ喋るので大変ですね。おかげで量が多くなりました。

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