幻想郷は全てを受け入れるのよ。それはそれは残酷な話ですわ……いや割とマジで   作:とるびす

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あのスキマ妖怪が帰ってきた!
帰ってきてしまった


Ex
幻想郷弾幕コンテスト 白玉杯『開幕編』


 

 

 蝉の声も徐々に消えゆく秋の入り口。

 気の早い秋神様達の奮闘で次々色付く山々を眺めるも良し。夏の残り香に思いを馳せるも良し。

 今日もみんなで仲良く血生臭く物騒に暮らしている、そんな幻想郷の変わらない日々。

 

 しかしそんな季節の流れに逆行するように、私こと八雲紫は大いに花見を堪能していた。

 長月に眺める桜は最高ですわね! 

 真昼間から飲むお酒が進む! 

 

 白玉楼は今日も春真っ盛り。天空を埋め尽くす桜の花弁が燦々と私達に降り注いでいる。

 かつての春雪異変のように過剰な様ではなく、あるがままの美しさ。

 

 ただそんな素晴らしい景色も、今は眼前で繰り広げられる美麗な剣技の引き立て役でしかない。

 一振りが春風を巻き起こし、時には断ち切り凪とする。極まった剣術は魔法と何ら遜色ないのだ。

 

 白玉楼の庭先で相対するは1人──否、二刀の極意を修めた半人剣士と、まるで熟練の技を披露するように小太刀を流麗に振るう九尾の式。

 魂魄妖夢と八雲藍の腕試しである。

 

 そして隣に座る我が友、幽々子はそんな死合を菓子の肴にしていた。時折声援を飛ばしたりはしているものの、殆どが野次のようなものだ。

 何だか可哀想だったから私は2人とも応援してあげるわね。がんばえー。

 

 と、三度目の凪と同時に高速移動による残像が掻き消え、鍔迫り合いが開始される。

 妖獣故に腕力の勝る藍と純粋な力比べ。しかし妖夢は一歩も退かずに両腕で押さえ込み火花を散らす。

 

「ハァッ! ……まさか藍さんがこれほど凄まじい剣の腕をお持ちだったとは、驚きです。余程の鍛錬を積まれたものとお見受けします」

「いや刀を主軸にして戦うのは今回が初めてだよ。妖夢の動きを見様見真似に模倣しているだけだ。少し自己流に工夫してはいるけどね」

「そっちの方が驚きなんですけども!? それじゃ私の立場が……」

「私の性質上模倣できて当たり前なんだ。しかしお前の剣術に関しては、完全に模倣できていない。やはり熟練の技には理屈を超えた領域があるのだろうな」

 

 精神攻撃も欠かさない藍にドン引きである。

 藍は自らに刻まれた術式を己の手で書き換える、常識を遥かに超えた式神。

 戦闘中であるにも関わらず相手の動作や能力を都度解析し、完了すれば自身の身体が許す限りの模倣や適応を可能とするのよ。

 これぞ式神の真髄。八雲藍の神技。

 ロジックとしては霊夢の夢想天生を破った方法と殆ど同じだ。

 

 まあ反則(チート)も良いところですわね。

 しかも純粋な身体能力は幻想郷最強レベルだし、頭も凄く良いし。あと美人。

 ふっ、流石は私の式神。肩身が狭いですわ。

 

 と、徐に藍が手で制す。

 

「妖夢、一旦ここまでだ。これ以上は正しく真剣勝負──命のやり取りになってしまう。紫様の命令無しに踏み込んでいい領分ではない」

「……分かりました。わざわざお付き合いいただきありがとうございます」

「こちらこそ貴重な体験をさせてもらった。良ければ今度二刀流についても教えておくれ」

「嫌です。た、ただでさえ色々負けてるのに剣術まで抜かれたくないので」

「あら」

 

 互いに刀身を鞘に収めると、歩み寄り握手を交わすことで和解の証とする。

 非常に和やかな雰囲気である。妖夢は若干青ざめてるのに対し、藍は苦笑を浮かべているけども。

 

 取り敢えず幽々子と共に、両者へと大きな拍手を送った。素晴らしいものを見せてもらったわね! 

 突然幽々子の無茶振りで始まった試合だったけど、花見以上に価値があったと言わざるを得ない。

 

「2人ともお疲れ様。素晴らしい剣技の応酬でしたわ。こんなにも白熱した戦いだったんだもの、互いに得る物があったんじゃない?」

「紫様の満足に足る一戦でしたなら幸いです。八雲の従者たるもの、遅れを取る訳にはいきませんから」

 

 剣を持つだけで普段とは違った雰囲気を纏う藍。

 率直に言うと爽やかイケメン度が増し増しになっているような気すらするわ。収まれトキメキ! 

 

 その一方で、妖夢は浮かない顔をしている。あまり納得のいく内容ではなかったのかしら? 

 幽々子もそんな妖夢に声を掛ける事なく場はお開きとなり、稽古の後はお食事タイムという事で昼食の準備が進められる。

 稽古の当事者ではなく観戦してただけの幽々子がメインなのは最早ご愛嬌よね。

 

 

 とまあ、藍と妖夢が準備で席を外したのを見計らって、幽々子から一つの提案がなされる。

 

「前に紅い館のパリピ蝙蝠がやってた大会があるでしょう? アレみたいなのを私もやりたいと思ってるの」

「えっと、それはまた急な話ねぇ。今に始まった話でもないけど」

 

 パリピ蝙蝠、つまりレミリアが開催した大会といえば『幻想郷弾幕コンテスト 紅魔杯』のことでしょうね。月面戦争の戦闘員を募る目的で行われたやつ。

 私としてはあの大会にあまり良い思い出がないが、幻想郷の住民達には人間妖怪問わず盛況だったとか。みんなお祭り好きだからねぇ。

 

 まあ幽々子がこういう事を言い出すのは時間の問題だと思っていたのでそこまで驚きはない。

 むしろ前もって相談してくれただけ有難いわ。

 

「貴女の頼みだもの。できる限りの協力はさせてもらうけど、どういう内容を考えてるの?」

「そうねぇ……妖夢を励ます会、かしら」

「うーん予想の斜め上」

 

 肩叩き券でもあげれば良いんじゃないかしら。

 曲がりなりにも大会の名を冠するんだから、一応集客を見込んだ目的は必要でしょ。

 妖夢を労る為の催しに募集をかけても……あんまり言いたくないんだけど、前回大会に比べてあんまり参加者は出てこないと思うのよね。

 

 ただ流石に幽々子がこの発想に至ったのにもそこそこの理由があるらしく、深刻そうな表情を浮かべながら、淡々と経緯を語り始める。

 

 

 

『師匠はいつになったら帰ってくるんでしょう……』

『んー妖忌ねぇ。貴女の武名が冥界を越えて顕界にまで轟いて、妖忌の耳に入れば帰ってくるんじゃない?』

『そうですか。はぁ……』

 

 

 

「で、結局伸び悩んで困ってるみたいなの」

「適当に滅多な事を言うもんじゃないわよ……」

 

 結局、幽々子のせいってオチなのね。っていうか回想短すぎよ。

 なるほど藍と戦わせたのも、単純に妖夢の練習相手になってほしいという気持ちからか。

 

 ああ、知らない人向けの説明になるんだけど、妖忌さんとは妖夢の祖父であり、剣術を仕込んだ師範でもある人ね。現在失踪中。

 ちなみに私がテンパらずに会話できる数少ない男性の1人でもある。他には霖之助さんくらいかしらね。共通点は若干ダメ人間の毛があることね。

 

 確かに、大規模な大会を開いて妖夢が優勝できれば、かなりの名声は手に入るでしょうね。実際、前回大会で準優勝だった天子さんもその一件で一目置かれるようになったみたいだし。

 妖忌さんの耳に入る可能性もゼロではないだろう。

 

 まあ勝てるかどうかは別として。

 

「なら異変解決でもやらせてみたらどう? あれもかなり名が知れ渡るわよ」

「ダメダメ。私が楽しくないわ〜」

「やっぱりそれが一番にくるのね」

 

 要するに、妖夢に往年の自信を取り戻させてあげて、尚且つ行方不明の妖忌さんを呼び寄せて、さらに幽々子も何らかの形で目立ちたいと。

 じゃあもう大会を開くしかないわ。

 

 レミリアの時と比べて私が乗り気な理由として、剣術大会ならそこまで大規模な被害が出ることはないだろうという予想からだ。

 攻撃方法を武器に限定すればさしもの化け物達でも大きな問題は起こさないと思う。思いたい。

 不幸にも斬殺死体が一つ増えてしまっても幻想郷にあまり影響はないわ。

 

 そう、前回はあれだけ念入りに被害が出ないよう対策を施したのに、結局マヨヒガが半壊したり、霧の湖が汚染されたりと大変だったわ。

 レミリア許すまじ。

 

「白玉楼は地理がちと厳しいから、会場はマヨヒガか人里ね。御前試合が如く腕に覚えのある者達が貴女の前で立ち会いを繰り返す。これでどう?」

「地味よそんなの〜。負けた相手の首を門前に晒していってもまだ地味〜」

「霊夢に退治されても文句言えないわよそれ」

 

 忘れられがちだけど幽々子の生前は、鎌倉時代一歩手前の平安時代を生きた武家の娘。

 あの時代の侍といえば、百姓を刀の試し斬りで斬り殺したり、家の前を通った坊主を弓矢の練習台にするようなトンデモ連中である。

 倫理観についてもしっかり幻想郷仕様に仕上がっているのよね。こわー。

 

 ひとまずそんな物騒な大会はコンプライアンス的にNGなので、穏便なルール策定を要請しておいた。ここばかりは親友としてではなく、賢者としてね。

 草案は後で藍に通しておきましょう。

 

 はぁ……まったく世話の焼ける親友ですわ! 

 と、そんな感じで後方親友面をしながら着々と構想を練っていたのだが、幽々子の願いはこれだけに留まらなかった。むしろ次が本命である。

 

「それでは大会の際は私も観覧に興じるとしましょうか。楽しみにしてるわ」

「あっ、それなんだけどね〜」

 

 柔らかな笑みを浮かべる幽々子。

 私の背筋に走る悪寒は危機信号に他ならない。

 

「紫って前回は審査側だったでしょ? 今度は選手として出場してほしいのよ〜」

「……急用を思い出したわ」

「ダメ」

 

 残念、大魔王からは逃げられない! 

 幽々子が急に意味不な事を言い出すのは今に始まった事ではないが、ここまでナチュラルに無理難題を提示されるのは珍しいわね。

 私が参加しても一回戦で首を飛ばされるだけだと思うんだけども? 

 

 取り敢えず理由を聞いてみた。

 

「ほら紫って最強の妖怪でしょ」

「違うけど」

「そんな貴女が参加してくれれば大会としての箔が付くし、盛り上がると思うのよ〜」

「私を客寄せパンダにしないでくれる?」

「それも目的なんだけど、紫の格好良いところを見たいのが一番よ。前の異変は天人や面霊気と戯れるだけで貴女とは矛を交えてないし」

 

 どんな冷やかしよ。

 いやね、私が幻想郷で随一の実力者である事は否定しないわ。なんたって大妖怪ですもの。そこんじょそこらの人間や妖怪には(多分)負けない。

 でも最強とは縁遠い存在である事もまた確か。

 

 霊夢と藍の助力を私の力と数えていいなら最強を名乗ってもいいかもしれないけど、タイマンだと絶対無理。霧の湖に住んでる緑髪の妖精にも勝てないわ。

 まあ私の無様な敗北姿が見たいっていうなら話は別だけどね! 見損なったわ幽々子! 

 

「ね、お願いよ紫〜。一生のお願い」

「亡霊なのをいい事に連発するのはやめなさい」

 

 多分これまで5回くらい聞いたことのある『一生のお願い』に軽く突っ込みを入れつつ、どうしたものかと逡巡する。答えに窮してしまった。

 

 他ならぬ幽々子にここまで頼まれちゃったからにはね、話に乗ってあげたい気持ちも山々なんだけど、やっぱりどう足掻いても無理があると思うのよね。

 大会の組み合わせを操作して私には雑魚しか当たらないようにしてくれない限りは、致命傷を負ってそれで終わりである。私は死ぬ! 

 

 折角色々な苦難を乗り越えて楽しい毎日を送れるようになったんだもの、もう少し長生きしたいわ。

 まあ住む場所が白玉楼に変わるだけなような気もするけど。

 

 ……よし。

 

 一つの決意を固め、私は幽々子へと可否を伝えた。

 

 

 

 

 *◆*

 

 

 

 

 幻想郷の住民は娯楽に飢えていた。

 

 数多の破滅的な異変を経験し、平穏な日常の尊さを改めて噛み締める機会に恵まれた事は、一般大衆や支配者層の区別なく幸福であっただろう。

 しかし『慣れ』とは如何な学びも隅へと追いやってしまう恐るべき病魔である。

 

 幻想郷の住民は非日常を求めていたのだ。

 

 そんな中、幽冥のお嬢様西行寺幽々子が主導となりレミリアの事業を引き継ぐ形で、急遽『幻想郷弾幕コンテスト 白玉杯』の開催が決定。

 天狗達による過剰な宣伝効果もあってか、幻想郷は再び熱狂の渦に飲まれる事となる。

 

 なお弾幕コンテストとは名ばかりで、各々好きな得物を駆使したチャンバラ勝負がメインとなる奇妙な大会である。弾幕のダの字もない。

 第二回目にして大会の趣旨は形骸化した。

 

 識者や賢者の一部は「これ如何に?」と疑問を呈したが、野暮を嫌った世論により些細な問題は意識の外へと押し流されることになる。

 やはり皆、基本的にお祭りが大好きなのだ。知性や理性は不要。

 

 

 会場に選ばれたのは、人里一広大な敷地面積を誇る稗田邸門前と中庭。

 幻想郷同時多発異変での共闘を契機に阿求と幽々子の交流が深まっており、それが今回の会場確保に結び付いた。また仲介に紫が入ったのも大きい。

 

 阿求としては自身の管理する敷地で血生臭い死合を行う事に多少の抵抗を抱いたが、大会終了後の浄化作業、救護活動を永遠亭に要請する事を条件として認可に至る。

 

 なりより阿求も娯楽に飢えていた。

 自宅の軒先が血で汚れるよりも、幻想郷縁起のネタ探しの方が彼女にとっては大事だったのだ。

 そしてその思惑は果たされることとなる。

 

 幻想郷の各地から腕に覚えのある武芸者達が集う。

 種族に区別はなく、人里を警備する自警団員から取ってつけたように棍棒を装備した妖怪、果てには前回運営側で冷飯を食わされた紅魔館の住民など、兎に角自らの力を誇示したい困ったちゃん達が集結したのだ。

 

 

「何だか大変な事になっちゃいましたね」

妖夢(アンタ)のところのご主人様が始めた事でしょ。他人事みたいに言うんじゃないわよ」

「私なにも聞かされてないんですもん」

「おかげでお嬢様立っての希望で私どころかウチの門番までヌンチャク振り回してエントリーしちゃったし」

「まあまあ折角参加したんですから優勝目指して頑張りましょうよ! 簡単に負けちゃったらお嬢様の面子が潰れちゃいますしね」

「ふーんどいつもこいつも大変ねぇ。まぁせいぜい不様を晒さない程度に頑張って」

 

 女性出場者の控室として開放されている稗田邸の一室にて、悲哀漂う従者会がひっそりと取り行われていた。

 自分が大会の開催事由である事など知る由もない妖夢。主人の酔狂で無理やり戦わされる羽目になった咲夜と美鈴。1人余裕綽々な鈴仙。以上4人である。

 

 横暴で底知れぬ主人からの無茶振りは最早幻想郷の主従関係における一種の様式美。

 泣くのはいつだって下の者達である。

 ただまあそれはそれとして、全員が闘争をこよなく愛する戦闘狂なのでノリ気ではあるのだが。

 

 なお鈴仙が1人だけ余裕なのは訳がある。

 周りからの冷めた目を気にする様子もなく、ドヤ顔をかましながら肩を竦める。

 

「いやぁ前回大会優勝者である私が連覇してやっても良かったんだけどね。殿堂入りかつVIP対応って事なら仕方ないわー。まっ、出来レースになっちゃうし仕方ないよね」

 

 要するに出禁である。同じく優勝者である霊夢対策の意味合いが強い。

 しかし特別扱いである事に変わりはないのだ。

 

「で、そのVIP様が何で此処にいるの?」

「そりゃ当然一般参加の皆様方への激励よ」

 

 有頂天へと届かんばかりに鼻を伸ばしながらふんぞり返る様ももう見慣れたものだ。

 このイキリ芸さえ無くなればそこそこ尊敬できる幻想郷屈指の戦士なのだが、悲しいかなこれが鈴仙・優曇華院・イナバという兎の全てである。

 

 と、そんな鈴仙はさておき。

 引っ切り無しに周りを窺っていた美鈴が「それにしても」と切り出す。

 

「凄い人数の参加者ですね……。かなりの手練も相当数混じってます」

「私も武器持ち限定の大会なので参加者は限られると思ってました。意外です」

「まあ前回大会がレミリアお嬢様の手腕で大成功に終わったからね。曲がりなりにもその続きを冠するならこれくらい集まってくれないと」

 

「いやそれよりも原因は明らかにアレでしょ」

 

 咲夜の言葉を遮り、鈴仙が指差す。

 有象無象を押し除けるように形成された空白──否、自然の結界。誰もがその空間には近寄らず、遠目でその存在に慄いていた。

 妖夢と美鈴は生唾を飲み込み、一方で咲夜は白けたような目を向ける。

 

 桔梗色の居合道衣と黒袴を着衣。背まで届くウェーブのかかった金髪。傍らには無銘の小太刀が置かれている。

 瞠目し厳かに鎮座する様は、正しく達人の佇まい。

 しかし、それでいて暴風が如き圧力が彼女を中心に吹き荒れていた。闘気を出さずしてこの領域。

 力ある者でなければ一瞬で戦意を挫くであろう。

 

 幻想郷の象徴にして最強の妖怪、八雲紫。

 まさかの一般参加である。

 

 彼女の参加こそ今大会一番の目玉であり、熱狂の火付け役になったのは言うまでもない。

 

「……あの化け物は刀も扱えたの?」

「わ、私は見た事がないです。ましてやまともに戦っているところすら……」

「私も擬き(偽物)としか戦った事がないわ」

「しかしあの一分の隙もない構え、気を発さずして相手を萎縮させる存在感……刀だけでも並大抵の使い手ではない事が分かりますね」

 

 武術全般の達人である美鈴の指摘に通ずるものを感じたのか、妖夢が頷く。

 

 八雲紫が強いのは当たり前。

 数えるのも億劫になるほどの逸話が彼女の実力を裏付けているし、直近の異変では幻想郷を相手取り暴れ回ったばかりである。

 残念ながら紫本人と最後まで戦ったのは霊夢だけだが、紫の従えていた妖怪達の規格外な強さを鑑みれば、その主人を疑う必要はないだろう。

 紛れもない幻想郷最強格。

 

 しかし刀の扱いに長けているとまでは思わなかった。それなら自分にそれとなく言ってくれればいいのにと、妖夢は少しだけしょんぼりした。

 

「ここにいる大半の連中はアレ目当てでしょどうせ。あわよくば八雲紫を倒して名を上げたいって浅はかな魂胆。武舞台の上なら殺されないから」

「気持ちは分からんでもないですけどね……」

 

 八雲紫に戦いを挑むような物好きは気狂い揃いの幻想郷においてもそうそういない。

 古来より敵対者や意にそぐわない者を討滅し幻想郷の頂点に立った冷酷妖怪である。戦いに敗れる事となれば間違いなく命はないだろう。

 そもそも彼女と接触する事自体が困難であり、仮に襲いかかる事に成功しても配下の式達や同盟者に袋叩きにされて終い。戦いそのものが成立しない。

 

 つまり今大会は一切の邪魔無しに紫相手に腕試しを挑める絶好の機会なのだ。

 さらに殺しが基本反則となるルールの中での戦いとなるため、自分の命を担保とする必要がない。

 まさにローリスクハイリターン。

 幽々子の狙いは完全に的中していた。

 

 

 と、騒ぎはこれに留まらない。

 

「ここが待合室ね! 邪魔するわ!」

 

 襖が開け放たれると同時に馬鹿デカい声が部屋中に響き渡る。中にいた全員が顔を顰め耳を塞ぎ、間に合わなかった者は泡を噴いて卒倒した。

 

 非想非非想天の不良天人、比那名居天子。

 前回大会【決闘部門】の準優勝者であり、最早幻想郷に知らぬ者など居ない怪物である。

 今日も今日とて自慢の緋想の剣を見せびらかしながら畳を練り歩く。

 

「げぇッアイツもいるんだ!? 参加しなくてホント良かったわー」

「うわぁ……」

「できればあの人とは当たりたくないです」

 

 この言われようである。幻想郷において一目置かれるようになった天子だが、大体の認識はこんなものだ。

 まさに腫れ物扱い。

 

 だがそんな視線など知った事かと、天子は我関せずの態度のまま闊歩する。

 行く先は勿論、自分を除いて俊烈な存在感を放っている盟友の下。

 

「お前が催しに参加すると聞いて私も飛んできたぞ紫! お前とは一度本気で戦り合ってみたかったんだ」

「……」

 

 無視。

 

「今日こそどちらが上か決着をつけような! な!」

「……」

「おーい? 何か言ってよ寂しいじゃないか」

 

 ガン無視。普段の紫であればあり得ない対応に天子は眉を顰めると、肩に手を掛け──乱暴に払われる。

 

 

「──分からない? 貴様のような下奴などハナから相手にしていないという事に」

 

 

 僅かに開かれた相貌から迸る冷酷な眼差し。

 まるで塵芥を見るかのようなその様に天子の身体が固まる。予想だにしない言葉の数々だった。

 

「いつも飽き飽きしてましたの。口を開けば知性の無い文句を垂れ流す毎日。まるで馬鹿の一つ覚え、畜生が如き下劣な品性ですわ」

「ゆ、紫?」

「果てには私と競おうだなどと妄言を吐き散らし、その気になっている貴女の姿は滑稽そのもの。身の程を知りなさい。下奴は下奴らしく分相応に雑魚共と戯れていればいいの」

「……!」

 

 聞き捨てならぬ言葉であった。

 途端に目が座り、大気が震える。腰にぶら下がる緋想の剣が紅蓮を揺らめかせた。

 

 天子は懐の深い天人である。普段なら些細な悪口や挑発に心を乱される事などなく一笑に付すところだ。程度の低い小物に何を言われようが戯言に過ぎない。

 しかし今回は相手が悪かった。八雲紫とは、あの傲慢な天子が自分と()()同格だと認める地上において数少ない稀な存在。

 かつて志を共にしたはたて、自分から一勝をもぎ取った鈴仙、高貴な種族である針妙丸ぐらいしか該当しないレアケースなのだ。

 

 罵詈雑言そのものには殆ど関心を示していない。苛ついたのは確かにそうだが、天子に激情を抱かせたのはもっと別の要因だった。

 

 これまで異常なほど天子に対し丁寧に接してきた紫からの、唐突な煽り。

 即ち宣戦布告。

 

 普段の紫の態度が気に食わなかった訳じゃない。寧ろ天界から追い出され失意のドン底にいた自分に配慮した言動は、天子を大いに慰めてくれた。

 しかし物足りなさを感じていたのも事実。

 藍や橙に対するそれに比べ、一線を感じていたのだ。

 

 胸の内から込み上げるこの激情こそ、天子が幻想郷に降臨してからずっと追い求めてきたものだったのかもしれない。

 

「は、はは……なるほどそれがお前の意思か」

 

 振り絞るように笑みを溢し、上気した顔を見せまいと背を向ける。敵に対しこれ以上の馴れ合いは不要。

 言いたい事は刃を通して語ればいい。

 

「面白い。私をガッカリさせてくれるなよ」

 

 そう言い残し天子は去っていった。

 呆気に取られる群衆。しかし彼女らもまた他人ではない。

 

 鋭い相貌が安全圏にいた筈の有象無象を射抜く。当然だが、紫と戦うのは天子だけではない。

 此処に居る者全てにその挑戦権が与えられる可能性がある。

 全員が八雲紫に屈服すべき存在なのだ。

 

「万に一つでも私に勝てると思い上がった愚者の集まりを眺めるもまた一興。しかし先の天人を始めとして余りにも滑稽で逆に心配になってきましたわ。身の程知らずが幻想郷に多すぎる」

 

 誰もが一声も発さずに見入っていた。

 話しかけられる者など居る筈がない。圧倒され、無関心を装いながら聞き耳を立てる。

 

「故に良い機会。貴女達のような愚者をこれ以上出さぬよう、この催しで私の力を嫌というほど再確認して貰います。ふふ……皆様の無様な足掻きを期待しているわ」

 

 そう言い捨てて、天子の後を追うように紫もまた退室する。たった1人のスキマ妖怪が居なくなる事で、漸く一同は見えぬ圧力から解放された。

 しかし安堵の色を浮かべた者は鈴仙を除いてほぼ皆無だった。ここまでコケにされてヘラヘラ笑っていられるほど、幻想郷の修羅人達の矜持は安くない。

 

「舐められたものね。いや、元からかしら」

「……ここまで言われては此方も引き下がれなくなりましたね。お恥ずかしい限りですが、胸の滾りが抑えられない。久方ぶりの感覚です」

「普段何を言われても気にしない貴女が珍しい。よっぽど腹に据えかねたのね」

「私は紅魔館の門番であると同時に武人ですので」

 

 あの温厚な美鈴ですら額に青筋を浮かべ、闘気を練り上げている。怒りもそうだが、武に身を置く者としての欲望が表出していた。

 改めて、最強の妖怪八雲紫に挑みたい気持ちが確固たるものになったのだ。

 

 咲夜や鈴仙にはイマイチ掴みきれない感覚だったが、一方で妖夢はそんな彼女の気持ちを深く理解していた。

 妖夢もまた同類だからだ。

 主人の一番の親友であり、自らもまた敬愛して止まない存在。刃を向けるには余りにも畏れ多いけれど、やはり挑めるのなら挑んでみたい。

 

 

 

 

 

 ただ一つ誤解があるとすれば──。

 

 

「ふぅ、紫様の模倣も楽ではない。やはり少々不安は残るが……しかし紫様からの久々の御命令だ、一切妥協するわけにはいかないからな」

 

 八雲紫に戦闘の意思はさらさら無く──。

 

「ふふ、御安心くださいませ。八雲第一の部下八雲藍の名にかけて、幻想郷最強の称号は紫様のものであると改めて示してみせます!」

 

 

 挑戦権など初めから存在しなかった点だろうか。

 

 

 

 

 *◆*

 

 

 

 

「という訳で、やむを得ず藍に替え玉をお願いしたのよ。影武者ってやつですわ」

「貴女という人は相変わらずですね。いい加減恥という概念を知ってもいい頃でしょうに」

「命の方が大切ですわ。逃げるは恥だが何とやら」

「失礼、恥そのものでしたね」

 

 人里の大通りをさとりと共に闊歩する。

 彼女の呆れ返るような目ももう慣れっこだ。諦めて楽しく過ごしましょうね。

 お祭りだという事で異様な熱気に包まれている人々を見るだけでも十分な娯楽となる。管理者目線かしら? 

 

 ちなみに八雲紫が2人存在する訳にはいかないので、私の方は夢と現の境界を弄る事で姿をメリーに変更している。能力を鍛えた結果ですわ! えっへん。

 ただこのままだと流石に八雲紫の面影が残ってしまう。そもそもメリーと私って殆ど同じ顔だし。ハッキリ違うのは髪の長さと背格好くらいかしら。

 よってサングラスとマスクまで着用した。

 

 ふっふっふ……完璧ね。どこからどう見てもナウでヤングなイマドキJDですわ! 

 これには蓮子もニッコリでしょう。

 

 

 余程の急用でもなければ館から出てこないさとりが何故ここに居るのかというと、暇だったので地底から呼び寄せたのよね。

 

 橙は私と藍の代役で結界の管理中だし、他は「なんでお前大会に出てないん?」と突っ込まれるのが目に見えてるからね。その点、さとりは呆れ返るだけで真実を知っても何かしようとはならないだろうし。

 

 まあそれに、たまには親友らしい事をしてもいいでしょう。交友関係を結んでしまったからにはね。八雲紫は一度好きになるとしつこいのだ! 

 さとりもさとりで嫌々言いつつも地上まで出てきてくれたという事は満更でもないのだろう。

 

「違います。あんな阿保な計画が進行していると知ったからには様子を見に行くしかないじゃないですか。血反吐を吐いてまで働いたのに私の知らないところで幻想郷が滅んでは堪りません」

「うふふ、またまた大袈裟な」

「私の杞憂なら問題無いんですが、忌々しい事によく当たるんですよ。特に貴女関連では」

 

 返す言葉もないわてへぺろ。

 そんな感じで謝ってみたら凄い顔で睨まれた。いやもうね、本当にごめんなさいね。

 

「はぁ……そもそも、紫さんが幽々子さんの無茶な要求を蹴っておけばこんな面倒な事にはならなかったと思うんですけどね」

「そうなんだけど、他ならぬ幽々子からの頼みだし。私が一回戦であっさり負けちゃったら幽々子も観衆もガッカリでしょ?」

「仲の良い方からの頼み事を嫌と言えないのは紫さんの悪い癖ですよ」

 

 三つのジト目が私に向けられる。

 うーん心当たりがあるような、ないような。

 

「要するにチョロいんですよ貴女は。相手からの好意への応え方が下手くそなくせに、なんとかして報おうとしてしまう。たとえ自分の立場を悪くしてでも」

「で、でも幽々子には前の異変でいっぱい迷惑かけちゃったし、持ちつ持たれつというか」

「幽々子さんは別に気にしてないですよ。というか貴女達や萃香さんもですけど、親友という概念に対しての捉え方が歪過ぎる気がします」

 

 だって親友は大切にしたいじゃない! 

 私を好いてくれる稀有な人達には沢山幸せになって欲しい。だから私も頑張れる。

 それに一々見返りを求めてしまったら私達は友達じゃなくなってしまうもの。

 

 今回の幽々子の一件や萃香に対してだってそう。相手を想う純然たる心で動けてこその親友ですわ。

 当然さとり、貴女もね。

 

「……まあ何にせよ自分の首を絞める結果にならなければいいですね。……一つ申しておきますけど、私は武器なんて扱えませんから大会には介入できませんよ」

「べ、別に期待してないわ」

「ならいいんですけど」

 

 嘘、実は期待してた。

 

 武器を扱えないなんて言ってるけど『想起』を上手く使えば優勝候補に名乗りを上げる事も可能でしょうし、私に化ける事もできるだろう。

 藍を影武者にする前はさとりを頼ろうと思ってたしね! 藍には悪いけど、こういう場面での安定感はさとりに分がある。

 藍はね、時々暴走しちゃうから。

 

 以上さとりに筒抜け。

 

「今頃、私に化けた藍が上手い事やってくれてる筈よ。しかも頗るカッコよくて美しくね」

「自分が雑魚な事を自覚してるくせに妙に見栄っ張りなところも貴女の欠点ですね」

「わ、私だって偶にはカッコいい私が無双するところを見てみたいのよ!」

「藍さんが不憫でなりません」

 

 確かに、藍には無理を言ってしまった。大会が終わったら労わってあげなきゃ。(n回目)

 でもあの子ったら最初は「畏れ多い」って言いながら遠慮してたんだけど、いざ私に変身した後は凄いノリノリだったのよね。私のエミュも引くくらい上手だったわ。

 舞い上がり過ぎて妙なキャラ付けになってないかだけが心配ね。ほら、藍の夢小説の中では私ってなんか凄い妖怪って事になってたらしいし。

 

「んふっ」

「……どうしたの?」

「別に、何でもありません」

 

 さとりがそっぽを向いてプルプル震えている。風邪かしら? 大変ね。

 

 

 

 

「あっ、そろそろ始まるみたいね」

「ええ。俄かに周りが静かになってきました」

 

 稗田邸からほど近い茶屋で軽めの昼食を取っている中、周辺の喧騒が徐々に収まっているのが見てとれた。どうやら動きがあったみたいね。

 差し詰め幽々子か阿求が出てきて開催の挨拶でもしているのだろう。そろそろ私達も中に入ろうか。

 

 さとり分と合わせて勘定を終わらせ、群衆を掻き分けながら稗田の門を跨ぐ。

 中庭も人でいっぱいだわ! 揉んで揉まれてナイトキャップとサングラスが外れそうになったので慌てて付け直す。万が一にも周りに私の正体を知られる訳にはいかない。

 

 そんな訳で私は無理ができないので、さとりに人混みを押し分けてもらった。

 陰キャ引き篭もりでもそこらの人間や妖怪なんかとは比べ物にならない腕力を持ってるからね。楽勝楽勝。

 

「私にこんな力仕事をさせたのは貴女が初めてですよ。……さて、この辺りでいいでしょう」

「ベストポジションね。ありがとう」

 

 武舞台の全体を見渡せる良い位置だ。

 

 どうやら幽々子による開式の挨拶が行われていたようで、天幕に沿うようにして選手が勢揃いしている。

 物凄い人数ね。ざっと100人は軽く超えてそうだわ。

 

 中には見知った顔が幾つかある。

 紅魔館の門番さんと鬼畜メイド。今大会影の主役である妖夢に、山のお巡りさんこと犬走椛とその部下天狗一同。命蓮寺の虎女ちゃんや、いつの間にか幻想郷に居着いた飛鳥文化臭のするのじゃ亡霊ちゃんまでいるわ。

 多分みんな上司からの命令ね。

 

 中には機関銃や火炎放射器を装備した河童、顔を隠して何故か尺八を持っている不審者丸出しな虚無僧(こむそう)、自分の身体の一部を武器と言い張る付喪神、平知盛が如く碇を担いでいる奴まで居る。

 これで大会に参加してくる連中もそうだし、これを許す幽々子もどうかと思うわ。剣術大会ってコンセプトじゃなかったっけ……? 

 

 そんなカオスな選手の待機スペースから見て対角線上には来賓(VIP)席があって、顔色の悪いうどん何某や阿求、四季映姫にレミリアが座っている。

 ……うどんの背後に純狐さんが居るような気がするけど多分私の気のせいだろう。

 

「残念、幻覚じゃないですよ」

「知らないわ。私は何も気付いていない」

 

 世の中には知らない方がいい事もある。

 なお来賓席には『博麗霊夢』の名札も置かれていたんだけど、当然のように空席だった。

 まああの子は来ないでしょうね。

 

 

 さて……そろそろ私の抱いている違和感についても言及しておきましょうか。

 あのね、なんか会場全体の雰囲気が物々しいのだ。あくまで形式的な立ち合いであって、本格的な命のやり取りは発生しない筈なのに、ヤケに殺気が充満してる。

 まるで戦争最前線の激戦区に居るかのような空気の張り詰め方ですわ。

 

 当然ながらその発生源は選手達であり、全員が血走った目をしている。獲物を鳴らす音がヤケに響く。

 常在戦場ってやつかしら? 武人って凄いのね。

 

 問題はその矛先である。

 選手だけじゃない。会場にいる全ての者の視線が1人に注ぎ込まれている。勿論私含めて。

 

 八雲紫──に扮した八雲藍。物の見事な変化(へんげ)ですわ。

 

 幽々子や妖夢ですら気付く余地はないだろうと思わせる圧巻のクオリティ。正しく私がもう1人いた。八雲紫への理解が深過ぎる! 

 それにまじまじと見てるとなんだか妙な気分になってしまう。ほら、AIBOとか本当の八雲紫に対してはちょっと複雑な感情があるから……。

 

 うーん、それにしてもやっぱり美人ね。私に惚れてしまいそうですわ♡

 

「きっしょ」

 

 うぐ……さとりからの辛辣な一言で何とか正気を保てたわ。それだけ藍が模倣した八雲紫からは尋常ならざる雰囲気が醸し出されていた。

 今も全ての殺気を一身に受け止めながらも、涼しい顔で佇んでいる。あまりにも余裕があり過ぎて周りから浮きまくってない? 

 

 ていうか何でこんなに殺気を向けられてるの!? 明らかな異常事態ですわ! 

 さとりに説明を求めてみた。

 

「藍さんは貴女の指示通り、格好良くて美しい、完璧で孤高の最強妖怪八雲紫を模倣しているみたいですよ? 色々と極まった結果がこの現状ですね」

「幾つか求めてない要素が追加されてるんだけど?」

「お忘れみたいですけど、藍さんから見た『理想の八雲紫』とはどのような存在であるか。今一度よく考えてみればいいと思いますよ」

 

 あ、ああ……! 夢女子フォックス!!!!! 

 

 大体の経緯を察し、恨みがましい目を向けていると藍が私の存在に気付いた。

 そして自信満々な様子でばちこんとウインクをかましてくれるのだった。

 




果たして後日談一発目がこの話で良かったのか?作者は訝しんだ……。
ゆかゆゆ、ゆからん、さとゆかの詰め合わせでした。

ちなみに最終回後からの大きな変化として
ゆかりん→能力や式神操作の訓練によって若干器用になった。交友関係を大切にするようになった。欲望に若干忠実になった。
藍・橙→戦闘力が最終決戦時のままなのでアホみたいに強い。紫様万歳。
さとり→さとゆかちゅっちゅ。
となってます。

以下ゆかりんからの好感度順です。完結したので色々と好き勝手にやってみました。
些細なことで変動します。

【挿絵表示】

トップ10に入るくらいになるとゆかりんへの告白が可能になります(ギャルゲー脳)
一時期かなり高順位だった秘神がいたみたいですが、現時点では結構下になってしまってますね。最後の裏切りがちょっとね……。


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