幻想郷は全てを受け入れるのよ。それはそれは残酷な話ですわ……いや割とマジで   作:とるびす

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東方天地星神輝
懐かしき忘恩の地


 禁忌は常に彼女を見ている。

 

 蓬莱山輝夜の生涯において最大の過ちとは、蓬莱の薬を興味本位で試飲した事でなく、八意永琳に迎えの使者を殺してもらい共に幻想郷に逃げ込んだ事でもない。

 とある平行世界での顛末を他者に伝えてしまった事だ。

 結果、月の民は血眼になって八雲紫の殺害をあの手この手で試みるようになった。

 

 彼女の『永遠と須臾を操る程度の能力』は時間の構築を再編成すると同時に、複数の歴史、パラレルワールドを認識し体験する力を持つ。傑物揃いの月人においても比類無き、魂を蝕む強力な『罪』だった。

 

 この時空の輝夜も、他の輝夜が取った選択と同じく、隠し通せなかった。共有せざるを得なかった。それが数多の月人に破滅の未来を齎すのだとしても。

 

 言うべきでは無かっただろう。

 もしあの決断がなければ月面戦争の規模などたかが知れていただろうし、玉兎の死体を山のように積み上げる必要もなかった。妹紅だって、境界に触れる事なく静かに暮らせていた筈。永琳だって、今頃幻想郷で診療所でも開いて皆に慕われる存在になっていた筈。その未来は確かにあった。

 そうはならなかった。

 輝夜が全て壊してしまったから。

 限られた時であっても幸せに暮らせた未来を知っておきながら、彼女は自らの手で、しかし自らの手を血で染めることなくそれらを潰した。

 

 輝夜の境遇を、決断を、苦悩を知る者で彼女を責める者はいない。察するに余りあるその苦しみに心を痛めすらした。

 だが当の輝夜は曖昧な笑みを浮かべながら、静かに首を横に振るだけだった。

 

 

 

 

 それに与した因幡てゐもまた、罪を負うべき存在なのかもしれない。

 不可能だと分かっていてもやらずにはいられなかった。地上において誰よりも永く生きたてゐだからこそ、かの妖怪の最も古い姿を知っているからこそ、千載一遇の機会を逃す訳にはいかなかったのだ。

 自分と輝夜の能力、そして永琳の執念が合わされば世を断つ境界を破壊できるかもしれないと思った。思ってしまった。

 でもその一方で、心の奥底では紫の無事を祈ってしまったのだろう。計画は中途半端に終わり、時は残酷に流れ続ける。結局自分は、因果を変えるに能う妖怪ではなかったのだ。分かっていた筈なのに。

 

 てゐは甘かった。それでいて高望みし過ぎたのだ。

 

 

 

 

 そんな彼女らの想いを知っていながら、自らの私情を無理くり押し通そうとする古明地さとりは、自他共に認める大罪人だ。

 全てを知る立場に居ながらさとりは責務を放棄した。凄絶な死を遂げた妹に意味を与えてくれた恩人を殺す事など、彼女には到底選択できないものだった。だから非効率的に、心を押し殺す。

 

 この世界は呪われていると何度思ったことか。だが、そんな世界に光を見出すきっかけになったのは、この世で最も大きな十字架を背負った妖怪。

 とことん呪った挙句に、さとりは呪いに飛び込んだ。罪を自覚しながら分の悪い賭けに出る。最悪の『想起』を彼女は未だ見ないようにしている。

 

 

 

 去年の秋頃。確か永夜異変が終わった直後の事だったと記憶している。

 三人は『真実』を手にした。

 

 てゐと摩多羅隠岐奈は、天地開闢から第一次月面戦争までに存在した全盛期とも言うべき『遥か過去の八雲紫』。

 さとりとドレミーは、夢の色や心の形を通じて知り得たあのおっちょこちょいで間抜けで何も考えていない『現在の八雲紫』。

 そして蓬莱山輝夜と紫擬きは……『違う時空に存在していた八雲紫』。

 

 それぞれが紫の転換期と言うべき節目をちょうど良く覚えているのだ。これは紛れも無い奇跡であり、奇跡を起こすために仕込んでおいた故意的な積み重ねの産物でもある。

 事実、この6人が揃った事で全容は明らかになった。互いが互いに長年の謎を補完しあった形になる。ここまでは主催のさとりにとっても有意義なものだった。

 

 しかしその全容に対するアクションで奇跡は徒労となった。6人の中で唯一、摩多羅隠岐奈だけが罪を背負わなかったのだ。「甘ったれるな」と言わんばかりの態度で枠組みからの離脱を宣言した。

 隠岐奈は実益と道理を兼ねる公正な神である。その目にはさとりが余程滑稽に映ったらしい。『真実』を知る事は必ずしも良い方向に作用する訳ではない。

 

 不和が破滅を呼び込んだ。

 

 

 

 *◆*

 

 

 

「投了と判断するにはまだ早い」

「なら有効的な手立てを講じておくれな。私にゃもう手に負えないね。何たって"お月様"だからねぇ。しかもここは地底だよ?」

「ドレミー。槐安通路を開きなさい」

「残念ながら、もう月側から閉じられています。月の都も紫さんを確保したからには死守に回るでしょうし、即座に侵入できる経路は存在しないと考えた方がいいでしょう。詰みですね」

「……」

 

 巫山戯るな、と。怒鳴り散らしたい気持ちを必死に抑え込む。てゐとドレミーに対して声を荒げたところで何の解決にもなりはしないのだ。

 頻繁に痛む額を掻き上げ、爪を噛みながら僅かでも事態を好転させる策を模索する。だが一向に明確な形すら掴めていない。

 どう俯瞰しても現在の状況があまりに厳し過ぎる。並大抵の策では打開は不可能だろう。

 

 机の上に足を投げ出し、相変わらずの礼儀のなさで冷静さを演出するてゐ。地底でごちゃごちゃ言ってるだけではどうにもならない。

 状況確認が必要だ。

 

「しかし鮮やかな動きですよね、前の月人では考えられないスピードです」

「あちらさんの戦力は勿論だけど、問題は紫やレミリアが考案した戦略の裏を掻いた一撃だね。ありゃタイミングを見ても計画が露呈していたとしか思えない。真っ先に紫を押さえた点でも、幻想郷の強みをよく分析している」

 

 強みとは弱点と表裏一体である。

 八雲紫のほぼ一極体制は幻想郷に数々の利点を齎し、月と渡り合えるほどの魔境へと成長させた。しかし反面、頭を押さえてしまえば抗う術は大幅に限られてしまう。纏まりを欠いてしまえば烏合の衆……とまではいかないが、外敵そっちのけで内乱が始まる可能性すらある。

 

 紫が敗れた時点で月面戦争の敗北は決定したも同然だった。しかも最高意思決定機関すら麻痺してまともに機能していない現状。

 

「紫さんは月に連れ去られてしまったようですが、八雲藍や摩多羅隠岐奈は? あの方々が居ればまだ再起を図れそうなものですけど」

「……藍さんは紫さんと共に居ると考えた方がいいでしょう。あのクソ秘神は『反撃の機会を窺っている』とだけ言っていた。ほとぼりが冷めるまで籠っておくつもりなのかもしれない。話になりません」

「でもこのまま月の軍勢の駐屯を許すのはダメだよねぇ。トップ格の綿月豊姫が紫の収監で空けている間に、何か手を打てれば少なくとも幻想郷内の状況はイーブンに持ち込める。せめて天魔(はたて)──妖怪の山の戦力が自由に動けるようになれば」

 

 流石は元五賢者。幻想郷の地政学やパワーバランス、最近の外交関係を鑑みて即座に打開策を提示する。伊達に数千年権謀術数を駆使してきた訳ではない。

 惜しむらくは彼女はもう賢者ではなく、此処が地上ですらない事だ。

 

 現在、月の軍勢はマヨヒガに駐屯しており、銃口を麓から妖怪の山へ向けている状態である。当然はたての号令の下、山の連合が慌てて相対しているが今はそれが精一杯。あの河童達ですら慌てふためいている。

 それに駐屯している玉兎にもとんでもない化け物が紛れ込んでいる。

 

「なにせ部隊を率いるのはあの清蘭大将。玉兎の英雄様ですしねぇ……」

「ああ、月の都の有名人だっけ? 鈴仙から聞いたことある」

「ポストレーセンと呼ばれてた方ですね。今は名実ともに玉兎のトップです。彼女の名声の下に率いられる玉兎は並大抵の組織では勝負にすらならない」

 

 清蘭の異名は『伝説を生きる兎』。

 新兵として参戦した月面戦争時に八雲紫を狙撃するという偉業を成し遂げ、以後も地上の睨みとして重用されているらしい。月軍の標準装備が清蘭の能力を転用した銃剣であるのもその一因だ。

 

 二人が呑気にそんなことを話している間もさとりは興味なく机に視線を落とし、幾つもの状況をシミュレート、最善策を探る。

 少々強引な手を使えば自分だけで月に乗り込むことも可能である。だが不安定になっている幻想郷を放置する訳にもいかず、更には地底も揺れている。近頃地底妖怪に怪しい動きがあるのだ。

 

 自分は動くに動けない。

 となると、どうしても他力本願な運頼みになってしまう。結局、さとりからの行動としてはてゐやドレミーの言う通り、詰みに近いのだ。

 

 一応月にはレミリア率いる侵略部隊が居るが、仮に彼女らが綿月依姫を撃破し、月の都を脅かしたとしても、紫の捕縛を聞かされればどうなるかは目に見えている。

 あの天人崩れはどうなろうが構わないとして、盟友レミリアと博麗の巫女を失うのは拙い。魔理沙、咲夜、妖夢もこんな局面で失うには惜し過ぎる人材。

 一番に優先すべきは月に居る者達の帰還補助か? 

 

 だが悠長にしていては、調子に乗った月勢が紫にどんな余計な事をしでかすか分からない。奴らの狙いは明白であり、幻想郷にそれを容認する余地はない。

 

 さとりは決心したように前を向き、それを見たてゐとドレミーも話をやめて向き直る。

 

「ひとまず私は地上に行く。残された有力者……華扇さんや幽々子さんと今後の方針を話し合わなくては。あと秘神の尻を引っ叩いてきます。てゐは輝夜さんと共に八意永琳の調略を。ドレミーは稀神サグメに計画の中止要請を出して頂戴」

「あらら、もしかしてバレてました?」

「私が何妖怪か忘れたの?」

「上手く隠せてたと思ったんですがね」

 

 幻想郷に降伏した後も秘密裏にサグメと連絡を取り合っていたドレミー。利敵行為であるのは明白だが、事ここに至ってはそれすらも利用しなければ。

 永琳へのアプローチもそうだ。地上の者だけではどうにもならない段階まできている。

 

「ホイホイ地上に出るのは後で問題になりそうだけど、事態が事態だしねぇ。今回はしっかり動くことにするよ」

「是非そうしてください。此度の件を乗り切れば、場合によっては貴女の賢者復帰にも繋がってくるでしょう」

「ノーサンキュー」

 

 

「さとり様ッ!!!」

 

 ひらひらと手を翻しエントランスへ向かおうとした、その時だった。慌ただしい音を立てながらペットの火焔猫燐が駆け込んできた。勢いの余り木製のドアが根元からへし折れ、てゐの真横を残骸となり飛散する。

 いつもなら折檻の時間に入るだろう失態も、今のさとりにはどうでもいい事だった。燐の心が事態の急変を告げていた。顔を顰める。

 

「お空が!」

「謀られた。とことん舐めた真似をしてくれる……!」

 

 数秒後、地底世界に轟音が鳴り響く。

 それは同時に、永きに渡る抑圧への解放の合図でもあった。

 

 

 

 *◆*

 

 

 

「いついかなる時代も地上人とは厄介なものですね。身の程を知り、羨望を以って月を眺めていればいいのに」

「身の程を知るのは貴女。誰の許可を得て、私の月に居を構えているのかしら? 驕り高ぶった原始人どもが」

「月の所有者は月夜見様。月の都を作ったのは八意様よ。貴女は只の泥棒」

 

 暴力を交えた舌戦を繰り広げる二人の月姫。自らを依代とし次々に八百万の神を召喚しては、それを打ち捨て吸血鬼の弱点となる属性での波動を片手間に放つ。残る片手で野太刀を振り回し、纏わりつく妖夢の楼観剣を打ち払った。

 

 会敵して数分も経っていない筈なのに、永劫戦っているのかと錯覚する程の殺し間。戦いについていけない玉兎隊は次々に潰走し、都へ逃げ延びた。

 

 豊かの海は原形を留めておらず、水面が叩き割られ滝となり、海岸線を深い亀裂が蹂躙する。桃の木の悉くが薙ぎ倒され、収穫寸前の果実が地面に張り付き愛宕の火により灰となる。

 レミリアの魔爪や、天子の地盤破壊によるものもそうだが、依姫の迎撃も度を越して激しいものだった。かつての月面戦争でもここまでの規模で迎え撃ったことはなかった。

 

 戦闘の趨勢は完全に依姫へと傾いている。

 天子は慢心で先制の一太刀を許してしまい敗北を喫した。緋想の剣ごと斬り払われ、豊かの海に頭から突っ込み沈んでいってしまった。あれでも大した裂傷すらないのだから流石といえば流石なのか。

 レミリアは素早い動きと最善の選択により決定打を許さない。だが勝者の余裕こそ矜持とするあのレミリアにしては闘い方があまりに慎重過ぎる。何かを警戒しているように体術では決して近付かないよう心掛けているようだ。

 代わりに接近戦を敢行するのが妖夢。得意の動体視力で逐一レミリアの動きを把握し、邪魔にならぬよう、しかし強烈な一閃を何度も依姫に浴びせ掛ける。

 

「ハァァッ! 成仏得脱斬ッッ!」

「「月を傷付けるな!!!」」

 

 妖夢渾身の一振りが月の表面を削ぎ落とし、両陣営から喝が飛ぶ。「い、言ってる場合ですか!?」と情けない声で抗議するが、一方で苦境は終わらない。宙に漂う無色の元素から構成された刀剣が四方八方へと振り下ろされ、妖夢を無限の斬撃地獄へと誘う。

 

 咲夜が居なければ今頃殺害され成仏していたのだろう。地に深々と突き刺さる幾千のそれを見た妖夢の心胆を寒からしめる。

 

「す、すみません。助かりました」

「言ってる場合じゃないわ。お嬢様のサポート役を買って出たのなら情けない戦いは許されないわよ」

「うぅ……」

 

 かく言う咲夜も隙あらば時を止めて突破口を探っているのだが、依姫の身体から立ち昇る雷焔がそれを許さない。まるで咲夜の能力を看破しているかのように対策している。あの焔に一度巻かれてしまえば命は無いという、生物としての直感。

「そもそもナイフが通らないんじゃ意味ないわね」と、刀身に魔力を込める。

 

「時間稼ぎのつもりなのでしょうが、それは貴女達に更なる不利を齎す。降参するか、さっさと仕掛けてくるかした方が良いわよ。これは忠告」

「ふん偉そうに。霊夢、魔理沙! こいつの相手お願いしていいかしら? その間に月の都を焼き払ってくるわ」

 

 これ以上戦闘に参加しても連携が取れないだろうという事で、玉兎隊を適当に追い散らしていた霊夢と魔理沙に応援を呼び掛ける。

 依姫を相手にしていては埒が明かない。ならば彼女を迂回して後方を脅かしてやればいい。レミリアに嫌がらせ以上の意識はないのだが、兵法の常とも言うべき戦略ではある。

 

「貴女達は何も分かっていない。私が本気を出せばこんな戦いすぐにでも終わるのです。そうしないのは、貴女達を殺してしまうと後々が厄介だから」

「穢れ云々って話ね。それで紫も殺せなかったんでしょ?」

「違う。アイツは……って、その名前を軽々しく言うな! 大地が腐る!」

 

 凄まじい言い様である。それとなく紫の情報を聞き出そうとしただけなのにここまで過剰に反応されては流石の霊夢も困ってしまう。

 

「兎に角! あともう少しで貴女達の負けが決定します。それまで大人しくしていた方が賢明よ。これも忠告」

「残念ね。お前の敗北の運命は変えられない。どう足掻いても我が手中から逃れる事はできな──……あ゛っ!?」

 

 素っ頓狂な声に敵味方問わず吃驚した。だが最も衝撃を受けていたのはレミリアだ。目を剥き、信じられないように依姫を見遣る。

 何が起こったのか、レミリアの能力を知る地上の面々は良くない事があったのだろうと察した。例えば少し見ない間に運命が全くの別物に書き変わっていた、とか。

 

 と、依姫の下に一匹の玉兎が駆け寄り、耳打ちで何かを告げる。すると依姫は満足したように頷き兎を下がらせる。そして刀を地に刺した。祇園様の囲いは発動しなかったものの、それは戦闘終了を知らせる合図だった。

 

「貴女達の負けです」

「なんだ急に。そんなこと言われてハイそうですかって……」

「どれだけ奮闘しようが初めから無駄なことだったのです。貴女達がアイツの支配下にある時点で、我々の勝利は揺るぎないものだった」

「だからどういう──」

 

 

「こういう事です」

 

 背後からの声に地上の面々は驚愕し、振り返る。一切の気配を悟らせずこれだけの人数の背後を取ったのだ。脅威に値する。

 

 しかしそれ以上に、彼女達を唖然とさせる光景がそこにあった。

 

「霊夢。戦いを、やめろ」

「紫っ……!? 藍まで……」

「お、おい……何やってんだお前ら!?」

 

 扇子を携えた月人。雰囲気は依姫と真逆だが、顔立ちと服装が非常に似通っている。なんらかの血縁だろう。ふと、魔理沙は依姫には姉がいた事を思いだした。

 そして、そんな彼女の横に力無く倒れ伏していたのは、幻想郷で戦勝を待ち望んでいる筈の八雲紫。そして膝をつき項垂れる八雲藍の二人。

 俄には信じ難い光景だった。

 

「もはや貴女達に万に一つも勝ち目はない。武器を置いて敵意のないことを示せば順次地上にお戻しします。ここで散るのは本意ではないでしょう」

「ふん」

 

 一番に行動で示したのはレミリア。

 紫の姿を認めると同時にグングニルを放り投げた。それに続き妖夢も楼観剣と、脇差の白楼剣を地面に置く。咲夜も、若干不服げにナイフを落とした。

 

「紫は!? 生きてるの?」

「霊、夢……」

 

 弱々しい、消え入るような声が聞こえた。意識はあるが衰弱しているようだ。ぐったりして此方に視線を向けるのがやっとのようだった。

 ふと身体を見ると妙な紐に手首を縛られており、両腿から血が流れ出していた。逃げないようにと念入りに痛め付けておいたのだろうか。ドレスに空いた銃痕が紫への仕打ちを物語っている。

 

 頭に血が上るのを感じた。

 袖からスペルカードを取り出し『夢想天生』の準備に入る。綿月姉妹だろうが月の軍勢だろうが関係ない。この局面を打開する力を見せ付けてやる。

 だがその激情は紫によって遮られる。

 

「霊夢。貴女は、幻想郷に帰りなさい」

「ッ……私に命令するな! アンタが動けなくても関係ない! 助けてやるからじっとしてて!」

「言う事を聞いて……霊夢。大丈夫だから」

 

 即断即決を是とする霊夢に迷いが生じた。数日前、数ヶ月前の紫とのやりとりが脳裏をよぎる。勝敗は考える余地もない。霊夢と紫の関係がどれだけ拗れようが、目の前で甚振られているのを見過ごす程やさぐれてはいない。

 

(絶対に許せない。やってやる)

 

 紫に何かする暇を与えないまま、姉妹をどちらとも屠る。そうすれば万事解決だ。

 決意を固め、いざスペルを詠唱せんと口を開く。

 

 しかし、すんでのところで『夢想天生』は中止された。レミリアがスペルカードを奪い取っていたのだ。想定外の横槍に霊夢も対応できなかった。

 

「その運命はダメよ霊夢。勝ち筋はそれじゃない」

「日和ってる奴はすっこんでればいい。これは私の戦いよ」

「その戦いが無為な結果に終わる事を知っておきながら止めない訳にはいかないわね。それが任された者の役目……いや、それ以前に友人としての務めよ」

 

「霊夢、今は抑えろ。どう足掻いてもこの状況は私らが断然不利だぜ。紫を信じて機会を待とう。最悪お前が無事ならなんとかなる」

「……」

 

 言われずとも分かっている。

 自分達5人を相手にしても苦せず対応してみせた依姫に、あの紫と藍を無力化してしまった豊姫。この二人を同時に、彼女らのホームグラウンドで、八雲主従を人質に取られた状態で。決して楽ではない。

 

 幸いにして此方が武装解除、即撤退に応じるなら紫を除いて全員が幻想郷に戻る事ができる。これ以上事態をややこしくしたくない綿月姉妹による配慮だろう。

 分かっている。理に適っている。

 でも、一時でも紫を見捨てる選択肢を選びたくなんかなかった。

 

 ……。

 

 ………………。

 

 

「分かったわ。戦いをやめる」

 

 重苦しい沈黙の中、静かに目を伏せた霊夢は戦いの放棄を宣言した。敵味方問わず、これでホッと一息──と思われたのだが。

 弛緩した空気を引き裂くように、霊夢が奪われていたスペルカードを取り返す。「あらら」と、レミリアはわざとらしく笑った。

 そしてスペルを発動。全てを透き通し、原初の始まりとなった根源の色素。白や黒に最も近く、赤や紫に最も遠い色への変貌を遂げる。

 

「その代わり、紫が解放されるまで私は月に残り続ける。もしこれ以上紫に何かするっていうなら、とことん相手になってやる」

「……!」

「これが貴女の能力、ですか」

 

 無敵モードに突入した霊夢なら相手がどんなに強くても数日間は継戦が可能になる。つまり、綿月姉妹のリソースを霊夢一人に割かなくてはならなくなる。

 これが意味するのは月の都の破滅である。

 敵は霊夢やレミリア、紫だけではない。更に差し迫った脅威が『静かの海』から徐々に押し寄せてきているのだ。穢れを纏った()()()()()()が。

 

 素直に感心した。その手で来られると自分達はその案に乗らざるを得なくなる。

 一方で霊夢にそんな高度な読み合いがあったとは言い難いのだが、綿月姉妹が自らの提案に乗ってくるであろう事はなんとなく分かっていた。

 豊姫は妹に目配せする。

 仕置きは全て依姫に任せると伝えたのだ。

 

「分かりました。この妖怪の身柄を拘束する数日間、貴女の月の都滞在を認めます。実はこの妖怪とは別件で貴女にも用がありましたし。──但しそれ以外のメンバーについては認めない。今すぐ地上へと帰ってもらう」

「待て……! それなら私もッ」

「藍、ここは私に任せて。アンタは早く幻想郷に帰って、紫を取り戻す段取りでも考えてなさい。その自慢の頭脳でね」

 

 宙に浮いた霊夢を止める術はなく、側に立つ豊姫を横目に藍へと耳打ちする。

 

 先ほどとは一転して、今度は霊夢が諭す側に回った。霊夢は自らの天賦の才と相談しながら彼女なりに最善の道を模索している。煮え繰り返るほどの激情が、逆に冷静さを齎したのだ。

 それに……。

 

「嫌な予感がするわ。この一件、これだけじゃ終わらないような気がする」

「……どういう事だ?」

「幻想郷を空けるのは拙いって意味よ。多分その時求められるのは私じゃなくて、アンタの力。たまには紫を私に任せて……幻想郷のこと、お願いね」

 

 普通、霊夢はそんなことを決して言わない。例え親友の魔理沙に対してでも「幻想郷を任せる」なんて口が裂けても言う筈ないのだ。博麗の巫女に忠実である霊夢だからこその意地など、色々理由はあるだろう。

 仮にも幻想郷の事を任せられるのは、後にも先にも恐らく藍だけだ。藍は霊夢にとって幼少の頃から姉代わりのような存在であり、実力は十二分に認めている。それ故の信頼だった。

 

 そんな事を言われては藍は何も言えない。ただただ自らの無力さを痛感し、悔し涙を流すだけだった。

 

「悪いわね魔理沙。少し帰りが遅くなりそうよ」

「いや構わないぜ。幻想郷は私に任せろ」

「神社の留守番だけやっててくれればいいわ」

 

 ぶっきらぼうな言い方だが、魔理沙への配慮故である。無理はするなと。

 レミリアは良いとして、同じく咲夜と妖夢にも視線を向ける。二人に思うところは何もない。強いて言うなら、幽々子を悲しませないで欲しいという妖夢の願いくらいか。言われるまでもない。

 

 

 豊姫の能力で仲間達が地上へ送り届けられたのを見送った後、連行される紫に随伴する。手を出せばすぐにでも反撃すると陰陽玉を依姫に見せつけながら。

 紫は終始ぐったりしていて意識も飛び飛びになっている。時折霊夢に対して悲しげな色を見せていたが、全て無視した。ある種の意趣返しとも言えなくない。

 

 酷いエゴだ。幻想郷を巻き込んだ仕返し。

 

 これを機に大いに反省すればいい。

 言葉を尽くしても分かってもらえないなら、こうするのが一番だ。自分に対しての認識を改めて貰うにはいい機会。ここらで色々とハッキリさせてやろう。

 

 

 

 なお数時間後、存在を忘れられていた天子が浜辺に打ち上げられ、自力で都に辿り着いて迎撃を受ける羽目になるのはまた別の話である。

 

 

 

 *◆*

 

 

 

「へぇー……そんな事になってたんですね」

「大掛かりな準備を進めてた割には呆気ない終わりだったな。不完全燃焼とはこの事だ。それと妖夢は怖い顔すんなって」

「むぅ……」

 

 巫女のいない博麗神社は暫く魔理沙が預かる事になったのだが、魔法使いの彼女に巫女の仕事など務まる筈もなく、神社はものの数日で荒れ放題である。

 それを見かねた早苗やあうん、華扇により辛うじて維持が間に合っているような状態だ。もっとも華扇は事後処理に追われているようで中々来れなかったが。

 

 そして今日はいつものように手伝いに来た早苗と、ちょうど顕界に降りてきていた妖夢とちゃぶ台を囲んで第二次月面戦争を振り返っていた。

 

 魔理沙からすればちょっとした笑い話だが、妖夢にとっては冗談にならない出来事だった。紫が拉致られてしまった事で幽々子が独自に月行きの準備を始めてしまったのもそうだし、自分の剣術が依姫に通じなかったのも然り。

 思い詰めたように顔を伏せる。

 

 一方、今回関わりのなかった早苗だが、敬愛する師匠が拉致られたのは一大事である。しかも麓では未だに月の大軍勢が展開されており予断を許さない状況。幻想郷の住民である以上、否応無しに巻き込まれている。

 山の中でようやく地位を得てきた神奈子も毎日忙しそうにしているものだ。

 

「ウサ耳の付いた方々を見るのは非常に眼福ですが、装備があまりに物々しいんですよねぇ。天狗の皆様もピリピリしてますし」

「どうなるかは上が判断する事だ。私ら一般人はどう落とし所をつけるのか皆目見当が付かないからな。なるようにはなるだろうが」

「お師匠様は無事でしょうか……」

「それは正直分からん」

「鈴仙さんは『大衆の前で処刑するんだろう』って言ってました。野蛮です」

「穢れを嫌ってるとか言ってなかったか?」

 

 一般的な知識しか持っていない魔理沙でも月と紫の確執は知っている。何百年、何千年に渡って争い続けてきた謂わば不倶戴天の仲である。

 そんな因縁を踏まえれば紫がどんな目に遭わされようとしているのか、考えただけでも恐ろしくなる話だ。今は霊夢が側に控えているので下手な事はしないだろうが、それも時間の問題だろう。

 

「なんにせよ、また月には行かなきゃいけないだろうな。紫も霊夢も、幻想郷には不可欠だ。それに今度は面倒臭がり屋どもが乗り気だ」

「幽々子様ったら相当張り切ってますよ。伊吹萃香も単身乗り込もうとしてるみたいですし、月面戦争の再来ですか」

「随分と早い第三次だ」

「どこの世界でも戦争は無くならないんですねぇ。世の無常です」

 

 さも嘆かわしいといった様子で茶を啜る早苗。魔理沙も妖夢も、それには全面的な同意を示すのだった。ただそれはそれとして早苗だってロケットなり空中飛行で月を目指す計画を神奈子には秘密で立てている。リベンジの機会を窺っている第二次参加組も然り。

 人妖問わず、幻想郷の実力者達は月へと強烈に注目している。間違いなく第三次月面戦争はそう遠くない。と、天狗が新聞で煽っていた。

 

 

 

 

「っと、地震か?」

「揺れてますね。天子さんが暴れてた時以来でしょうか」

「どっかの馬鹿が暴れてるのかもな」

 

「凄く落ち着いている……!」

 

 幻想郷と地震はセットである。自然的なものから人為的なものまで様々で、一種の風物詩と言えなくもない。つまりそこまで珍しくないのだ。今日もまた幻想郷について一つ詳しくなった早苗であった。

 

 だが、魔理沙と妖夢がその違和感に気付いたのは地鳴りが始まって10数秒が経った頃だ。揺れのあまりの長さに首を傾げる。

 それに一定の強さで小刻みに揺れ続けている。猛者が対峙しているにしてはエネルギーが弱い。

 

「こりゃ地震じゃないな。どれ!」

 

 箒を杖代わりにして立ち上がり、鳥居より高く飛んでみる。博麗神社の標高は中々のもので、少し飛べば幻想郷が一望できるのだ。

 妖夢が、そしてふらふらしながら早苗が続く。

 

 原因は明白だった。

 妖怪の山の麓あたりから凄まじい水量が立ち昇っている。あの辺りは確か月の軍勢が駐屯しているマヨヒガからさらに外れた場所だったか。旧地獄への入り口があったと記憶している。

 

「うわぁ凄いですねっ! とっても大きな噴水みたい! 間欠泉でしょうか?」

「なんだそれ」

「火山のエネルギーによって一定間隔でガスや温泉が噴き出すんですよ。そういえばあの山は活火山でしたね。しかしあの規模の間欠泉だととんでもない事が起きそうです。イエローストーンの比じゃありません」

 

 早苗は理系女子である。

 

「とんでもない事? どんな事だよ」

「大噴火の予兆……とか。あの規模の山が噴火するとなると、幻想郷丸ごと吹き飛んじゃうかもしれないですね!」

「ふむ……斬りますか」

「私の神社(おうち)があるので勘弁してください」

「斬った拍子にドカンといかれても困るからな。ここは私の出番って訳だ」

 

 ふわりと宙で一回転。箒の柄が異変の予感を指し示す。というより、魔理沙には確信めいたものがあった。異変解決屋の勘というやつだろうか。

 久しく感じていなかった高揚感が身体を満たしている。心地よい感覚だ。

 

 やる気満々な魔理沙を2人は心配そうに見遣る。足の動かない状態で異変解決など無謀もいいところだ。それでも魔理沙の顔を見ると止めるに止められない。

 

「神社を頼んだぜ」

 

 

 

 

 

 玉兎隊の威嚇射撃を掻い潜り、天狗の警告を自慢のスピードで振り切った。

 一直線に穴蔵へと飛び込み、先の見えない地底を目指す。日光の届かない暗闇の支配する風穴は、突入時の一瞬だけ冷気を魔理沙に浴びせかけた。

 だがそれから先は熱波の充満する灼熱地獄だった。まるで反射炉の中を飛行しているような感覚に陥るほどの暑さ。適応魔法が無ければまともに呼吸すらできない。

 

「やっぱり只事じゃないな! どこの誰だか知らんが、紫や霊夢が居ないからって調子に乗った事、後悔させてやる! 幻想郷に霧雨魔理沙在りってな!」

 

 反射炉という喩えはやはり正しかった。意気込みのつもりで呟いた独り言が何重にも反響して風穴を満たしている。誰かに聞かれていたら切腹ものだと慌てて口を噤んだ。こういうのは誰にも聞かれてないから価値があるのだ。

 

 と、魔理沙の声に混じって直下の暗闇から唸り声が聞こえる。ようやく化け物のお出ましかと、魔理沙はミニ八卦炉を握り締めた。

 地底は凶悪妖怪の溜まり場だと幻想郷縁起には書かれていた。凶暴な幻想郷の妖怪の中でも、更に凶暴。人の命などどうとも思わない化け物の巣窟。

 

 いざ来たる敵への先制攻撃の準備に入る。

 しかしその『敵』は、魔理沙の想像の斜め上をぶっちぎった。幻想郷はいつだって万人の幻想を嘲笑うのだ。

 

 

 巨船だ。帆を張り海面を走るかの如く岩盤を泳いでいる。

 唸り声に聞こえたのは船体が風穴の壁を削り落としている音だった。凄まじい速度で上を目指している。目的地は地上、幻想郷の空か。

 

 魔理沙がそれを許す道理はない。

 船の正体が何であろうと、得体の知れないものを今の幻想郷に解き放ってたまるものか。

 

「コイツが異変の原因か……!? まあひとまず、此処は通行止めだ! 恋符『ノンディレクショナルレーザー』」

 

 パチュリー直伝の二筋のレーザーが船体を貫くべく、指向性を投げ捨て縦横無尽に襲い掛かる。しかし、それは船尾から放たれた新たなるレーザーに撃ち落とされた。

 

 僅かな接触だったが、その一瞬で魔理沙は『ノンディレクショナルレーザー』を封殺した『それ』の特性、カラクリを見抜いた。

 とんでもない角度で曲がりくねっている為に真正面からの力比べに持ち込めなかったのだ。それでいて神力を混ぜ込んでいるものだから速度、威力も十分。技巧派と言えなくもないが、レーザーとしては邪道である。

 

 魔理沙の迎撃をいなした謎の巨船は、旋回する魔理沙を帆で弾き飛ばし、そのまま上へ上へと突き進む。当然、逃がすものかと追撃に移るが、巨船は風穴を抜けて空へと至ると同時に船尾からレーザーを放つ事で岩盤を破壊し、風穴そのものを崩落へと追い込んだ。

 

 雨のように降り注ぐ礫、岩石が魔理沙の退路を奪っていく。

 

「チッ、恋符『マスタースパ──』……いや駄目か。ここから撃ったら山が吹っ飛んじまう。この攻防は奴らが上手だったな」

 

 ICBMを躊躇いなしにぶちかましていたあの頃(紅霧異変)とは状況が少々異なる。よって魔理沙は少々自重することにした。変に山を刺激して早苗の言う大爆発を起こされても困る。

 そもそも天狗に喧嘩を売るのはいつでもできるし、何より船が風穴から出た後も熱波は収まっていない。地底世界に乾きをもたらすだけだ。

 

 迷いは停滞を呼び込む。

 止まってしまえば自分に先はない。

 

 魔理沙は降り注ぐ岩盤、構築される謎の力に背を向け、改めて暗闇を目指す。恐らく地上に出る機会は暫く巡ってこない。それでも底を目指す。

 目下の危険は真下にあると判断した。

 

 確かにあの船が何なのかは気になるが脅威としては、少なくとも現時点では、地底の方が遥かに危険だ。それに地上の存在で地底の有事に即座に対応できるのが自分しかいない。

 藍から何もアナウンスがなかったということは、つまりこの選択が正しいのだろう。ならば魔理沙が成さなければならない目標は明白だ。

 

「地底で起きてる異変の早期解決! そんでもってあの変な船の異変も止める!」

 

 霊夢も紫もいないこの状況で、異変解決の実績があるのは魔理沙だけ。その事実が魔理沙に心地の良い緊張感を齎してくれるのだ。

 

 

 

 

 

 

 見送った早苗や妖夢は、魔理沙の安否を気にしつつも、楽観的に異変の推移を見守っていた。危機感などある筈もなかった。

 

 不貞腐れながらお菓子片手に珍妙な異変を眺めるレミリアは、咲夜が居なくなる間の暇潰しを呑気に考えていた。

 

 異変を丸投げして紫救出に全力を注ぐ藍は、発生した異変に目もくれず吐血しながら計画を練り続ける。橙は陰で戦々恐々としていた。

 

 更なる泥沼化を望むマスゴミ一派は、自分達の置かれている状況を棚上げして異変の首謀者を煽る記事を乱発する。はたては目を覆った。

 

 華扇はいい加減自らの引き際を考えていた。幻想郷の運営が面倒臭くなってきたからだ。発生した異変を冷ややかな目で見ていた。

 

 そしてまたしても何も知らない清蘭大将。

 

 紫は、霊夢は、幻想郷に手を出せない。

 

 

 幻想郷にパワーバランスと思想の空白地帯が生まれたのだ。ありとあらゆる勢力を巻き込んだ動乱により、歪みは賢者の手によって解かれた。

 

 

 万物は強欲な者に流れるだけだ。

 どれだけ道理を踏み外そうが、より執念深い方が勝つ。一時の快楽の為だけに身を捧げることのできる狂人にこそ救いが与えられる。

 

 自らの力に胡座をかいたツケが回ってきたのだ。幻想郷はそんなに甘い場所じゃない。さあ存分に思い出せ、此処は修羅場であるぞ。

 

 船が幻想の宙に辿り着いたのが引き金だった。

 濃霧に立ち込めた謀略の嵐が牙を剥く。




???「違うんだよ。混ざっちゃうの♡」

おぜう様、依姫戦に何やら嫌なものを感じていた模様。見事にカッを回避しました! 代わりに天子ちゃんがカッされました(卑遁 囮寄せの術)
依姫の神降しですが、ぶっちゃけ地力が依代に傾き過ぎてるケースが殆どになるので属性だけお借りしてる状態です。要するに八百万のスキルを自分の能力水準のまま駆使できる能力。なろうかな?

清蘭の能力はゆかりん特攻(いつもの一ボス)
何も知らない枠の兎ちゃんなので、実績と内情が伴っているかは……。



幻マジ二つ目の山場になってます(術式開示)
紅〜永
花風〜ここ
ゆかりんのハッピーエンドは近い…?

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