超次元機動戦士ネプテューヌ   作:歌舞伎役者

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ロリコンの登場。レロレロレロ。え?私が舐めてるのはチェリーですよ。


ロムとラムをお願い

アナタ達のためにやっているのに。

 

どうしてアナタ達のためにならないの?

 

みんなのためにやっているのに。

 

どうしてみんなのためにならないの?

 

倒れたワタシを支えたキミ。

 

ワタシはキミを見習った。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「わ〜い!」

 

まずは元気いっぱいにラムの入場。

 

「待って、ラムちゃん……!」

 

そしてロムの入場。

 

「2人とも!ちゃんとコート着て〜!」

 

次にネプギアで。

 

「ネプギア!入場券忘れてる〜!」

 

ユニ。最後にはそれを見て笑うブランを除いた女神達だ。

 

テーマパークの中は……何というか、見覚えがある。っていうか見覚えしかない。

小さい子供の味方、ガ○ラみたいな亀だのやたらと大きくてブニブニしてるキノコだの土管だの。どう考えてもヒッヒフー!な世界である。

ネプギアとユニはキノコを見てあのユメミダケを思い出し、頬を引きつらせていた。

 

「あ、スライヌ模様のコイン!」

 

ユニはスライヌの模様が描かれたコインを空中(どうやって浮いてるんだ)から取る。

 

「こっちはアイルーだ!ふふっ」

 

ついにそこからも参戦したようだ。CAPCONからモンスターの登場である。あの世界の敵も踏んだら死ぬのん?

ロムとラムはコインを見つけてそれを取る。だがその絵柄は納得のいくものではなかったらしい。

 

「あ……テリトス……」

「こっちはテスリト……」

 

何が違うんですかね。形かな?

 

「つまんな〜い!」

 

そして女神達はそんな風にはしゃぐ妹達を見ていた。ベールとノワールはベンチに座ってネプテューヌは何やら屋台で食べ物を買っている。

 

「く〜ださ〜いな〜!」

 

ノワールはベールに向かって愚痴を言う。

 

「他国の女神がわざわざ来てるんだから、ブランも付き合うべきじゃない?ホント、何考えてるのかわかんないわ」

「まあ、確かに。彼女はもう少し私のように大人になるべきですわね」

 

ばるん。

 

「私のように」

 

何処が、とは言わない。

ノワールは露骨なアピールに苦笑いだ。

 

「ねえ、そういえばベールはどうしてルウィーにーーー」

「ねぷぅ〜〜!」

 

響いたのはネプテューヌの悲鳴。驚いてそっちを見ると亀に襲われているネプテューヌがいた。

 

「この亀、私のピーチを狙ってるよ〜!うぅ、イヤぁ〜!助けて〜!うわぁぁ!ねぷぅ〜!」

 

看板には亀が桃を食べるシルエットと『CAUTION!』の文字。

ノワールは……もう、放っとくことにした。

 

 

 

「あ!ロムちゃん、でって竜模様!レアアイテムだよ〜!」

「あれもでって竜……!」

 

ラムは飛び上がって喜ぶ。ちなみにでって竜とは『でっていう』と鳴く竜で背中に主人公を乗せてくれる。多分。

 

「あ!あれも!全部でって竜!」

 

視線の先には幾つものレアコインが並んでいる。普通なら喜ぶところだが……。

 

「でも……もう、いいかな」

 

ラムですらお腹いっぱいな量だ。

だがロムはまだ足りないみたいだ。

 

「お姉ちゃんにも持って行ってあげる……」

「え〜……?」

 

ラムは腕を組んで頬を膨らませる。

 

「お姉ちゃん、一緒に来てくれなかったんだよ?」

「………そうだけど……。それに、執事さんにも……」

 

眉を垂らすロム。それを見てロムは元気を出すように言った。

 

「……わかった。お姉ちゃんと執事さんの分もいっぱい持って帰ろ!」

「……うん……!」

 

わ〜い!と2人はコインを追って建物の裏へと走っていく。

その裏でベトベトの舌なめずりをしている怪物がいることも知らずに。

 

「………レロ」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

ネプギアがキョロキョロして何かを探し回っているのをユニは見つけた。

 

「どうしたの、ネプギア」

「ロムちゃんとラムちゃん、何処行っちゃったのかな」

「あっちの方に行ってたけど……」

 

ユニが指差すのはでって竜コインが道のように連なった先の建物の裏だ。

 

「ロムちゃん?ラムちゃん?……あっ!」

 

「アケケケケ!」

 

その裏には巨大な黄色い怪物がいた。両手にはロムとラムを持って大きな舌を動かしている。

 

「ん〜!」

「うむ〜!」

 

2人は握り締められながら声が出せないように指で口を押さえられていた。

 

「ロムちゃん、ラムちゃん!」

「アンタ、何やってんのよ!」

 

ロムとラムは捕まっていたのか!

 

「イーッヒッヒッヒッ、レロ〜!」

 

怪物は巨大な舌をネプギアとユニめがけて伸ばしてくる!

 

「くっ!」

「はっ!」

 

だがユニとネプギアは左右に飛んでその舌を避けた!

 

「なにぃ⁉︎」

「ええっ⁉︎アレを避けた⁉︎」

 

怪物の足元には黒い肌をしてフードを被ったガラの悪そうな女もいる。あいつらを倒さなきゃ!

 

「ユニちゃん!」

「ネプギア!」

 

特訓の成果だ。

ネプギアとユニは深呼吸して瞬時に戦闘態勢を整える。

 

「ええいっ!」

「こ、このっ!」

 

ネプギアがビームソードを持って怪物に斬りかかるのを女が鉄パイプで弾く。

 

「きゃあっ!」

 

ネプギアははじき返されてしまった。

だが地面に着地してすぐに態勢を整える。

 

「このっ!」

「ン〜?バカ者!幼女に当たったらどうする!この、たわけ〜!」

「なっ……!」

 

ライフルの弾が怪物に命中するが全く効いていない。それどころか怒り出してしまった。

ユニにまるで槍のように尖った舌が伸びてくる。

 

「きゃあっ!」

 

ユニは間一髪で避ける。

だが、今の一撃で床が大きく抉れて音が出た。

 

「ネプギア、何事⁉︎ああっ!」

「なによ、アンタ!」

「2人を離しなさいな!」

 

女神達もその音を聞きつけてやってきた。

 

「ん〜!ん〜!」

「んむむ〜!」

 

「ヤッバ!ここは、逃げるが勝ち!」

 

女が地面に煙玉を叩きつけると煙がそこら一帯を覆いこんだ。

 

「ゴホッ、コホッ!」

 

前が見えない!逃げられる!

 

「ロムちゃん、ラムちゃん!」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「そう言われましても、ブラン様に『誰も通すな』と申し付けられているんです……」

 

使用人のメガネをかけた女が扉を遮っている。

その前にはテーマパークから戻った女神達が並んでいた。

 

「ええ〜⁉︎私達女神仲間なんだからいいでしょ〜⁉︎」

「せめて、謝らせてください!」

「ロムとラムが誘拐されたのは、私達のせいなの!」

「そんなことはないわ。2人はよく戦ったわよ」

「でも……」

 

ネプギアとユニが俯向く。

 

「既に、警備兵を総動員して、捜索させていますので……」

「それは知ってるけど!」

 

『……帰って……』

 

扉の向こうからブランの声が聞こえた。

 

『アナタ達はいつも迷惑よ……』

 

「……………」

 

みんなは黙り込んでしまう。

ブランは扉の奥で振り返り、ドアから離れた。

その時、女神達の間を割って仮面を付けた男が割り込んできた。

 

「………入れて」

「あっ……」

 

その男は使用人を退けてドアの中へ入っていく。

その様を女神達は呆気に取られて見ていたが、ベールを除く全員がデジャヴを感じていた。

あの声、どこかで………?

 

「ロム……ラム……」

 

ブランは力なく歩いて誘拐された妹達の名前を呼ぶ。もちろん、そんなことをしても2人は帰ってこない。

 

「私のせい……!私が、姉として、もっと、ちゃんとしていれば……!あっ……!」

 

ブランはフラフラ歩いていたために足がもつれた。

そのまま倒れてしまいそうなブランを誰かが前から抱きしめて止めた。

 

「ブラン………」

「………スミキ………」

 

力なく崩れ落ちるブランを支えながら一緒に膝をつく。

その胸元にブランは顔を埋めた。

 

「ロム……と……!ラム……が……!私の、せい……!私の、せいなの……!」

「……ブランのせいじゃ、ないよ……」

 

スミキは胸にじんわりとした熱さを感じる。すすり泣いているのはわかっていた。スミキはただ優しくブランの頭を撫でる。この1週間、色んなブランを見てきたがこんなに弱々しいブランは初めてだ。

 

「なんとかしなきゃ……!なんとか……!」

 

涙を拭いてブランはスミキの胸から離れ、立ち上がる。

その時、立ち入りを禁じているはずのドアがガラッ!と開いた。

 

「ガラッ!ガラッ!ガラッ!」

 

扉を開く音を何故か3回繰り返した女。直後、ブランにライトが当てられる。

何故?見張りはどうした……?

女はピンク色のゴスロリ服を着ていて背はとても小さい。その後ろには全身黒タイツの男が2人いた。

その3人はブランに走り寄ってきた。

 

「………誰?」

「私はアブネス!幼年幼女の見方よ!」

 

知らない、といった顔をしているブランにアブネスは補足説明をした。だが………。

 

「大人気ネット番組!アブネスチャンネルの………って、あれ?どうしたの⁉︎」

 

突然後ろの黒タイツの2人がドサリドサリと倒れた。アブネスは後ろを向いて2人の安否を確かめる、

 

「………ごめんね。君に恨みはないけど……」

 

アブネスはブランの後ろから響いた声に振り向いた。

 

「ひっ⁉︎」

 

ブランには見えていないが、スミキから放たれるオーラは圧倒的だった。仮面をつけているのにもかかわらず、叩きつけるような怒りが伝わってくる。

 

「………今は邪魔だ」

「あ………」

 

アブネスもドサリと倒れた。

 

「何をしたの……?」

「………なんでもないよ」

 

振り向いて確かめるブラン。その足元がまたふらついた。

 

(っ………立て……ない……)

 

それをまたスミキが支える。

 

「……また……切り捨てなきゃいけないなんてね……。2人と、アンチクリスタル。けど……今回も同じだ。もう答えは決まってる」

「何……を……?」

 

さっきと同じように抱き合いながら座り込む。

スミキはその仮面を外した。

 

「結構、バレないものだね」

「アナタ………!」

 

仮面を外したミズキの顔にブランは目を見開く。

 

「ウソついてて、ゴメン。君の執事も、もうやめなきゃいけないね」

「待って………!ダメ……!」

 

ミズキの胸に当てられたブランの手。それをミズキは両手でしっかりと握った。

 

「2人は僕が助ける、必ず。君は……しばらく休んだ方がいい」

「そんなこと、出来ないわ……。私が、ロムと、ラムを……!」

「僕の執事としての最後のお願い。……いいかな?」

 

ミズキはブランをお姫様抱っこで抱え上げる。

 

「あ………!」

「クスクス。君はまた、怒ってしまうかな」

 

そのままミズキは扉を開いてブランの部屋へと向かう。

警備兵は総動員しているし、女神達も庭で待機していて誰ともすれ違わないのが救いか。

 

「僕が1番君を近くで見てた。君の頑張りも、努力も」

「……ミズキ………」

「手伝えれば良かったんだけどね。君が危ないのもわかっていたのに、手伝えなかった。君がここまで疲れてしまったのは、僕のせいだ」

「やめて………アナタのせいじゃない……」

「その言葉、そっくり君に返すよ」

 

クスクスと笑ってミズキは歩く。

ブランの部屋にたどり着いたミズキは足を開いていたドアに引っ掛けてドアを開く。

そしてベッドに近付きながらブランを回転させて向かい合わせになるように抱き締める。左手だけでブランを支えて右手で掛け布団をめくった。

 

「私は……ロムとラムを……助けなきゃ、いけないのに……!」

「……泣かないで、ブラン」

 

ブランを布団に寝かせて掛け布団をかける。

帽子を外して目に浮かぶ涙を拭ってあげた。

 

「僕は君との読書の時間が、ここで1番好きな時間だったよ」

「……ミズ……キ……」

「変身」

 

ミズキの体が光り輝く。その眩しさに目を細めたブランが次に見たものは機人だった。

白を基調にして腰や胸、肩に青のライン。胸には透明な緑の球体が輝き肩や胸、ツノの黄色が目立つ。

何よりの特徴は背中に白地に黄のラインが入った翼が生えていたことだった。

 

「アナタ……は……」

《じゃあね、ブラン》

「ミズキ……、ロムと……ラム……を……お…ね、が……い………」

 

ブランはそう言って目を閉じた。

 

《……任せて》

 

機体の名はウイング。ウイングガンダム。

左手に持った赤い尖ったシールドと右手には巨大なライフルがある。

 

ウイングガンダムは扉から飛び立ち、その姿を鳥に変えて、大空を飛んで行った。




ネプギアとユニは修行の成果が出たみたいですね。

補足説明。
ウイングガンダムは変形をすることができるモビルスーツです。いわゆる、『寝ただけ変形』ですが。変形した後のシルエットはもう、鳥なんです。特にあの爪。バード形態とか言ってるし。

2話は本当に早く終わりますね。なんの差でしょう…。

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