Ainzardry   作:こりぶりん

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5F:帰還

 暗転した視界が開けると、降り注いできた日の光がダンジョン内の薄闇に慣れた目に刺さり、一同は眩しそうに眼を細めた。

 ここは地上、エ・ランテル街外れに設置された『魔導王の試練場』の入り口である。太陽は西に傾いて赤く染まり、時刻は夕方近くになっていた。

 

「ああ、地上だ……疑っていたわけではありませんが、無事に帰れてほっとしました。地下十階の構造にお詳しいのですね、モモンさん」

 

 ホッとして安堵の息をついたラキュースがそう言うと、モモンはこともなげに頷いて言った。

 

「ええ、まあ。我々“漆黒”は魔導王陛下のご依頼で地下十階を制覇済みですからね」

 

 その言葉に息を呑んだ一行は、流石は漆黒の英雄モモンであるとの認識を新たにし、感嘆の眼差しで眼前の戦士を見つめた。心なしか、側に控えるナーベとハムスケも鼻が高そうに見える。

 

「ここでは人目につきますし……とりあえず屋敷に戻りましょうか。後、下層のことに関しては内緒でお願いしますね」

 

 各所に脱出用の転移門が設置された試練場の入り口側に冒険者が転移してくることはもはや珍しくはない。だがしかし、その中に漆黒の全身鎧(フルプレート)に身を固めた伝説の英雄及び、その相棒として知られた絶世の美女と使役する白銀の大魔獣が居るとなれば嫌でも耳目を集めることになる。モモンは周囲に聞こえぬよう声を潜めて場所を移そうと囁いた。

 

 魔導王アインズ・ウール・ゴウンは執務室に戻っていた。

 

「すまんな諸君。統治者としては、どうしても即座に対応せねばならない火急の用件が発生することが時としてあるものだ……対応が遅れたことを詫びよう」

 

 そう言って頭を下げる魔導王を見て、ぎょっとしたようにラキュースが前面に突き出した手と首を激しく振った。

 

「そ、そのような格好はおやめ下さい魔導王陛下。こうしてモモンさんに助けて頂きましたし、為政者の苦労は多少ながらも存じております。気にしてはおりませんわ」

 

「そう言って貰えると助かる。……さて、多少のトラブルはともかく、試練場の見学も済んだことであるし。これで一通りの案内は済んだかと思うが、何か聞きたいことは残っているかね?」

 

 そのように問いかけた魔導王の言葉に、ラキュースは首を傾げて考えこんだ。

 

「いえ、陛下。……どこも素晴らしい訓練施設でしたわ。既存の冒険者組合がとにかく寄ってきた者を登録して、後は強い奴が勝手に生き残るし弱い奴は淘汰されるだろうと言わんばかりの現状に対し、冒険者を育成しようという陛下の意志が強く窺えます」

 

 多少の追従を含んだラキュースの言葉に、アインズはうむと頷いた。

 

「人は国家の貴重な財産であり、城になり壁になり堀になる……と言うのは古い友人に教えて貰った言葉だ。人道的見地を抜きにしても、訓練を積んだ専門技能者は経済的にも多大な利益を生み出す元になる一方で、0から育てるには途方もないコストがかかる……民を毟っても勝手に生えてくる雑草のような扱いをする統治者には、明るい未来は待っていないだろうというのが持論でね」

 

 中々耳に痛いことを言う。とても生者を憎み滅せんとするアンデッドの台詞とは思えない。成る程、英雄モモンが認めるのも納得である。爪の垢を煎じて飲ませてやりたい貴族の顔が幾らでも思い浮かぶ、ラキュースはそう思った。と言っても、目の前の骸骨陛下に爪なんて代物は生えていないが……

 

「ま、それはともかく……魔導国の冒険者育成体制を存分に見学して貰えたのであれば結構だ。帰った際には依頼主に宜しく伝えてくれ給え。ああ、そうそう」

 

 魔導王が思いだしたかのように手を打つと、何事かと“蒼の薔薇”一同の視線が集中する。視線が集まるのを芝居っ気たっぷりに待ってから、魔導王は言葉を続けた。

 

「我が魔導国冒険者訓練施設は、冒険者になりたいという若者の意志一つで、種族性別を問わず広く門戸を開いているが……卒業後は冒険者として活躍して貰いたいという目的から言えば、年齢という面ではどうしてもある程度制限をかけざるを得ない。既に引退するような高齢の老人や、大人に混じって戦闘に励むのは問題がある幼子は流石にちょっと困るな。それでも、下限の方は多少多目に見てもよいが、上は譲歩できかねるところだ」

 

「……陛下、それは一体……」

 

 突如そのようなことを言い出した魔導王の真意を測りかねたラキュースが首を傾げると、イビルアイがその肩に手を置いて黙らせた。

 

「……成る程、そういうことか……流石は知謀の王と名高い魔導王陛下、全てお見通しというわけなのだな」

 

「始めから移民募集に応じてくれれば話は早いのだが、立場はお察しする。一年かけた結果、見込みのない、あるいは挫けて意志を喪失した訓練生については退学ということになり、そこまで保証した衣食住の代金については返済の義務を負うことになるが……心配は無用、ちゃんと生活を保障した上で無理なく返済可能な仕事口を、魔導国が責任を持って紹介しよう」

 

 その結果、返済完了後には魔導国民が増えていることになるかもしれないがね。そう言って笑う魔導王に対し、まだよく分かってない様子のラキュースに何事か囁くと、イビルアイは一同を促して辞去の挨拶を述べた。

 

「……さて、ご苦労だったなパンドラズ・アクター。魔導王の役割をそつなくこなすお前の演技、見事であった」

 

 蒼の薔薇が完全に退出したのを確認すると、モモンがそう言って魔導王に声をかける。魔導王はそれに敬意を込めて深々とお辞儀した。

 

「いえ、全てはち――アインズ様のシナリオ通りで、私はそれに沿って演技したに過ぎません」

 

 パンドラズ・アクター扮する魔導王アインズがそう言って謙遜すると、首を傾げたナーベラルが口を挟んだ。

 

「あの、すみませんアインズ様……最後のやりとりは、どのような意味があったのでしょう? 愚かな私にもその意図をお教え下されば幸いですが」

 

「ん、ああ……簡単なことだ。我が魔導国の冒険者訓練施設は、訓練生が自力で生計を立てられるようになるまでの訓練期間中は、衣食住の面倒を見ることになっているのだが。王国の冒険者組合長は、困窮で餓死しかねない王国の貧民層を口だけは冒険者を志望していると言うように言いくるめて、ウチのシステムに面倒を見させられないかなあ、なんて思っているわけだ」

 

 アインズの説明を噛み砕いて考えていたナーベラルであったが、十分に理解するにつれてその顔が怒りに紅潮していくのを、アインズは面白そうに眺める。

 

「なんと、それは、無礼千万な……! アインズ様の崇高な目的を下等生物(ハリガネムシ)の世話で食い荒らそうとは、許し難い増長です! 誅滅しましょうそのような輩は!」

 

 怒りで頭から湯気をあげんばかりのナーベラルを、まあ落ち着けとアインズは宥めて言った。

 

「そういきり立つな……この展開は、私にとっても好都合なのだ」

 

 その声に、きょとんとして首を傾げたナーベラルに、アインズは笑いかける。

 

「面倒を見てやった結果借金を背負った人間であれば、斡旋された仕事に贅沢な取捨選択はできんということだ。アンデッド達の監督仕事は、普通の人間が自由意志で選択するにはどうしても二の足を踏むのが現状なのでな。とりあえずは借金返済の為に仕方なくという形で仕事につかせ、危険がないことが周知されればいずれ自主的な希望者も増えてくるだろう」

 

 農場にせよ工事にせよ、無限の労働力を持つアンデッドの欠点は、自己判断力を有する知性体が側で細かく指示を出してやらないと融通が利かない点に集約される。スレイン法国の工作隊によって焼き滅ぼされた開拓村の再建に、エ・ランテル貧民街の乞食をスカウトするなど色々動いてはいるが、まだまだ人間の方が人手不足だ。アンデッドの方は人員過剰で溢れんばかりなのに……

 ともかく、アインズの方はアンデッド労働力の推進が捗ってご満悦。労働者の方は、最初はおっかなびっくりとはいえいずれ危険がないことが分かれば、アンデッド労働者の監督として管理者収入を得て借金を返し、その後の生計まで立つという大変お得な状況だ。

 

「こういうのを何というのだったかな……エアギター?」

 

 うぃんうぃんと呟きながら首を傾げるアインズの姿を、感動に打ち震えたナーベラルが尊敬の眼差しで見つめる。

 

「成る程、そこまでお考えとは……感服致しました」

 

「流石はち、アインズ様です。相手方がアクションを起こす前、他国に募集の手を広げた時点で今日この日を予測して手を打っておられたとは……まさに至高の御方と言わざるを得ません」

 

 ナーベラルに追随してパンドラもアインズの卓越した知見に称賛の念を送るのを、アインズは複雑な心境で笑って誤魔化した。無論、ここまでの絵図をアインズが一人で描ける道理はない。内通者(ラナー)による密告(タレコミ)というカンニングの結果、慌てて昼夜頭を絞って考えた作戦である。素直に称賛を受けるには微妙な気分であった。

 

 

 

 

「組合長の依頼にそんな裏の目論見がねえ……正直複雑な気分だけど、人道的な面から言えば非難もし辛いわね」

 

 宿の部屋に戻ったラキュースは、ナーベラルがアインズから受けたのと同様の説明をイビルアイから聞いて腕を組んだ。王国の支配層に属する貴族の端くれとしては、その言が事実であればいささか難しい顔にならざるを得ない。

 

「ま、実現性はわからんがな……案外、魔導王が深読みし過ぎただけで、組合長もそこまで考えてなかったなんて可能性もある」

 

「んなことよりよぉ、イビルアイ。さっきのありゃあ、なんてザマだよおい」

 

 部屋について一息入れたところで、ガガーランが凄んでみせるのを、イビルアイは内心冷や汗を流しながら顔を逸らした。さっきのアレとは、無論地下十階での戦闘でイビルアイがガガーランの援護を忘れて棒立ちになっていた体たらくのことである。

 

(しょ、しょうがないじゃないか! ももんさまがあんなにも格好良すぎたから……!)

 

 味方の活躍に見惚れて我を忘れるなど、どこの乙女だ、冒険者失格だ。そう言われても返す言葉もない。だがイビルアイがその時の様子を反芻するだけでぽややんと向こうの世界に行くのを、ガガーランは呆れかえった面持ちで凝視した。

 

「まあ、あの人が格好良かったのは認めるがよ……俺でも節を曲げて抱かれてもいいかなとさえ思ったくらいだしな」

 

「そうねえ、ヤルダバオトの時で十分に分かっていたことだけど。改めて見ても、神話の英雄と言うしかない惚れ惚れする戦いっぷりだったわね」

 

 ガガーランの言葉にラキュースが相槌を打つと、イビルアイははっと我に返ってこちらの世界に戻ってくると、二人をまじまじと凝視した。

 

「ま、まさかお前達、私の恋敵(ライバル)に……!?」

 

 返答次第では戦いも辞さぬと言わんばかりに身構えたイビルアイに対し、ラキュースは苦笑を返した。

 

「いや、そんな野暮はしないわよ今更。あなたが既にベタ惚れでなければ私もどうなったかわからないけどね」

 

「俺もまあ……ちょっとつまみ食いしてみたいだけかな、うん」

 

 ラキュースの返答にホッと安心し、一方でガガーランの台詞に顔を顰めたイビルアイは、その言葉を反芻して首を傾げた。

 

「お前らなあ……ん、待てよ。()()()()()? ……ガガーラン、もしかして、モモン様はその、なんというか、違うのか?」

 

「んー……まあ、なあ?」

 

 どことなく歯切れの悪いガガーランの返答は、奥歯に物が挟まったような煮え切らないものであったが、それには気付かずイビルアイは露骨にショックを受けた表情をした。まあ、あれほどの方が未経験とか、そんなことあるわけないもんななどと呟きが漏れてくる。

 説明せねばなるまい。ガガーランの趣味に基づいた童貞検知能力は、生まれながらの異能(タレント)などでは勿論無い。彼女の歴戦の経験に裏打ちされた確かな審美眼が、相対した男性の生理反応を無意識下の内に観察、収集し、各種要素を総合的に診断して精度の高い判断を繰り出すという、言うなれば心眼(真)とでも表現されるものである。

 ところで全身お骨様であるアインズからは、当然ながら一切の生理反応が検出されない。そんなことは知る由もないガガーランの心眼が、()()()()()()()()()()()()()()()()()を感知できなかったから、という理由でやや違和感を抱きながらも、アインズを暫定的に童貞ではないと判断したと言うのが真相であった。無論、真実は知っての通りである。

 まあ、ガガーランがそう判断した理由は場の一同には関係のない話だ。彼女の診断が異能扱いできるほど確度の高い物であることを経験的に知っている一同は、ともかく彼女が言うならモモンは童貞ではないのだろう、そのように判断することとなる。

 

「も、もしや、相手はやはりナーベ殿で、最近彼女が滅多に表に姿を見せないというのも、屋敷に引きこもって毎晩ベッドで組んずほぐれつしてあまりの激しさに起きてこられないとかそういう」

 

「……おーい、戻ってこーい」

 

 脳内ピンクの世界で妄想に入り込んだイビルアイの顔を、呆れたティナがぺちぺちとはたく。イビルアイが我に返るのを眺めながら、ティアが首を傾げる。

 

「……ガガーランほど信憑性はないけど。私の見立てでは、ナーベ嬢って処女(おとめ)じゃないか?」

 

「マジでッ!?」

 

 その言葉に食いついたイビルアイがぐっと身を乗り出す。そこまで自信はないけど、一応、たぶん。そのようなティアの返答も右から左、イビルアイはぐっと拳を握って叫んだ。

 

「ま、まあ、ガチレズ変態ド畜生のお前が言うならそうなのかな、うん!」

 

「……喧嘩売ってんなら買うぞこのエターナル合法ロリ耳年増が」

 

 半眼になって睨み合いを始めた二人を横目に、ティナが感慨深げに言った。

 

「……その気になれば群がる女性達を気の向くままにつまみ食いして捨てられる立場と、そうだとしてもなお寝室の前に行列ができるだろう人気の持ち主だけど。同時にありえないくらいの紳士だと、もっぱらの噂」

 

「大英雄の名に恥じない品行方正っぷりね。まあ、モモンさんがどう思っているかは分からないけど、ナーベさんの方はあれだけ敬愛してるんですもの。ベッドに誘われれば拒むことは無いでしょうに、それでも彼女が乙女だと言うのなら、余程の品性の持ち主という事よね」

 

 ラキュースがそう応じると、ガガーランも相槌を打った。

 

「敬愛と言うよりは、崇拝というか信仰だよなあれはもはや」

 

「その辺はともかくとしてだ。“愛の巣”なんてものまであるのに実際はナーベ殿とは何も無いというのなら、モモン様の女性経験は失われた故国でのことということかな! あるいは件の吸血鬼というのが恋人の仇なんて展開もありえるか……であれば、出会う前の女性遍歴など、私は気にしないぞ、うん」

 

 ヒートアップして熱弁するイビルアイを、冷めた目で眺めたティアが呟いた。

 

「……それ以前に、モモンさんが真性ロリコンであることを神に祈れば?」

 

「よしいいだろう、表に出ろこのクソレズが」

 

 そのまま取っ組み合いを始めた二人を見てガガーランが肩を竦めた。

 

「どうあれ、あれだけの美女を望めば好きに出来る状態なら、その辺の有象無象なんぞ誘惑の内にも入らんってことかね。品行方正というかその辺のイモ女なんて、カボチャの類にしか映ってないって線もあるな」

 

「……というか、これはもしかしてなんだけど……」

 

 そこで深刻な顔をしたティナの呟きは、声量に反して室内に響き渡った。キャットファイトしていた二人も思わず手を止めてティナを見つめる。全員の注目が集まったことを確認すると、彼女は恐る恐ると言った体で言葉を続けた。

 

「モモンさんって、同性愛者(ホモ)なんじゃあ……? それで全部説明がつくような」

 

「……」

 

 沈黙が場に落ちる。

 

「……まっさかー!?」

 

 そうして、宿屋の一室にわざとらしい笑い声が響き渡った。

 

 

 

 

「……ファッ!?」

 

 一方、笑い話で済まなかったのは魔導国国王の執務室である。安全なところから覗き見をしていた筈のアインズは、思いも寄らないところからマナー違反に対する手痛いしっぺ返しを食らい、泡を食って側に居る二人と一匹を顧みた。

 

「ね、念のために言っておくが! 私は異性愛者(ノーマル)だからな!?」

 

 ぽかんと口を開けて立ち尽くすパンドラ。埴輪顔の時は元々そんな顔立ちの気もするが。そして顔を真っ赤に染め握り拳を口元に当て、目を見開いてアインズの方を凝視するナーベラルが今の意見に衝撃を受けていることは確実だった。よく分かってなさそうにひまわりの種を囓っているハムスケは今はどうでもいいか。

 

「間違ってもセバスやデミウルゴスに妙なことを吹き込むんじゃあないぞ!? 無論、アルベドやシャルティアにもだ! ともかく、今見聞きしたことはたとえお前の姉妹であろうと他言禁止だ、いいな!?」

 

 ムキになると余計怪しく見える――そんなことはアインズにだって分かっているが、それでも動揺のあまり叫んでしまったアインズに、畏まりましたと言って二人が深々とお辞儀をする。ナーベラルのポニーテールの下から覗くうなじは真っ赤に染まっており、彼女の動揺もいまだ収まらぬ様子だった。

 

「そ、それにしてもハムスケ、先程の戦いは見事だったぞ。褒めて遣わす」

 

「……! 光栄でござる、殿! このハムスケ、いっそう殿の御為に励むでござるよ!」

 

 露骨な話題そらしだが、ハムスケは文字通り飛び上がって歓喜した。見た限り、下級の武技でもレベルにして数レベル分くらいの補助効果がありそうな案配だったのは非常に重要な情報であり、アインズはハムスケの働きをお世辞抜きで極めて高く評価していた。これが上級武技を駆使するとなれば、およそ十レベルにも相当する効果が得られるのではないだろうか。やはり自分にも欲しいな……<星に願いを>(ウィッシュ・アボン・ア・スター)を使えばハムスケの覚えた武技を引っぺがして自分の物に出来ないかな、消費経験値に見合う価値はあると思うが……たった今自分を褒めたその裏でアインズがそんな悪魔の囁きに耳を傾けているとも知らず、無邪気に喜ぶハムスケであった。

 

 人の口に戸は立てられないが、NPCであれば主の命令は絶対に守る。パンドラやナーベラルの口から妙な噂が広まって守護者達がまたしても暴走するなんてことは御免だが、こうして入念に口止めしておけばまあ大丈夫だろう……そのように思い込むアインズであったが、この時彼は未だ思い至っていなかった。ナザリックの三賢人とも言われる二人の知恵者に対し、()()()()()()()()()ナーベラル・ガンマが隠し事をできるのかどうかを……だがまあ、それが引き起こす悲喜こもごもの騒動は、また別の話である。

 

 

 

【了】

 

 

 




 ここまでお読み頂きありがとうございました。
 新刊発売間際の暇つぶしになったのであれば幸いです。
 では新刊楽しみましょう(・∀・)ノシ


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