Ainzardry   作:こりぶりん

6 / 18
 
Wizardryモンスター図鑑:
・ノーコーン
 制球の悪いピッチャーのことではない。
 処女厨が角一本(ユニ)、ビッチ萌えが角二本(バイ)なら角無しはノーコーンだろ? という何者かの発想により生まれたモンスターである。
 それって馬って言うんじゃないんですか、とツッコませるだけで話が作れるし、アルベドの騎獣としてバイコーンが出てきている絡みで出番を設けられるかと思ったのだが没った。



B5F:* おおっと *

「うっ……うわあああぁぁぁ――っ!! ごめんなさい、ユリ姉――!!」

 

 兎達に対する警戒を放り出し、倒れ伏す姉の許に慌てて駆け寄り、半泣きでアンデッド用回復魔法の<大減>(バディアルマ)を唱えるルプスレギナ。おどろおどろしい暗黒のオーラがユリを包み、彼女の傷を癒していく。

 

「うう……酷い目にあったわ……」

 

 痛みに頭を押さえながら、ユリがゆっくりと身を起こす。涙目で縋り付こうとするルプスレギナの肩を掴んで、くるりと半回転させた。

 

「何故かまた様子見に入っているようだけど、いつ襲ってきてもおかしくないんだから気を抜くんじゃありません」

 

『ふむ……ユリには酷なことになってしまったが、なかなか興味深いものが見れた。ユリを巻き込んで聖属性攻撃を使用したということは、NPCにもフレンドリ・ファイアの無効化を前提とした行動が染みついているということか? まさかうっかり忘れたわけでもあるまいし……』

 

 アインズの問いかけるとも言えない独り言めいた台詞を耳にし、ルプスレギナがびくっと身を震わせた。

 

『ん、いや、責めているわけではないとも。戦闘中に邪魔して悪かったな』

 

「い、いえ、お気になさらず……」

 

 先程の注意も忘れ、ぺこぺこと頭を下げるルプスレギナに、ナーベラルが背後から声を掛ける。

 

「ルプー。別に弱点属性をつかなくとも、私達の攻撃魔法でごり押しすればいいんじゃないかしら」

 

 範囲攻撃は封印中だが、遠距離攻撃を順に浴びせていけば危険無く倒せるのでは。そう提案した妹の顔を見て、ルプスレギナは頭の上に電球が浮かんだような表情をした。

 

「いや、ちょっとナーちゃんに試して貰いたいことがあるっすよ」

 

「え?」

 

 ルプスレギナの台詞に、ナーベラルがきょとんと小首を傾げた。そんな妹の肩を、自分の両手でがっしりと抱え込むと、ルプスレギナは大真面目な表情で彼女の顔を覗き込んだ。

 

「……ナーちゃん」

 

「う、うん、いや、はいっ」

 

 普段は飄々とした態度の姉が見せたあまりにも真剣な眼差しに、ナーベラルの表情も釣られて引き締まり、返答にも力が入った。

 

<兎の耳>(ラビッツ・イヤー)唱えて」

 

「は、はい……<兎の耳>(ラビッツ・イヤー)

 

 ルプスレギナに言われるがまま、ナーベラルが呪文を詠唱すると、ナーベラルの頭からぴこんと可愛らしい兎の耳が生えてきた。すると、対峙した本物の兎達がぴくりと顔を上げた。それを横目でちらりと確認すると、ルプスレギナは頷いて更に言った。

 

「おけ、次は<兎の尻尾>(バニー・テール)唱えて」

 

「あ、はい……<兎の尻尾>(バニー・テール)

 

 姉の気迫に呑まれたまま、ナーベラルが次の呪文を詠唱する。すると、彼女のお尻からぴこんと兎の尻尾が生えてきた。いかなる手妻か、白いモフモフがメイド服のスカートを貫通して外に飛び出てきた有様だが、逆にそのおかげでスカートの生地に縫い付けた飾りのようにも見える。それを目にした本物の兎達が、ぴこぴこと耳を動かすのを一瞥すると、ルプスレギナは重々しく頷いた。

 

「よし、最後に<兎の足>(ラビッツ・フット)を唱えるっす」

 

「え、ええ……<兎の足>(ラビッツ・フット)……?」

 

 ここまで唯々諾々と姉の言葉に従ってきたナーベラルが、最後の呪文を唱えてはっとした。その瞬間、煙りめいたエフェクトと共にナーベラルの服装が変化する。体のラインを強調する漆黒のレオタード(兎の尻尾付き)、蝶ネクタイをあしらった付け襟、網タイツにハイヒール……どこから見ても立派なバニーガールであった。

 

「ル、ルプー、どういうつもりで……ひぃっ!?」

 

 兎さん魔法三種発動の特殊効果によりバニースーツを着せたかったらしいことにようやく合点がいき、姉の意図を問い詰めようとしたナーベラルが小さく悲鳴を上げた。彼女の許に凶悪な兎達が無防備に駆け寄ってくるのを目撃したからである。

 

「落ち着いてナーちゃん。大丈夫、心配ないっす!」

 

 余裕たっぷりのルプスレギナが、身を捩ろうとした妹を後ろから羽交い締めにした。血の気の引いた表情でナーベラルは突進してくる兎達を見つめ……違和感に気づいた。兎達の表情が妙だ。なんというかこう……ハートマークを振りまいている。

 

「きゃっ……?」

 

 殺到した兎達が次々にナーベラルへ飛びついた。だがその動作には、姉の首を刎ねた凶悪な雰囲気は微塵も感じられず、甘えるようにナーベラルの肢体にその身をすり寄せたのであった。

 

「……懐かれた……?」

 

 そして。六匹の凶悪な白兎達は、ナーベラルの体に大人しく体を預けていた。預けた方は割と至福の表情に見えなくもないが、預けられた方の顔は緊張で強張っている。気を抜いた瞬間頭が胴体と泣き別れするかも知れないと思えば無理もない。

 彼女の頬は、多くの緊張とわずかな羞恥で桜色に染まっている。大胆に切れ込みの入ったレオタードの胸元には、その(長姉程では無いとはいえ)豊満な谷間に顔を埋めてくつろぐ兎が居る。膝の上、肩の上、脇……集まってきた兎達に飛びつかれたナーベラルは、ぺたんと尻餅をついて冷たい床の上に腰を下ろしたまま、纏わり付く兎達をどうしたものか考え倦ねていた。

 

「……羨ましい。代わって、ナーベラル」

 

 シズがそう言って、ナーベラルの谷間に埋もれた兎の背中に頬ずりした。ナーベラルとシズにサンドされた形の兎は素っ気ない態度だが、無理に引き剥がそうとしない限りは、シズに構われて嫌がる様子もない。

 

「代われる物なら喜んで代わるから、代わる方法を考えてよ……」

 

 シズに兎越しに抱きつかれたナーベラルが情けない顔をした。その様子を見下ろすルプスレギナが得意げに胸を反らす。

 

「ふふーん、予想どんぴしゃっすね。ナーちゃんの魅力に兎達もメロメロっすよ」

 

 恨めしげに見上げてくる妹の視線に気づく様子もなく、鼻孔を膨らませたルプスレギナに、ユリが声を掛けた。

 

「まあ、おかげで兎達も友好的になったようだし。なんとか状況を収められそうね、でかしたわルプスレギナ」

 

「へへっ、もっと褒めていいっすよユリ姉~」

 

 そこに、不満そうな顔をしたソリュシャンが口を出してきた。

 

「……一方的に攻撃されたのに、矛を収めると言うのかしらユリ姉様」

 

「ボク、いや私は気にしないわよ?」

 

 ユリが首を傾げて言うと、ソリュシャンはジト目になって唇を尖らせた。

 

「私だって攻撃されたんですけどお?」

 

「んー、でもソリュ。ここから再度戦うのならぁ、一番危険なのはどう見てもナーベラルだよぉ。それはそれで、酷くないぃ?」

 

 エントマの指摘に、白い毛皮に埋まったナーベラルを見るソリュシャン。少しの逡巡の後、ため息を吐いて答えた。

 

「……まあ、その通りでしょうね。しょうがないか」

 

 

 

 

 名残惜しげに兎達に向かって手を振るシズの胴体を担ぎ上げると、ナーベラルは一同に早く出発するよう促した。

 

「やけに慌ててる、ナーベラル。何かあったのぉ?」

 

 エントマがくりっと首を傾げると、ナーベラルは眉を顰めて言った。

 

「……そろそろ効果時間が切れるのよ。そうなったらどうなるかわからないでしょう?」

 

 兎達がナーベラルのバニー姿に絆されたのは事実なので、それが解除されたら再び首を刎ねに来る可能性は十分にある。一同はぶるっと身を震わせると、ぐずるシズを抱え上げて兎達に別れを告げ、足早に立ち去った。

 その後、エフェクトと共にナーベラルの姿が普段のメイド服に戻ると、ルプスレギナが残念そうな声を上げた。

 

「あーあ、戻っちゃったか……可愛かったのに残念っす」

 

「気楽なこと言わないでよ。こっちは服が薄くなって心細かったんだから……というかルプー、まさかとは思うけどあなたが見たかっただけとか、そんなことはないでしょうね?」

 

 頬を紅潮させてナーベラルが文句を言うと、ルプスレギナは体の向きを前方に戻して下手な口笛を吹いた。後頭部に妹の胡乱な視線が突き刺さるが、気づかないふりをする。

 

「あら、あんな所に看板が?」

 

 それを遮るように、ユリが声を上げると、妹達の視線がユリの指さす先に集中した。

 前方に伸びる細い通路が曲がるその角の所に、立て看板が設置されている。興味を引かれて呑気に近寄ろうとするルプスレギナの前を、ソリュシャンの伸ばした腕が遮った。ルプスレギナが横を見ると、隣のソリュシャンがここは私に任せてとばかりに頷いて見せる。

 ソリュシャンが足音を立てずに看板に近づいていく。光苔が照らす薄明かりの中、看板に顔を寄せて表面に書かれた文字を見ると、「地下迷宮の暗闇は……→」と書いてあった。矢印の方向に顔を向けると、曲がり角の奥に延びる通路の先が更に曲がっており、その角の所に同じような立て看板があるのが見えた。ソリュシャンは顎に手を当てて少し考え込んだが、やがて周辺の安全を確認してから後方の姉妹達を手招きする。看板の文字を覗き込む姉妹達にここで待機するよう促すと、自分は一人で次の看板に忍び寄った。

 次の看板の下へと何事もなく辿り着き、新たな看板の文字を読む。そこには「明かりがないときには……←」と書かれていた。矢印が指すのは角を曲がった先、その奥にはやはり同じように曲がり角と看板がある。ソリュシャンは眉を顰めて少し考え込んだが、やがて同じように周辺の状況を確認してから姉妹達を手招きした。姉妹達が看板を見ている間に、自分は次の看板の下へと歩み寄る。

 新たな看板には「気をつけよ。さもなくば……→」と書かれていた。ソリュシャンが曲がり角の先へと目を向けると、今度はもう曲がり角も立て看板もなく、程なく通路は行き止まりになっていた。看板に書かれたメッセージはこれで最後のようだ。今度は少し躊躇ったものの、最終的にはこれまでと同様姉妹達を手招きし、彼女らが看板を見ている間に通路の奥へそろりそろりと足を伸ばす。通路の先が行き止まりになっているのを見て姉が心配そうな声を上げるのを手で押さえ、ソリュシャンは行き止まりの壁の前に慎重に立った。さて、ここに何かあるのだろうか。ソリュシャンは壁の中央に文字が刻まれているのに気づきそれを覗き込む。刻まれたメッセージの内容は……

 「* おおっと *」

 その瞬間、ソリュシャンの足下から床が消失した。

 落とし穴である。行き止まりの壁全体を一辺とした正方形の穴が、唐突に出現したのだ。高さは凡そ五メートル、重装備の戦士が自由落下すれば重傷を負うのに十分な高さだ。

 

「ソリュシャン!?」

 

 ユリが叫び、その声に弾かれたように姉妹達が落とし穴の縁に駆け寄る。

 

「……びっくりしましたわ」

 

 ソリュシャンは落とし穴の底まで落ちては居なかった。咄嗟に両手両足をそれぞれ数メートルもの長さにまで伸ばした彼女は、落とし穴の壁面に手足を突っ張って踏ん張っていたのである。仮に彼女が底まで落下したところでダメージを受けるのかについては疑問が残るが……

 

「上がるのを手伝って貰えるかしら、みんな?」

 

 流石の彼女も伸びきった触手で体を持ち上げるのは辛かったらしく、そんなことを頼んできた。一も二もなくユリが穴の縁に膝をついて手を伸ばすが、それで妹の手を掴むにはいささか彼女の体が深い位置にあった。

 

「ここは私に任せてぇ」

 

 さてどうするかと考える間もなく、エントマが名乗りを上げると、彼女の口から蜘蛛の糸がしゅるしゅると吐き出され、ソリュシャンの体に絡みつく。糸が何重にも巻き付いて、十分な強度が得られたと判断すると、エントマは下に向かって声を掛けた。

 

「んじゃ、行くよぉソリュ。よいしょっとぉ!」

 

 そのまま一息で、一本釣りの要領でソリュシャンを釣り上げる。引っ張られるのに合わせて力を抜いたソリュシャンの体はそれに逆らうことなく、迷宮の天井付近まで浮き上がった。落ちてきたソリュシャンをユリが抱き留めると、ソリュシャンは一息ついた。

 

「ふぅ、ありがとう二人とも。あとはこの糸を取って貰えるかしら……いや、溶かしていい?」

 

「いいよぉ」

 

 エントマが頷いたのを確認すると、ソリュシャンの体に巻き付いた糸が煙を噴いて溶け落ちる。彼女の肌から強酸がしみ出てきて、蜘蛛の糸を焼き尽くしたのだ。

 

「最後は落とし穴かあ……結局何だったんすかねえこれ?」

 

『ふむ、何かと問われれば……罠だと答えるしかないな』

 

「アインズ様!」

 

 ぷにっと萌え直伝の、人間心理を突く罠である。ボタンがあれば押したくなる、扉があれば開けたくなるのが人情というものだ。小出しにしたメッセージを最後まで読みたくなる心理を利用し、ただの行き止まりに設けられた落とし穴の上まで釣り出すのだ。

 罠の説明とぷにっと萌えの思い出を上機嫌に語るアインズに、一同は目を閉じてその声に聞き入った。ナザリックのシモベ達にとって、至高の四十一人の話はどんな些細なものでも千金の価値を持つのである。

 

『……そして、お前達も見事に引っかかってくれたな。この分なら、来るべき訓練生達もさぞかし手痛い教訓をここで得てくれることだろう』

 

 そう結んだアインズの声に、畏まって頭を下げる姉妹達。その中で一人、ソリュシャンだけは、あの落とし穴に落とされたら外の世界にいるような普通の人間達は死んでもおかしくないのではないかしらとちらりと思ったが、空気を読んで黙っていた。

 

 気を取り直して通路を引き返し、迷宮の奥へと歩みを進める。

 通路の奥に見えてきた扉を、先頭に立つユリがいつものように蹴り開けようとして。

 がんっ。

 

「痛っ!?」

 

 開こうとしない扉にキックを跳ね返され、ユリが予想外の痛みに顔を顰めた。

 

「……鍵がかかっている、ようね?」

 

 今度は手で扉のノブをがちゃがちゃと回しながらそう言うと、心得たようにソリュシャンが進み出てユリの肩に手を置いた。

 

「じゃあ私に任せて貰えるかしら、ユリ姉様」

 

 ソリュシャンがそう言って、宝箱を開ける時と同じように手を鍵穴に突っ込んだ。ずぶずぶと手首まで沈み込んでから硬化した触手が、錠前の中をまさぐるが……ソリュシャンの顔に困惑の表情が浮かぶ。思うように解錠ができないのだ。

 

「あら……? おかしいわね、なんだか様子が変だけど……」

 

 盗賊職としてのプライドを刺激されたのか、ムキになってがちゃがちゃと錠前を弄るソリュシャンの背後に、ナーベラルが近づいた。

 

「ねえソリュシャン……今調べてみたんだけど、その錠前からは魔法の力を検知したわ。物理的な錠前ではないのかも知れない」

 

 ソリュシャンが肩越しにナーベラルに振り向くと、ナーベラルは彼女に頷いて言った。

 

「この前手に入れた魔法の鍵があったでしょう? あれを使ってみたらどうかしら」

 

「……そうね、試してみましょうか」

 

 ソリュシャンが鍵穴から手を引っこ抜くと、その手の平に小さな金の鍵が内側からせり上がってきた。鍵を鍵穴に差し込んで捻ると、かちりという音と共に魔力の流れが変わる反応を、ナーベラルが観測した。

 

「開いたようね」

 

「……まあ、魔法は専門外ですものね、ええ」

 

 言い訳めいた台詞に悔しさを滲ませたソリュシャンの肩を叩いて慰めると、ナーベラルは背後の姉妹達に目で合図してから扉を開けた。

 

 部屋の中央には小さな台座がある。その上に嵌め込まれた銀色の円盤の上に取り付けられた、奇っ怪なというか……場違いなものを目にした一同が動きと思考を停止して立ち竦む。

 

「…………デミウルゴス、様?」

 

 シズが呆然と呟いたとおり。

 円盤の上に乗っかった全長二十センチ強のその人形は、三つ揃いのスーツを着込んだ尻尾付きのビジネスマンの格好をしていた。その格好が、ナザリックの階層守護者であるデミウルゴスの姿を模していることは疑いようがなかった。

 

 

 




大減(バディアルマ)
 信仰系第五位階魔法(様式美)。
 敵一体にダメージを与える攻撃呪文なのだが、回復呪文である《大治(ディアルマ)》とリソースを食い合う上に単体攻撃なので、全く使い道がなく実質敵専用。これを唱えるくらいなら回復に回して、直接殴った方が継戦能力的にもDPS的にも上なので使う奴はアホである。
 でも名前から推測されるとおり、回復の反転によるダメージを与える魔法なのでオーバーロード世界ではアンデッドの回復用に使えるだろうと作者は解釈した。

《落とし穴》
 通過するのに1D8のHPコストを要求されるマップオブジェクト。
 文字通りに解釈すれば仕掛けに引っかかると足下に穴が開いて落下ダメージを受ける罠の定番なのだが、なにぶん何度でも、分かっていても、見えていても引っかかり、宙歩(リトフェイト)の呪文(※1)が実装されていないバージョンでは回避する方法がない。
 Wizあるある……落とし穴に落ちる→ついついその上でキャンプを張って回復する→アッー!

※1:宙に浮くことで床面設置トラップを回避する呪文。平たく言うとレビテト。

《警告メッセージ》
 手前に意味ありげなメッセージを並べておいて、これはなんだと馬鹿正直に辿っていく愚かな冒険者を捕まえるタイプの罠はWizには何度も登場する。辿り着いた先が落とし穴なのはまだマシな方で、たちの悪い奴になるとそのまま全滅することもある。

《1/8スケールデミウルゴスフィギュア》
 全長二十二センチのサイズに、凝り性のアインズの拘りが凝縮されたナザリック地下大墳墓第七階層守護者の人形。細部まで施された丹念な仕事で再現された、制作者の執念を感じさせる作り込みの数々は、モデル本人が感涙の海で溺死しそうになる程であったらしい。細部を確認するために当人がポージングモデルを務めたという話もあるとかないとか。
 ……これが本当はなんなのかは待て次回。でもまあ知ってる人にはバレバレだろう。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。