俺の家に魔王が住み着いた件について   作:三倍ソル

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誰があと一週間で投稿できそうなんて言ったんだろうね


終点編
凶変


 魔王が失踪した。

 俺の部屋に『歪んだ軌道を直す』とだけ書いた手紙を残し、朝起きたら消えていたのだった。

 歪んだ軌道を直す。

 一体、何が魔王にとっての歪んだ軌道なのだろうか。

 一応、恋人関係であるレンや盟友関係であるジャガノなどに問い合わせてみたが、返ってきたのは「一度こちらには来てもいないし、見たこともない」という返事だった。

 うーん、これは今までにない事件だな…。

 魔王が失踪し、その上知り合いのどこにもアテにしていないなんて。魔王の心境に何かあったのだろうか?俺のせいでか?

 

「こんなこと考えていても仕方がない…。一回外に出て、気分転換だ」

 

 本当は魔王の存在が存在である故、気分転換して彼女を放置する暇もないのだが、一回こうでもしておかないとこっちが本当の意味で失踪しそうになった。

 何事にも休憩が大事だ。腹が減っては戦が出来ぬとは先人もよく言ったものだと思う。

 

 

 

「よっす、フウマ」

 

 魔王が何となくいそうなところ(具体的には路地裏)を探し回っていたころ、レンが向こうから自転車でやってきて挨拶をしてきた。

 俺も挨拶をし、レンが自転車から降りて俺と同行する。

 

「お前も探してるのか?レイのことを」

「まあな。恋人である以上、俺もアイツは見逃せない存在だ。どうせ見つけられないだろうが、探さないよりはマシだろう」

「……個性、消えたよなお前。あのネガティブさはどこ行ったんだ。しかもそれ通り越してちょっとポジティブになってきたなぁ…」

「誰だって性格は変わるもんでしょうに。生まれた時から死ぬ時までずっとネガティブ思考で生きてきた奴って居ると思うか?」

「そりゃそうだけどさ」

 

 やはり、相変わらずの話しにくさは治ってはいなかったようだ。それを感じて、どこかで落胆し、どこかで胸を撫で下ろす自分がいた。

 変な奴だな、俺。

 

「うーん…しかしいないなぁ。ちょっと暗くなってきたし、誘拐でもされたんじゃないのか?」

「不吉なことを言うなレン。それでもアイツ戦闘力はある方だし、むしろそのグループを壊滅させて抜け出すんじゃないか」

「かもな」

 

 そうやって二人で談笑していた、その時。

 

「馬鹿じゃないの?」

 

 後ろから少し前に聞いたことのある声が割り込んできた。

 

「その声は――ジャガノか」

 

 俺はそう言って後ろを振り向いてみれば、やっぱりジャガノだった。悪魔から人間へとなり下がった、百戦錬磨の悪魔。まだ路地裏でホームレス生活していたみたいだな。

 

「え、こいつ、誰?知り合い?」

「ああ、こいつはな、まあ端的に言えば、魔王の盟友だ」

「君――はレン、かな?よろしくな、ジャガノだ」

「おう、よろしく」

 

 これでまた友達関係の輪が少し広がった。魔王の保護者として嬉しい事である。

 

「で、お前は何しにここに来た」

「ここに来たんじゃない、お前らが近くに居たから俺はここに来てみただけさ」

「だから、何しに来たんだ?」

「助言をしに来たんだよ」

 

 ……?

 助言、か。

 何だか俺の足をヤバいことにしてくれた何某のことを思い出させてくれるような言葉だな。それは俺の勝手なイメージにすぎないけど。

 

「手紙には、歪んだ軌道を直すって書かれてたんだろう?」

「ああ、そうだ」

「じゃあ次にこちらから質問させてもらう。お前ら、()()()()()って、なんだと思う?」

「「本当の魔王?」

 

 ズガン!!

 

 俺とレンがジャガノ言葉に対して首を傾げた、その時。俺の後ろから物凄い轟音が聞こえた。鼓膜が破れてしまいそうになった。

 俺らは一斉に振り向くと、上空から物凄い勢いで落下してきたのだろうか、足元に物凄い規模のひび割れを出現させ、袖は破れ、裾もビリビリ、髪の毛は逆立っていて、その眼の色は真赤な赤色――そんな、まるで別人にでもなったかのような魔王――ヘルが、そこに立っていた。

 

「ほらな、やっぱり」

 

 ジャガノは見透かしたようで、特に驚きもせずそう言った。

 いやいや待て、この光景は何だ?

 もしかして、歪んだ軌道を直す――というのは、まさか魔王としての軌道を直す、という事だったのか?

 ということは、人類を滅ぼすとかするのか?

 いやいやあり得ないだろう、いくら魔王であっても、この世界を十分謳歌していたし今更そんなこと――

 

「おはよう、人間――いや、愚民ども」

 

 ――ごめん、これ俺の予想八割方当たってるパターンだなこれ。

 

「我は幻滅した。その世界がこんなにもくだらなく、つまらないものだったなんて。だからいったん我はこの世界のすべてを滅ぼし、一から作り直そうと決めた」

「は?おいおい、ちょっと待て落ち着け」

 

 魔王の発言に対し、すかさずレンが質問をする。

 

「お前、そんなことするような奴では無かったよな?今まで、俺みたいな恋人を作ったり生活を楽しんでいたじゃないか。何で急に、そんなこと――」

「嫌なんだよ、もう。一々一々人間とかいう産業廃棄物にいいように扱われて生きるのにはさ」

「…………オイ」

 

 その言葉に激昂してしまったのか、レンが怒りで顔を歪ませてどんどんと魔王に近づいてくる。

 魔王はレンのその態度に億劫せずにその場に留まっていた。そしてレンとの十分距離が近づいた頃、レンは思いっきり腕に唸りをつけて魔王を殴り、絶叫した。

 

「人間が産業廃棄物だと!?冗談もいい加減にしろ!確かに今の人間は自分勝手だし、人のことを考えない!だがな、それでも生まれる絆ってのは、他のどの生き物よりも深いんだ!そんなことも知らずに勝手に産業廃棄物だと言うな、レイ!!」

「……ああ」

 

 多分、レンは必死に魔王を正気に戻そうと殴り、叫んだのだろう。しかし第三者が見ればわかる。魔王は目を反らし、呆れた顔をしていた。それじゃあもしこれが魂の叫びであっても伝わってはなかっただろう。

 

「駄目だ…。今となっては、その叫びも心に届いてない」

「どういう意味なんだよ!!」

「煩い」

「オイ!!」

「一旦落ち着け、レン。今の魔王には、何をやっても無駄のように思える」

 

 ジャガノがレンを宥めに入った。

 

「ジャガノ!!あんたはこいつに対して何も言ってやらんのか!?それでも盟友なのか!?」

「今日の朝、態々こいつはこちらまで絶縁しに来た。だから、もう盟友じゃないし、俺はこいつのことはどうでもいい」

「おい!いくらそうだとは言えそこまで心無いこと言って良いのかよ…!!フウマも、何か言えよ!」

 

 急に話に矛先を向けられて、少し俺はビクッとなってしまう。それを着たレンが歯切れの悪そうな顔をして魔王をこちらに連れてきた。

 そして、魔王の背中を押してこちらへと突き飛ばす。その間、魔王は抵抗する意すら一切見せなかった。

 

「お前が魔王を説得しろ。俺がどうこうできるものではない、こいつとは絶交だ。別れる」

「……なあ、魔王、恋人が消えてしまうぞ、良いのか?」

「構わん。どうせ滅ぼす世界だ、恋人の一人や二人くらい別にいい。むしろ死ね」

「…!! お前、いつからそんなクソ野郎になったんだああああああああああああ!!」

 

 魔王の罵詈にレンは以前よりさらに激昂し、魔王の後頭部に向かって鉄拳を繰り出そうとした。しかし、魔王はそれを片手で受け止め、その反動をものともせずレンの額に手刀を突き刺した。

 貫通した。

 手が、レンの額を貫通し、後頭部まで貫いた。

 

「……は?」

「…マジかよ」

 

 レンは頭を貫かれたことにより有無を言わさず死亡。俺は脳の処理が追い付かなくなって少しの間固まってしまい、流石のジャガノもこれには驚かざるを得なかったようだ。

 

「……ああ、元恋人の血の色はこんなにもどす黒いのか。触るんじゃなかった」

「…おいおい、ヘル。俺は元恋人に対してそこまでするような奴、知らん」

 

 ジャガノが引き気味に魔王に話しかけた。

 元盟友にも関わらず、振り返った魔王の瞳は殺意と禍々しさに満ち溢れている。

 

「お前も殺してやろうか?」

「…後悔しないなら別にいいさ」

 

 即、魔王はジャガノの胸に手をねじ込み、そのまま心臓をもぎ取った。

 

「……! え……っと。そっ…か。じゃあ、別に後悔は…しないんだな……」

 

 ジャガノはそんな遺言を残して死亡した。

 

「……こいつの血の色はまだ明るい…。赤色じゃなくて紅色だ」

 

 ……やっべえ。

 ガチで病んでやがる。

 狂ってやがる。

 

「さてと……」

 

 魔王は一瞬俺の方を振り向いた。俺は殺されるのではないかと内心おびえていたが、魔王はこう言った。

 

「お前も殺そうかと考えたが、我に良くしてくれたせめてものお礼だ。殺すのは最後にしておいてやる」

「…なっ、おい魔王…」

「じゃあな」

 

 言って、魔王は空高く飛び上がってそのまま上空へと消えた。

 俺は一人で取り残され、魔王は頭と胸が血だらけの二人を取り残した。

 

「……ふ、なんてな」

 

 否、ジャガノはまだ生きていたようだ。

 ……。

 …え?

 

「ジャガノ!?お前何で生きている!?」

「いくら便宜上の人間になったとはいえ、体質はまだ悪魔だ。不老不死の一つや二つぐらい持っていて当然だろう。いつか敵対した時にと思ってヘルにはずっと不死だってこと内緒にしていたが、こんな場面で役に立つとはな」

「え、じゃあさっきのは芝居なのか?」

「ああ、中々の演技力だっただろう?これでも、舞台とか見るの昔から好きだったもんでね」

 

 ……そんなのありかよ。胸に拳一つ分の穴が開いているせいで、いまいち実感が湧かない…。と、思っていたら、もぎ取られていた心臓をそのまま胸に嵌め込んだ。

 そしてしばらくしたら、周りの血が蒸発し、再生した肉がジャガノの胸に空いた穴を覆い隠した。なんだその便利機能。病院の商売あがったりだな。

 

「ちなみにあの時死んだのも演技だ」

「あん時の雰囲気どうしてくれる!?二度と涙無しで読めなくなったぞ!?」

「いやー、あの時首の骨を折られた時はガチで驚いたけどさ、あの時死んだふりしたらどういう風になるかなって。そしたら、あんな修羅場になっちまってまあ。すまんねえフウマ、見てて楽しかったわ」

「…まあ、もう済んだことだし別にいいけどお前生粋のSだな」

 

 …とと、こんな話している場合じゃない。ここでギャグ風の展開に持ってこようとしても、すぐ隣に死人が居るんだ、失礼過ぎるだろう。

 

「ところで、何で魔王がああいう風になってしまったのか、見当つかないのか?」

「………まあ、これは俺の予想ではあるんだが…。ヘルってさ、確か、後遺症ってのがあったよな」

「後遺症?」

 

 聞いたことがある。確か、魔王と出会ってばかりで間もないころに。

 

『封印されてた後遺症で呪術が使えないのだ』

 

 あと、最近のモノローグからも。

 

『魔王としての力が戻りつつある。たぶん、封印されていた後遺症が徐々に薄れてきたのだろう。それが最も表面的に表れているのが、自然治癒力だ。』

 

 ……ふむ。成程。

 ある程度、察しがついた。

 

「つまり、後遺症が完全に治ってしまい、魔王はその力を使って暴れていたと」

「そういうことになるな。全くお前も災難だなあ。手塩かけて保護してきた奴がお前を裏切るなんてな」

「……」

 

 いや、俺はあいつを保護してきたから分かる。アイツは決してそんなことをするような奴じゃない。じゃああのたまに発される本音が泣き真似だったとでも?迫真の演技だったとでも?プロ級の役者でも出来るか出来ないかのあの演技が、魔王にできるとでも?

 ……後半あたりから決めつけになっているが。とにかく、俺はアイツはそんなことをするような奴じゃない。断言できる。

 だから俺は、アイツに何らかの原因があってこうなったのではないかと考えている。しかし、それがどういう原因なのかが、全く見当がつかないな…。

 

「ふーん、そんな考え方をするなら別にいいけどさあ…。後悔しても知らんよ?」

 

 俺の考察をジャガノに説明してみたが、特に反論があるわけでもなかった。ジャガノ自身、心のどこかでそうであってくれと信じているのかもしれない。

 

 場所が街の中なのでそのうちジャガノが魔王の不意打ちを食らいかねない。俺らはちょっと高い山の上に移動することにした。そここそ魔王の不意打ちを食らうのではないかと思われるかもしれないが、先ほど話された通り魔王は俺を最後に殺すことにしている。よって、魔王は俺の索敵を後回しにしているから、ジャガノの存在にも気づかないだろう。

 

「でもさ、あくまでこれは見当なのであって、本当にそうなのかはよく分からないんだよなー。何か確かめる方法があればなー」

「あるじゃん」

「え?何?」

「フウ」

 

 少し、怯んだ。

 フウ。

 俺の妹。

 ちょっとだけ吹いてくる風が生ぬるい温度に感じられた。

 

「フウって、確か生き物の体調が知れるなどの能力を持っていたはずだ。その能力を駆使すれば、ひょっとすれば異変の元凶、あるいは手がかりを見つけれるかもしれない」

 

 その方法も一理あった。しかし…。

 

「無理だ。俺の可愛い妹をこんな目に遭わせたくない」

「遭うとは限らないだろう?善は急げとは言わないが、方法としてはかなり確立している筈だ」

「いや、お前…!レンと同じ目にあったらどうする!?」

「だったら他に方法はあるのか?」

「ぐっ!……うぅ」

 

 そんなことを言われてしまったら言い返す言葉が無くなってしまうだろうが。実は俺もフウに頼ることは候補に入れていたのだが、何故かどうしても嫌だった。

 まあ、これが過保護っていう奴なんだろうけどな。

 

「…わかったよ。それじゃあフウには今まで起きたことを事実無根、ありのままに話したうえでレスキューしてくれるよう要請するんでいいんだな?」

「ああ、それでいいさ。しかし、この話を魔王が傍受していたら、話は別だがね」

「あっ…」

 

 言われて周りを見回してみたが、特に魔王の気配は見当たらなかった。まあ俺は鈍いので、気付かなかっただけかもしれないけど。

 

「……あ、ああ、フウ」

「あっ、兄貴のお兄ちゃん。どうしたの?」

「どんな家族構成の元お前は生まれてきたんだと突っ込んでみたいところだが生憎今はそんな雰囲気ではない。ちょっとこっちに来てくれ」

「え、何で?」

 

 俺は今まで俺やその友達に起きたことを事実無根、何の隠し事もためらいもなく淡々と話していった。

 

「…え、嘘。レイちゃんが?」

「ああ、まあな。だから、アイツに何の原因があったか、お前の能力を使って調べてほしいんだ」

「分かった!荷物まとめて今すぐ向かう!レイちゃんのためなら!」

「もしかしたら死も伴う危険性もある。それでもか?」

「そこで断ったら私は今すぐフウの名を捨てて一生放浪の旅に出るね」

 

 ……よくわからないが、とりあえず断る理由がないという意味なのだろうか?そう解釈しておくか。

 

「……分かった。じゃあ電話切るな」

「ういっす。たぶん10分ぐらいで着くと思う」

 

 俺は携帯を閉じた。

 

「…来そうかい?」

「まあな。でも、お前も一緒に居るってこと、やっぱ伝えたほうが良かったかな?」

「それでもし来なかったらどうする」

「まあ、それを懸念してのことだったんだが…」

「お待たせー」

「早っ!?」

 

 気が付いたらフウはもう来ていた。というか早い。いくら隣の市だからって最低でも5分はかかるだろう。1分足らずで来たぞコイツ。

 

「ふっふっふ。実はね、この私でも本気を出せばリニア並みのスピードは自転車で出せるのだよん」

「俺の足の方が強いな!」

「何で10分って言ったのかは、もしレイちゃんがこの無線を傍受して盗聴していた時のことを考えてだったんだ。そう言っておけばうまく欺けられるでしょ?」

「お前頭良いなあ!」

 

 褒められて、フウは露骨にうれしい顔をする。

 

「じゃあ、まず、魔王の体調を探ることとしようか。もしかしたらこれでの収穫はないかもしれないが、それはそれで収穫に成り得る」

「あれ?ところでお兄ちゃん一人?」

「いや、俺もいるぜ」

「え…?」

 

 フウはジャガノの存在に気付いた。いやむしろ俺とジャガノ二人しかいなかったのに何故気付かなかったのかそれはそれで不思議である。

 フウは怪訝な顔をして、俺にボソッとこう言った。

 

「誰?」

「「覚えてないのかよ!?」

「うん」

「……まあ、知らないならそれでいいよ。俺はフウマの新・友人だ」

 

 本当にそれでいいのかと言いたいところだったけど、とりあえずこのセリフは伏せておく。全く嫌そうな顔をしていないことから見て、コイツガチで覚えていないのかよ……。びっくらこいた。

 

「へえ、そうなんだ。よろしく。……フウマさ、魔王がうちに着いてから友達続々と増えてない?」

「ん、まあな。魔王は正直言って子供みたいだから世話焼きな性格が表に出て、それでコミュ力が身に着いたんじゃないかな」

「それは喜ばしいことだ。兄の妹として」

「え?何?こいつその前は何だったの?」

「ぼっちだった」

《b》「言い方に難がある!」

「……あ、こんなこと話している場合じゃない」

「そうだな。じゃあまず、何をしよ――」

 

 と、俺が頭をひねって作戦を考えようとした、その時。

 鼓膜が破れそうなほどに、ドガンと後ろで物凄い轟音がした。

 

「何だ!?」

 

 振り向いてみれば、街が――いや、町全体の建物が根本から一気にどんどん崩れていく崩れていく。多分中に居る人は逃げる暇も与えず死んだであろう、なにせあんなに早く崩れていくのだから。

 俺らはその光景に圧倒され、気が付けば町は更地になっていたのだった。

 もう一度言う。

 俺の町が、消滅した。

 

「…………………」

「……え?あ、え、っと?フウマ?」

「参ったなこりゃ…。そこまでやるとはね…」

 

 喋ることすらできなくなっていた。さっきの展開が展開だった故、まさかここまで魔王は俺を窮地に陥れないだろうとたかをくくっていた。

 

「…………フウ」

「何?」

「アイツ、()()()()


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