超次元機動戦士ネプテューヌ   作:歌舞伎役者

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24歳、覚醒です(ナニ




覚醒

届かない、その胸に。

 

僕の想いはどうすれば届く。

 

届かせたい、その胸に。

 

僕の想いをどうしても届けたいんだ。

 

届かせる、その胸に。

 

僕の想いを届かせてみせる。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「ロム、ラム……」

「ユニ……」

「みんな、素晴らしいですわ」

 

女神達は結界の中で次々と変身する妹達を見ていた。変身して精一杯戦う妹達はなんだかとても立派でーーー。

 

《みんな!》

 

「ミズキ!」

「ミズキ……!」

「ミズキ………」

「ミズキ様……」

 

結界の側にユニコーンが着地した。

空中からジャックが現れる。

 

《ジャック!解析開始!》

「了解だ!」

 

「み、ミズキ!私、私……!」

《そんなこと、後でいいよ!まずはこの結界を、壊す!》

 

ユニコーンがビームマグナムを構えて結界に向かって2連射する。そして新たなマガジンを加えてさらにもう1発撃った。

 

「そんな、ビクともしないなんて……!」

「ミズキ……」

 

すると足元に溜まっていた黒い水が蠢き出した。黒い水は手のようになって女神達の体に絡まり始めた。

 

「はっ⁉︎」

「なんなの、これは……」

《ジャック!アレは⁉︎》

「アンチクリスタルの結界が完成し始めた……!」

「そ、そのアンチクリスタルってのは何なのさ!」

「アンチクリスタルは行き場の失ったシェアエナジーをアンチエナジーに変換する力もある……!このままでは女神の命は奪われるぞ!」

《くっ……!ならば……っ!》

 

マグナムを捨ててビームトンファーを結界に突き刺す。だが結界は破れる気配もない。

 

《くっ……ぐっ!》

「冷たい……」

「私、既に体の感覚がありませんわ……」

「ええっ⁉︎」

「そうね、麻痺し始めてる……」

「全身に絡みつく前に、何とかしないと……!」

「ど、どうすればいいの、ジャック!」

「それを今解析している!」

《クソォォォッ!》

「ミズキ……」

 

そこにアイエフとコンパもたどり着いた。

 

「ミズキ!私達も手伝うわよ!」

「ええいっ!」

 

アイエフとコンパは結界に向けて攻撃をするが、コンパの注射器は針が折れてしまった。

 

「そんな……!」

「コンパちゃん、それ、無駄っチュよ」

「ネズミさん……」

 

後ろにはようやくここまで戻ってきたワレチューがいた。

 

「隕石が落ちてもその結界は壊れないっチュ。その程度じゃ……」

「無理じゃないです!きっと壊すんです!」

「その意気よ、コンパ……!」

「……諦めた方がいいと思うっチュ」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

女神候補生達もマジェコンヌに苦戦していた。

みんなの強力な攻撃は全く当たらず敵の攻撃は防御魔法を数発で砕く威力を持つ。

 

「弱い弱い!変身できてもお前達はその程度だということだ!」

「くっ……!」

「バカにしないで!」

「やっつける……!」

 

魔法を使おうとしたロムとラムの眼前にマジェコンヌが迫った。

 

「レイニー・ラトナビュラ!」

「あああっ!」

「ロムちゃん!」

「余所見している余裕があるのか?テンツェリン・トロンベ!」

「きゃああっ!」

 

2人は地面に叩き落とされた。

次にマジェコンヌはユニに狙いを定めた。

 

「ロムちゃん、ラムちゃん!」

「もうじき女神どもも死ぬ!お前達がここで戦う意味などない!」

「そんな、こと……っ!」

「レイシーズ・ダンス!」

「きゃああっ!」

 

ユニも姉の技で地面に落とされた。3人は立つことができない。

 

「ユニちゃん!」

「お前で最後だ!」

「っ、やられはしません!」

 

マジェコンヌとネプギアの武器がぶつかり合いスパークする。だがパワーは完全にマジェコンヌの方が上だった。

 

「くっ、ううっ!」

「己の弱さを噛み締めながら、絶望して死んで行け!」

「きゃあっ!」

 

マジェコンヌに武器を振り切られてネプギアは吹き飛ばされる。

 

「お前も叩き落としてやるよっ!」

「っ!」

「クロス・コンビネーション!」

「きゃああっ!」

 

ネプギアも地面に叩き落とされた。痛みで体が動かない、立てない。

 

「トドメだ」

 

マジェコンヌの武器の形状が鎌へと変化する。その武器の形は4人の女神の武器のどれにも似ていない。

 

「ウィッチーズ・ハントッ!」

 

「………あ……っ……!」

 

女神候補生達に浴びせられた黒い斬撃。ネプギアは歪む視界の中で姉がいる結界を見ていた。

 

「お姉ちゃん………」

 

ネプギアの意識は途切れた。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「ベール!」

 

4人の女神の中で1番底にいるベールの体の半分が黒い水に埋まった。上半身も黒い水に包まれようとしている。

 

「ネプテューヌ……」

「ベール、ベール!」

 

ベールはネプテューヌに手を伸ばす。ネプテューヌはその手をしっかりと掴んだ。

 

「ミズキ様……私、最期に助けに来てもらえて………」

《やめろ、ベール、ベール!》

「………………」

「ダメェェェェッ!」

 

次にブランの体が水に包まれ始めた。

 

「ノワー……ル……」

「くっ、ブラン……!」

 

ブランはノワールに手を伸ばす。ノワールもその手を掴んだが、引き上げられない。

 

「ミズキ……私の本……」

《ブラン!ブラン!》

「…………………」

《ブラァァァン!》

 

ブランはその目を閉じた。

水はどんどん水位をあげていく。

 

《クソッ、クソッ、クソッ!開け、開けよっ!みんなが、みんなが……!》

 

次にノワールとネプテューヌの体が水に浸かり始めた。ノワールとネプテューヌはお互いに手を伸ばす。

 

「ネプテューヌ……!」

「ノワール……」

 

その手をお互いに掴んだが、体はもうほとんど水に浸かっていた。

 

「ミズキ……ありが……と……」

《ノワール、ノワール!ねえ、ノワール!》

「私……アナタの……こと…………」

《ノワール!》

「ねえ……ミズキ……ごめん、ね……?」

《ネプテューヌ、ネプテューヌ!や、やめろ……やめろよっ!》

「私……ずっと、会いたかった、よ………」

《……っ、ネプテューヌゥゥッ!》

 

結界が完成した。中は真っ黒くなって見えなくなる。

 

「ネプ子………」

「ねぷねぷ………」

《ううっ!くそ、くそ、くそくそくそ、くそぉぉぉっ!》

 

ユニコーンは膝をついて地面を叩く。

 

 

ーーーー『UNICORN』

 

 

《やめろ………やめろ、やめろ、やめろよ……っ!2度と、僕の、友達は………!》

 

ユニコーンの体が緑に点滅し始めた。その体に何かが集まっていく。

 

《ベール……ロム……ラム……ブラン……ユニ……ノワール……ネプギア……ネプテューヌ……っ!》

 

奇跡が、起こる。

 

《やめろぉぉぉぉぉぉぉっ!》

 

「なっ⁉︎」

 

ユニコーンの体が緑に発光しオーラが体から溢れる!その光は島中に満ちて島を照らした。

その光にアイエフとコンパは吹き飛ばされた。

 

「み、ミズキ⁉︎」

「み、みずみずの後ろに……子供がいるですぅ……」

 

《うああああああ!うおああああっ!》

 

「な、なんだこの光は⁉︎シェア……⁉︎いや、違う!な、なんだこれは!あ、熱い!」

 

「お、お前ら……。まさか、次元を超えて、想いが届いたというのか……⁉︎」

 

ユニコーンの後ろに子供達が集まっていく。

 

おい、何をやってる?お前がいないと始まらんだろう。

 

「ジョー……」

 

にゃは、今が見せ所にゃ!ほら、ジャックもこっちにくるにゃ!

 

「カレン……」

 

何やってんのよ、ジャック。友達が困ってるのよ?助けるしかないでしょ?

 

「し、シルヴィア……。……ふっ、そうだな。俺も力を貸すぞ、ミズキ!」

 

《うおおおおおおおおっ!》

 

「バカな⁉︎結界を、破って……⁉︎」

 

ユニコーンはその手を結界へと入れていく。

 

《ぐっ……!ベール、ベールっ!》

「あ………?」

 

暖かな緑の光がベールを包み込む。するとベールが目を開けた。

 

「なんですの……?この、暖かな光は……」

《何やってんだよ、ベール!2度も死にかけるなんて!》

「ミズキ様……!ミズキ様が、発する光が……」

《僕がいる限り、死にたくなっても死なせるもんか!ベール!》

「ミズキ様………!」

 

結界の中へと入り込んでいくユニコーン。その手がベールの手をしっかりと掴んだ。

次に、光はブランを包み込んだ。

 

《ブラン!目を覚まして!》

「あ………ミズキ………?」

《約束しただろ⁉︎本を、読むんだ!また!あそこで!》

「ミ……ズキ………」

《君を、死なせないっ!》

 

ユニコーンはブランの手も掴んだ。そしてユニコーンは黒い水の中を上へ上へと登っていく。

暖かな光はノワールを包んだ。

 

《ノワール!君はいつもいつも、危なっかしいんだよ!》

「ミズキ……!なんで、アナタは……!」

《理由なんてどうでもいい!君を助けに来たって、そう言っただろ⁉︎》

「ミズキ……!私、は……!」

《勝手に諦めないでよっ!ノワァァル!この手をッ!》

 

ユニコーンの手がノワールの体に触れる。

そこから光はネプテューヌを包み込んで行った。結界の中に、光が満ちていく。

 

《ネプテューヌ!》

「ミズキ……!私、謝りたくて、会いたくて……!」

《謝らなくていい!会いたくていいんだ!君は僕の友達だろ⁉︎帰ってくるって、そう言ったのに君がいなくなったらどうするんだよ!》

「だって……!ミズキ、私達のこと……!」

《っ、大好きだよッ!みんなみんな!だから死なせたくないんだよ、ネプテューヌ!》

「っ、ミズキ、ミズキぃ………!」

《こっちに来て!ネプテューヌ!君が来なきゃ、始まらない!誰1人欠けても、ダメなんだ!》

 

ユニコーンの手がネプテューヌの体に触れる。緑の光が5人を包み込んだ。

 

「何よ……これ……」

「子供達が……集まるですぅ……」

 

《フル・サイコダイブッ!》

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「な、なんだよ、この光は⁉︎」

 

シェアではない。だがシェアに似ている。この光は一体、何が発する光だ⁉︎

 

「っ⁉︎」

 

後ろに気配を感じてマジェコンヌは振り返る。そこには信じられない光景が広がっていた。

女神候補生達が緑の光に包まれて宙に浮いているのだ。その目がゆっくりと開いていく。

 

「ラムちゃん……不思議だね……」

「うん……すごい不思議……」

 

「夢……だったのかしらね……。ミズキさんの気持ちが、伝わって……」

 

「夢なんかじゃないよ……。これはきっと、ミズキさんの力……。ガンダムの力……!」

 

右手の甲が熱を持つ。光を発する。

女神候補生達はミズキがそうしたように、握った右手を胸に当てた。

 

変身(change)………NEXT』

 

「うわっ!」

 

女神候補生達の体が右手から発する光に包まれた。

ロムの背に巨大な砲身が装着される。ラムのプロセッサユニットは大きくX字に伸びて銀色に輝いた。2人の杖はさらに長く伸びて胸に緑の光を宿した。

 

「負けない……この中にあるのは、ガンダムの力……!」

「私達が、倒す……!負けられないの……!」

 

ユニのプロセッサユニットにコーン型の物が新たに装着された。X.M.Bはその威力を保ったまま小型化、ユニの髪はさらに長く伸びて手には盾を持った。

 

「ミズキさんのくれた力……今の私達なら!」

 

ネプギアのM.P.B.Lに赤いラインが入っていく。背には新たにウイングの形状のプロセッサユニットが装着され、手にはNの字が刻まれた盾を装備した。

 

「覚悟してください……!英雄の力、見せてあげます!」

 




ネプギアにはAGE1。ユニには試作1号機。ロムとラムにはXです。
ロムとラムはなんか、2人組のガンダムがいいかなって思ってフリーダムジャスティスか、スターゲイザーか、Xかなって。いや、Xは2人乗りじゃないですけど。

言いたいことは、ティファ可愛い。つまりイストワールは可愛いし沙都子は可愛いしメロンパンナちゃんも可愛い。

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