きっとss作家あるあるだと思う
というわけで冴えわたる遠坂さんの迷推理から登校回のはずでした
翌朝香ばしいいい匂いが私の目を覚ます。普段朝は食べない派なんだけど、今日何かあったっけ?
まあ良いか。今日は何か疲れてるし二度寝しましょう。
「凛ちゃん朝ですよー朝ごはん作ったので食べてください」
誰だっけこいつ……ああ、アサシンか。
そう言えば昨日の夜こいつを召喚したんだったわ。
「ほらほら、早く食べないと学校に遅刻しちゃいますよ?」
「私朝は食べない主義だからいらないわ」
「り、凛ちゃんもそうやって私のご飯を食べてくれないんですね。はやてちゃんやヴィータちゃんみたいに。知ってるんですよ私にはお腹一杯って言った直後にヴィータちゃんがアイスをよく食べてる事」
何かあからさまに落ち込んだわねこいつ。
フライパンを持ったまま崩れ落ちて泣くとか。っていうか、そのフライパンとかエプロンは何処から出したのよ?
私の家にそんな若奥様然とした物は無かったはずなんだけど。
気にしても疲れるだけね。
それよりも、またはやてちゃん。それにヴィータちゃんか。
雰囲気からして家族か何かかしらね?
「あら、記憶が戻ったの?」
「え、何でですか?」
「だって今またはやてちゃんって。それにヴィータちゃんとも言っていたでしょ?」
「そう言えば……だめですやっぱり思い出せません」
相変わらずうずくまったまま小首をかしげて。
本当に記憶喪失なのかしらこいつ。ぼろが出すぎてて逆に本当に思えてくるレベルでぼろが出てるんだけど。
まあいいわ。本当だろうが嘘だろうがポンコツには変わりないだろうし。
それよりも朝ごはんだったかしら。ここまで落ち込んでると食べないと悪い気もしてくるから不思議よね。
本当にこの人あざといわ。
「しょうがないわね、折角アサシンが作ってくれたんだし食べるわよ」
「本当ですか凛ちゃん。シグナムみたいに急用を思い出したとか言ってどっか行ったりしないですよね」
もう一々突っ込むのも疲れたわ。
それより、家族っぽい名前からこんなに拒否されるなんてどれだけの飯まずなのよ。少し早まったかしら?
でも、一度口に出したことを覆すのは優雅じゃないわ。
常に優雅たれと言う遠坂の家訓は絶対よ。
「しないから、ほらはやく食堂に行くわよ」
「本当の本当ですからね?」
適当にあしらいながら食堂に行くと思ったよりも美味しそうなご飯が並んでいる。
ドイツ風の朝食ね。やっぱりランスロットやモーガンの線は薄いかしら。
出てくる名前も思い当たるものが無いから参考にならないし。
「あら、美味しそうな朝食ね。ウインナーにパンこれはゆで卵かしら? エッグスタンドにエッグカッターなんてどこから出したのよ。家には無かった筈なんだけど」
卵を立てるためだけに使う道具とか卵を切るためだけに使う道具よ。
悔しいけどそんなものにお金を使う余裕は今の遠坂家には無いわ。
「あ、こうやって私の部屋から持って来たんですよ」
魔術触媒だろう指輪から流星錘のような……ってあの男に毒されすぎてるわよ私。
マジカル八極拳じゃないんだから流星錘はないでしょ。普通に考えてペンタグラムよね。
ともかくペンタグラムで空中に輪を作るとそこからいろいろなアイテムを取り出すアサシン。
あれ、今何かを思い出しそうな……お父様……金の王様……
ダメね思い出せないわそれにアサシンが私の事を心配そうな顔で見ているし。
ここは思い切って話を変えましょうか。
「そう言えば、今貴女の部屋って言ったけど。それって何処にあるのかしら?」
「クラナガンですよ。それがどうかしましたか?」
貴女本当に記憶喪失を隠そうって気持ちはあるのかしら?
まあ、もうどうでもいいわ。隠してるってことは聞いてもとぼけられるでしょうしね。
演技が下手すぎていたたまれなくなってくるわよ。
それにしても、クラナガンとはね。確かアイルランドの地名だったかしら?
と言うことはイギリスに所縁の英雄ね。
この人ちょろ過ぎないかしら?
風の癒し手に湖の騎士だったかしら?
モーガンとランスロットを連想させる称号から後世の人物の可能性もあるけど。
十中八区本命モーガン、対抗馬ランスロット、大穴で魔術師マーリンってところね。
まあ、家族っぽい人たちの名前の件があるから確定はしないけどね。
でもだいぶ情報が集まってきたわ。
「さ、そんなことよりそろそろご飯を食べましょう。折角アサシンが作ってくれたのが冷めちゃうわ」
「そうでした。凛ちゃんの家ってドイツに所縁がありそうでしたからドイツ料理を作ってみたんですよ。今ビールを注ぎますねー」
「ちょっと待てポンコツ!! ここは日本よ。どこの世界に学校に行く前にビールを飲む高校生がいるのよ!!」
「だって、座からの知識にドイツの朝食はビールを飲むって……」
「だからここは日本だって言ってるの!!」
本当にポンコツねこの人。まあ良い、この人に朝から付き合ってたら学校に行く前に疲れちゃうわ。
ただでさえポンコツ召喚の次の日で疲れてるんだから。
さっさとご飯を食べて学校に行くわよ。
「それじゃあ、いただきます」
その日私は学校を欠席した。うん、この飯まずからいってもアサシンはイギリス人で確定だわ。
「ごめんなさい。消化に良いおかゆでも作りましょうか?」
「ふざけんな!! 貴女は黙って治癒魔術を私にかけてればいいから」
まだ見ぬはやてさんヴィータさんそしてシグナムさん。貴女達が正解だったわ。
うっ、また波が来たわね。
「アサシン令呪を持って命じるわ。ここにトイレを持って来なさい」
「凛ちゃんダメ!! ダメですそんなことに令呪使ったら。って本当に発動しかかってるんですけど。その令呪キャンセルですキャンセル!!」
結論から言うと何とか令呪のキャンセルは間に合い。アサシンによってトイレに転移して貰った私の乙女の尊厳も守られたのだった。
こうして私の聖杯戦争最大最強の敵との戦いはギリギリの勝利によって一度幕を閉じる。
しかし、この時の私は気が付いていなかったのだ。
まさか私をトイレに運ぶために使われていたのが遠坂の悲願である第二魔法そのものだったなんて!!
しかも、大師父の物とは原理の違う次元世界を飛び越える転移魔法だ。
おかげで私は後日大師父であるキシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグその人ににこの時の状況を詳しく報告すると言うとんでもない恥辱を味わわされる羽目になる。
あれ絶対大師父も途中から楽しんでませんでしたか? ねえ!!
こんなことならやっぱりあそこで令呪を切っておけば……
「とりあえず、令呪を持って命ずるわアサシン。はやてさんとかいう人の前で乙女の尊厳をぶちまけてきなさい」
「凛ちゃん貴女鬼ですか!! キャンセルキャンセル」
その日くすくす笑ってGOGOと言う私が目撃されたとかされなかったとか。
この日凛が学校休むと士郎さん死ななくないかな?
きっとなのはさんの鬱フラグも吹っ飛びますね 公園でオリ主に話しかけられる幼女なんて居なかったんや!!
冗談はともかくこのままだとFateじゃなくただの日常系ssになってしまう気が。流石ノープロット&勢いで突っ走った作品。どこに飛んでいくか本当に読めない