幻想郷は全てを受け入れるのよ。それはそれは残酷な話ですわ……いや割とマジで   作:とるびす

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今昔幻葬狂〜夢〜
貴女の横で眠りたい


 

「あら七色じゃない。久しぶり」

「奇遇ね紅白。もう幻想郷に戻ってきてたの?」

「今しがた」

 

 殺伐とした幻想郷の建造物にしては、嫌に雅で趣ある木造の回廊。距離と時間の概念が狂いそうになる、そんな場所で2人はばったり出会った。

 大方の目的は同じだろうと決め込み、道を同じくして歩みを進める。実に数年ぶりの再会になるのだが、最後に顔を合わせた場所は、奇しくも此処だ。

 アリスにとっては消し去りたい過去でもある。

 

「大体の経緯は早苗達から聞いたわ。まったく、魔界から幻想郷に帰ってきた途端に巻き込まれるんだもの。今も昔も変わらず飽きない場所よね」

「悪い意味で、でしょ?」

「その通り」

 

 会話の内容は愚痴が大半だった。

 やれどんな敵と戦わされただの、やれ同行者がどんなヘマをやらかしただの。ただやはり、最も大きな鬱憤の対象は、あのスキマ妖怪だ。

 

 特に霊夢の憤りは凄まじかった。

 変な服を着た女神のせいで月と幻想郷があわや衝突、という時に紫はいきなり姿を消して、気が付いたら全部が終わっていた。

 衝突は無事回避され、これまでのどんな敵より強かった女神はあえなく消滅。そして極め付けに、霊夢は月に置き去りにされたのだ。

 

 ウドン何某の先導のもと幻想郷に帰還した霊夢が一番にやったことといえば、当然報復である。紫に夢想封印を叩き込み平謝りさせたので一応区切りを付けたのだが、完全に納得したわけではない。

 ……親子の繋がりを否定された事を気にしているとか、そんな話ではないのだ。断じて。

 

 できる女アリス・マーガトロイド、大体の流れを察しあまり深く突っ込まない事にする。

 

 ふと、アリスの腕に下げられたバスケットが目に入る。

 

「もしかしてお供物?」

「うん。魔理沙がむかし好きだったものをいっぱい持ってきたの」

「……食べられないのに」

「気持ちだけでもと思って」

 

 しんみりとした空気になる。2人が道を同じくしているのは、魔理沙の為だった。

 

 地底での決戦がどれほど苛烈だったのか、詳細を聞けば聞くほど恐ろしく感じた。今までの異変と比べても危険度があまりに高過ぎる。孤立無援、圧倒的なバッドコンディションの中で挑んだ異変だったそうだ。

 

 まさに死闘と呼ぶに相応しい壮絶な戦いだったと聞く。

 一発即死のレーザーを掻い潜り、命を削りながら持ち前のセンスで神の焔に挑み続けた。

 そして最後には幻想郷を滅ぼさんと放たれた火球に自ら飛び込み、相討ちという形で魔理沙は勝利したらしい。ただその代償は余りにも……。

 

 霊夢とアリスは言葉を失うしかなかったのだ。

 まさか自分達が幻想郷を空けている間に、魔理沙がこんな事になっていたなんて。

 

「無茶しすぎると死ぬよっていつも言ってたのに……アイツったらやっぱり言う事聞かないんだから」

「死に急いじゃったわね……魔理沙らしいっちゃらしいけど」

「違いないわ。ならせめて、私達だけでも笑顔で送り出してあげないとね」

「ええ……そうね」

 

 

 

「人を死んだみたいに言うなっ!」

 

 壁越しに霊夢とアリスの戯れが聞こえていたのだろう、膨れっ面で文句を言う。

 全身包帯グルグル巻きで身じろぎすら不可能、オマケに内臓が全部消し飛んだ凡そ健在とは程遠い状態ではあるものの、命までは失ってはいない。霧雨魔理沙は今も命を保ち続けている。

 どっこい生きてるタフな奴である。

 

 もう少し弱っているものかと思っていたアリスは若干拍子抜けした様子で、ベッドの隣に備え付けられた椅子へと腰掛けた。

 なお霊夢は予想通りである。

 

「随分と余裕そうじゃない。心配して損したわ」

「いやいや瀕死の病人だ。実際死にかけたんだよこれでも」

 

 

 此処は永遠亭。永夜異変の際に八意永琳率いる不法滞在集団と激戦を繰り広げた場所である。

 今回の異変では被害が皆無に等しかった為に病棟として開放され、幻想郷中の傷病者の殆どを対応している。制裁の一部緩和の条件として永琳、輝夜、てゐの同意を得た事による成果だろう。

 

 月の頭脳による異次元の治療は効果覿面であり、魔理沙の容態もこの通り瀕死から半殺し程度までには回復している。

 

「半人前の中途半端な魔女のくせして、己の実力を高く見誤るからこうなる。もっともっと精進しなさい」

「なんだよ霊夢、お前何もしてないだろ偉そうに! お前が月で呑気してる間、私はとんでもない化け物と戦ってたんだからな。今回ばかりは私の勝ちだぜ」

「はいはい。あとさっきの言葉は魅魔からだから」

「あっ……すんませんでした」

 

 実際、今回の異変では終始大人しくしていたため魅魔の活躍がないのはその通りだが、取り敢えず謝っておくのが安牌である。

 一方でアリスは唐突に出てきた魅魔の名前に眉を顰めていた。ただ話題に出すと面倒臭そうな話に巻き込まれそうなので静観する事にした。できる女アリス。

 

「まっ、アンタが死んだって月で聞いた時は流石に耳を疑ったわ。殺しても死なないような奴がそんな程度で死んじゃうなんておかしいもの」

「お前ほどじゃないぜ。……まあ危なかったのは事実だな。さとりとそのペットが居なかったら多分そのまま死んでた」

「さとり、ねぇ」

 

 霊夢は怪訝な顔を隠そうともしなかった。

 

 実のところ、さとりに対する霊夢の評価はあまり高くない。初めての顔合わせが最悪な形だったからだろう。裏に引き篭もってばかりの癖に何か大事な事を隠しているような態度をしているのもムカつく。

 だがまあ、親友を救ってもらったのなら少しは感謝すべきなのかもしれない。なお異変の発端はさとりによるペットの不始末である。

 

 また火焔猫燐の働きも大きかった。

 肉体を著しく損傷した自身と魔理沙の魂を呪術により現世に留め、さとりの救援を間に合わせたのだ。もっとも燐の身体は完全に消し飛んでいたため、なんらかのスペアが用意できるまでは悪霊擬きとして地霊殿に居着いている。要するにいつも通りである。

 

「何はともあれ運が良かったわね。今回の異変の主謀者は全員強かったし、オマケに大規模。誰が死んでもおかしくなかったわ。早苗も大怪我しちゃったし」

「頭にレーザー食らって命が有るのは凄いよなぁ。これぞ奇跡ってやつか。……まあ力及ばず死んじまった奴も何人か居たみたいだが」

「そうですねー。はいこれどうぞ」

 

 横から挟まれた新聞をアリスが受け取り、魔理沙にも見えるように広げてあげる。

 見出しには【幻想郷大勝利!】と載っており、その下に各地の被害状況が詳細に綴られている。情報媒体としては花丸だろう。

 なお霊夢は既に読んでいるため興味なし。

 

「へぇ、少し見ない間に腕を上げたか。いつもみたいな嘘八百な記事じゃないよな?」

「あやや勿体無いお言葉! いつもより少しばかり熱意を込めて書きましたからね。情報も異変中に自分の目で確かめたものばかりですし」

 

 松葉杖をついて高速移動する天狗が朗らかに笑う。リハビリと営業を兼ねている。

 どうやら利き足を欠損しても幻想郷最速の座は不動であるようだった。魔理沙よりも治癒が明らかに早いのは妖怪である故の恩恵だろう。

 

 彼女、射命丸文もまた死線を潜り抜けた猛者の1人だ。

 

「あの不気味な椅子女を倒してくれたんだってな。礼を言わせてくれ」

「いえ、私にできたのはほんの些細な事でした。秘神を倒せたのは全て他3人のおかげです。……私もお礼を言いたいくらいなので」

「まさか幽香が死んじゃうなんてね」

 

 アリスがぽつりと呟く。

 紅白、白黒、七色……全員がかの花妖怪と一度は矛を交えた事がある。姿形や能力は時間の経過とともに変わっていたように思えるが、やはり共通する認識は『絶対的な強者』だった。

 アレが自らの命を差し出してまで秘神と刺し違えたと聞いた時には耳を疑ったものだ。

 

「幽香さんは、全盛期の力を出せなくなっていたようです。そしてそんな自身に絶望する事もなく、非常に希薄な感情で……既に枯れていました」

「悩みと無縁な妖怪だとは思ってたけど、枯れちゃってたのねぇ」

「だから死に場所を探していたんでしょう。事実、嬉々として死んでいきましたよ、彼女は。チルノさんにレティさんもそう。死にたくなかったのは私だけです」

 

 普段飄々としている文の口から出たとは思えないほど、言葉には熱がこもっていた。歯痒そうに唇を噛み締めている。

 今回の新聞への熱意は、散っていた彼女達の存在を忘れさせまいとする気持ちから来ているものだろう。唯一残された文が果たすべき責務といえる。

 

 身体が弱っているからか、内面も少々センチメンタルになっているんだろうと魔理沙は勝手に推測していた。それだけ文らしくなかったのだ。

 

 話題を変えるように明るく問い掛ける。

 

「そういや異変を起こした連中は今どうなってるんだ? 紫の動向も聞かないし」

「それに関しては霊夢さんが詳しいと思いますよ」

 

「取り敢えず今回の異変に加担した連中は一度に集めて仕置きを決めるみたい。どうせ今も上の連中と一緒に話し合ってるんでしょうね」

「貴女は行かなくて良かったの? ほら、異変解決後の裁量は博麗の巫女が……」

「流石に量が多すぎ。一々仕置きを考えてる暇なんてないわよ。……上の意思決定にはなるべく口を出さないようにしてるしね」

「ふーん」

 

 そう返されると話を切らざるを得ない。アリスは適当に相槌を打って新聞に目を戻した。

 

「よくよく考えてみたら、最初から最後まで良い意味でも悪い意味でも、紫に振り回されっぱなしだったからね。結局締めも紫かぁ」

 

 

 

 *◆*

 

 

 

こんにちはこんばんは! 三徹のゆかりんですわ!!! 

 

 

 異変明けのくせして何でそんなにハイテンションなんだよと思われるかもしれないが、これは社会人お得意の技からげんきというやつですわ。

 

 私にとっての異変解決はここからスタートなのよね真に残念だけど。

 

 オッキーナとの話を終えてすぐに藍達と合流。みんなが私の無事を祝福してくれたけど再会を喜び合う暇も無く、然るべきメンバーによる今回の一件の総括が行われた。

 

 正直なところ心身ともにボロボロだから少し休ませて欲しかったんだけど、今回何もできずに捕まりっぱなしだった私に断る権利などあるはずも無く、超過労働を甘んじて受け入れている次第である。

 

 殺して……(切実)

 

 

 そして現在、稗田邸の大客間にて事件に関わった大物を全員集めて、話し合いの内容が発表されている最中となっている。マヨヒガも天魔邸も倒壊しちゃってるみたいだからね。

 

 あとね、最初から最後まで部外者だった私がなんで事後処理の最高責任者になってるんだろう? いやマジで素朴な疑問なんですけども。

 本来ならオッキーナや華扇が色々やってくれる所なんだけど、オッキーナは死んじゃったし、華扇は青娥捕縛に奔走してあんまり話し合いに参加できなかったから、必然的に私が色々仕切らなきゃならなくなったらしい。

 なんでこんな事に……! 

 

 

 という訳で、結果発表がてら先ほど知り合った初対面のイカれたメンバーを紹介するわっ! 

 

 

 まず聖白蓮と寅丸星っていう尼僧コンビ。色々と奇抜な髪色な2人だけど、一応今回の集まりの中では穏健な方だと神奈子から聞いている。その少し後ろに自称【賢将】と名乗るネズミ妖怪もいるわ。

 ……異名がカッコいい(小声)

 ちなみに結果発表前に挨拶しに行ったら全員からめっちゃ避けられた。コミュ障には効果抜群である。

 

 罪状の内容は『みんなが大変な時に船を飛ばして遊んでた』ことらしい。最初に聞いた時は何言ってんだコイツと思ったりもしたが、その結果博麗大結界に穴をぶち開けられたんだって。

 んー修復する身からすればギルティですわ! 

 

 あと今回の事件のシナリオには賢将が関わった部分が多かったんだって。メインはあくまでオッキーナと正邪だったみたいだけど。

 

「天邪鬼の策謀に同調したのはいただけないけども、大した被害は出なかった事と、妖怪の山での活躍を加味して復興事業以外の処罰は行わないわ。守矢神社からの嘆願も考慮していますので、感謝するように」

「深く感謝いたします」

「……」

「ご厚情痛み入る」

 

 尼僧トリオが深々と、私と守矢組に向けてそれぞれ頭を下げる。

 やっぱり妙に壁があるような気がするんだけど、私ったらまたなんかやっちゃいました? もしや戒律がどうとかって話かしら。意味もなくお坊さん達に怯えられた時代もあったしねぇ。

 後日、個人的に改めて訪問させてもらうことにしましょう。そうしましょう。

 

 

 次に豊聡耳神子という旧一万円札の人。とんでもない髪型をした聖人様だ。

 藍曰く「思想的にかなりの危険人物」なんですって。聞いたところによると邪仙の弟子なんだとか! 要注意人物ですわっ! 

 ただ思わぬ有名人だったので空き時間に握手してもらったわ。紙幣的な意味で聖徳太子には大変お世話になったものね。あっちも私の事を既に知っていたらしく、とても好意的に接してくれたわ。優しい! イケメン! 

 ……ただ立ち振る舞いから時々オッキーナっぽさを感じちゃうのよね。なんでだろ。

 

 で、罪状なんだけど『眠りから覚めた拍子に霊達を吃驚させてしまった』ことと聞いている。小傘は彼女に師事したら良いんじゃないかと思うわ。

 それにしてもマジで意味不明な異変ですわね。

 

「一応こちらの勢力と衝突はしているものの、まあ相手が妖夢なのでそこは良いでしょう。その後は人里の治安維持に努めていた功績を以って今回の件は不問とします。ただ邪仙との繋がりを考慮して一時稗田阿求の預かりとし、経過を見させてもらいます」

「そうして貰えると助かる。以後よしなに」

「貴女の統治の手腕は非常に優れていると聞きます。いつか時がくれば我々側に立ってもらえると嬉しいわね」

 

 青娥との繋がりだけでペナルティーが発生するのは理不尽すぎてちょっとおかしくなってくるわ。でも邪仙だからね、仕方ないわよね。

 あとそれとなく賢者交代への伏線を残しておくわ。私、まだ引退の件は諦めてないんだから! 案の定、私の発言に藍や阿求が難しそうな顔してるわ。

 

 

 次もニューフェイス、少名針妙丸という小人ちゃんである。小さくてかわいー! 

 どうやらこの面子の中でも(比較的)無力な存在とのことで、本人も抵抗の意思なくクソデカ座布団の上で大人しくしているため危険度は低い。

 というより消沈してるのかな? 可哀想。

 

 そんな針妙丸だが、どうも『正邪と共謀し幻想郷の破滅を画策した』とのこと。

 幻想郷の化け物共が苦戦してたのは彼女と正邪の能力が深く関係しているとかなんとか。うーむ可愛い顔してやることやってるのねぇ。

 地上で戦ってた連中からはかなり警戒されていて、鬼畜メイドと天子さんが居なければ負けていたかもしれないほどギリギリだったんだって。

 

「貴女の力により幻想郷に齎された混乱が此度の一件を困難なものにしました。その罪は非常に重いと言えるでしょう。事実、処断を求める声は多い」

「……」

「しかし賢者の皆様、そして我が盟友である比那名居天子より、貴女は天邪鬼に乗せられただけであるとの話を聞いています。その辺り、どう思いますか?」

 

 簡単な話、正邪のせいにするなら許すよって事ね。

 ここまでの流れを見ていただければ分かるかもしれないけど、今回の異変での責はあまり問わない方向性なのよ。関わった人数が多過ぎてキリがないから。

 なので主謀者を極少人数に絞っているわけだ。

 

 当然、針妙丸も無罪放免で考え──。

 

「私と正邪が計画して起こした異変だ! あの小物一人でこんな事できるわけないでしょ! 殺すなら殺せ! ほら殺してよ!」

「あら」

 

 針妙丸、キレた! 

 ひとしきり騒ぐと私をキッと睨み付けてくる。え、ちょっと待ってこの子無害どころか普通に強くない? めっちゃ圧力感じるんだけど。胃腸キリキリなんだけど。

 

「お前が正邪を狂わせたんだ! お前さえ居なければ、お前が正邪の生き様を踏み躙らなければ、正邪は……きっと静かに暮らせたんだよ……。返せよ、私の初めての友達を!!!」

「まあ落ち着けって針妙丸。いま紫に食ってかかっても仕方ないだろ。……ちょっと離席させるけどいい?」

「ええそうして頂戴」

「よし。ほら行くよ」

 

 気を利かせてくれた天子さんが座布団ごと針妙丸を抱えて、襖の奥に消えていく。ホント優しいわよね天子さん。それにどうも針妙丸のことを気にかけているようだしね。高貴な種族がどうとかって言ってたけど。

 

 はぁ……それにしても困った。本当に困った。

 私の内心を察したのか、藍が心配そうに私の表情を窺っている。取り敢えず「気にしないで」って意味でニッコリ微笑んだ。

 

 何に困ってるのかというとね、未だに正邪に恨まれていた理由が分からない……! 

 私も色々やらかす事はあったけど、あの子に関してはマジで悪い事は何もしてないと断言できるわ。賢者にもしてあげたし! 罰ゲーム? 本人の希望ですので(目逸らし)

 

 まあね、針妙丸もまた無罪放免の方向で既に決まっているので、幻想郷の住民に対して角が立たないよう適当に理由をでっち上げておこうかしら。

 そうね、正邪に洗脳されてた事にしましょう。

 

 

 

 ニューフェイスに対してはこんなもんかしら? ちょっと疲れたので休憩時間にしましょう。そうしましょう。

 

 そうそう、一応妖怪の山で暴れ回った玉兎集団も居るけど、月との取り決めで今のところ捕虜としての取り扱いになってるから裁けないのよね。

 はたてが若干複雑そうな顔になってたけど、仕方ない。

 まあ一部捌かれたりはしたかもしれないけど。妖怪の山の民度を舐めてはいけない。

 

 と、バキバキになった肩を叩いてリラックスしていると一匹の根暗陰湿妖怪が近付いてきた。正直あんまり喋りたくないので『来るなオーラ』を出してたんだけど、気にせず私の目の前で座りやがったわ。

 こいつ……。

 

「なに?」

「いえ、久しぶりなのにそういえば挨拶をしてなかったなーと思いまして。月での無様……失礼、素晴らしい活躍は聞いていますよ。随分と惨めに奔走されていたようで。霊夢さんとの仲は相変わらず良好なようで何より」

「そっちも相変わらずの挨拶ね。貴女の方こそ、不自由な環境でありながら積極的に動いてもらってたようで。忝い限りですわ」

 

 皮肉たっぷりで返してやりたかったところだが、さとりの働きには素直に感謝しているので当たり障りのないものになってしまった。自分の器の大きさが恐ろしいですわ。

 まあ、火車とか『鬱ほちゃん』とか、色々ネタにしにくいのもあるんだけど。

 

(うつほ)です。……私もその件に関しては非常に申し訳なく思っています。幻想郷を破壊しようとした責はあまりに重い。ですが命を救ってもらえた」

「流石に不問とまではいけないけどね。だけどこの件はオッキー……隠岐奈の洗脳が悪かったし、彼女の持つエネルギーは言い方が悪いけど利用価値がある。河童から助命嘆願と引渡要求が煩くて」

「利害関係もあるでしょうが、理由がなんであるにしろ命があるならそれに越した事はありません。……ありがとうございます紫さん」

 

 うわっ、人にお礼とか言えたのねさとりって。

 ちょっと気持ち悪いわ。

 

 っと、無心無心。

 

「もう遅いですよ。ただまあ、確かに自分でも気持ち悪いと思うので次回からは言わないように気を付けておきます」

「いやたまには言ってくれても……」

「今日は特別気分が良かっただけです」

 

 えっ、そうなの? いつも通りの辛気臭い顔に見えるんだけども。

 

「そういう事にしておいてください。それでは」

 

 鼻で笑うとさっさと退散してしまった。

 まあ挨拶はできたし、私に悪口言えたしで、もう用は無いって事か。

 

 それにしても、ちょっと気になる様子だったわね。

 どうも胸を撫で下ろしてホッとしているような、安堵の感情が見えた。

 

 んー? 分からん。

 機嫌が良いっていうのと何か関係があるのかしら。私の顔を見れて嬉しかったとか? 

 うーん、ないないぬえぬえ。

 

 

 

 という訳で休憩時間が終わり、これから重罪人を裁く時間に突入する。

 若干雰囲気も重くなったような気がするわ。私の胃腸への負担も凄まじい。帰りてぇですわ……。

 

 改めて周りの面子を見渡してみる。

 いつもの賢者の顔触れは変わらないんだけど、今回はその他にも一定規模以上の勢力の長が揃い踏みしており、圧力が半端ない。

 レミリア&鬼畜メイド、幽々子&妖夢、萃香、永琳&てゐ&ウドン、神奈子&早苗、にとり、天子さん、何故か小傘、さとり&勇儀ね。あとさっきのニューフェイス。

 あと月からの大使としてサグメさんが来ているわ。ちなみに聞く話によると依姫はヘカちゃんに殴られた後、大地を貫通して月の裏で発見されたんだって。勿論生きてたわ。化け物ですわ。取り敢えず舌打ちしとこ。

 

 で、これから大罪人が追加される。

 

 まずは草の根連合のメンバーからね。

 正邪の指示で大人数が幻想郷でとにかく暴れ回っていたらしく、人里以南は迷いの竹林を除いてかなり酷い事になっている。人里なんかもう壊滅状態よ。

 余談だが稗田邸に向かう途中で人里を視察したんだけど、燃え尽きた鈴奈庵の前で笑いながら号泣する小鈴ちゃんは本当に可哀想だったわ。再建の暁には外来本を差し入れしましょう。

 

 とまあ、こんな風に草の根連合は爪痕を残し過ぎた。異変の終盤まで暴れ回ってたのも悪かったわね。

 

 ただ人数が多過ぎて責任の所在がハッキリしないため、取り敢えずで責任者に罪が集中してしまった。

 トップは勿論正邪、そして次席の影狼とわかさぎ姫ね。針妙丸は経営に関わっていなかったようなので除外。

 

 面前で蹲る2人は控えめに言って真っ青だった。私も同じ状況だったら泣き喚いている自信があるわ! 可哀想。

 確か草の根連合って前身はただのお茶飲みサークルなんだっけ? 正邪のせいで変貌しちゃっただけで。そう考えるとなんとも不憫だ。

 

「稀神正邪は皆知っての通り、十六夜咲夜、比那名居天子の両名により誅殺されている。その罪はあまりに重く、賢者としてあるまじき暴挙。永遠の叛逆者として幻想郷に語り継がれていく事になるでしょう」

 

 藍が淡々と読み上げていく。

 彼女に関しては多分生き残ってても処刑せざるを得なかったと思う。そういう血生臭いのは嫌いだから一応弁護はしただろうけどね。

 死人に口無しとはこの事だろう。もうあることないこと盛られまくってるわ。後の禍根を残さないために正邪に責任を集中させるのである。

 

 正邪がこの現状を知ったらどう思うだろう? 

 怒るかな。でも喜びそうな気がしないでもない。あくまで私の過去の記憶にある『鬼人正邪』は、だけど。

 

 という訳で、影狼とわかさぎ姫は殺さないわ。

 

「今泉影狼、わかさぎ姫の両名は正邪の能力によりまともな意思決定ができない状態にあった可能性が高い。また異変前の幻想郷運営において二人が果たしていた役割は非常に大きく、情状酌量の余地ありと存じます。他メンバーに関しても同様ですわ」

「それでは納得しない者も出るでしょう」

 

 私の言葉に阿求が口を挟む。至極当然の意見だと思うわ。過激派の連中が「うんうん」って頷いてるし。

 ちなみにこれ全部仕込みね。

 

「如何にも、不問とするには反乱の規模が大き過ぎた。おかげで復興事業は慢性的な人手不足が予想される。ならば潰してしまうよりも利用する方がいいでしょう? それにこれで彼女達を殺してしまえば此処に居る半分ほども殺さなきゃいけなくなってしまいます」

 

 過去に異変を起こした面々をそれとなく見る。全員どこ吹く風と気にしておらず、つまりそういう事である。幻想郷の転覆とか大量虐殺を目論んだとか、既にレミリアと萃香が通過した道だから……。

 それに暴動を起こしてた人里の人間も対象だし。

 阿求が苦笑しながら答える。

 

「それを言われると返す言葉もないですね」

「という訳で2人の身柄は()()()()()()()因幡てゐに預かってもらいます」

「「えっ」」

「てゐ監督のもと幻想郷に尽くすように」

「よろしくー」

「「ひぇ……」」

 

 2人の肩に手を回す暴虐の兎。今までのお礼をたっぷり返してやると言わんばかりの禍々しい笑みだった。

 あのウ詐欺を賢者に戻してしまった事について不安がない訳ではないが、結局迷いの竹林が一番安定するのはてゐに丸投げする事なのよねー。今回の異変での貢献度も永琳と共にかなり高かったし。

 

「分かっているとは思うけどあくまでも諸悪の根源は正邪にあります。過密な労働で彼女達を殺すようなことはないよう、お願いいたします」

「はいはい。無理な都合を押し付けて労働力を損なうのは三流経営者のやる事さ。任せておくれな」

 

「リ、リーダーを悪く言うのは……その、やめてもらえませんか」

「あん?」

 

 プルプル震えながらも、影狼はてゐの圧力を跳ね除け私を睨む。弱々しい口調ではあったが啖呵には十分だ。

 

「確かにあの人は過激で、私達の事なんか捨て駒にしか思ってなかったのかもしれないけど、救われた妖怪が沢山いたのも事実なんです。私も……悪い事だけど、夢と希望を見る事ができました」

「わ、私もあんまりだと思います!」

「そうだそうだ! 正邪を返せ胡散臭ババア!」

 

 わかさぎ姫と針妙丸が影狼に同調して騒ぎ出した。特に針妙丸の魂の叫びに周りは大盛り上がり。

 藍はキレた。私は泣いた。

 霊夢以外に言われちゃったのは初めてだわ。ちょっと傷付いちゃった……。

 

 それにしても思ってた以上にメンバーに慕われていたのね正邪って。ちょっと意外だわ。彼女には別ベクトルのカリスマがあったのかもしれない。思い返してみれば、かつての私が接触する前でも着々と月侵攻に向けて準備してたしねぇ。

 

 しかし困った。当の本人達がこんな調子では正邪を共通の悪者に仕立て上げる計画がおじゃんだわ。

 こうなったら誰か他の奴を用意してみましょうか。それなりに力もカリスマもあるけど、あんまり慕われてなさそうな奴……。

 

 あっ。

 

「摩多羅隠岐奈……」

『!?』

 

 

 

 という訳で、オッキーナが全部悪くなった。

 草の根のみんなを洗脳していたのは正邪だが、正邪を洗脳していたのはオッキーナ! 結論、秘神が全ての元凶だったんだよ! という筋書きである。

 若干無理があるようにも思えるが、オッキーナには前科があるし、これまた死人に口無しだ。そして私の心を読めるさとりが言い分に全面同意し、みんなも「まああの秘神ならやるよなぁ」と納得したのでこれにて決着! オッキーナったら敵作りすぎ! 

 まあ実際のところ、誰が悪かろうが別にどうでも良い、というのが全員の本音だろう。建前ってやつね。

 

 唯一針妙丸だけが「正邪の意志を無かったものになんてさせない!」と憤慨していたけど、流石にこれ以上は手の打ちようがないわ。ヒーリング天子効果に期待しましょう。

 っていうか愛情歪み過ぎじゃない? 大丈夫? 

 

 ちなみにオッキーナの討伐は天狗の手柄になっている。文以外みんな死んじゃってるし、実際彼女が果たした役割は非常に大きかった。文を対オッキーナに派遣できたのは、はたての英断あってのことだしね。

 まさか不倶戴天の敵だった妖怪の山がここまで頼りになる存在になるなんて、この賢者八雲紫の目を以ってしても見通せなんだ……! 

 まあ極力足を踏み入れたくない場所っていうのは相変わらずなんだけど。

 

 

 

 さてさて、ついに罪人は1人となった。

 ここからをメインイベントと見ている者もいるだろう。なにせ此処に集った面子全員が当事者だからだ。

 幻想郷に対して最後まで災厄を振り撒き続けた彼女は、見方によっては正邪や隠岐奈以上に共通の敵として認識されているだろう。

 

 霍青娥。仙道中興の祖。

 私とも浅からぬ因縁がある相手だ。異変の主謀者組で唯一生きたまま捕縛された。

 愛死体の芳香ちゃんは華扇が封印して自宅に置いてあるらしい。

 

 サグメから借り受けた紐で雁字搦めにされた青娥が、犬走椛に引き摺られて畳へと乱暴に投げ出される。優美だった羽衣は土埃に塗れており、衣服や髪もよれよれになってしまっていた。まるで天人の五衰のような状態だ。

 しかし、瞳に潜む邪悪な気配は一向に衰えることを知らないみたい。不敵な笑みを湛えている。

 

「……世渡り上手な貴女には珍しい、致命的な失敗ね。私の忠告通り、幻想郷で平穏に暮らしていればもっと長く生きられたでしょうに」

「ふふ、それはどうでしょう?」

「個人的な話を長々とする時間はないわ。何か申し開きがあるならどうぞ」

「では一つだけ」

 

 身をくねらせながら上半身を起き上がらせると、青娥はあっけらかんと言い放つのだ。

 

「私がやった事全て、八雲紫様に指示された事ですわ。他意はございません」

 

 

 

 はえ? 

 

「……証拠は?」

 

 重苦しい空気を華扇の声が引き裂く。全員が何故このタイミングでこんな荒唐無稽な事を言い出したのかを計りかねているようだった。

 当事者である私もそうだ。扇子で顔を隠しながら静かに場を見守る。内心めっちゃドギマギですわっ! 

 

「そんな物はございません。かの八雲様がそのような物を残しておかれる筈がない」

「貴女の信用性は皆無に等しいが」

「それでも申し上げましょう。幻想郷の各地で朽ち果てた傀儡を再利用したのも、物部様と蘇我様を殺したのも、全てはかの方の指示によるもの」

 

 いまさら私を共犯に仕立て上げて道連れを誘っているのかしら? 脳筋揃いの面子とはいえ、流石に乗せられることはないと思うんだけど。

 何人かの視線が反則尋問官さとりへと向けられるが、答えは『否』だった。当然である。

 

 と、神子が腰の剣を邪仙の首に添える。

 

 そういえば蘇我って聖徳太子と同盟関係にあったわね。ウマだかエビだかイルカだか忘れたけど。でも物部って逆に滅ぼされた関係じゃなかったっけ? 

 ゆかりん歴史分かんない! 

 

「師よ。潔くとまでは言わないが、其方は諦める事を知らねばな」

「何を申されますか、探求の道に終わりなどありませんよ。諦めは即ち死でございます」

 

 まさかこの期に及んでまだ生き延びようとしているのかと、周りが面白おかしそうにざわめき立つ。さっさと始末したい気持ちでいっぱいなんでしょうね。

 なにせ、青娥が幻想郷各地に放ったキョンシーの駆除と穢れの除染作業には全勢力が手を焼かされたもの。普通に気持ち悪いしね。

 

 もういいでしょう。

 

「くだらない戯言に付き合っている暇はありません。貴女の処遇を伝え──」

 

「あとそうですね。諏訪の神を狂わせたのは私ですが、それを望んだのは紫様です」

 

 

 あらま。

 

 

「貴様ッ!!!」

 

 全てを悟ったのだろう、神奈子が隣席のはたてを突き飛ばして御柱で殴り掛かる。

 だがそれは華扇の掌底により叩き落とされた。

 

 全盛期を取り戻しつつある軍神と、幻想郷最強クラスの仙人が火花を散らして相対する。一触即発の雰囲気だ。

 状況を飲み込めない早苗が私と青娥を交互に見ていた。

 

「そいつの始末は私に願いたい!」

「気持ちは分かりますが、それは然るべき手順を踏んだ後です。その後なら奴の骸を煮るなり焼くなり好きにするといい」

「それでは気が済まない! 奴は諏訪子を……私の数千年来の友を……ッ! 弄んだッ!」

「私もです。(芳香)を殭屍にされました。今もその身体を辱められている。……気持ちは痛いほど分かりますが、しかし──ッ」

 

 

 扇子を投げ捨てる。壁に当たった拍子に乾いた音が鳴り響き、重力に従って畳の上に落ちた。

 天魔邸でやった時はいい具合に砕けてカッコよかったんだけど、今回は上手くいかなかった。ちょっと締まらないけど仕方がない。

 

 神奈子と華扇、神子に道を空けてもらった。

 青娥へと歩みを進め、しゃがんで這い蹲る彼女と目線を合わせる。

 

 この邪仙の生き汚なさは多分幻想郷でも類を見ないほどだろう。凄まじいまでの生への執着。そしてその気持ちは分からないでもないわ。

 でも彼女には同時に死を恐れない気持ちもある。もしや目の前にこんな面白そうな玩具が転がっていたから? 

 

 救い難い存在とは、まさしく彼女のことをいうのでしょうね。

 

「幻想郷は全てを受け入れます。私もまた、貴女のような存在は必要なものだと思っている。他の者は受け入れずとも、貴女の気持ちを理解できる以上はね」

「……」

「しかし貴女は手段を誤った。欲しがる事を忘れられたなら幸せになれたでしょうに、仙人崩れとはままならぬものね」

「それは紫様も同じでございましょう」

 

 ハハハこやつめ! 

 いやまあ確かにその通りかもしれないけど。

 

「貴女にはやはり敵わないわ」

「では私の勝ち逃げということで」

「そうね。おめでとう」

 

 私が指先を動かすのとほぼ同時だった。

 

「ふふ、それでは地獄をお楽しみください」

 

 そう言って青娥は瞳を閉じ、力を失い横向きに倒れた。

 何事かと駆け寄った華扇が青娥の首筋に手を当て、驚いたように呟く。

 

「死んでる……」

 

 

 永琳の診察によると服毒による自殺ではなく、自らの身体に呪を打ち込むことによる脳神経の遮断、つまり仮死状態になっているとのこと。

 そして最後の最後で気になる事をぶち込んできやがったので殺すに殺せず、結局青娥の断罪はできなかった。私の名前を出したのもその為だろう。

 そもそも青娥の暗躍については未だに謎が多いしね。

 死ぬことに活路を見い出した、という事か。

 

 さとり曰く前触れは何も無かったらしいので、全てが即断即興の早業ということになる。

 

 その後、青娥の身柄は地霊殿に預けられ、さとりとドレミーの共同作業により、動機や犯行の手口の解明を進めていくことになる。

 さとり対策を見越してか、記憶が厳重に封じられているようだったが、夢の支配であるドレミーが居る限りは時間の問題でしょう。

 

 なお当のさとりは「アニマル以外お断り」とか抜かしていたが、当然却下である。

 娘々(ニャンニャン)だからいいでしょ。

 

 

 

 あー疲れた疲れた。ただの結果発表なのに予想以上に難航しちゃったわね。

 溜まっていた数日分の疲労がどっと溢れ出てきてるような気がするわ。

 

 しかしこれで幻想郷の抱えていた爆弾の殆どが取り除かれた状態になった。全てがオッキーナの思惑通りになったといえる。

 事実、これからの幻想郷についての話し合いは現在進行形でかなりスムーズに進んでいる。紅魔杯以降の閉塞感が打破され、一丸となって前を向いているような、そんな感覚。

 

 現状があの人の幻想郷への想いは紛れもなく本物だったことを示している。

 賢者とはまさにあの秘神の事を言うのよ。

 

 私と幻想郷は、大きな導を喪ってしまったのだ。

 

「『幻想郷を見捨ててくれるな』──か」

 

 ……ごめんね、オッキーナ。

 

 

 

「紫様? どうかなさいましたか」

「うん、ちょっと疲れちゃったみたい。少し肩を貸してくれる?」

「……大丈夫ですよ。お休みください」

 

 まだまだ議題は尽きないけれども、三徹ゆかりんにこれ以上は厳しいみたいだ。喪ってしまったものが次から次に思い浮かんでは、意識と共に暗闇に消えていった。

 

 藍の肩に寄り掛かって甘美な微睡に堕ちていく。

 こんなに安らかな眠りはいつ以来かしら。

 

 堂々と居眠りをかます賢者が最高責任者に相応しい訳がないからね、みんなもその辺を理解して勝手に話を進めてくれると嬉しいわ。

 

 私なんか居なくても幻想郷は回っていく。

 そんなの、ずっと前から分かりきったことなんだから。

 




たくさん評価をいただけて嬉しかったので筆が乗りました。

情緒不安定なキャラ多過ぎない?(今更)
一周回って終始冷静な紅魔組と幽冥組がずっと無言なのはそういうことです。

さてようやく平和になった幻想郷。これからはゆかりんのハッピーライフ回が続きます!

遠慮するな今までの分食え……

評価、感想いただけると頑張れます♡

遂に異変終結!MVPは?

  • 魔理沙&パチュにと
  • 早苗&アリス&小傘
  • 妖夢&華扇
  • 咲夜&天子
  • うどんちゃん&霊夢&(ゆかりん)
  • 文&チルノ&幽香&レティ

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