ガンプライブ! ~School Gunpla Project~ 作:Qooオレンジ
そしてお待たせしてしまい申し訳ありませんでした。
それでは、第5話「START:DASH!!」そのはち。始まります。
「あら、おかえり穂乃果。海未ちゃんもことりちゃんもいらっしゃい♪みんなもお団子、食べる?」
ことりにも忠告を残して消えた不思議な女性と、本人に身に覚えの無い穂乃果の字にそっくりな筆跡で“μ's(ミューズ)”と書かれた2枚目の紙。
いくつかの謎を残しながらも“μ's”と言うチーム名が決まった私達ですが、今日の放課後はアミューズメントセンターでガンプラバトルの練習では無く、土曜日の公式戦本番で着用するバトルコスチュームの試着のために穂乃果の家へとやって来ました。
穂乃果の家は代々続く老舗の和菓子屋で、私達の自宅の中では音ノ木坂学院から1番近い場所にあります。
なので、生徒会非公認で部室がまだ無い私達は、学校から1番近い穂乃果の部屋で衣裳の試着をする事にし、朝の段階でことりが作った衣裳を穂乃果の部屋に置いてから登校していました。
穂乃果の家へと到着した私達を出迎えてくれたのは、商品のお団子をつまみ食いしていた穂乃果のお母様でした。
おば様も相変わらずですね…。
そしてこちらも相変わらず美味しそうなお団子です。
今夜も溜まってしまったモノを発散させる為に、ベットの上で激しい運動をしなければいけませんので、カロリー補充の為にも帰りは穂むまんと何かもう一品を買って帰りましょう。
ご存知ですか?激しい運動の後の穂むまんは最高なのですよ!
本当ならば穂むまんと一緒に穂乃果もお持ち帰りしたいのですが…。
以前、ことりがおば様に穂乃果は売り物ではないのかと聞いてみた所、残念ながら穂乃果は非売品だそうです。
非常に残念ですね。
ここはやはり穂乃果型等身大抱き枕の作製を急がねば…。
「あー!おかーさん!またお店のおかしつまみ食いしてるー!おとーさんが一生懸命に作ったしょーひんなんだから勝手に食べちゃダメだよ!」
「これくらいいいじゃない。あなたも食べる?美味しいわよ?お父さんの作ったお団子♪」
「美味しーのはしってるけど、お団子あきたー!」
「和菓子屋の娘のクセにホントしょうがない子ね…あら?あらら?そっちの男の子は始めましてね?」
そう言えば鳴神君は穂乃果の家に来るのは初めてでしたね。
仲良くなって一緒に行動する様になってからまだ4日程ですが、何故かもうずっと昔から一緒に居た様に私達に馴染んでますね。
「はい。始めまして。高坂さんのクラスメイトで鳴神 青空と言います。ご商売の最中にお邪魔してしまい申し訳ありません。」
はい?な、なんですか?この物体は?
聞き慣れた乱暴な物言いとはかけ離れた妙に丁寧な物腰…見慣れた苦笑いとは程遠い爽やかな微笑み…よく見れば普段は着崩している音ノ木坂の制服も、いつの間にかしっかりとネクタイを絞めて、中のシャツのボタンも全部絞めてきっちりと着こなしています…。何時ものチンピラな鳴神君は何処に行ったのですか?!
こんなにも“優等生”な鳴神君なんて!き、気味が悪いです!
「あらあら♪ご丁寧にどーも♪そこのアホ…じゃなくて穂乃果の母でございます♪うふふ♪穂乃果がうちに男の子を連れてくるなんて初めてだわぁ!しかもこんなにイケメンで爽やかな子よ!穂乃果!逃がしちゃダメよ!この子は絶対に逃がしちゃダメ!あんた!高校生にもなってまだ処女なんてダメよ!この子とさっさと子作りしちゃいなさい!なんなら今からでも良いわよ!お母さん、お店閉めてあんたの子作り終わるまでどっかでお茶してくるから!ほらほら!ことりちゃんと海未ちゃんも一緒にヤっちゃいなさいな!三人ならなんーにも怖くないわよ!それと三人ともわかってるわね?子作りが目的なんだからゴムなんて着けちゃダメよ!ナマでヤりない!ナマで!いい?穂乃果!ナマよ!ナマよ!」
おば様…ナマって…表現が些か下品ですね。
それにしても、私もこの程度では動じなくなってしまいましたね…。
昔の私ならば、顔を真っ赤にして挙動不審に陥っていたでしょうに…。
あぁ…私の心は本当に穢れてしまったのですね…。
「おかーさん、ナマナマうるさいよ!それにいま穂乃果のこと、アホって言わなかった?じゃなくて!子供はいつかは欲しいけど、穂乃果とそら君は“まだ”そんな関係じゃないよ!はずかしいこと言わないでよー!」
穂乃果…貴女は今“まだ”と言いませんでしたか?
貴女“も”鳴神君を狙っていたのですね…。
鳴神君はチンピラな所と破廉恥な所にさえ目をつぶればかなりの優良物件です。
顔も頭も良く運動も得意。サポートAIのマージンでこの年にしては異常な程お金も持っています。
たまに見せる然り気無い優しさが私的には高ポイントです。
不良が雨の日に子犬を拾う様なギャップに女の子は弱いのですよ!
実は音ノ木坂では鳴神君を狙っている子は多いのですよ…。
男性が極端に少なくなった昨今の世の中では、鳴神君は本当に良い獲物です…うふふ…。
男性を射止めるのは狙撃と同じ様なモノです。
冷静に、慎重に、そして大胆に、躊躇わず、一撃で。
私は狙った獲物は絶対に逃がしませんよ?
撃ち堕とした後は私好みにじっくりと、ゆっくりと、たっぷりと…うふふふふふ…。
「おば様もこ~言ってくれてるんだしぃ♪今日は子作りパ~ティ~だね♪」
「えー!今日はことりちゃんの作ってくれたコスチュームの試着だよ!おかーさんも変なこといわないでよー!」
「だそうですよ、ことり。子作りはまた今度にして下さいね。」
「残念ねー。鳴神君!いつでもいいからうちの穂乃果のこと孕ませちゃってね♪」
「はは…高坂さんのお母様はご冗談がお上手なんですね。高坂さんはとても魅力的な女性なので、そんな事を言われてら本気になってしまいますよ。」
鳴神君。おば様のコレは恐らくは冗談では無いと思いますよ?
あの目は鳴神君、貴方を本気で穂むらの跡取り息子に狙っている目ですよ?
「あらあら♪良かったわね!穂乃果!脈アリよ!あんたはアホだからちゃんと彼氏出来るか心配だったのよねー。ホント早く孫の顔が見たいわ♪」
「もー!またアホって言った!穂乃果はアホじゃないもん!おかーさんは邪魔しないで!そら君もだよ!いつまでそんな気持ち悪い話し方してるの?おかーさんはほっといていーから早く上がって!上がって!穂乃果のお部屋は2階にあるんだよ!」
「高坂さん、すいません。ちょっと耳かして下さい(ゴラァ!アホ乃果ァ!誰が気持ち悪いじゃ!泣かすぞボケェ!)。それではお邪魔させていただきます。」
「ふぇぇぇ…そ、そら君はやっぱりそら君だったよ…。」
そりゃそうですよ。人なんてそうそう変わりはしません。
「みんなー!後でお菓子とジュース持っていくわねー!」
「はーい!ここが穂乃果のお部屋だよー!そら君、どーかな?けっこーキレイにしてるでしょ?」
階段を登り2階に上がった私達は、慣れ親しんだ穂乃果のお部屋にお邪魔しました。
穂乃果は何処か得意気に鳴神君に自分のお部屋を自慢しています。
「なんか意外だな…穂乃果の事だから片付けなんてしてねぇと思ってたよ。お?本棚はマンガばっかりじゃねぇか。はは!やっぱりここら辺は穂乃果なんだな。」
鳴神君はしゃべり方が元に戻りましたね。
やはりこちらの鳴神君の方が鳴神君らしくて良いですね。
「えっへん!穂乃果えらいでしょ!ちゃんとお片付けできるんだよ!穂乃果はやればできる子なんだよ!」
「やればできる子って、高校生にもなってテメェの部屋の片付けをテメェですんのは当たり前だろーが。でも、ま。偉いぞ、穂乃果。ほれほれ。」
そんな事を言いながら、鳴神君は少し乱暴な手付きで穂乃果の頭をわしゃわしゃと撫で回してます。
あの撫で方はなんだか犬を撫でている様な撫で方ですね。
「エヘヘ…♪」
あの嬉しそうな穂乃果の表情……少し…羨ましいです…。
「ことりはソラ君ならすぐにタンスの中を漁って、下着チェックとかすると思ってけどしないんだね?それがとっても意外だなぁ。」
「ことりさん?流石に俺でも初めて入った他人の部屋のタンスなんか漁りはしねぇーよ?ってか他人の部屋に入ってすぐにタンスを漁るってどこの某国民的竜を倒すゲームの勇者だよ!穂乃果のタンスの中には薬草でも入ってんのかよ!」
某国民的竜を倒すゲーム?なんですか、それは?
そもそも勇者と呼ばれる人物ならば他人の部屋のタンスなど漁らないのではないでしょうか?
そのゲームの勇者は本当に勇者なんですか?
「あのゲームも最近は竜なんて関係なくなってきたよね~。穂乃果ちゃんのタンスに薬草はないけどぱんつならあるんじゃないかな?でもあの勇者さんってよく他人のお部屋のタンスに入ってたステテコパンツなんて持ち出すよね?変態さんなのかな?」
「私はことりや鳴神君も十分に変態だと思いますよ?」
「俺が特別に変態なんじゃねぇよ!男はみんな変態なんだ!ことりさんは…諦めよう…。」
「ホノカはそこはあきらめちゃダメな気がするな?」
穂乃果がツッコミを入れるなんて珍しい事もあるものです。
ちなみに私も鳴神君同様に、ことりに関しては色々と諦めてます。
いまさらですよ、いまさら。
「ステテコパンツって言えばあのゲームって使用後の下着系の防具も売れるよな?アレってさ、大昔に流行ったって言う“ブルセラ”ってヤツじゃねぇのか?俺も噂でしか聞いたことねぇんだけど…。」
ブルセラ?なんでしょうかそれは?
先程の某国民的竜を倒すゲームもですが、私の知らない単語が次々に出てきますよ…。
ブルセラ……新しいガンプラでしょうか?
「はーい!ブルセラってなんですかー?穂乃果わかんない?」
「ブルセラなんて普通は知らないよね~。あのね?穂乃果ちゃん。ブルセラってね、ブルマとセーラー服のことで合わせてブルセラなんだよ。大昔に作られた造語なんだ~。でも鳴神君の言ってるブルセラって、たぶん使用済みの下着とかをえっちなお店で売り買いするヤツだよね?そ~ゆ~お店はブルセラショップって言うんだよ♪」
普通は知らないはずの事をことりはなんで知ってるのでしょうか?
相変わらずことりはよくわからない知識に詳しいですね。
しかし使用済みの下着なんて欲しがる人がいるのですか?
ましてやそれが売り買いされるなんて…。
信じられない話ですね。
「ことりちゃん?使ったあとのぱんつなんて売れるの?」
「売れるんだよ~♪ことりも穂乃果ちゃんと海未ちゃんの使用済みの下着ならお金出してでも欲しいもん♪海未ちゃんはちゃ~んとえっちなシミの付いた下着を売ってね♪」
「園田さんのエッチなシミ付きパンツだと!それなら俺も買うぞ!金ならある!売ってくれ!園田さん!」
「そんなモノはありません!たとえあっても売りません!」
ちゃんと自慰をするときには下着は脱いでいます!
シミが付く事などありません!
もっとも、今履いてる下着はもしかするといけないシミが付いてしまっているかもしれませんが…。
「穂乃果ね!欲しいガンプラあるんだ!ことりちゃん!穂乃果のぱんつ買ってー!」
「は~い♪まいどありぃ~♪♪♪じゃあ穂乃果ちゃん♪おぱんつぬぎぬぎしましょ~ね♪」
「穂乃果の脱ぎたてパンツか…それはそれで…。」
「この変態ども!穂乃果!貴方もおやめなさい!」
「えー!パンツがお金になるんだよー!し○むらで安いヤツ買って来て、はいてぬいでことりちゃんとそら君に売れば欲しいモノいっぱい買えるんだよ!」
「えっちなシミ付きなら倍のお値段で買い取り中で~す♪」
「エッチなシミ?ナニ?ソレ?」
「穂乃果ちゃんにはちょっとはやかったかなぁ?う~ん?それじゃあ、ことりがお手伝いしてあげるから、一緒にえっちなシミ付きぱんつ作ろ~ね♪」
「ことり!いい加減にしなさい!貴女は私の心を穢しただけでは飽きたらず!穂乃果まで穢すつもりですか?!お願いです!穂乃果まで穢さないで下さい!貴女がこれ以上、穂乃果を穢そうとするならば……私は…私は…。」
「するならばぁ?」
「貴女を殺して私も死にます!ついでに鳴神君も道連れです!」
「はぁ!ちょっ!なんで俺も道連れ?!」
「変態だからです!大体!二人とも使用済みの下着など何に使うのですか!」
予想は着いています…どうせオナ…
「「オ○ニーのおかずに!」」
「やっぱりですか!もう生かしては置けません!殺します!ご覚悟を!」
「や~ん♪ことりはまだ死にたくないよ~♪ねぇ?海未ちゃ~ん♪ちょっとお話しよ~か?(うふふ♪海未ちゃんだってやってるでしょ?お○に~♪ことり、知ってるよ?中学の頃はおさるさんみたいに毎日ヤってたよね~♪い~のかな♪ソラ君におしえちゃうよぉ♪♪)」
「なっ!」
ことりが小声でとんでもない事を言ってきましたよ!
なんでことりが私の秘密を知ってるのですか!
まさか!私の部屋がことりに盗聴や盗撮されてるのですか?!
いえ!今はそれ所ではありません!
もし鳴神君に私の秘密を知られたら…き、嫌われてしまいます!
「くっ!卑怯な…その秘密だけは鳴神君に知られる訳にはいきません…分かりました…今回だけは見逃してあげましょう。」
「海未ちゃんは心配しすぎだよ?ことりはソラ君が海未ちゃんのひみつ知ってもよろこぶだけだと思うんだけど?」
それはそれで困るんですよ!
「ねー!そんなことよりもことりちゃんはけっきょく穂乃果のぱんつは買ってくれないのー?」
「穂乃果ちゃん、ごめんね?海未ちゃんがダメだって~。ことりもまだ死にたくないから今回はあきらめてね?」
「えー!ガンプラ欲しかったのにー!そうだ!そら君!せきにん取って穂乃果にガンプラ買ってよ!」
「なんで俺なんだよ…。まぁガンプラくらいなら別にイイけど…。なら、今度の公式戦で頑張ったら1つ買ってやるよ。ただしHGだぞ?」
「それじゃ~ことりはデンドロビウムが欲しぃなぁ~♪」
「なら私はネオ・ジオングで。完成したら床の間に飾ります。」
「穂乃果はミーティアが欲しい!いつか改造して穂乃果のストライクにつけるんだ!」
「またこのパターンかよ!穂乃果だけじゃねぇのかよ!しかも園田さんもことりさんも確かにHGだけど、どっちも高けぇんだよ!金はあるからイイけど少しは遠慮はねぇのか!」
「よぉーし!ことりちゃん!海未ちゃん!公式戦がんばるぞー!」
「「「おー!」」」
「おー!じゃねぇーよ!なんでお前らはそんな時だけ妙に団結すんだよ!」
鳴神君。それは何だかんだ言っても私達が仲の良い幼馴染みだからですよ♪
「じゃ~ん♪そ~ゆ~わけでこれが今回のバトルコスチュームで~す♪」
何時ものやり取りが終えた私達にことりは取り出した衣裳を見せてくれました。
ことりが取り出した衣裳は確かに昨日の放課後に見せて貰った写真データと同じ物でした。
「ことりちゃんがきのう見せてくれた写真とおんなじだ!すごーい!ホントに穂乃果がコレ着てい~の?」
「もちろん!このコスチュームは穂乃果ちゃんと海未ちゃんのために一生懸命ひとりえっち我慢して作ったんだよ♪着てくれなきゃ、ことりは泣いちゃうよぉ~。」
そこはひとりえっちを我慢とか言わなければ感動的なんですが…。
たった数日でここまで仕上げてしまうのです。ことりが一生懸命に作ったと言うのは間違いないでしょうね。
「結局、スカートの丈は短いままなのですね…。あら?でもこれは確かに多少激しく動いても捲れたりしない様になっているのですね。」
ことりは最近はめっきり黒くて変態なのですが、服飾に関しては流石です。
この衣裳も本物のアイドルが着てもおかしくはない完成度です。
「俺としてはもっと短く!それこそパンツ丸見えな位に短いスカートでもオッケーなんだけど!出来ればノーパンで!」
「リクエストにお応えして破廉恥な衣裳でも構いませんよ?もちろんその後で鳴神君の大切なモノを根元からもぎますがよろしいですか?」
「うへぇ…。園田さん…お願いだからもぐのは勘弁してくれ…。」
「なら最初から言わないで下さい。こうなる事は目に見えていたでしょうに。貴方も本当に懲りない人ですね。」
「へいへい。懲りないバカ野郎でどーもすいませんねー。」
もう!このおバカはまた返事を二回繰り返して!
鳴神君は穂乃果の様に頭の容量が少ない訳ではないので、一度言えば分かりそうなのですが…。
「鳴神君!はい。は一回です!何度言えば分かるのですか?」
「へーい。」
「ねぇそら君?なんか嬉しそうだね?叱られてるのになんで?穂乃果は叱られるのヤダだなー。」
「ん?嬉しそう?……あー、うん。そうだな…たぶん俺は園田さんに叱られて嬉しいんだろーな…。」
「ソラ君…叱られて嬉しいなんてマゾだったんだね……だからアレだけことりがゆ~わくしてもダメだったんだ…。そっか…責めなきゃダメだったんだね!うん♪次からはサディスティックにいくね!ことりは責めるのも得意だからまかせてね♪」
「マゾじゃねぇーよ!任せたくねぇーよ!そう言うじゃなくてさ、なんて言えばいいかなぁ……叱られるって事はさ、叱ってくれる相手が俺の事をちゃんと思ってくれてる、って事だろ?どーでもいいヤツになんて叱らねぇだろ?だからさ、ダメな事をしてちゃんと叱ってくれるのって、俺はなんだかスゲェ嬉しいんだよ。ガキの頃は誰も叱ってなんてくれなかったからさ。」
……誰も叱ってくれなかった…。
それは子供の頃は“誰も思ってくれなかった”と言う事なんですね。
そうですね…確かに私もどうでも良い相手には何も言いません。
この先も一緒に居るために、相手にいけない所を治して欲しいから、だから叱る。
叱ると言う事は相手が大切な人だから…。
「そっか……穂乃果は…うん…。あのとき…おかーさんもおとーさんも叱ってくれたな…。穂乃果のこと…思ってくれてたんだ…。」
「そんなワケで園田さん!もっと叱ってくれ!エロいミニスカポリスのコスプレで!逮捕してエロいお叱りを!」
………この変態に同情したのが間違いでした…。
叱られるのがお好きなら存分に叱ってあげましょう!
ですがただ叱るだけではこの変態には意味がありませんね。
そうですね……ならばここはひとつことりの真似をして少し懲らしめてあげしょうか?
「良いですよ。特別に鳴神君の事を破廉恥な…いえ、卑猥なミニスカポリスの衣裳を着て逮捕してあげます。鳴神君が好きそうな網タイツも履いてあげますよ。」
「え?マジっすか!」
ふふ。引っ掛かりましたね?
ではことりの様に“おしおき”を始めましょう。
私の中の狂気を解き放って……。
「はい♪マジですよ♪……………ただし。逮捕したらもう二度と他の女性に反応しない様に調教してあげますね。私だけを見て、私だけを思って、私だけに反応する様に徹底的に躾てあげます。それでもまだ貴方の下半身が性懲りも無く他の女性に反応する様ならば、仕方ありません。貴方が欲情した相手をこの世から消してしまいましょう。鳴神君?穂乃果を見て下さい。どうですか?可愛いでしょ?ことりを見て下さい。可愛いでしょ?あはは!ほら!貴方は二人を可愛い思ってしまいましたね!私以外を!残念です!とても残念です!大切な幼馴染みの二人を消さなければいけないのはとても残念です!でも仕方ないですよね?だって貴方は私を見てくれないから!私だけを見てくれないから!ねぇ鳴神君!貴方が私だけを見てくれるまで、私は一体何人の女性を行方不明にすれば良いのでしょうか?一人?十人?百人?千人?まだ足りないのしょうか?大変ですね。そんなに大勢の女性を摘み取ったならば手が真っ赤になってしまいますよ。私と鳴神君のシアワセの邪魔をするイケナイ女性達の穢らわしい体液で私が真っ赤になったら、身体の汚れが落ちるまで、貴方が私だけを見ていたくなる程に綺麗になるまで、責任を持って貴方が洗ってくれますか?うふふ洗ってくれますかなんて本当にたはしたないですね、私は。ですが構いませんよ。洗ってくれてる途中で少しくらいは私の身体を好きに貪っても…。それでもきっとまだ貴方は私だけを見てくれない…。ねぇ…答えて下さい…鳴神君?私は何人の罪も無い女性達をこの手で摘み取れば良いのですか?あぁ…鳴神君は変態なので冷たく動かなくなった女性でも美しければ欲情してしまうのでしょうか?貴方は救いの無い変態ですね!そんな貴方を愛してあげれるのは私だけですよ!ほら!鳴神君?いらっしゃい?私がこの世の全ての美しいモノを醜く変えてあげます!そうしたならばこの世で一番美しいのは私ですよ!私以外はぜーんぶ醜くい世界!私と貴方の素敵な世界!そんな素晴らしい世界ならば貴方は私だけを見てくれますか?ならば世界の全てを醜くく変えてみせましょう!だからお願いです…鳴神君…。私だけを!私だけを見て下さい!あぁ!待って下さい!どうして私から離れようとするのですか?どうして後ずさるのですか?逃げ様とするのですか?どうして貴方は私から逃げれると思っているのですか?もう、本当におバカさんですね。逃げなくても良いのですよ?そんなに逃げ様とするなんて酷いです…。あぁそうです!貴方が私から逃げたいのならば、逃げられない様にすれば良いですね…。縄で縛り付けましょうか?鎖で繋ぎましょうか?ダメですね。物理的な拘束では貴方はすぐに振りほどいてまた私から逃げてしまいます。ねぇ鳴神君?私から逃げ様としているその“足”。切り取りませんか?必要ですか?そんなイケナイ“足”は?貴方の“目”は?私だけを見て貰うには必要です。だから残します。貴方の“口”は?私への愛を囁いて貰うには必要です。だから残します。貴方の“耳”は?私の愛の言葉を、私が貴方の為に滅ぼす全ての美しいモノ達の悲鳴を聞いて貰うには必要です。だから残します。貴方の“手”は?私を撫でて貰うには必要です。だから残します。貴方のだらしなくぶら下がっている“男性の象徴”はは?私以外に欲情したら罰を与える為に必要です。だから残します。貴方の“舌”は?私の身体をいやらしく舐めて貰うには必要です。だから残します。貴方の“鼻”は?私の匂いを覚えて貰うには必要です。だから残します。さてここで問題です?私から逃げ様としている貴方の“足”は?私には必要でしょうか?必要では無いでしょうか?答えは?決まっていますね?そんなイケナイ“足”は私にはいりません。ほら?切り取っても良いではないですか。何で切り取りますか?我が家には先祖代々受け継がれている綺麗な太刀があるのですがいかがでしょうか?あの太刀ならばきっと貴方の足を綺麗に切り取ってあげられます。それてもノコギリで少しずつ切り取ってあげましょうか?傷口がぐずぐずになってとても痛いのでしょうね。こんなに貴方の事を愛している私から逃げ出そうとした罰なのですから、その方が良いですね。嫌ですか?ならばこちらにいらっしゃい。怖くありませんよ?貴方が私だけを見てくれるならば、私は貴方に酷い事などする必要はないのですから。私が。全身全霊で貴方を愛してあげますよ!あははははははははははははははは!」
「ことりさんより怖ぇぇぇぇぇ!お願い!もう許してぇぇぇぇぇ!」
うふふ♪こんなに震えて土下座までして…。
あぁ…そんな貴方を見てるたけで私はゾクゾクしてしまいます。
慣れない事をしたので少し疲れましたが、こんな快感を得られのならば、たまには“おしおき”も良いかもしれませんね。
「…………うふふ。安心して下さい。もちろん冗談ですよ?でも、あまり“おいた”ばかり繰り返す様ならば……ね?分かりましたか、鳴神君?」
「はいぃぃぃぃぃぃぃぃ!ホントすいませんでしたぁぁぁぁぁぁ!」
「や~ん♪海未ちゃんがと~ってもステキ♪ことり♪おもわずお股が“きゅん”ってなっちゃったぁ♪」
「ビックリしたよー!海未ちゃんがことりちゃんみたくなっちゃったかとおもったよ!」
「二人とも驚かせてごめんなさい。さあ、それではことりが作ってくれた衣裳の試着をしてしまいましょう。」
「「「はーい。」」」
三人とも元気にはーい。と、お返事を………あれ?三人?って!
「な、なるかみぃぃぃ!やっぱり貴方は懲りてないのですね!本当に足をノコギリで切り取りますよ!」
「しまった!つい反射的に返事しちまった!」
「お黙りなさい!その足を切り取られたくなかったら大人しく外で待ってなさい!」
「sir!yes!sir!」
余程、足を切り取られるのが嫌だった様ですね。
凄いスピードで部屋から出ていきましたよ。
もう。本当に仕方ない人ですね。
「さあ。穂乃果、ことり。変態は去りました。今度こそ着替えますよ!」
「「はーい。」」
「鳴神君、お待たせしました。もう入っても良いですよ。」
ことりが用意してくれた淡い青色の衣裳に着替えはしましたが……やはりこの衣裳は私には可愛すぎますね。
一方、私とは違い穂乃果とことりは流石ですね。
この可愛らしい衣裳は二人にとても良く似合っています。
少し淡いピンク色の衣裳を身に纏った穂乃果は、頭が残念な事さえ除けば、文句の付けようのない美少女です。
そして私も穂乃果とは色違いの淡い緑色の衣裳を身に纏ったことりも、最近の暴走癖さえなければ、誰から見ても非の打ち所のない美少女です。
そんな二人にこの可愛らしい衣裳が似合わない筈がありません。
「そんじゃ、失礼しまーす……んな!?」
あら?部屋に入ってきた鳴神君がフリーズしてますよ?
きっと穂乃果とことりの愛らしさに見惚れてるのでしょうね……。
私ではなく、穂乃果とことりの二人を。
鳴神君が、穂乃果やことりが悪い訳ではありません。それでも少しだけ……ほんの少しだけ………可愛い二人に嫉妬しちゃいます…。
「ねー!ねー!そら君!どーかな?穂乃果にこのお洋服、似合うかな?」
穂乃果はスカートは裾を摘まんで一回転しながら、鳴神君へと問い掛けます。
「へ?あ、あぁ…うん。似合ってるよ…。」
当たり前です。穂乃果は可愛いんです。
「やったね♪穂乃果ちゃん♪ねぇ、ソラ君?ことりは♪かわい~かな?」
ことりは胸元で両手を握ら、少し上目使いで鳴神君へと問い掛けます。
「もちろん。ことりさんもめちゃくちゃ似合ってるよ…。」
当たり前です。ことりも可愛いんです。
そう……二人とも、私なんかとは違う。
無愛想で口うるさい私なんかとは……。
私は…二人の様に“似合っていますか?”等とは怖くてとても聞けません…。
だって…私にはこの衣裳は似合わないから…。
「や~ん♪ソラ君ありがと♪ねぇソラ君?それじゃ~海未ちゃんは?海未ちゃんにも言ってあげて?可愛いよって♪似合ってるよって♪海未ちゃん、自分は可愛くないです!自分にはこのコスチュームは似合いません!って、ぜ~ったいに思ってるから。ね?ソラ君♪言ってあげて?海未ちゃんにホントこと♪」
「はぁ!園田さんが可愛くねぇだ?似合ってねぇだ?オイ!園田さん!あんたはナニ言ってんだ!ふざけんなよ!園田さんはスゲェ可愛いよ!確かに、穂乃果もことりさんもスゲェ可愛いし似合ってるよ!でも園田さんだって二人に負けてねぇ!園田さんは可愛いんだよ!似合ってんだよ!」
え?今…なんて…?
「うん!海未ちゃんスッゴい可愛いよ!もー穂乃果ぎゅーってしたくなっちゃうよ!」
「ね?海未ちゃん♪ソラ君だって穂乃果ちゃんだって可愛いって言ってるよ?ことりだって海未ちゃんは可愛いって思うもん♪」
可愛い……?え?誰が?私が…可愛い…?
「あ、あの……本当…ですか?本当に鳴神君は私にもこの衣裳が似合っていると思いますか…?その…か、かわいいと……。」
「おう!俺は嘘も付くし冗談ばかり言うけどさ、これだけは嘘でも冗談でもねぇよ!園田さんは可愛いんだよ!」
「鳴神君…。でも…私は…」
「でもじゃねぇ!もう一回言う!園田さんは可愛いんだよ!その衣裳もスゲェ良く似合ってるんだよ!」
私が…可愛い…?この衣裳も似合っている…?
「あ、ありがとう…ございます…。」
恥ずかしさと嬉しさで真っ赤になっているであろう顔を隠すために、うつむいた私は鳴神君へと“ありがとう”と小さな声で答えるのが精一杯でした…。
初めてガンプラバトルをしたあの日以来、ずっと胸の奥に居座り続けているこの感情を、いい加減に私も認めなければいけないのかもしれません。
穂乃果とことりが私に“可愛い”と言ってくれた事よりも、鳴神君が“可愛い”と言ってくれた事が何よりも嬉しいと思っている自分のこの気持ちに……。
今まで気付かないフリをしていましたが、この気持ちは…この感情は…。
きっと…この想いが………。
意地悪で、破廉恥で、でも優しくで……。
そんな彼が…貴方が…鳴神君が……“青空”が……私は……私は………
私は………きっと………
つづく?
皆様。ご覧いただきましてありがとうございました。
次回こそはもう少し早目に更新したいなぁ…と思いますが、中々忙しく…。
そんな次回は穂乃果ちゃんの妹の雪穂ちゃんが登場します。
彼女とソラとの意外な関係とは?
それでは皆様、本日もご覧いただきまして本当にありがとうございました!
皆様のご意見、ご感想をお待ちしております!