早朝の休日。ちょっとしたお遊び。
俺だけ朝早く起きてしまったため、少し魔王にドッキリを仕掛けようと思う。
その内容は、まあ余りにも酷いドッキリで魔王の逆鱗に触れるのも嫌なので、単純な内容で行こうと思う。
まず、魔王の背中と足の部分にそれぞれの手を滑り込ませるように入れ、そして魔王をお姫様だっこみたいに持ち上げる。…女性の太ももの感触ってこんな感じなのか。と、そんなことも思いつつ、俺は出来るだけ魔王を起こさないでそーっと動きながらある場所へと向かう。
向かった先は、倉庫。少し自分の部屋と離れた場所であり、まだ魔王にもこの部屋を見せたことが無い。ここで、魔王を寝かせてみようと思う。
定期的に掃除してるので、汚れが溜まってるなんてことはないし、あまり変なガラクタも無い。床は多少堅いが、まあ大丈夫か。
俺は魔王を寝かせたまま床に降ろし、放っておく。そして部屋を出て、鍵を閉める。
あとは、魔王が起きるのを待つのみだ。
~数分後~
「うわあぁーーーーーーーー!?どこだここ!?」
魔王の悲鳴、爆誕。
さすがは数百年生きているお方。声に張りがあって聞いてて心地がいいです。俺ってどうやらドSみたいです。
「え、……フウマァーーーーーーーーーーー!!」
前回…というか出会った次の日のドッキリ(らしきもの)はすぐバラしてしまったが、あれは近所迷惑を考えたうえでの行動だ。だがしかし、この倉庫は壁が厚いので、声があまり聞こえない仕組みとなっているのだ。しかしドアに耳を押し付けているとよく声が聞こえるため、俺は魔王が何て言っていたのかが分かる。
「フーーーーーーマーーーーーーーーーー!!!」
近くで聞けば鼓膜が破れんばかりの声で、叫ぶ。しかし、その悪意で構成された無情は、魔王の慌てる声を聞いてほくそ笑んでいるようだ。俺だけど。
「……誰も、いない……。か。」
…あら、ある程度察されたか?似たようなの前回やったとはいえ、魔王とは思えぬビビリを誇る魔王は二度までは通じると思っていたが…ぬう、計算が浅はかだった。
だが、ここで折れるフウマじゃない。無視を通そう。例え、コイツが泣いたとしても。ある時間を境に、こっそり鍵を開けておこう。そうすれば、気付くはず。まあ、問題はその後の反応だけどな…。
「……スゥーッ…。」
なんか、大きく息を吸う音が聞こえる。
「……フウマの変態馬鹿クソ野郎カスアホボケ引き籠りッ!!!!」
…うわぁ。
ついにコイツ、俺を挑発して炙り出す作戦に出やがった…。
…なんて…。
何て浅ましいんだろう。
「…ハァ…ハァ…。朝から叫ぶと辛い…。スゥーッ…。フウマッ!!我はもうすでに見抜いているぞ!!貴様、これは何という悪戯なのか拷問なのか仕置きなのかは知らないが、こんな…悪質なものがあってたまるか!!」
挑発じゃないな…というかこれ、もしかして魔王本気でキレてる?
あと、俺がたった今脳裏に過ったこと全部言ってきやがった…。クソ、良心が軋む音が聞こえる。
「いいか!?貴様、我にいたずらをするのは別にいいが、限度と言うものを知らないのか!?少しは人の気持ち考えたことがあるのか!?この…私の…何の罪を犯してないのに封印された私をまた薄暗い密室に閉じ込めるなんて、そんな……うぅ……。」
…泣いてる…?やべえ、さっき宣言したばかりだから自分の感情的な性格に呆れる。めっちゃドアを開けたくなってきた。めっちゃ魔王に顔が地面を貫通するほどに土下座したくなってきた。めっちゃ魔王に殴られたくなってきた。
……。開けよう。
ガチャリと。
俺の予想では、泣きじゃくりながら俺の事を殴ろうとする魔王が居ると思った。
しかし。
「………。」
「……残念でした♪」
物凄い笑顔で俺の事を殴ろうとする魔王が居た。
時に、笑顔とは、何よりも怖いと思わせる作用がある。
というか、今までの全部、ただの芝居かよ。
◆ 語り部:魔王
楽しい。
毎日が楽しい。
その理由なんて決まっている。
友達が出来たからだ。
「いってきまーす。」
「おう、いってらっしゃい。今日はいつまで遊ぶ気なんだ?」
「んーまあ、夕方辺りには帰ってくると思う。」
我は外出専用の黄色い半そでに膝小僧辺りまでまくり上げた短パン(新調した)を着用し、外へ出た。
目的地は、玲佑公園。相変わらず読み方が分からないその公園で、我は三人の友達を遊ぶ。
ケン。
シュンキ。
ユミ。
トリオなのか三人兄弟なのかは知らないが、仲が良い。あと、フウマとも面識がある。何か、その知り合った理由に突っかかるものを感じるが、それは気にしない方向で。
「おーい!!」
「…あ、レイ。」
「んー?レイちゃん?」
「ごきげんよう。」
我は大きい声で何かをして遊んでいる三人を読んで、遊戯に参加する。今回は、なにやらボールを投げ合って遊んでいるようだ。掴んだり、投げられたボールをかわしたり。
「何をしているんだ?」
「この遊戯はドッチボール。ボールを上げて遊ぶ。ルールは至って単純明快。この球を全力で投げて相手に当てるのだ。」
「当たっちゃったらリタイア。投げられてきたボールを掴んだり、かわしたりすればオッケーなんだ。」
「ユミ、この遊び大好きなんだー。」
本当、三人は仲が良いな…。我にも、こんな兄弟が居たらよかったんだけど…いや、兄弟はいたんだけど、……。
我は、ドッチボールとやらの遊びに加わった。ボールを三人とも投げてくるが、伊達に数百年生きていない。小学生の投げた程度のボールなんか、直ぐにキャッチできる。
逆に、我が投げようとすると、思いのほか力が強まってしまい、明後日の方向を飛んだり、当たったとしても痛そうだし…。あ、シュンキにはあまり当てない様にしよう。顔面に当ててしまったら即柔術を喰らってしまうからな。おおこわい。
しかし、柔術か…。柔道に殺害をプラスしたものだっけ?今度護身術に教えてもらおうかな。フウマのセクハラ発言の廃止に向けて。
「これ、やってみると結構…私運動得意かもしれない。」
「見た目はとぼけてるけどな。」
「え?私はなんかスポーツ系女子ってイメージだなー。」
おい!!ちょっと今の発言で我はプライドが傷ついたぞ!?
「ちょっと二人、目の前で他者評価は失礼だと思わないのかい?」
ケン…お前だけ正論しか吐かないんだな…。ああ、なんか友情的な意味で好きだ。
「もしレイ君が猫の皮被ってて本当はぶりっ子だったとしてもね。」
そして一瞬だけときめいた我が馬鹿だった。
◆
遊びは、昨日と同じく、夕方まで続いた。
今回はドッチボールしかしなかった。が、だんだんとやっている内に我もボールを投げる際のコツやテクニックなどを教えてもらい、”飛躍的に上達”した。
そして、彼らとの親密度も深まった。だから、遂に、打ち明けておこうと思う。
ケン、お前さっき、猫の皮被ってたといったな?それは本当だ。我は人間のふりをしている魔王だ。シュンキの口調で言うと、皆が畏怖すべき邪知を働かせ、暴虐の限りを尽くす存在だ。いや大袈裟か。まあ、今ああいう風に言ったが、それは
要するに、我は平和主義を掲げる魔王だ。それをちゃんと説明すれば、彼らは理解してくれるはずだ。
「……あ、あの―――」
「にゃ~ん。」
「「「あ、猫(だー)。」
…Oh.
折角勇気を振り絞って話しかけようとしたのに。三人とも野良猫に反応してしまって遮られてしまった。このドロボウ猫め。
「…猫か。そういえば私、野生の猫ってあんまり触ったことないな。」
「え、そうなのか?この愛くるしくも美しさを兼ね備えている俺らの女神に?」
「うむ…。何というか、ほとんどいなかったからな…。」
現代ならともかく、数百年前は猫は悪魔の象徴とされてきたし。時代とともに扱いも変化していくんだな。それとも文化の違い?まあ、猫カフェもあるぐらいだから、かなり良くなっていることは確かだが。
「ほらほらー。レイちゃんも触ってみなよー可愛いよー。」
ユミが猫を抱き上げて我に触らせようとする。促されるまま、我は猫に触る。
「……!!」
柔らかい…。毛並みがふさふさで、触ってて気持ちが良い…。猫カフェの猫よりもこれは…いい!!
「気に入ったみたいだね。」
「にゃ~ん。」
「……!!!」
かっ…可愛い…!?何てことだ!!我が猫の頭をなでるたび、喉をゴロゴロ鳴らしながら我の胸に顔を擦ってくる…!!や、ヤバい、浄化されてしまう。ニライカナイに昇天してしまう…!!
「あああああ…!!」
「あ!?レイから白光が発光している…!?」
「ああああ…あああ……。」
マジで、浄化されそうになった。猫が原因で。しかし、ケンの故意なのか分からない謎のダジャレのお陰で何とか光を収めることが出来た。
猫は我にとっていろんな意味で危険な生物だ。ちょっと地面に降ろしておこう…。それに、あまり触りすぎて抜け毛を持ち帰ってしまうと、フウマが酷い目に遭う。
「ともあれ。猫は十分に堪能した。」
…よし、改めて、告白をしとこう。
我が、魔王だということを。
「三人とも…ちょっとこれは真面目な話だ。よく聞いてくれ。」
「「「?」
三人とも寸分違わない動きで首を傾げる。
「もしも、この世界に魔王が居たら、どう思う?」
そして、やはり言う決意がしきれず、なんだか趣旨と似通った話題を持ちかけてしまった。
「えー?それはー…。」
「何だ、交通事故よりも暴虐の限りを尽くす最凶最悪の存在がもしこの現世に現れたとしたらか?そうならば…俺がこの手で浄化して二度と目覚めないようにしてやる。そう、深黒の奥までな。」
「シュンキは相変わらず言動が支離滅裂だし血の気が多いね。僕は和解を望む派だな。」
ユミは答え方に迷い、
シュンキは討伐派。
ケンは和解派。
うーん、やっぱ意見が分かれるのは当然か。しかし、実質我を斃そうとする人が目の前に居るのに、あまり恐怖を感じないな…。
という事は、シュンキに我の正体をばらしたら、柔術で殺してくるかな?…ああ、怖い。でもやっぱ伝えてみよう。
「…ゴホン。…実は、我の正体は、魔王―――」
と、言いかけたところで、シュンキが一瞬の動きで我の胸倉と右袖を掴んできた。
柔術の最初の型だ。
「シュンキ!?」
ケンが驚くが、シュンキを止めようとはしない。きっと、彼の我に向けての殺意に恐れをなしているのかもしれない。巻き添えを喰らいたくないって。
「…そうか、やはりお前……。」
「………。」
我は自分の事を安全な魔王だと言おうとしたが、何故か口からその言葉が出なかった。無意識に体が竦んでいるようだ。
ヤバい、殺されそう。
シュンキは我に体を一瞬で地面に押し倒し、そのまま我の胸に…呼吸器がある部位の上に全身の体重をかけて乗っかり、我の首を絞めた。苦しい。息が出来ない。
こんな時に余談だが、首を絞められて死んでしまうのは窒息するからではない。首が絞められることによって脳内に血液が送られなくなってしまい、活動を停止してその際に死んでしまうのだ。
だが、それは何の問題でもない。ゲーム臭い話をしてしまうと、パラメータなんて戦闘力においては結構高い。魔王なので。我は拘束されている中、わずかに動く腕でシュンキの鳩尾を打ち、吹っ飛ばす。
「……レイ…君。」
これには能天気なユミも絶句せざるを得なく、我はこいつらとの友好関係を続けるのがもう不可能な事を察した。
友情は脆い。
シュンキが起き上がって再度我を組み伏せようと試みるが、さすがに体力が尽きたらしく、跪くように倒れてしまった。
「…うっ…。」
「…いや、これは……おかしい。」
「え?何がだ?」
我はケンの意味深な反応に質問を投げかける。
ケンは頭を抱えながらこう言った。
「
…ああ、やっぱりそうか。
三回も交通事故に遭って生きている理由。
公園から出た瞬間振り返ったらもう居なくなっていた理由。
そしてこの仮定を裏付ける、ケンの今の発言。
こいつら……幽霊だったのか。
「……ハッ。幽霊の正体見たり枯れ尾花と言うじゃないか。」
「それ意味をそのまま取ったら結構矛盾しているからな!?」
いや、シュンキ本人は、幽霊の正体を見たら死んでしまうとか、そんな意味で使ったんだろうけど。
実際は、何か壮大に見えるけど実際はごく平凡なモノだったって意味になる。
これが俗に言う、難しい言葉をよく使いたがる年頃か。
にしては、シリアスな場面に天然ボケを放つという荒業をやってのけたところ、評価すべきなのかもしれない。
「さて、僕らの正体がばれてしまったらここで放っておくわけにはいかない。」
三人は横一列に並び、そろってこう言う。
「「「さあ、君(お前)も、
「一人だけ何か微妙な言い間違えしてるやつがいるぞ!?」
正体は、ユミだった。
やはり、肝心なところまで、ボーっとしてる女の幽霊である。
というか、このシリアスな場面でツッコミを入れてる我も説得力があまりないけれど。
「改めて。」
言い直す。なんか凄くかっこ悪い。これが子供トリオでまだよかったんだけど。
「「さあ、君も、仲m―――」
「そういえば何でレイちゃんは私達に触れるんだろうね?」
「「「だからお前やる気あるのかよ!?」
気まぐれ、能天気、空気を読まない。
ユミは、ムードメーカーになれば一躍有名になれた。絶対。この三拍子は、まさに揃ってることが奇跡と言っていい。
「ああもう、締まらないなあ!もういい、正体がばれたからには放っておくわけにはいかないし、レイ、さっさと殺されて幽霊になっちゃって―――」
ケンが言いかけたところで、横から何かが飛んできた。それはケンの頭にべったりと張り付き、貼り付けられたケンは動かなくなった。
魔除けのお札だった。
横を見ると、そこにはユウキが居た。右手には、数枚のお札を持ちながら。
「…チッ、厄介な邪魔者が入ってきやがった。これが塩だったら、まだ良かったのに。」
シュンキは未練がましくそう言う。
「あーあ。もうちょっとだったのにねー。まあいーか。レイちゃん、楽しかったよー。」
…ユミって、無邪気で可愛い奴だったな。何と言うか…敵対心をはなから持ってないというか。お札を張られて動けないケンを引きずってどこかに、還っていった。
「………。」
突然のこと過ぎて、頭の処理が少し追いつかない。
ただ一つ、確かな事は、友達がまた消えた事だった。
「魔王…か。やっぱりお前、俺の事を騙してたのか。」
「……。」
「沈黙は金雄弁は銀とでも言いたいのか?残念ながら不正解だ。うちのシマのルールの場合、沈黙は死雄弁も死になる。お前の場合はな。」
我の場合だけなのにうちのシマのルールとか、色々突っ込みたい所はたくさんあるが、先ほどの反省を生かし、沈黙を突き通す。
「それとも、お前にもこの札を張り付けてやろうか?」
「助けてくれてありがとう。」
剣幕に怯まなかった我の返答に対し、ユウキは戸惑った。
「…何の事なんだ?」
「二度も言わせないでほしい。」
自分ではよく見ることは出来ないが、その時我は多分、年甲斐も無くなんて言ってしまったらちょっとツッコミに埒が明かなくなるけど、顔を赤面させていたと思う。
照れ隠し、と言う奴だ。
「…う、そんな顔をされては、攻撃できなくなってしまう。」
…ユウキ、お前
「我はもう、家に帰る。そろそろ逢魔が時だ。お前にも、家族が居るだろう?」
「そんなストリートファイターのガイルみたいな口調を言うには性別と背丈と見た目と存在が違い過ぎる!!」
「そういえば、その札ってどこから入手してきたんだ?」
「話題を巧妙にすり替えるな。」
あ、ばれていたのか。
ユウキは続ける。
「んーと、このお札は100円ショップで手に入れてきた。」
「そんでもって幽霊の動きを封じる効果が!?最近のお札ってコスパ低いんだなあ!?」
「いや、俺もダメ元だったんだが…多分、レプリカだろう。紙の質感が全然だめだ。」
「お前本物の札の感触分かるのか…。」
「分からないよ?」
「分からないならそんなこと言うな!誤解を生むだろう!」
何はともあれ、今回の件は殆どユウキによって救われたと言っていい。我も抵抗は出来るのだが、肉体が元々存在しない幽霊トリオの事だ。動きによって体力が消耗されることはそうそうない。あんな体力無尽蔵が三人合わされば間違いなく我は叩きのめされていた。
なぜか悔しさを感じることは否定しないが、今回ばかりは感謝するとしよう。
我とユウキは、お互いに敵同士の関係にある。
しかし、時には、お互いを救い合う存在でもある。
◆
「ただいまー。」
家に帰ってきた。
「…おかえりー。」
いつもなら、ここでフウマがエプロン着用姿で台所に立ち、何かしらの料理を作っているというのがお約束なのだが…。
なぜか、カップラーメンを食べていて、げっそりしていた。
「フウマ!?どうした?」
「……いや、あの三人が…。」
三人と言う言葉を聞いて、少し背筋がぞくりとした。我が知っている限り、三人と言う言葉を聞いて連想するのは、アイツらしかいない。
「どこにいる!?」
「……二階の俺の部屋。何か急に入ってきて、晩飯平らげやがった…。」
我は二段跳びで急いで階段を駆け上り、二階のフウマの部屋のドアをバンと開ける。
そこには、我の予想していた通り、ケンとシュンキとユミが、トランプで遊んでいた。
「…お、レイ君。」
「何だレイか。いつ帰ってくるのかと待ちくたびれたぞ。」
「レイちゃん久しぶりー。」
「何故ここに居るのか説明してくれ。」
「あの後、僕たちは仲間づくりをすることを止めて、
「あのフウマって人、君の召使い?」
「…フ、俺らに桃源郷を提供してくれたこと、感謝するとしよう。」
……いや。
お前ら、早く成仏しろよ…。
でないとフウマが、確実に飢え死にするじゃあないか…。
「……あ、ところでレイちゃん。君もジジ抜き一緒にやる?ババ抜きとは違って、最初からジョーカーは入ってなくて、代わりに山札から一番最初のカードを抜き取るんだよね。そうすることで、何がババかが分からなくなるでしょ?楽しいよー。」
「今度からは、一緒に住まわせてもらうね。大丈夫大丈夫、僕達、実は幽霊と言うより亡霊だけど、そこら辺大差ないと思ってもらっても構わないから。」
「…フ、レイ、良かったではないか。一緒に住む仲間が増えたんだぞ?これ以上嬉しいことはない。」
…………。
………。
……。
「フウマの家から今直ぐ出ていけッ!!!!!!」