超次元機動戦士ネプテューヌ   作:歌舞伎役者

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2話にありますが
ーーーー『』
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終わりは各自の判断で(適当


前日譚〜プラネテューヌのニューライフ。ミズキの出会いと別れ〜
出会い


もし、今目の前にいる人と永遠に別れなければならないとすれば。

その時はどんな顔で別れればいいのだろう。

 

精一杯笑ってみせる?

 

くしゃくしゃに泣いてみせる?

 

それとも、無表情で見送る?

 

みんなは笑って別れてくれた。

 

僕は………僕は、笑えていただろうか……。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「……………………」

「ミズキ」

「何も言わないで。今はただ………こうしていたいんだ」

 

森の中の草原に横たわるミズキという少年。身長は高く、180cmはあるだろうか。短い茶髪だがその目元はうかがい知れない。右腕で目を覆い隠しているからだ。だがその頬には涙が伝っている。

そして何より、体中が傷だらけだ。

 

「ぬら?」

「…………………」

「!」

 

木の陰からこちらを見つめてくるスライヌ。それを寝ている少年とは違う男が睨んで追い払う。

薄汚れた腰巻を巻いた筋肉質な男。

だがその体はとても小さく、宙に浮いている。

 

「ねえ、ジャック」

「………なんだ」

 

その小人はジャックというらしい。

 

「僕は………笑えていたかな?」

「ああ。笑っていたよ」

 

即答だった。

そしてミズキは覆い隠していた腕を上げて天に手をかざす。

その手の甲には燃え上がる炎のシンボルが彫られていた。

 

「だったら………嬉しいな」

「今は休め。この次元の情報収集にも時間がかかる」

「うん」

 

そのままミズキは脱力して体を大の字に広げる。

そんな中、森の奥から大きな鳴き声がした。

 

「ギャーーーーース!」

 

「っ、何⁉︎」

 

その声に上半身を起こす。

周りを見渡すと森の中から首を出したドラゴンが見えた。

 

「ドラゴン⁉︎」

 

さらに間髪入れずに女の子の悲鳴がする。

 

「きゃっ!」

 

「まさか、襲われてるのか……⁉︎」

 

ミズキは体を起こす。

そして傷だらけの体も気にせずにそこへ走り始めた。

 

「ミズキ!」

「今度は…………!」

 

ジャックの制止も聞かずに走り始める。その目には先程見せていた弱さはない。

その目は決意に満ちていた。

 

「今度は、助けてみせるんだ!」

 

 

ーーーーーーーー

 

 

「やった〜!天鱗だ!天鱗!」

「お姉ちゃん……またゲームしてたの?」

 

ゲイムギョウ界という次元。

その四大陸の1つ、プラネテューヌの女神のネプテューヌとその妹ネプギアだ。

 

「これを出すのに何十体ドラゴン倒しただろうな〜。きっと私のせいで生態系ピラミッドが崩れてるよ」

「お姉ちゃん、またイストワールさんに怒られちゃうよ?」

 

実はネプテューヌは今日はモンスター退治の仕事があったのだ。

ちなみに、書類仕事はネプギアとイストワールで請け負っている。

イストワールというのはプラネテューヌの教祖。本に座って空を飛ぶ小さい女の子である(精神年齢は間違いなく女性)。

 

「まあまあ、これ終わったら行くよ。ほ、ホントだって。な、なんでそんな目で見るのさ〜!」

「早くしないと、怒られちゃうよ?そしたらまたプリン抜きにされちゃう」

「!そ、それはいけないよ!私にとってプリンは私より大事!」

「なんか色々逆転してる気がするよ……」

「というわけでサラダバー!」

 

ピューンと逃げるようにネプテューヌは部屋を後にした。

 

「ふう、危なかった〜」

 

いそいそとネプギアはネプテューヌがやっていたゲームの後始末をする。

ちゃんとセーブして、決められた手段でゲームを終了して、電源を切り、ディスクをまとめて、しまう。

 

「ふう。証拠隠滅っと」

「ネプギアさん」

「はい?」

 

間一髪。

ネプテューヌが仕事をサボっていた痕跡はもう残っていない。

ネプギアはほっと胸をなで下ろす。

 

「ネプギアさん?しゃがんで何をしているのですか?」

「い、いや何でも!ちょっとコンポジット端子を探してて……」

「……なんですかそれ。ああ、いや、そんなことより」

 

珍しくイストワールは慌てた様子。いや、最近は珍しくもないか。

もうじき女神同士の友好条約が結ばれるという時期。その中心のプラネテューヌは特に今は仕事が多い。

ネプテューヌがご覧の有様のためにイストワールの心労もとんでもない。

ホント、胃に穴どころか天元突破。彼女のドリルは胃を貫くドリルだ。

 

「ネプテューヌさんを知りませんか?もうモンスター退治に行ってしまわれましたか?」

「え?お姉ちゃんはもう行っちゃったと思いますけど……」

「そ、そんな!もう、どうしてサボっていて欲しい時に限って真面目に仕事するんですか!」

 

どうやらネプテューヌは何をしても怒られるらしい。サボっていてもサボってなくても怒られるってそれもうどうすれば……。

と、ネプギアが苦笑いしているとイストワールは事情を教えてくれた。

 

「実は今、赤黒いエンシェントドラゴンが迫ってきていると情報が入っているんです!」

「赤黒い、エンシェントドラゴン……?」

 

そんな個体、聞いたこともない。

 

「どうやら、他の個体よりもずっと強力で獰猛らしく、ラステイションからこちらに向かってきたらしいんです」

「そんなに強いんですか?」

「既に、他のエンシェントドラゴンを何匹か倒したらしいのです。もちろん、ネプテューヌさんに倒してもらうつもりですが注意はしないと……!」

 

何故そんな個体が、などと言っている場合ではない。

 

「じゃあ、私も行きます!」

「…………ええ。お願いします。アイエフさんとコンパさんにも頼んだので一緒に行ってください」

「はい!」

 

このままじゃお姉ちゃんが危ない。

私が助けなきゃ!

 

 

ーーーーーーーー

 

 

その頃ネプテューヌは口笛を吹きながら森の中を散策していた。

もちろん、そんな強力なエンシェントドラゴンがいるなど露ほどにも思わないまま。

 

「口笛を吹くとモンスターが寄ってくるってね!それっ!」

 

早速茂みから飛び出たモンスターに刀で攻撃、一撃で仕留める。

倒したモンスターは電子の光となって消えた。

だがネプテューヌは何やら不思議に思っていた。

ここら辺はもうモンスターの巣窟のはずなのだが数があまりにも少ない。

それに何かに怯えているようでもある。

 

「どうしたんだろ?まあいっか!仕事が減るなら私的にも嬉しいし!」

 

だが深く考えないのがネプテューヌ。

お気楽にまた口笛を吹いて歩き始めた。

 

「へっ?」

 

だが目の前に降り立ったのは先程までの小物ではなかった。

 

「ギャーーーーース!」

 

「えええええええっ⁉︎」

 

赤黒いエンシェントドラゴン。

それは周りの木をバキバキと踏み倒しながらネプテューヌに咆哮を浴びせた。

 

「な、なんで⁉︎私がドラゴンばっか倒したから⁉︎すいませんほんの出来心だったんです〜!」

 

そんな謝罪がドラゴンに通じるわけもなく。

むしろ威嚇されたと思ったドラゴンはその口を大きく開く。

 

「えっ、ちょ、タンマ!」

 

開いた口から炎が吹かれる!

 

「きゃっ!」

 

ネプテューヌは横に飛び退く。

尻餅をついてブレスが当たった地面を見るとそこは燃えてるなんてものじゃない。

地面まで赤熱している熱量にはさすがのネプテューヌもビビった!

 

「………なんて神砂嵐してる場合じゃないよ!」

 

マジでヤバい。

………いや伝わんないかもしれないけど。

さすがに私も主人公補正がどうとか言ってられない事態。

なんで、こんなドラゴンがここに?

このあたりにはこんなのいないはずなのに!

 

「っ!」

 

顔を上げてドラゴンを見る。ドラゴンはその血に濡れた爪を大きく振り上げているところだった。

 

(ヤバ………!)

 

腕を組んで目を瞑る。

上からの衝撃に備えたネプテューヌだったが………その衝撃は横から来た。

 

「うおおおおおっ!」

「ねぷっ⁉︎」

 

な、なになに⁉︎

男の人の声がして横からドンってタックルされて転がってる⁉︎

 

「ね、ねぷぅぅう〜!」

「………っ、はっ、はっ、はっ……」

 

ゴロゴロ転がっていた回転が止まる。

ぎゅっとつぶっていた瞳を開くとその上には少年がいた。

涙を流しながら、こちらを見つめて………泣いてるのに、笑ってる?

 

「良かった……間に合った。今度は、間に合った………!」

「え、えと………」

 

そこでネプテューヌは自分の手がぬるりとしていることに気付く。

寝転がった自分の上に男の人がかぶさっている状態のまま自分の両手を見る。

ぬるぬるしていたものの正体は、血だった。

 

「え⁉︎まさか、キミ!」

「大丈夫。何も怖いものなんてない。僕は君を………君を!」

 

立ち上がった少年はこちらに背を向けてドラゴンを見据える。

その背中は大きくて、頼もしくて、そしてなんだか、寂しかった。

 

「君を、守りに来た!」

「………………」

 

ネプテューヌは声も出せない。

その男の人の周りを男の小人がくるりと飛んだ。

いーすんみたいな人?でも、やたらと筋肉質……。

 

「新生『子供たち』、記念すべき最初の任務は……ドラゴン退治だよ」

「ふっ、幸先良いな」

「まったくだよ」

 

顔は見えないけれどきっと不敵な笑みを浮かべているのだろう。

すると後ろからよく見知った声がした。

 

「お姉ちゃ〜ん!」

「ネプ子!」

「ねぷねぷぅ!大丈夫ですかぁ⁉︎」

「みんな!」

 

あいちゃん、コンパ、ネプギア!

 

「ちょうど良かった。君達は逃げて。あいつは僕が食い止める」

「む、無理だよ!みんなで力を合わせて……!」

「ま、まずは逃げましょう!それから、じっくり作戦を立てて……!」

 

ネプギアが撤退を提案する。

だがドラゴンはそれすらも許してくれないだろう。逃げるのにもだいぶ手間がかかるはずだ。

 

「………ジャック。使える機体は?」

「中破したエクシアが一機のみだ。後は使い物にならない」

「損害箇所は?」

「左腕がない。片目もなかったが別の機体のものを応急措置でつけた。武器はGNソードのみ、それも折れている。装甲も何箇所か外れている」

「十分だね」

「いやいやいやいや!」

 

おかしいでしょ!不穏な言葉しか聞こえないんだけど!

 

「下りなさい!無理よ!見たでしょ、あの威力!」

「無理?生憎、こんな劣勢は僕の中では日常茶飯事だ」

 

あいちゃんの忠告にも耳を貸さない。

 

「それに怪我してるですぅ!」

「大したことないよ」

 

コンパの心配も跳ね除ける。

 

「キミ1人じゃ!」

「僕は1人じゃない」

 

私が言うことにも反論した。

するとドラゴンが痺れを切らしたのか再び叫び出す。

 

「グアアーーーーーーーーッ!」

「…………変身」

 

目を閉じて首を垂れた男の人が握った右拳を胸に当てる。すると胸から強烈な閃光が放たれた!

 

「うっ!」

「っ!」

「眩しっ!」

「あぅ」

 

その光が消えた時、目の前には男の人の姿はなかった。その代わりに目の前にはーー。

 

《ねえ、ジャック。ジョーはいつもなんて言ってたっけ》

「駆逐する、だったと思うぞ」

《そっか………》

 

体の節々から火花やスパークが飛び散って、左腕はボロ布で覆われていて、戦う剣は折れている。片目は赤く輝いてツノは折れてボロボロ。それでも変わらない信念を胸に抱いた機人がいた。

 

《エクシア改め、ガンダムエクシアリペア。目標を駆逐する!》




はい、天鱗が出なくて火竜を40匹くらい討伐した男です。

筆者は知識がガバガバなので「おい、これ口調違うぞカス。タヒね!」とか「おい、この設定違うぞカス。タヒね!」とかあったら教えてください。


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