超次元機動戦士ネプテューヌ   作:歌舞伎役者

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いやっほう書き溜めたぜぇっ!

けどテストもすぐだぜ!書けなくなるぜ!また追いつかれそうだぜ!


第3章〜集う力と進化する力。マジェコンヌ四天王との決戦〜
ルウィーの危機


近代的な都市、広がる青い空はネプギア達を祝福してくれるかのようだ。

見覚えのある街と通りは心を暖かく包んでくれる。

 

そして、見覚えのある扉。ネプギアにとっての家。

 

「ただいま!いーすんさん!」

 

ネプギアはプラネテューヌに帰ってきた。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「ウソでしょ、なにこのシェア……」

 

リーンボックスで無事シェアクリスタルを取り戻したものの、忘れてはならないのはチカが囚われていたこと。

そのせいで犯罪組織の信仰の制限が一時的とはいえ、なくなってしまい、シェアはがくんと落ちた。

だからシェアクリスタルを取り戻した後も前と変わりないか少し上回る程度のシェアになる、としか思っていなかったのだが……予想は遥かにそれを上回り、シェアは大きく光り輝いていた。

 

「ってなわけで、何か心当たりはある?」

 

驚くべきはシェアは今もなお増え続けているということだ。

いや、増え続けるのが普通なのだが、今の増え方は異常だ。増えるスピードが早すぎる。

 

『……さあ?』

 

全員に聞いてみるも答えはこのとおり。

しかし、翌日に出た新聞で答えははっきりした。

 

「『歌姫と共に戦う真紅のロボット、犯罪組織の兵器を撃退』……なるほどね」

「あ、それってボク?」

「ニュースも見たけど、結構な騒ぎになってるわよコレ」

 

チカがテレビを付ければそこにはあらん限りの声を振り絞って必死に歌うリーンボックスの歌姫と空を翔る真紅の機体。

歌姫を守るナイトだとか歌姫の加護を受けて戦うプリンスだとかうんぬんかんぬん……。

 

「へえ~……スミキさんってこんな戦いしてたんだ……」

「やっぱり、私達よりも一枚も二枚も上手よね。そもそもが違うわ」

 

ネプギアとユニは研究熱心に戦うギラーガ……つまりスミキの戦いを見る。

 

「でも、普通の人にどっちが味方でどっちが敵かわかるの?」

「それは、ボクが赤い方は味方だって言ったからじゃないかな」

 

ラムの素朴な疑問に5pb.が答える。

つまりはこうだ。

 

 

大変!空で怖いロボットが戦ってる!我らが歌姫は赤い方が味方って言ってるぞ!

でも、あんな兵器見たことない!謎のロボットが現れたんだ!国を守るために!

犯罪組織に負けるか!ロボットが信じる国を信じる!

 

 

みたいなところだろう。シェアの上昇も合点がいった。

 

「そういえば、執事さんは……?」

「執事さん?……ああ、スミキさんのこと?」

「うん……。いない、よね?」

 

元々姿はないのだが……今日に限っては声もしない。

そもそも通信が繋がっていないのだ。

 

「また境界線が不安定みたいで……。通信力は上がってるはずなんだけど……」

「一応イストワール様は一時的なものと言ってるわ。アッチでスミキが帰ってこようと暴れてるから、不安定になる……って」

「……たぶん、わかった……」

「多分わかってないです……」

 

要するにイストワールの説明としては、通信力は上がってはいるもののそれを上回る力で境界線が歪んでいるとのこと。決して悪いことではなく、むしろ嬉しいことらしい。

 

「でも、これじゃ私達がいる意味がなくなっちゃったわね」

「せっかく、ここにシェアを取りに来たのに、ここまで信仰心が高まっちゃったらどうにもならないわ。逆に非効率よ」

 

ユニとラムが溜息をつく。

 

「……ってことは……みんな、帰っちゃうの?」

「そうね」

 

少しだけネプギアが悲しそうな顔をする。

 

「ネプギア、一応言っとくけど私達も帰るのよ?」

「え?」

「当然よ。曲がりなりにも4国全てのシェアクリスタルを集めたのよ?とりあえずは国に戻るわ。そしたら……」

「そしたら?」

「行けるわよ。ネプ子を助けに」

 

ザワッとネプギアの肌が粟立つ。

ネプテューヌを……姉を助けることが出来る。それはネプギアの心に様々な感情を植え付けた。

 

「だから、とりあえずは国に帰るわ。お互いにね」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

そんなことがあって、ネプギア達は帰ってきた。

最深部に行けばイストワールが出迎えてくれる。

 

「お帰りなさい、みなさん。本当にお疲れ様でした」

「各国のシェアクリスタル、解放をしてきました。シェアは……」

「はい。随分と溜まりました。今はそのシェアを用いて新たなシェアクリスタルを精製中です」

 

イストワールの後ろにはキラキラと輝くクリスタルが今も大きくなっているところだった。

 

「これがあれば、今度こそ……」

「はい、ネプテューヌさん達を助けに行けます」

 

マジェコンヌ四天王、ジャッジ・ザ・ハード。

前に戦った時は彼が立ちはだかったが……今度は超えられるだろうか。

 

「ところで、スミキは?」

「もうじき通信は回復するかと。もし回復できたら、お知らせします」

「はい、お願いします」

「あ、じゃあ、とりあえずこれ……」

 

ネプギアがNギアを差し出した。

 

「帰ってきたから、点検してくれますか?」

「ええ。スミキさんのワープにも重要なものですから、異常があってはいけませんね。すぐに点検します」

 

イストワールはNギアを預かって奥へと持っていく。特に時間はかからないし、念を押しておいて損は無い。

 

「ん?ああ、すいません、失礼します」

 

すると携帯の着信音がした。アイエフの携帯のようで、電話に出る。

 

「うん。うん、うん……なんですって!?」

 

神妙な顔で話を聞いていたアイエフが驚愕に目を見開く。

 

「うん、ええ。わかったわ。そっちも気をつけて」

 

アイエフが慌てた様子で電話を切る。

 

「何があったですか?」

「ルウィーで犯罪組織の活動が急激に活発化。シェアが9割も奪われたらしいわ」

「9割!?」

 

全員がその数字に驚く。

せっかく回復したはずなのに、9割も奪われるなんて!?

 

「な、なんでですか!?」

「わかんないわよ!こっちもいきなりで……!」

 

軽くパニックの状態である。

 

「いーすんさん、もし、女神が9割もシェアを奪われたら……!」

「死にはしないでしょうけど、体になんらかの異常が出ることは確かです。そもそも、この事自体……」

「い、行かなきゃ!助けなきゃいけませんよ!」

「またアンタは……。って、そうも言ってられないわね」

「ええ。みすみす見捨てるわけにもいきませんし、それだけのシェアを奪われてはこちらの行動にも支障が出る可能性もあります」

「行くしかないです!」

「じゃあ、行ってきます!」

「せっかく休めると思ったのに、余計なことしてくれるわよ……!」

 

3人が飛び出して行った。

休む暇もなく駆け出す3人を見送ってからイストワールは後ろにあるシェアクリスタルを見つめた。

 

「いったい、何が……?」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

その少し後、ドアを開いてアブネスが現れた。

 

「はあ~……って、あれ?どうかしたの?」

「いえ、それが……」

 

振り返ったイストワールの顔になにか感じたのか、アブネスが怪訝な顔で疑問を投げかける。

イストワールは今までに起こったルウィーでのことについて話した。

 

「なるほどね……。ま、私達はどうしようもないし、あの子達に任せるしかないでしょ」

 

そう言ってアブネスは持っていた書類を乱雑に机の上に投げ置いた。

するとジャックも現れる。

 

「あ~、アンタにはすぐデータを渡すわ。少し待って」

 

次にアブネスはUSBをそこらの機会に差し込んでジャックにもデータを渡す。

その間にイストワールも書類を見た。

 

「ギラーガの戦闘結果。少しばかり機体に損傷はあったものの、小破以下。ただギラーガスピアは損失。けど、特筆すべきは書類の3枚目」

 

イストワールは3枚目をめくり、ジャックは瞑目してデータを見た。

 

《これは……!》

「そう、異常。イストワールのために4枚目に比較データがあるわ」

 

ジャックは異常に一瞬で気づいたようだが、イストワールはわからないらしく、4枚目の書類を見る。

3枚目も4枚目も表とグラフが表示されているが……。

 

「Xトランスミッター、アイツ、限界以上に使ってるわ」

「あ……!」

 

その数、ミズキの限界と思われる量の4倍近く。

 

「もちろん、100GBしか入らないパソコンに400GBの仕事させたらぶっ壊れるなんてもんじゃ済まないわよ。だから、異常。アイツがそれだけの量を使ったことも、使えたことも」

 

アブネスが冷たい目で書類を見つめる。

 

「もしかして、通信が安定しないのも……」

「それもあるかもしれないけど、確実に次元の壁が歪んでるのも確か。ま、どちらにせよ、もうビットを使う機体なんて使わせるわけにいかないわね」

 

やれやれ、といった仕草だがこれは本気で異常だ。

人間が限界以上の力を使うなんて、通常では有り得ないし起こり得ないはずなのだ。

 

《厳しいな……。せっかく、ミズキの力を十二分に引き出せる機体だと思ったのだがな》

「でも、次の機体はそういう意味では最高の機体になるんじゃないかしら?」

 

さらに書類をめくればそこにはモビルスーツのイラスト。

純白のモビルスーツであるが、背中の大きなバーニアが特徴的だ。

 

「OZ-00MS『トールギス』。ま、まだ未完成なんだけどね」

「トールギス……」

《だが……この機体、身体的な負荷は大きいぞ》

「もちろん、この機体で終わりってわけじゃない。次の機体は、そういう負荷も抑えた高性能機体に仕上がるはずよ」

「次、ですか?」

「擬似太陽炉を使った機体ね。まあ、出来てからのお楽しみってことで」

 

意地悪く笑ってアブネスはトールギスについての説明を始める。

 

「ラステイションで手に入れたガンダニュウム合金を使って作り上げた機体よ。まだ未完成だからなんともいえないけど、推力、旋回性能、装甲ともにトップクラスの性能。ミズキですら扱いこなせるか」

《おそらく、そこらのガンダム以上の力を持つ機体だな。生半可な敵では歯が立たまい》

 

イストワールが感心して資料を見る。確かに、その予測性能は今までの機体と比べても一線を画している。

 

「通信が回復したら、決して無理はしないようにって酸っぱく言って……それから引渡しね」

「でも、まだ完成もしてないんですよね?」

「うっ。……すぐ、すぐ出来るから」

 

目を逸らしたアブネスがバツが悪そうに冷や汗を垂らす。

ミズキとの通信が回復したのはこの数分後のことだった。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「はっ、はあっ……」

「…………ぅ……」

 

ルウィーの教会で苦しそうに寝込むロムとラム。

ミナはベッドの脇に座って2人の汗をタオルで拭いた。

 

「2人とも……」

 

予測できなかった。

犯罪組織がここまで活発になるだなんて……前の襲撃の後からそんなに間もないのに。

今は死にものぐるいでシェアを取り返そうと尽力しているものの、いったい前ほどの量を取り返すのにどれほどの時間がかかるのか。

 

「ごめんなさい……私が、もっとしっかりしていれば……」

 

窓から覗く夜空に、月が輝く。

綺麗な満月だった。

 




次回の出撃はトールギス。その次は…まあガンダム以外で擬似太陽炉使った高性能モビルスーツっていったらそうそうないですし…わかる、かも?


【挿絵表示】


あと適当な絵ですいませんけどこれを。なんとなくのイメージになれば…

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