それはそうと、ずっと凛とアサシンの掛け合いのみでやってきたこのssですが。ついに三人目が加わります!
「さて、三日目の夕方だけど。とりあえず間桐でもつぶしましょうか。今日は貴女が作ったわかめの味噌汁のせいで食中毒になったし」
っていうか、逆にすごくないかしら? 今冬よ? 何で作ったばかりの味噌汁で食中毒が起こせるのかしら……
まあ良いか、やり方なんて聞いても困るだけだし。
「そんな事もあろうかと!! こちらが私の調べた間桐の資料になります」
うわ、どや顔むかつく。って言うかそんな事もあろうかとって、どう考えたって朝のあの展開を考えたら次に間桐と戦うに決まってるじゃない。
私は桜の事に関してだけはうっか凛を捨てるわ。
だから助けた後にアフターケアを怠るなんて言う凡ミスはしないのよ。
ごめんなさい、さっきトイレの中で思い出しました。
「えーっと何々。サーヴァントはライダー。それと、マスターは桜だけどコントローラーはわかめが持っていると」
ふむふむ、まあ単語の選び方に疑問を感じないでもないけどわかりやすいから良いか。
それにしてもライダーね。ってことは搦め手に注意した方がいいかしら?
「よし、とりあえず大事な妹をいじめてくれた糞虫をどうにかしたいんだけど。貴女は何かいい考えがあるかしら?」
「そうですねえ、なんかしぶとそうですし黒い苔と一緒に火星にでも送っとけば良いんじゃないですか?」
「よし、それで行きましょうか。やっちゃえアサシン」
アサシンがクラールヴィントを起動すると珍しく真剣な顔を浮かべる。
もう少しで良いから普段からそんな顔しなさいよ。
「数が多いから大変だったけど……捕まえたっ!! 長距離転送行きます……あっ」
「あって何やったのよ?」
「ごめんなさい凛ちゃん。勢い余って間桐邸まで一緒に火星に送っちゃいました」
何やってんのよこいつ。勢い余ってじゃないわよ。
あれ、でもこれってもしかして桜との同居フラグじゃないかしら?
「よし、善は急げよ。アサシン桜に魔術で連絡はとれるかしら?」
「はい勿論行けます」
「なら桜に間桐との戦いで間違って家ごと吹っ飛ばしちゃったから責任を取って私の家を提供するから家で過ごしていいわよって伝えてくれないかしら?」
「はい伝えました。あ、桜ちゃんから凛ちゃんにありがとうって伝えてくださいって」
うっしゃきたーーーーー
「アサシン聖杯戦争なんか一時ほおっておいていいわ!! 学校が終わるまでに桜の歓迎パーティーの準備をするから手伝いなさい!! 料理は私が作るからあんたは桜の部屋を整えなさい」
勿論桜の部屋は奇麗に残してあるけど。何と言っても子供用の家具しかないものね。
あれ、でも桜と一緒に部屋の準備をした方が仲良し姉妹っぽいかしら?
「アサシンやっぱり部屋の準備はしなくてもいいわ。居間に歓迎会用の飾りつけをして頂戴」
さて忙しくなるわよ。
よし、満漢全席の準備OK。5段重ねのケーキOK。
「アサシンクラッカーは?」
「はい、50個くらい用意しました」
「50個? そんなんじゃ弾幕薄いわよ何やってんの。せめてその10倍は用意しなさい」
全く何をやってるのかしら。折角の姉妹の感動の対面なのよ?
数日前に挨拶してるけど……
「忘れてた、横断幕を作らないと『おかえりなさい桜』ってでかでかと書くのよ」
「大丈夫ですこんなこともあろうかとすでに準備しました!!」
そのフレーズ気に入ったのかしら?
まあいいわ。ぐっじょぶよアサシン。
「それと、パーティー用のあの輪っか飾りはどれくらい用意したの?」
「折り紙30セット分です」
ふむ、少ないような気もするけど。あまり多くしすぎても居間が輪っかでいっぱいになっちゃうから仕方が無いわね。
「あ、アサシン時計を取ってもらえないかしら」
「どうぞ凛ちゃん」
やばいもうこんな時間なの? 後1時間くらいはあると思ってたのにもうそろそろ帰ってくる時間じゃない。
「家の外でお出迎えの準備をするわよ。いくわよアサシンクラッカーの貯蔵は充分かしら?」
「はい、500個用意できてます」
「パーフェクトよアサシン」
さて、最初にかける声は何がいいかしら?
やっぱりおかえりなさいは外せないわよね。どう思うかしらアサシン。
え、まずは体を気遣ってあげたらどうかですって?
流石は医者ね。その視点での考えは無かったわ。
それにしても、少し寒くなってきたわね。桜少し遅くないかしら?
もしかして何かあったのかしら?
それとも遠坂家に帰ってくるのは少し気恥しいのかしら?
ばかね、実家なんだからそんなこと気にすることも無いのに。
それとも桜の事だから菓子折りでも用意してるとか?
本当に桜ってば良い子よね。
「あのー凛ちゃん。もしかして……この時計」
「何アサシン今桜を迎えるのに忙しいんだから余計な事だったら後にしてくれるかしら?」
「え、でも時間が」
「そうよ、時間が無いの」
全くこの忙しいときに何よ。
余計なことを考える時間があるなら桜にかける暖かい言葉の一つでも考えなさいって言うのよ。
それにしても遅いわね。あの子はここまで時間にルーズな子じゃなかったと思うのだけれど。
「あっ!! そう言えばこの家の時計って全部1時間進んでるんじゃなかったかしら」
「待ってる間暇だから直しておきましたよ凛ちゃん」
「何ですって? 気が付いてたのならもっとはやく言いなさいよ。っていうか何? 桜を待つ時間が暇ってどういう事よ」
「さっき言おうとしたじゃないですか。理不尽ですよ……」
はあ、この一時間があればもっと桜の歓迎準備を完璧にできたじゃないの。
全くこのポンコツは。
「あ、凛ちゃん誰か来ましたよ。この家に向かってるみたいです」
「!!来たわね桜。準備は完了してるアサシン?」
「そりゃあこんだけ時間があれば完璧ですよ」
あ、来たわね。
よし、クラッカーを鳴らせ。
「「ようこそ遠坂家へ」」
「ん、まさかこんなに歓迎してくれるとはね。桜から聞いていたが遠坂かこの優秀な僕と組みたいというのは本当みたいだ。そこまで言うんなら仕方が無い、この僕の力を貸してあげようじゃないか!!」
「あれ? 桜は?」
「聞いてないのかい? あいつなら衛宮の家に行ったぞ」
そ、そんな事って……
姉妹の絆より男を優先って……感動の対面は何処に行ったの?
「さくらーおねーちゃんはゆるしませんよ!!」
次回新番組 テラフォーマキリ始まりません!!