ウルトラマンゼロ&プリキュアオールスターズ 作:JINISH
イビロンが率いた怪獣軍団を倒し、イビロンの姿となった1万年前のキュアエレメントのパートナーのカーバンクルを闇の支配者の呪縛から解き放ち、救い出すことができたエレメント達。
しかしその直後、エレメントの手によって浄化した闇によって再びイビロンが蘇り、そしてイビロンの手によってガタノゾーアが姿を現す。
そんな時、ゼロがウルトラ兄弟達と合流し、ガタノゾーアと対峙する。
一方のティガはプリキュア達の援護を受け、イビロンと対峙するが、苦戦する。
しかし、ティガは『闇薙の剣』を手に、再びイビロンと対峙する。
苦戦はするものの、ティガはすべての力を出して、イビロンに止めを刺す。
プリキュア達はウルトラマン達と一緒にガタノゾーアを倒すため、ウルトラマン達の元に駆け付ける。
ただ、イビロンとの戦闘で力を出し尽くした真理奈とまのんを除いて、ガタノゾーアとの戦いに参加していないものがいた。
それはクリシスである。
クリシスは現在、バランガスとの戦いの後、古代都市のような空間で眠りについていた。
その眠りの中で、クリシスが今いる空間とは違う空間、つまり夢を見ていた。
クリシスが見たのは施設の中のような空間で、その中に数人の白衣を着た人が所々映っていた。
?『光太郎さん。完成しましたが、本当によろしいのですか?』
光太郎『あぁ。この世界と妖精の世界を守るためだ。』
その人物の内に光太郎の名前が聞こえた。
クリシス(光太郎って・・・確か真理奈とまのんのお祖父ちゃんだっけ?)
クリシスは光太郎の名前を聞いて真理奈とまのんを思い出す。
恐らく、光太郎と話していたのは助手だろう。
助手A『新博士。MHCP・Ⅹ・KIKIをUSBに移動を完了しました。』
光太郎『分かった。早速始めよう。』
クリシス(MHCP・・・?KIKI・・・?何のこと?)
クリシスは今の会話の意味が分からなかった。
助手A『博士!KIKIの様子が変です!』
光太郎『なに!?』
助手B『回収できません!・・・あっ!?』
光太郎『どうした!?』
助手B『KIKIが何かに変わり始めています!』
助手A『ポン・デュ・ガール上空に時空エネルギーを感知!しかもこの反応、KIKIの信号です!』
クリシスが見た光太郎たちの反応はただ事ではないことを察した。
その後、風景が変わり、目の前にウルトラマンノアがおり、まるでクリシス自身に攻撃しているかのように何かに攻撃をしていた。
そして最後にノアのシャイニング・ノアによって目の前の光景が白く塗りつぶされる。
クリシスはハッと目を思い切り開け、起き上がると、古代都市のような空間にいた。
その後、キョロキョロとあたりを見渡す。
クリシス「夢・・・だったんだ・・・何だったんだろう、今の・・・」
クリシスは先程見た夢の事を気にしながら立ち上がる。
しかしその瞬間、クリシスは急に頭痛を起こす。
クリシス「うっ、うぅ・・・また・・・!」
クリシスは頭痛に苦しむ。
その時、クリシスの目の前に空間に捻じれが生じる。
その捻じれから3体の怪獣が現れ、その内1体はゴルザだった。
残る2体は両腕が鎌状の腕になっている赤い怪獣と、頑丈な鎧のような体を持つ怪獣が現れる。
前者の怪獣は超古代竜メルバ。
イースター島の地底から現れた『空を切り裂く怪獣』と呼ばれた古代怪獣である。
ゴルザと共に光のピラミッドに隠されているティガを含む3体の巨人像を破壊し始めるが、破壊を免れたティガによって倒された。
後者の怪獣は超古代怪獣ガルラ。
メトロポリスの地下から現れた古代怪獣である。
ティガの攻撃もGUTSの援護射撃も通用しないほどの防御力を持つ『カウンターアタックアーマー』で守られている。
クリシス「外から物凄い力を感じたけど・・・今はこっちみたいだね・・・?」
クリシスは頭痛薬を飲んだ後、エボルトラスターを引き抜く。
よってクリシスはネクサスに変身する。
ネクサス「ネクサス、あなたは何者なのかは分からないけど、もう少し力を貸してね。」
ネクサスはゴルザとメルバとガルラに身構える。
その頃、ゼロ達はガタノゾーアと対峙している最中、ダイナ、ガイア、コスモス、エックスと、プリキュアオールスターズと合流し、共にガタノゾーアと決着をつけようとする。
エコーとイージスはイビロンとの戦いで力を使い果たした真理奈とまのんを守っている。
イージス「ねぇ。勝てると思う?あの化け物に・・・」
真理奈「正直、勝算はないわね・・・」
真理奈はイージスの質問に対し、弱気な発言をする。
まのん「お姉ちゃん・・・」
まのんも真理奈の言葉を聞いた後、ガタノゾーアを見て俯く。
エンエン「弱気になっちゃダメだよ!」
グレル「そうだぞ!プリキュアの皆は勝ち目のない奴が出てきても、最後まで諦めずに立ち上がって来たんだぜ!?」
エンエンとグレルは真理奈とまのんとイージスにそう言う。
エコー「それにまのんちゃんがこの子を助けに行った時、救い出せるかどうか分からないのに、真理奈ちゃんはまのんちゃんを止めなかった。それは真理奈ちゃんがまのんちゃんならこの子を助け出せるって信じてるからなんだよ。」
エコーは抱えていたカーバンクルを見ながら、真理奈とまのんに言う。
エコー「私もね、まだプリキュアになる前、横浜で怖い戦いに巻き込まれたんだ。その時はプリキュアに関わってたの。」
まのん「!知ってます!横浜に現れた怪物の事ですね?」
まのんはエコーが言っていた怖い戦いとは、横浜に姿を現したフュージョンとの戦いであることを悟った。
エコー「その怪物、フュージョンって言って、その体の一部だった私の友達のフーちゃんと出会って、横浜の町を消そうとしたフーちゃんを止めたかったけど、その力がなかったの。でも、プリキュアの皆が私を後押ししてくれて、それがきっかけでプリキュアになったんだ。」
真理奈「敵だったフュージョンの一部が友達・・・ね・・・」
真理奈はエコーの話を聞いて、プリキュアが戦った敵の一部がエコーの友達だったなんて信じられない思いが過っていた。
エコー「プリキュアの皆が助けてくれなかったら、私はずっと独りぼっちだったし、フーちゃんとも友達でいられなかったかもしれない。皆には感謝してるの。何度お礼を言っても足りないくらい。」
エコーは話を続ける。
イージス「分かる、エコーの気持ち分かるよ。私も真理奈や王女様のおかげで皆と一緒に戦うことができた。」
イージスはエコーの過去を聞いて、ユグドラシルにいた頃を思い出し、エコーの気持ちを理解した。
真理奈「成程ね、伊達に一緒に戦ってきたわけじゃないわけだ。」
まのん「でも、エコーの言う通りだね。」
真理奈達はガタノゾーアと交戦しているウルトラマンとプリキュア達を見る。
ショコラ「はぁっ!」
ショコラはクリームエネルギーで板チョコ状の足場を作る。
ブラックとホワイトはその足場で上っていく。
ブラック、ホワイト「プリキュア・マーブル・スクリュー・マックス!」
ブラックとホワイトはプリキュア・マーブル・スクリュー・マックスを放つ。
ブルーム、イーグレット「プリキュア・スパイラル・ハート・スプラッシュ!」
ブルームとイーグレットもプリキュア・スパイラル・ハート・スプラッシュを放つ。
2組の技がガタノゾーアに命中するが、全くと言っていいほどダメージを負っていなかった。
その後、ピーチ、ハッピー、ハート、ラブリーも続けて技を放つが、効果がなかった。
ダイナとガイアの光線や、ギンガとエックスの光線を繰り出すも、全く効かなかった。
ガタノゾーアは鋏状の腕の先端から頭上に電流を放ち、増幅し始め、球体状のエネルギー体となる。
そのエネルギー体から四方八方に電流を放つ。
その電流は周囲のウルトラマンとプリキュアに浴びせる。
ゼロ達はガタノゾーアの攻撃によって大ダメージを負う。
初代ウルトラマン「なんて奴だ!」
コスモス「あれだけの攻撃を受けてもビクともしないなんて・・・!」
初代ウルトラマンとコスモスは今まで攻撃を受けても平気な状態で保っているガタノゾーアを見る。
ガタノゾーアは真理奈達の方に振り向き、口から氷の槍を放つ。
真理奈「なっ!?」
イージス「イージス・ソードシールド!」
イージスはイージス・ソードシールドで守る。
しかし、ガタノゾーアの攻撃によってイージスの盾が紙切れのように破られる。
イージス「キャアァァァァァァッ!!!!」
イージスはガタノゾーアの攻撃により倒れ、変身が解かれる。
ガタノゾーアは再び口から氷の槍を放つ。
その時、ゾフィーとタロウが真理奈達を庇う。
よってガタノゾーアの攻撃はゾフィーとタロウが受けることになった。
フローラ「カナタ!!」
ラブリー「誠司!!」
フローラとラブリーはそんな状況を見て悲鳴を上げる。
ゾフィーとタロウは倒れ、変身が解かれ、カナタと誠司の姿になる。
マヤ「カナタ王子!」
まのん「誠司さん!」
真理奈「落ち着いて!」
真理奈は倒れていたカナタと誠司の状態を確かめるため、二人の背中を確認する。
しかし、目立った外傷はなく、気絶しているだけだと理解した真理奈はまのん達に伝える。
真理奈「大丈夫よ。見た感じ傷はなかったし、気を失ってるだけ。」
エコー「よかった・・・」
まのん達は真理奈からカナタと誠司の容態を聞いてホッとする。
真理奈「・・・とはいえ、全くノーダメージだなんて洒落になんないわね・・・」
真理奈はガタノゾーアの方に振り向いて言う。
ゼロ達はガタノゾーアの触手に対し、切断技で捌いていく。
ゼロ「チィッ!しぶとい奴だぜ!」
ゼロはウルティメイトブレスレットをウルティメイトイージス・ファイナルウルティメイトゼロモードへと変化させる。
ウルトラマン達はゼロのウルティメイトイージスにエネルギーを送り込む。
ゼロ「これでどうだっ!」
ゼロはガタノゾーアにファイナルウルティメイトゼロを放つ。
ガタノゾーアに命中し、高速回転を始める。
しかし、ガタノゾーアはファイナルウルティメイトゼロを受けながらも、平然としていた。
ガタノゾーアは紫色の光線を放ち、ゼロの胸を貫く。
ゼロ「ガァッ!?」
ゼロはガタノゾーアの光線を受け、そのまま海に垂直落下する。
ガタノゾーアに受けたウルティメイトイージスも回転が止まり、光となってゼロの腕に戻り、ウルティメイトブレスレットに戻る。
セブン「ゼロ!?」
ダイナ「なっ!?」
コスモス「ゼロ!?」
ゼロは海に叩き落される。
ホワイト「シンさん!?」
イーグレット「そんな!?」
ブロッサム「あぁっ!?」
ハッピー「シンさん!?」
ソード「シン!?」
マジカル「うそでしょ!?」
ホワイト達はゼロがガタノゾーアの攻撃を受け、海に落ちた所を見て悲鳴を上げる。
ゼロはガタノゾーアの光線によって胸を貫かれながらも、よろめきながら立ち上がる。
ゼロ「俺は・・・絶対に・・・負け・・・な・・・い・・・」
ゼロはガタノゾーアの前に身を構えるが、ゼロの体が石となって動かなくなってしまう。
真理奈「シン兄さん!?」
まのん「シンさん!?」
エコー「そんな!?」
マヤ「ゼロが・・・!?」
真理奈達は石像となったゼロの姿に絶句する。
ガタノゾーアは触手で石像となったゼロを突き飛ばす。
よってゼロは海の中に沈んでいく。
ホワイト「あ・・・あぁ・・・」
イーグレット「シン・・・さん・・・」
ブロッサム「シンさーーーーーん!!!!」
ハッピー「うぅ・・・」
ソード「いや・・・いやあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
マジカル「シン・・・」
ホワイト達はゼロが海に沈んでいった状況を前に絶望する。
ブラック達はそんなホワイト達を心配かける。
その頃、ネクサスはゴルザとメルバとガルラと対峙していた。
ネクサスはシュトロームソードでゴルザとメルバの胴体を切り裂き、最後にガルラの首を目掛けて突き貫き、そのまま横に切り裂く。
よってゴルザとメルバとガルラは青い光の粒となって消えていった。
ネクサス「ふぅ・・・ようやく一区切りついたね。」
ネクサスはゴルザたちの戦いを終えた後、溜息を吐く。
その時、ネクサスは何かを感じ取った。
ネクサス「ゼロ・・・?ホワイト達の声が聞こえる・・・何かあったのかな?」
ネクサスはすぐにゼロ達の元へ飛翔する。