俺の家に魔王が住み着いた件について   作:三倍ソル

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今回は後日談ということで、なんかいろんなことが有耶無耶に終わってしまった前回の続きみたいなことを書きました。
よって、文字数は極端に少ないです。ご了承ください。


後日

「よっす。最近語り部していなかったフウマさんだぜ。

 今回の話はサブタイトルの通り、兄妹編の後日談となっている。

 それじゃあ、どーぞ」

 

「誰に話しているんだ?」

「読者」

「よくもそんな抜け抜けと…」

 

 あれから――つまり、ジャガノという奴が悪魔から便宜上の人間になってから、俺の妹はすっかりサイコパスな要素を消失していた。

 これはちょっと複雑な話なのだが、契約主と契約者の関係というのは少しややこしい。

 まず、契約主が死んでしまうと契約が解けるということはなく、そのままずっと契約が続く。だから、契約者は契約を破棄することが出来ないという後味の悪い結末になってしまう。

 しかし何故フウが元に戻ったのかというと、ジャガノが人間になると宣言したことにより、悪魔の存在自体そのものが消えてなくなり、契約主の存在もその時になくなりそしたら自動的にその契約は破棄されてそれ自体もなかったことにされる――という、何も考えないで読んでいるような人には少し理解しがたい内容だった。

 

 そっから数日後。ジャガノはというと、ホームレス生活を送っているそうだ。

 元は悪魔、何か不吉で縁起の悪いものをみんなは感じずにいられず、まず何故か門前払いを食らってしまうそうで、家には泊めてくれないわ市役所には入れてくれないわで散々らしい。まあ何回も言ってしまうとしつこいと思われてしまうが、ジャガノの元の体は悪魔で、食料というものはあまりなくても生きていけるそうだ。

 人間にとってはズルい体の性質である。

 しかし、食べることの喜びを知らないのも、それはそれで少しだけでも人生を損しているような気がしないでもない。

 にしても、だ。一文無しで生活するのは流石に退屈すぎると思う。

 一瞬だけアイツも俺の家に住まわせようかと考えたがその問いへの答えは考えるまでもない、NOだ。

 魔王に子猫を拾ったから飼えみたいな目で見られてもこの感情は揺らいだりせん。

 では最後に、サイコパスから元に戻ったフウが魔王と戯れているワンシーンをここに映し出してこの後日談は終幕へと行きたいと思う。

 

「いやーごめんねレイちゃーん!!お詫びにキスしたげるから許してー!」

「残念だがお気持ちだけ受け取っておく!ああっ助けろフウマ!こいつ元からサイコパスみたいなものだ!」

「なんでー!?せっかくこの可憐でかわいいフウちゃんと体を自由に弄べるって言うのに興味ない訳!?」

「というか何でこいつこんなにテンション高いんだ!?」

「ああ、ごめん。そいつさっきアサヒスーパードライ大量に飲みまくってたもんでな」

「え!?何なのその酒は!?サイコパスからサイコレズへと人格を書き換える飲み物なのか!?」

「そんな悪魔みたいな飲み物あったら日本という国が崩壊するわ!」

 

 まずサイコパスへ対象を限定させる魔王の想像力がすごい。

 褒めて称えたいけどとてもじゃないが今そんな状況ではなさそうだ。

 

「あーでも、本当に申し訳ないとは思ってるんだよー。私の勘違いってだけで腕とか足とか折ったり千切ったりしてさー」

「もうそれは許してるんだってば!また嫌うよ!?」

「えー?やーだやーだー!!私レイちゃんに一生ついてく!!」

「もうしもべは募集もしていないんだッ!」

「やーだもんねー。詫びとして、ね?」

「丁重にお断りしておく」

 

 のちに本人から聞いた話によると、フウの性格は魔王はガチで苦手なタイプのようで、ああやって絡まれながらも脳内ではフウがサイコへ戻ってしまうことを懸念してフウの気分を害さない言葉を一生懸命ひり出していたらしい。

 あと、本当はしもべも今は一応募集(ただし人が来るとは思えない)しているみたいなのだが、フウにはわざと嘘をついていた。

 魔王も拒絶するほどの末恐ろしい女、フウ。俺の妹でなければ今頃どうなっていたことか。

 考えてみただけでも恐ろしい。




コメントで指摘されて自分の不備に気付いてしかも最新話も何故か削除してしまって不貞腐れてしまう自分であった。

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