超次元機動戦士ネプテューヌ   作:歌舞伎役者

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みなさん量産機の中で何が好きですかね。
僕はドム・トローペンとかズゴック・Eとかが好きです。


ネプギアの焦り

翌日の朝、ネプテューヌはネプギアの姿を探していた。

起きてはいるらしいのだが教会の中にはいない。まさかネプギアまでいなくなるはずは……と思い外に出るとそこには素振りをしているネプギアがいた。

 

「ふっ、ふっ、ふっ……!」

「お〜、ネプギア!頑張ってるね!」

「お姉ちゃん……。うん、ありがと。でも、まだまだ……!」

 

ネプギアはそう言って木刀を振るう。

そこにアイエフがやって来た。

 

「あいちゃん、おはよ!」

「おはよ。……ネプギアね、今日何時に起きたと思う?」

「え?今が7時だから……6時とか?」

「5時よ。5時に起きてランニングしてずっと素振りしてるの」

「ええっ⁉︎」

 

そう言われてネプギアを見るとネプギアはなんだか鬼気迫るような形相だった。

前見たような、焦りみたいなのを感じる。

 

「私がいくら言ってもやめないのよ。ネプ子なら止められない?」

「わ、わかったよ」

 

ネプギアのところに言って説得を始める。

 

「ネプギア、そろそろご飯だよ!とりあえず素振りは切り上げない?」

「あ……もうそんな時間……。ごめんお姉ちゃん、あと少しだけ……」

「ダメダメ!いきなりそんなに頑張ったら倒れちゃうよ!ゆっくり体を慣らさないと!」

「……うん、そうだね」

「お詫びと言っちゃなんだけど、一緒にモンスター退治に行こうよ!」

「ううん、大丈夫。今日は私、1人で行ってみたいの」

「え………?」

 

ネプギアが誘いを断るなんて。

 

「あ、あの、そういうことじゃなくて!せっかく変身できるようになったから1人で行ってみたいな〜……って!」

「あ、ああ!そういうことね!もう〜、びっくりしたよ〜!さ、そうと決まれば朝ご飯だよ〜!」

「うん」

 

ネプテューヌは気付いていた。

ネプギアが寂しい笑顔をしていたことに。その笑顔はミズキの時もノワールの時もそう。何か嘘をついている時に見える笑顔だ。

ネプテューヌは後ろを歩くネプギアの心中を察しようと思ったが出来なかった。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「………もう朝か」

「ふぅ………」

 

ジャックはイストワールの額から額を離す。

イストワールは力が抜けたようにへたり込んだ。

 

「すまない、無理をかけた」

「い、いえ、構いません。これくらい……」

「いや、休憩を取ろう。倒れてしまっては元も子もない」

 

ジャックは部屋から出て行ってしまった。

イストワールは気分が下がるのと同調しているかのように高度を下げる。

それは疲れたのもあるが何より自分が不甲斐ないのもある。

 

「これでは、教祖失格です。もっと頑張らなければ……」

 

気合いで高度を上げて部屋を出ようとするとそこにジャックが入ってきた。

 

「冷蔵庫にあったプリンを持ってきた」

 

空中からプリンと小さなスプーンが現れた。小さい体でもこの能力を駆使すれば何でも運べるらしい。

 

「食べよう」

「ですが、それは多分ネプテューヌさんの……」

「構わんだろう。さあ、バレる前に食べ切るぞ」

「………はい」

 

くすりと笑ってプリンの蓋を開け、食べていく。

ネプテューヌの悲鳴が教会中に響き渡ったのはその数分後だった。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

ネプギアはモンスター退治の依頼があったプラネテューヌの森の中を歩いていた。

気を張り続けて、いつ何処から敵が何をしてこようと反応出来るように。

するとネプギアの後方で草むらがガサッと音を立てた。

 

「そこっ!」

「⁉︎」

 

ネプギアがビームソードで飛び出した敵を切り裂く。

だがネプギアは全く嬉しそうな顔をしない。険しい顔のまま、また歩き出した。

 

「………ダメ、こんなんじゃ……」

 

森が開けて草原が広がっている。

そこにはうじゃうじゃとモンスターがいた。まるでそれはラステイションで経験したようなモンスターの数だ。

 

「変身……NEXT!」

 

ネプギアは変身を完了しさらに武装が強化される。

 

「もっと、もっと………!」

 

 

 

 

 

 

「はあっ、はあっ、はあっ……」

 

ネプギアが降り立った草原にはもうモンスターは1匹たりともいなかった。

ネプギアはほぼ無傷だがそれでも険しい顔をしたまま。

ネプギアは気配を感じて後ろを振り返る。そこには小型のモンスターがひょこひょこと逃げているところだった。

 

「待ちなさいよっ!」

 

飛び上がってM.P.D.B.Lを振り下ろそうとするとそれが何者かの太刀に阻まれた。

 

「っ!」

「ネプギア」

「……っ、お姉ちゃん……」

 

そこには変身したネプテューヌがいた。ネプテューヌの太刀でネプギアの剣は阻まれたのだ。

 

「心配になって追いかけてきたらこれよ。ネプギア、これはどういうこと?」

「……ごめんなさい、お姉ちゃん……」

「謝罪の言葉が聞きたいわけじゃないの。どうしてこんな危ないクエストに1人で行ったのかを聞いてるの」

「……だって……っ!」

 

ネプギアは涙を流していた。ネプテューヌに厳しく当たられたからではない。

 

「私、ミズキさんより強くならなきゃ……!もっともっと強くなってミズキさんを超えなきゃいけないのに……!ひっく、ううっ……!」

「……どうしてミズキより強くならなきゃダメだと思うの?」

「ひぐっ、だって、そうじゃなきゃミズキさんを守れない……っ!」

 

強くなってミズキを守りたい。守らなければダメなのに、力が足りな過ぎる。いくらモンスターを倒そうと胸に残るのは虚しさだけ。焦りだけが募っていく。

 

「……だったらネプギア。明日は私と模擬戦をするわよ」

「ぐすっ、……え?」

「それでネプギアが欲しいものを掴みなさい。今日はもう帰るわよ」

 

ネプテューヌは振り返ってスタスタと先を歩く。

私の欲しいものは何か。決まってる、強さだ。

ミズキさんを守れる強さが欲しい。ただ、それだけ………。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

翌日、ネプギアとネプテューヌは変身した状態でプラネテューヌの森の深くにいた。

近くにはアイエフとコンパもいる。

 

「さあ、ネプギア。手加減はなしよ」

「う、うん……」

「今日は強くなったネプギアの実力を確かめるためってのもあるのよ。怪我をしてもコンパがいるから、精一杯来なさい」

「わ、わかった!それじゃ、行くよ!」

 

ネプギアがNEXTになり武装が強化された。

 

「ええいっ!」

 

ネプギアがM.P.D.B.Lをネプテューヌに向かって撃つ。ネプテューヌは防御魔法では防御しきれないことをわかってひらりひらりと弾を避ける。

 

「私も、手加減はしないわ!」

 

ネプテューヌはネプギアに向かって弾を避けながら接近する。

ネプギアはスパローに換装し、逆手にM.P.D.B.Lのシグルブレイド部分を構えた。

 

「そらっ!」

「くっ!」

 

ギャリギャリと刃が擦れ合う。

ネプギアは距離をとってネプテューヌを翻弄すべく急加速と急旋回の動きを繰り返す。

シュピッ、シュピッと音を立ててネプギアはネプテューヌとの距離を詰める。

 

「そこっ⁉︎」

「っ、危ないっ!」

 

ネプテューヌが間合いを詰めて攻撃に出ようとする度にネプギアは間合いを取って仕切り直す。

ネプテューヌの太刀よりもシグルブレイドはリーチが短い。そのため懐に入り込まなければ勝機はない。

自分の間合いにネプテューヌが入るまで、慎重に間合いをはかり機敏に移動する。

 

「くっ」

「そこっ!」

 

ネプテューヌが迂闊に前に出たところに機動力を生かして懐に入り込む。

 

(決まった!)

 

シグルブレイドを腕のプロセッサユニットの勢いも使ってネプテューヌに切りつける。

だがネプテューヌは太刀を小手先で回してそれを受けた。

 

「えっ⁉︎」

「軽いわよ、ネプギア!」

「きゃあっ!」

 

そのままネプテューヌは太刀を振り回してネプギアを吹き飛ばす。

その腹にネプテューヌの跳び蹴りが入った。

 

「うっ!」

「まだよ、ネプギア!」

 

ネプギアはプロセッサユニットの力を全開にしてスピードを落とし、地面に着地する。

そこにネプテューヌが迫り太刀を振り下ろそうとしていた。

 

「もらった!」

「タイタス!」

 

ネプギアのM.P.D.B.Lは消えて赤いラインがネプギアのスーツに入る。

ネプギアは腕を十字に組んでネプテューヌの太刀を受け止めた。

 

「っ、そんな!」

「タイタスの、防御力とパワーなら……!」

 

そのままネプギアはネプテューヌの太刀を両手で掴んだ。

 

「飛んで、お姉ちゃん!」

 

そのままネプギアは1回転してネプテューヌを投げ飛ばした。

 

「きゃあああっ⁉︎」

「今だ……!」

 

ネプギアはノーマルに換装し直してその手にM.P.D.B.Lを持つ。

ネプテューヌめがけて地上からビームを発射する。

 

「くううっ、当たらないわよ……っ!」

 

だがネプテューヌは投げられた勢いを生かしてさらに後退、M.P.D.B.Lのビームの有効射程外にまで離脱して防御魔法で易々とビームを弾いた。

 

(さすがに、お姉ちゃんは強い……!)

「さあネプギア、続けるわよ!」




AGE1はこんなにホイホイ換装出来ないですけど、まあ許してヒヤシンス。
こうして書いてるとネプテューヌって飛び道具がないんですね。Gガン並みの潔さ。

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