超次元機動戦士ネプテューヌ   作:歌舞伎役者

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BGMの大安売り。仕方ないね、良いBGMだもんね。


女神候補生、出撃

素直に泣いて。

 

素直に笑い。

 

素直に心の中を晒す。

 

そんな君は醜くて、だらしなくて、汚くて。

 

でも、最高だった。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

ーーーー『MOBILE SUIT』

 

 

「う……ぐ……!よくも……!」

《………………》

 

マジェコンヌが立ち上がる。普通のモンスターくらいなら掠っただけで倒せるほどの威力だが……どうやらマジェコンヌもただの人間ではないらしい。

 

「変身……!」

《なっ……変身⁉︎》

 

マジェコンヌがその姿を変える。頭から2つの羽を生やし背中には悪魔の翼のようなプロセッサユニット。手には黄金の槍を持っている。その姿は堕女神や堕神、堕天使と呼ぶにふさわしい姿だった。

 

「許さんぞ、お前!お前は楽には殺さん……嬲り殺しにしてやる!」

《やってみろ……!僕は負けない!僕の後ろにはみんながいるんだ……!》

 

ユニコーンは体を浮かしてまたビームマグナムを両手で構える。

銃口にエネルギーがスパークし、凄まじいスピードで飛んでいく。そしてマガジンがガシャンと音を立ててリロードされ、もう1発。

だがマジェコンヌは空に飛び上がり2発のビームマグナムをひらりひらりと避けた。

 

「ふん!そんな弾に!」

《くそっ!》

 

接近して槍を振るうマジェコンヌ。

ユニコーンは背中にビームマグナムをマウントして左腕のサーベルラックからビームサーベルを抜刀。受け止めた。

 

「もう間に合わんよ!どうやっても女神どもは死ぬ!手遅れなんだよ、何もかも!」

《手遅れだろうが、なんだろうが!僕は今あそこで泣いてるみんなを見捨てられやしない!》

「戯言を!」

《お前に!みんなはやらせない!》

「なんなんだよ!お前は!」

《僕はクスキ・ミズキ!みんなの友達だァァッ!》

 

ユニコーンの背中のブースターが唸りを上げる。

 

「くううっ!」

 

マジェコンヌがそのパワーに押されて後退し始めた。

 

「なんだ、このパワーは⁉︎」

《ここからっ!》

 

ユニコーンが槍を払いのけてマジェコンヌにタックルする。

 

「ぐあっ!」

《いなくなれぇぇぇぇ!》

 

そのまま肩を掴んで最大パワーで前進。マジェコンヌを吹っ飛ばした。

 

「つ、強い………!」

 

女神達は今なお涙を流しながらミズキの戦いを見ていた。

 

「お前、お前ぇっ!食らえ、剛腕の戦斧!」

 

突如マジェコンヌの槍が黄金の斧に形を変える。その斧は、ブランの!

 

《なにっ⁉︎》

「テンツェリン・トロンベ!」

《ぐわぁぁっ!》

 

盾で受けたユニコーンはそのまま地面に埋まってしまう。

 

「アレは……私の……!」

「な、なんでブランの必殺技が使えるのさ!」

「ククク……私には他人の能力をコピーする力があってな……。ついに私は女神の力をもコピーしたということだよ」

「そんなこと、出来るはずありませんわ!」

「現にこうして出来ている!」

 

マジェコンヌは地面のユニコーンに向かって急加速。その手の武器は斧から大剣に形を変えた。

 

「あの剣……私の!」

「じゃあ、まさかノワールのまで⁉︎」

「レイシーズ・ダンスッ!」

《ぐあっ!》

 

ユニコーンはまた盾で受けるが吹き飛ばされ地面に転がる。

 

「ふん!お前に私は倒せん!女神の力を宿したこの私にはな!」

《ク……クク……何か、勘違いしてるみたいだね……》

「なに?」

 

ユニコーンは立ち上がった。気のせいか、その装甲の隙間から赤い光が漏れているように見えた。

 

《君を倒すのは僕じゃない……!女神候補生達だ!》

「はあ?まだ変身も出来ないザコどもが、だと?ならばお前は何をしている?」

《僕は、みんなをこんな目に合わせたお前を……1発、殴りに来ただけだよ……!》

「減らず口を!」

 

マジェコンヌのプロセッサユニットの翼からいくつもの結晶が分離した。

 

《っ、ファンネル⁉︎》

 

それは編隊移動をしながらユニコーンにビームを浴びせていく。

 

「ほらほら!私を殴るのではなかったのか⁉︎ン⁉︎」

 

そしてその結晶は完全にユニコーンを包囲した!

 

《くっ……!》

 

「ミズキ!」

「これで終いだ!」

 

一斉に放たれたビーム。そのビームを完全に避けることはできないように見えた、が。

 

《うおおおおおおっ!》

 

「なに⁉︎」

 

突如としてビームはユニコーンに当たる寸前で屈折してあらぬ方向へ飛んでいく。

そしてユニコーンの装甲が展開し始めた。

中からは赤く発光するフレームが現れ、ランドセルは展開して新たなブースターが現れた。ツノは割れて顔は入れ替わり、見覚えのあるツインアイへと形を変える。シールドはX字にフレームが展開した。

 

「バカな⁉︎変形……いや、変身した⁉︎」

「あれは……ガンダム、なのですか……?」

 

《もう……君と戦える時間は数少ないみたいだね》

 

今頃は女神候補生達も到着した時間だろう。そうなれば女神候補生達にマジェコンヌを譲らなければならない。

 

「そうなる前に私を殴るか?そんなこけ脅しに!」

《これが、今の僕の全力だ!》

 

ユニコーンが発動したのは『NT-D』。またの名をニュータイプデストロイヤー。この機体を『ユニコーンモード』から『デストロイモード』に変身させるシステムだ。

そしてデストロイモードの時の機動性はーーー!

 

「⁉︎」

 

瞬間移動と見紛うほど圧倒的なものだ!

 

ユニコーンはマジェコンヌをビームサーベルで切り抜けていた。

その場にいる誰1人としてその動きが見れなかった。彼女らの目にはユニコーンが残す赤い軌道しか見えていなかった。

 

「あ、あれが……」

「ミズキ様の、全力……」

 

ノワールとベールが言葉を漏らす。圧倒的、そうとしか言えない。

 

「ぐああっ!くっ!」

《逃がさない!》

 

距離を取るマジェコンヌをユニコーンが追いかける。

 

「くそっ!」

 

追いつかれる寸前にマジェコンヌの結晶がユニコーンに向かってビームを撃つ。

ユニコーンは上に跳ね上がってそのビームを避け、その手を結晶にかざした。

 

「なに⁉︎ど、どうした!動け!」

 

その瞬間、結晶はまるで通信が途絶されたかのようにふわふわと宙に漂う。

それらが全てマジェコンヌの方を向いた。

 

「なっ!」

《サイコミュ・ジャック………!僕にその武器は通じない!》

「っ、舐めるなぁぁっ!」

 

マジェコンヌはユニコーンが操る結晶のビームを全て避けてユニコーンへと接近する。

 

「その程度の速さなど!狂瀾怒濤の槍、受けるがいい!」

「まさか、私の技も……!」

「レイニー・ラトナビュラァァッ!」

《ぐううっ!》

 

まるでマシンガンのように速い突きがユニコーンを打突していく。

ユニコーンは盾で受けていたがたまらず後退してサイコミュ・ジャックを解いてしまった。

 

「続けて食らえ!」

《させるかっ!》

 

ビームマグナムを片手で撃つ。接近していたマジェコンヌは防御魔法を展開するがその衝撃で吹き飛ばされた。

 

「………っ、ミズキ……!」

 

ネプテューヌはその様子を歯噛みして見ていた。

ミズキが私達のために頑張ってくれているのに、私は何もできない……!

 

「ミズキ!頑張れ!ミズキ!」

《ネプテューヌ………!……うんッ!》

 

ネプテューヌの応援にミズキは答えてくれる。それを皮切りに女神達からミズキへと応援が湧き上がった。

 

「ミズキ!」

「ミズキ………!」

「ミズキ様!」

 

「ええい、耳障りな!」

《うおおおおっ!》

 

 

ーーーーーーーー

 

 

その数分前から女神候補生達はズーネ地区へと辿り着いていた。

 

「ぎあちゃん達、まだ変身も出来ないのに……」

「妹達が戦ったって言えば、シェアの減少も抑えられるでしょ。それに、誰も負ける気なんてないわ。……でしょ?」

「……はいですぅ!」

 

アイエフとコンパも前に出る。

そこには女神候補生達が強い意志を持って立っていた。

 

「みんな、準備はいい?」

 

ユニの質問にみんなが頷く。

 

「それじゃ、行くわよ!」

 

女神候補生達がその号令で飛び出した!

 

「やああっ!」

 

ネプギアはビームソードで次々に雑魚モンスターを切りつけていく。敵の動きがゆっくりに見える。これくらい、いくらでも倒せる!

 

「ええいっ!」

 

ユニは次々と正確な射撃でモンスターを沈黙させていく。こんな奴らに構ってる暇はない。私達が倒すべきなのは、あの魔女!

 

「んっ……!」

「ていっ!」

 

ロムが防御魔法でラムを守り、ラムが敵を倒してロムを守る。一心同体のコンビネーションだ。

 

「ラムちゃんは、私が守る……!」

「うん!私がどんどんやっつける!」

「アンタ達に、構ってられないのよ!」

「覚悟してください!」

 

女神候補生達はどんどん前に進んでいく。

アイエフとコンパだって負けてはいない。

 

「邪魔よ!」

「痛いのいくですよ!」

 

カタールと注射器で次々と敵を倒しながら進軍する。女神候補生にはない、慣れている人間の動きだ。

みんなは敵を順調に減らしながら女神の元へと進んでいた。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

ビーッビーッビーッビーッ!

 

「ねぷっ!これ、まさか……!」

「ユニ達が、来たの⁉︎」

 

倒れたセンサーが敵接近のブザーを鳴らす。

 

「そんな、あの子達が……」

「みんなは、戦えるように……⁉︎」

 

マジェコンヌの太刀とユニコーンのビームサーベルがつばぜり合い火花を散らす。

 

「フン!あんな雑魚くらい、モンスターの群れも乗り越えられはせん!」

《君は……みんなを見くびり過ぎだ……!》

「何が違うというのだ!まだ変身もできぬ小娘に!」

《今、変わる!みんなはきっと、変身できるようになるんだ!》

「何を根拠に!」

《信じているんだ!みんなを!》

「っ、そんな不確かなものを!」

 

マジェコンヌがユニコーンを弾き飛ばす。

 

「そのままありもしない希望を抱いて、死んで行け!」

「あの構えは、私の……!」

「クロス・コンビネーションッ!」

 

十字の斬撃がユニコーンを襲う。かつてエクシアの盾をもやすやすと切断して見せたクロス・コンビネーション。

だがユニコーンの両手のサーベルラックが180度回転。そこから発振したビーム・トンファーをクロスしてクロス・コンビネーションを受け止めた。

 

「なっ!」

《ひとりぼっちのお前に……何がわかる!》

「何を!」

《僕達を……ナメるなッ!》

 




アレはファンネル。ファンネルなの。

NT-Dの機動力おかしいですよね…。『強化人間ですら瞬間移動と見紛う』レベルですもん。それに追いつく周りの機体も凄いですけど。

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