ガンプライブ! ~School Gunpla Project~   作:Qooオレンジ

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皆様。本日もご覧いただきありがとうございます。

グラニ拳を武勲で交換して3凸させた直後に4凸素材のアニマを集めていたらグラニ拳がポロリとドロップして凹んだQooオレンジでございます。
出るならもっと早くでてくれ…。

さて、今回も少し本編はお休みいたしました、ドロイデン様が好評連載中の「ガンプライブ!サンシャイン!!~水の乙女と宇宙を求めるもの~」とのコラボ特別編をお送りいたします。




それでは コラボ特別編「流星との邂逅⑥」 始まります。






















コラボ特別編「流星との邂逅⑥」

[[これ設定したやつ絶対頭おかしいだろ!]]

 

にこちゃんや希さん、そしてスバルの連れの2人の協力もあって、無事?に“デカブツ”の中へと突入した俺達を待ち受けて居たのは、やっぱり中にも居やがった大量の三隻同盟系量産機と、嫁補正のスゴいヤツなストライクフリーダム以下略の三隻同盟関連ガンダムご一行だったんだ。

 

しかもご丁寧にストフリ以下略の三隻同盟系ガンダムはミーティアまで着込んでるとかクソなオマケ付き。

 

イヤ、もうどこの難易度マニアックだよ!ってばかりに大量にわらわらと沸いてやがる量産機の皆さんがクソ面倒この上ねぇーってんだよ。

 

愚痴ってても仕方ねぇーから両手にそれぞれ持たせてあるビームブレードでとにかく斬って斬って斬りまくってはいるけど、外の時と同じようにこれっぽっちも減りやしねぇーでやんの。

 

「同感だ!どこのドイツか知しらねぇーけど!絶対に頭のネジが片っ端から外れまくったキ○ガイだ!キ○ガイ!オマケに性格も捻れまくった巻きグソみてぇーなクソ野郎に違いねぇー!」

 

クソみてぇーな状況に思わずぼやいたスバルの言葉には俺も同感だよ。

 

スバル達の方の運営が設定しやがったのか、こっち側の運営が設定しやがったのか、はたまた何らかのバグでこの状況が再現されちまってのんか…。

 

んにゃ…バグってのはちょっと考えらねぇかな?

 

バグが出てるならアイリのヤツがすぐに気付いてマザーシステムにドヤ顔でクレーム入れてるハズだもんな。

 

運営が…ってのもちょいとあり得ねぇーかもなぁ…。

 

あっちの世界線のニルスさんがどうかは知らねぇーが、こっちの世界線のニルスさんはクソ真面目だから“調査”してこいって依頼出しておきながら、こんなクソ面倒な状況を作り出すとかはしねぇーと思うんだ。

 

運営でもバグでもねぇ…なら…どっかの誰かにシステムが弄られて…って!イヤイヤイヤ!それこそあり得ねぇ!

 

マザーシステムの監視をすり抜けてシステムを弄るとか、俺とアイリなら割りと余裕でヤれるけど、他の連中にはそう簡単には出来ねぇーって!

 

俺だってアイリが…高位の電子精霊が居ねぇーとガンプラバトルシミュレーターのメインシステムにこっそり侵入してバレねぇー様に弄るとか無理だっての!

 

けどそれって逆に、ニルスさんや俺くらいの知識があって、ソイツに高位電子精霊の相棒が居れば…ガンプラバトルシミュレーターのメインシステムに侵入して設定を弄って、今のこのクソみてぇーな状況を作り出すってのも出来るって事だよな…。

 

うがぁー!テメェで言っといてアレたけど!そんな事は絶対に無い!

 

なんか今のがフラグになって近い将来にキ○ガイ女に目を付けられてなんかヤバい事になりそうな気もしないでもねぇーけど、そんな事は無い!!!

 

うっし!

 

グダグダ考えんのは止めだ!止め!

 

今はとにかくこのクソな状況を何とかしねぇーとなぁ!と、グダグダとあれやこれやを考えながらも両手のビームブレードを振り回し三隻同盟系量産機を斬り捨てまくっていると…

 

[[っと!ミサイル撃ってくんな!ドラグーン使うな!フルバーストなんか論外じゃぁぁぁぁ!!!]]

 

戦闘が始まってすぐにスバルのヤツがトリモチバズーカをぶっぱなして動きを封じていたミーティア装備の連中が、俺達に向けてミサイルやらビームやらなんやらを派手にぶっぱなして来やがった!

 

ビームは当然避けるとして…ミサイルとストフリのスーパードラグーンはウザいから撃ち落としときますかね!

 

俺は腕に籠手の様に取り付けてあるグフのフィンガーバルカンを改造して作ったバルカンガントレットを起動させて、回避行動の邪魔になりそうなミサイルとスーパードラグーン…特にスーパードラグーンを優先的に狙って撃ち落としやったさ。

 

ストフリのスーパードラグーンにも当然の様に付いてやがる嫁補正があったとしても、その補正を予め予測してぶち込んでヤればいいってんだよ!

 

そんな感じで迎撃&殲滅を続けていると…

 

[[おいザク使い!そっちにはなんか奥の手みたいなのねぇのか!]]

 

この状況に業を煮やしたスバルが“奥の手はねぇーのか!”って事を言って来やがったんだ。

 

奥の手…ねぇ…。

 

そりゃ俺だって伊達や酔狂で世界大会に出場してバケモノ連中相手に勝ち進んで、最後にはバケモノの親玉みてぇーなあの人に挑んだワケじゃねぇーから、奥の手の1つや2つはあるにはあるけど…

 

「“この状況”で有効な手札があったらとっくの昔に切ってるってんだよ!」

 

今の俺に使える手札は機体性能を一時的に上昇させる強化アビリティの“限界突破(リミットバースト)”と、アイリを介してマシンと融合状態になる“精霊憑依(ポゼッション)”の2つ。

 

けど“限界突破”は稼働時間が過ぎればしばらく機体性能がガックリとダウンしちまうから、このいつまで続くかわかんねぇークソ雑魚無限地獄な状況じゃとってもじゃねぇーけどおっかなくて使えやしねぇ。

 

“精霊憑依(ポゼッション)”に至ってはスバルがAIに頼ると弱いとか言ってから、アイリの機嫌が最悪レベルに悪いから頼んでも使っちゃくれねぇーだろうかなぁ…。

 

そんな現状で切れる手札はねぇーって俺の言葉を聞いたスバルは…

 

[[役に立たねぇチンピラだな!って邪魔すんじゃねぇよ雑魚CPUが!]]

 

とか抜かしやがったよ。

 

オイオイオイオイ!

 

そもそもアイリの機嫌がクソわりぃのは誰のせいだよ!

 

テメェがAIに頼ると弱いとか言いやがったからだろーが!

 

後でヘソ曲げてるアイリのご機嫌取ん面倒なんだぞ!

 

なんなら1週間くれぇテメェにアイリのヤツ押し付けっぞ!ゴルゥラァァァ!!!

 

四六時中アイリにネチネチと嫌味を言われてノイローゼになりやがれってんだ!

 

相変わらずクソランカー様なスバルの物言いにイラッ♪と来ていると、ご機嫌斜めでも最低限の仕事はしてくれているアイリが俺達に1つの報告をして来やがったんだ。

 

その報告の内容ってのは…

 

<クソ雑魚相手に手こずっていやがります親愛なるクソゴミ虫共にご報告です。本機後方より友軍機がこちらに向かって接近しております。数は1。ちなみに、コイツ、バカじゃね?的な凄まじいスピードで接近中です。先程も言いましたがマーカーは友軍機のモノなので、恐らくはこちらの援軍だと推察されます。>

 

と、こっちに1機の友軍機がなんかヤバいスピードで向かって来てるって報告だったんだ。

 

[[はい?]]

 

「援軍?」

 

希さん的に言えば援軍なんて誰やねん!って思っていたら…

 

「は?」

 

目の前を紅いナニかが通り過ぎて行って…

 

[[あの馬鹿……]]

 

雑魚共を相手にまるで嵐の様に大暴れし始めやがった!

 

紅い嵐は正直ドン引きする様なメチャクチャなスピードも軌道で動きまくって、手当たり次第に雑魚共を蹂躙しまくってやがるんだよ…。

 

そんな無双っぷりに困惑していると…

 

[[お待たせ~昴。]]

 

って、ちょいと前の某テレビ番組で某東大生に決め台詞の“ハグしよ?”を言ったらキモい感じでぐふぐふ言われていたCVが諏訪 な○か なにこちゃん的に言えば水ゴリラで内浦の誇る体力オバケでサンシャインの劇場版ではイタリアまで泳いで行ったよな!絶対!な姐さんの呑気な声が聴こえて来たんだよ。

 

[[やっぱりお前かい果南さん!!!]]

 

あ。

 

この姐さん…果南さんって言うのね。

 

なんで果南って漢字がわかるの?とかメタい事はお前ら突っ込むんじゃねぇーぞ!と、一応は鉄血の団長っぽく言っておくとして…果南さん…って言うよりも最早これは果南姐さんだな。

 

なんかこの人には逆らったらアカン気がする。

 

逆らったら全身あちこちの関節を逆方向に折り曲げられて岩とかに縛り付けられて海に沈められそうな気がする。

 

俺がそんなアホな事を考えていると…

 

[[おま、エネルギー全部使い尽くしたんじゃねぇのかよ!]]

 

[[あのドムの人のエネルギーカートリッジ……だっけ?それ一つからエネルギーを有線接続で貰って、再生間際に乗り込んだんだよ。]]

 

エネルギー切れになってた果南姐さんがこっちに来れた事情を説明してくれたんだ。

 

成る程。

 

希さんの高圧縮エネルギーカートリッジから無理矢理エネルギーを供給して貰ったんだ。

 

あんなアホみたいに圧縮されたエネルギーカートリッジからエネルギー供給って、姐さんの機体よく過剰供給で暴発しなかったなぁ…。

 

まぁぶっちゃけ目の前で大暴れしながら呑気に説明してる様を見ると、この姐さんにはもう何でもありかな?とか思っちまうんだけど…。

 

とりあえずはさっきからスバルと呑気に喋りながらクソ雑魚大虐殺を続けてるこのおっかねぇ姐さんに対して一言。

 

「なにあれこわい。」

 

うん。

 

こわい。

 

もしくはこあい。

 

[[……簡単に説明するとな、どうやら果南はゼブブ……機体名が1.5ガンダムゼブブって言うんだが……それの超短期決戦モードっていうか……トランザムとRGシステム、それに俺の強制アシムレイトの三重状態させてるみたい。]]

 

は?TRANS-AMにRGシステムにアシムレイト状態?

 

三重強化?

 

「マジで?」

 

ポロっと漏れた俺のマジで?の一言に、スバルのヤツは果南姐さんの三重強化状態のデメリットを話してくれたんだ。

 

どうにも某光の国からやって来た超人と同じ様に、使えるのは3分間…しかも1日1回。

 

おまけに使用した翌日は全身筋肉痛&貧血で、まともに立てなくなっちまって、1日入院コース。

 

筋肉痛だの貧血だのはアシムレイトの影響なんだろうな。

 

うん。

 

やっぱり色んな意味でこわい。

 

この一言に尽きるわ。

 

ってかあの人生をガンプラバトルに捧げちまってる様なバケモノ集団の親玉的存在な三代目メイジンが、この無双状態の果南姐さんの相手を“全力で遠慮願いたい”って言ったとかって…イヤ、マジでどんだけヤバいってんだよ。

 

にこちゃん…俺達と合流する前はこの姐さんとやり合ってたんだよな?

 

よくこの非常識が筋肉と服を着て歩いてる様なやべぇ姐さんを相手にして生き残ったよな…。

 

うん。

 

今日は帰ったらにこちゃんに少し優しくしてやろ。

 

さて。

 

そんなやべぇ果南姐さんの説明を受けた俺の感想はもちろんこの一言。

 

「マジか……。」

 

そして俺のその一言に対するスバルのヤツの一言ももちろん…

 

[[マジだ……。]]

 

の、一言。

 

お互いにこの一言に尽きるわなぁ…。

 

けど、果南姐さんの無双状態を見ながら俺とスバルがマジか、マジだと言い合ってる中で、俺達とは全く別の感想を持ったヤツが居やがったんだよ。

 

それは…

 

<捨て身で背水の超短期決戦モードですか。これは中々に面白そうな設定ですね。全身筋肉痛とか指でツンツンしたら実に楽しそうではありませんか?ではそんなワケなのでマスター。あちら様の機体にハッキングして詳細データを吸い出しておきますので、後程あの超短期決戦モードなる楽しそうなモノを再現いたしましょう。そしていつものバトルロイヤルでこちらの世界線での雑魚の代名詞となっているハイ・モック相手に意味もなく使用しましょう。私は筋肉痛で貧血に陥り死にそうになっているマスターを見て笑いたいので是非ご検討を。と、言いますかやれ。さらに言えばよくもまぁあの女性はこんな酔狂なモノを平然と使用していますね。今までの言動からかなりの脳筋と推察されますが、脳ミソが筋肉過ぎて危険性を考慮する余地もないのでしょうか?>

 

我がクソ親愛なる相棒殿…スバルの発言のせいで不機嫌MAXだった最高位電子精霊のアイリだったんだ。

 

筋肉痛で貧血で死にそうにな状態を見て笑いたいのでって…お前なぁ…。

 

[[まぁ、果南だからな。]]

 

スバルはスバルでなんか妙な納得の仕方してやがるし。

 

あの納得の仕方…たぶんにこちゃんだから何やらなしても仕方ねぇ…とか、希さんだからスピリチュアルとか意味のわかんねぇ事が起きても仕方ねぇ…とか、そんな感じの納得の仕方だろ?

 

アイツも苦労してんだなぁ。

 

そんなこんなで脳筋の姐さんの登場で場がいい感じ?にグダグダになって来たら、当のこの場をグダグダフィールドに変える原因になった果南の姐さんが…

 

[[そんなことより昴とザクの人はさっさと奥に行きなよ。ここは私に任せてね。]]

 

って、死ぬまでに言いたい死亡フラグ建設台詞ランキングの上位にランクインすること間違いないここは俺に任せて先に行け!な事を言い出したんだ。

 

いや、果南の姐さん…

 

「それ絶対に死亡フラグなんっすけど?」

 

と、思った事を素直に呟いたら…

 

[[おい馬鹿やめろ!]]

 

なんかスバルのヤツが慌ててこっちのザクの首を絞められながら秘匿回線で馬鹿やめろ!とか言ってきやがったんだ。

 

[[バカ野郎!果南にフラグ関係を言うんじゃねえ!ああ見えて信じやすいんだからな!]]

 

さっきから首が絞まってるのはこの際とりま置いといて…スバルの話だとあの暴力の権化の様な脳筋魔神の果南姐さんはどうやらフラグとかジンクスとかを信じやすいんだって。

 

なんつーか…

 

「脳筋で頭の中身が筋肉でぎっしり詰まってるっぽいのになんか意外だな。」

 

何かあの姐さんって特に何にも考えないでとりま殴っとく?みたいな感じの人だと思ってたんだよなぁ。

 

そう思ったのは俺だけじゃなかったみたいで…

 

<脳ミソか筋肉で形成されていながらも、まだその様な事を思考できる能力は残されているとは…。やはりヒトとは実に不思議な生物ですね。>

 

アイリのヤツも果南姐さんがフラグとか信じやすいって話を聞いて意外がっていたんだ。

 

そんな俺達にスバルのヤツはさらに驚愕の事実を教えてくれたんだ。

 

[[未だにオバケが怖くて夜トイレに行けないとか、俺を抱き枕にして寝ないと落ちつかなったりとか……。]]

 

その気になる内容はなんとビックリ。

 

あの脳筋果南姐さんったらいい年して未だにオバケが怖いんだってさ。

 

いや、アンタ…たぶんオバケが出てきても絶対に殴り殺すよな?

 

オバケって基本的に物理攻撃無効のアビリティ持ちなんだろーけど、果南姐さんなら物理攻撃無効を無効にして問答無用で殴り殺すよな?

 

ワケのわかんねぇヤツでもとりま殴って解決だよな?

 

それなのにオバケ怖いって…。

 

えっ?なに?ギャップ萌え狙い?

 

なんて事を口に出そうとしたら…

 

[[二人トモ?サッサト逝ッテキナサイ?]]

 

脳筋姐さんの本領発揮で恐ろしいプレッシャーを発しながらそう言われちまったよ。

 

おー、こわ。

 

「イ、イエス、マム!」

[[イ、イエス、マム!]]

 

触らぬ脳筋に祟りなし。ってね。

 

ここはおとなしく従っとこ。

 

んじゃまぁ…お言葉に甘えて、果南姐さんにこの場はお任せして先に進むとしますかね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

脳筋無双状な果南姐さんに雑魚共の相手を任せて、俺とスバルは三隻同盟が合体したナニかの内部を突き進んで、恐らくは一番最深部であろう場所までやって来てたんだ。

 

なんで俺達がやって来てた場所が最深部なのかって言うと…

 

[[見ただけでザ・サーバーって感じなんだよな。]]

 

「だな。」

 

スバルのヤツが言った通り、一目見ただけでこのバトルフィールドを統括しているサーバーってわかるモンがあったからなんだ。

 

ソイツは俺達が使う機体と同サイズ…たぶん20メートルくらいのバカデカさで、忙しなくあちこちをピカピカと光らせていたんだ。

 

<それでは早速ハッキングを開始します。システムリンク……リンク完了しました。諸々のデータの吸出しが完了するまでしばしお待ち下さい。>

 

アイリは早速、目の前のデカいヤツに侵入して、データの吸出しを始めたみてぇだな。

 

そういやぁすっかり忘れてたけど、今回の目的っておかしな具合に接続しちまったこのサーバーの調査だったんだよなぁ…。

 

調査とかすっぽかして途中から何か普通にバトってたし。

 

まぁ外でもニルスさん達がデータ取りはしてるだろうから、別に問題ないとは思うんだけどな。

 

一方、このサーバーの調査っていう俺と同じ目的を持ってここへとやって来たスバルは…

 

[[おいおいハッキングって……。]]

 

なんか知らねぇけど目の前のデカいサーバーにハック仕掛けて楽しそうにデータの吸出しをしているアイリを見て、どこか引いた感じでんな事を言って来やがったんだ。

 

「ハッキング程度でなんでそこまで引くんだよ?こんなもん俺とアイリにとっちゃ毎度の事だぞ?」

 

[[そんなこと何時もやってんなよ、実力あるくせに。]]

 

「ほっとけっての。いいんだよ俺はこれで。公式戦に出るつもりなんざさらさらねぇーしな。」

 

どうせ公式戦に出てもまた不正だなんだってクソマスゴミの連中に叩かれるだけだろうしな。

 

公式戦なんざ絶対に出るもんかよ。

 

[[けどガンプラバトルやってるってことはバトル自体は好きなんだろ?]]

 

「そりゃまぁそうさ。こんな楽しい“遊び”は他にはねぇーからな。」

 

[[ならそれを受け入れりゃいいじゃんか。別にファイターが無理ならビルダー、それなりに知識をつければニルスさんのところでテストファイターするなり、試合の実況役やったりで。]]

 

受け入れろ…か。

 

ガンプラが…そしてガンプラバトルが好きだって事はもうだいぶ前に受け入れちまってるんだけどな。

 

でも受け入れたとしても、公式戦に出るってのはまた別の話なんだよ。

 

俺だって出れるモンなら出てぇさ。

 

もう一度、最高の舞台で、あの人達と持てる力の全てを賭けて競い合いたいさ。

 

その為にはどうすれば良いのか、頭ではちゃんと理解しているんだよ。

 

けど…頭では理解していても、身体が、心が、それを全力で拒んでるんだよ。

 

またあの時の様な事になっちまったらイヤだ!って。

 

にこちゃんに出逢って、そして少しだけ救われて…それからはよりこの想いは顕著になっちまったんだ。

 

公式戦に出てまたあの時と同じ事が繰り返されたりでもしたら、俺はもう完全にヒトってヤツを見限っちまう。

 

所詮は他人なんてクソなんだ、そんなモンなんだ、って。

 

そしてひとりぼっちになって…寂しくて淋しくて絶望して…絶望の底でこの世界を呪って…そして俺を認めない、俺を必要としない世界なんて、ナニもかもぶち壊してしまえ!って思うだろうよ。

 

絶対に。

 

そして残念ながら俺には…俺とアイリには、ほぼ全てのシステムがネットに繋がって管理されているこの世界を割りと簡単にぶち壊せてしまうだけの能力がある。

 

自惚れでも何でもなく、それは純然たる事実。

 

天才の名を欲しいままにしているニルスさんなら、俺1人だけなら止めてくれるハズだろうさ。

 

けど電子精霊の相棒が居ねぇニルスさんじゃアイリの力を借りた俺を止める事はできねぇ。

 

そう…俺は世界をぶち壊せる。

 

そうなっちまったら…にこちゃんも壊れちまう。

 

母性の欠片もねぇ貧相な身体をしてる癖に、誰よりも俺を優しく抱き締めて受け入れてくれたにこちゃんを…壊しちまう事になるんだ。

 

また公式戦に出て、また同じ事が繰り返されて、俺が色んなモノに見切りを付けちまったら…。

 

だから…もう俺は公式戦には出ない。

 

大好きなヒトを壊したくないから。

 

このろくでもねぇ世界で出逢えた一握りの大切なヒト達を壊したくないから。

 

俺は公式戦にはもう…出ちゃダメなんだよ。

 

なーんて、真面目に語ってみたけど、結局は怖いのさ。

 

また叩かれんのが。

 

そこんトコ、今も世界を舞台に戦い続けてるランカー様のスバルに言ってもわかんねぇだろうけどさ。

 

と、思っていたんだけど…

 

[[多分、テメェはこう考えたろ、俺の事を無差別にアシムレイトにしちまうイカれた野郎だって……実際、俺は世界大会の予選で暴走してな……悲惨だったよ、俺を止めようとしたファイターは俺のせいで引退しちまった。退院してプロとして戻っても受けられた仕事は悪役としてだけさ……。]]

 

スバルのヤツもスバルのヤツで、例の強制アシムレイト能力のせいで随分とひでぇ目に遭っていたみてぇなんだよ。

 

「暴走、ねぇ…。なぁ?せっかく話してくれてるトコわりぃんだけどよ、ついさっき逢ったばかりの、しかも割りとガチ目に敵対してた俺なんかにそんな話をしちまってもいいのか?ソイツはテメェにとっての大切なナニか…なんじゃねぇのか?」

 

[[別に大したことじゃない。ただ試合直前に目の前で事故を見て、自分自身両親を事故で失ったからフラッシュバックが起こっただけさ。]]

 

大した事ねぇ、って…試合直前に両親が死んじまった事が、か?

 

十二分に大した事だろ。

 

現にお前はそのせいでアシムレイト能力ってヤツを暴走させちまったんだろ?

 

苦労も知らねぇクソ輝かしい“主人公”様だとばかり思っていたクソランカー様のスバルのヤツの独白。

 

何ともコメントし辛いその過去に俺が何て応えれば良いのか迷っていると…

 

「なぁ、お前には家族はいるか?いつでも側に居てくれる家族が。」

 

“家族”は居るか?

 

スバルのヤツはそう俺に聞いて来たんだ。

 

“家族”…“家族”…か。

 

多分、話の流れから察すれば、スバルのヤツは両親とかそんな感じの近しい血の繋りのヤツを言ってるんだろうな。

 

両親…つまりは父親と母親。

 

父親なんざクソ知らねぇよ。

 

んなヤツの名前も知らなきゃツラも見た事ねぇよ。

 

母親は…母さんは……俺を置いて、んにゃ…置いて、じゃねぇな。

 

正確に言えば俺を捨てて、か。

 

とにかく、母さんはガキの頃の俺を捨ててどっか行っちまった。

 

それっきり会った事もねぇや。

 

別れ際に迎えに来るとか言ってたけどありゃ嘘だな。

 

母さんって基本的に人間のクズだったし。

 

そんなワケで真っ当な両親なんざ俺には居ねぇよ。

 

でもさ…俺を受け入れてくれた優しい人達はちゃんと居てくれたんだ。

 

俺を実の息子の様に容赦なく殴り飛ばしてくれる人達。

 

俺を実の兄の様に慕ってくれる子。

 

そして何よりも、どんな時でも俺の側に居てくれる大切な相棒。

 

それに…今はにこちゃんだって側に居てくれる。

 

何だかんだ言いながらも絵里さんだって希さんもだって俺の側に居てくれる。

 

両親が居なくても、俺には大切な人達が居てくれる。

 

俺にとっての“家族”ってのはきっとそんなみんなの事なんだろうな。

 

だから…

 

「居ねぇよ、んなご大層なモンは。けど…まぁ家族って呼びたい人達は…ちゃんと居てくれる。俺みてぇーなクズの側にもな。全くもってクソありがてぇ事によ。」

 

俺はスバルの問いにそう答えたんだ。

 

家族って呼びたい人達は居てくれる。って。

 

こんな素直な言葉はみんなには言えねぇけどな。

 

だってさ、側に居てくれてありがとう。だなんで、俺のキャラじゃねぇーだろ?

 

さて、俺のその答えを聞いたスバルのヤツはと言うと…

 

[[そっか……なら少なくともお前は恵まれてるよ。俺にはもう、家族と呼べる奴は誰もいない。居ないんだよ……。]]

 

俺には家族と呼べる人達は誰も居ない。そう返して来たんだ。

 

さらに…

 

[[俺がジンを使うのだって、好きなのと同時にすがってるんだよ……俺が物心ついて初めての誕生日に両親からもらった“ジン“って機体に。]]

 

どうしてジンを使うのか、その訳も話してくれたんだよ。

 

誕生日プレゼントに貰った、か。

 

ったく…なんか色々と似てるとは思ってたけど、そこら辺も微妙に似てるよなぁ。

 

俺の場合は母さんがパチンコで大勝して、気まぐれでお土産に取って来てくれた景品がザクだったんだ。

 

母さんが俺にくれた食い物以外の唯一のモノ。

 

ソイツがザクのガンプラ。

 

俺の…まぁ…なんだ……宝物…ってヤツかな。

 

っと。

 

んなこと今はどーでもいいか。

 

それよりも…まずは鬱状態なスバルのヤツを何とかしねぇとな。

 

さぁーて、んじゎま…基本的にチンピラな俺なんかのガラじゃねぇーけど、この鬱ランカー様にちょいと愛のお説教でもしてやりますかね。

 

「はぁ…ったくよぉ…。俺が恵まれてる?家族が居ねぇ?おふざけになりやがるなってんだよ。不幸自慢なんざしたくもねぇーが、不幸なのはテメェだけだと思うなってんだよ。テメェもクソいらねぇモノ扱いされてあちこちたらい回しにされてみろっての。そりゃ今は幸せさ、今はな。けどなぁ、俺だって結構あれやこれやと苦労したんだぞ?ろくに飯も貰えねぇからたんぱく質の摂取の為に川でザリガニ捕まえて食ったりな。ザリガニ、食った事あるか?食う前に寄生虫対策で一回冷凍させたり煮沸消毒したりしねぇとダメなんだけど、これが意外とうまいんだぞ?なんならテメェにも今度ザリガニのフルコース奢ってやろうか?だからよぉ…その聞いててイライラする不幸自慢はいい加減にしろってんだよ。ほれ。とりあえずはさっき大暴れしていた姐さん…果南姐さん?だっけか?あの人とエロい事でもしとけ。男なんざ所詮は下半身で物事を考える生き物なんだ。いい女を抱いていればそれだけで幸せだろ?ほれ。チ○コ勃たせて2、3発抜いてこい!」

 

[[酷い言いぐさだな。]]

 

酷くてわりぃな。

 

いい女相手にならいくらでも優しくしてやるけど、男相手にはあんまり優しくねぇーんだよ。

 

そもそもお前だって俺の…“精霊使い”の俺達の事を弱いだの言いやがってただろーが。

 

おあいこだよ、おあいこ。

 

「で、終いにはアシムレイトばらまいて周りを傷付けちまうからって、ガンプラバトルを辞めようってか?アホだろ。」

 

[[……そのせいでガンプラバトルを楽しんでる幼馴染み二人を再起不能にしちまう可能性だってあったんだ……そうなってたら…。]]

 

「テメェの言うソレは所詮は可能性の話だろ?ならそうなっちまう前に御してみせろよ。テメェのその強制アシムレイトってヤツを。男なら…大切なモノを傷付けたくねぇーなら…歯ぁ喰い縛って、気合い入れて、とことん抗ってみせろよ。テメェの股の間にだって、立派なタマが2つ付いてんだろ?」

 

まぁ…未だに公式戦トラウマに怯えて前に進めねぇでいる俺なんかが、偉そうに言えた義理じゃねぇーんだけどな。

 

でも…それでも…何でかは知らねぇけど、俺はコイツを放っておけなかったんだ。

 

だから余計な世話だってのは承知の上で、ちょいと似合わねぇ説教なんざしちまったんだ。

 

[[……]]

 

俺の余計なお世話にスバルのヤツは黙っちまった。

 

不意に訪れた静寂。

 

そんな静寂をぶち破ったのは…

 

<男同士のキモチワルイ不幸自慢からの傷の舐め合い中に失礼いたします。間もなくデータのコピーが完了いたします。>

 

我が親愛なる相棒殿のアイリだったんだ。

 

<また、習得したデータを解析した結果、どうやら後20分程で妙な具合に結合しておりました世界線の結合部分が完全に分離する模様です。>

 

アイリの報告は後20分でこの妙な具合に結合しているバトルフィールドが完全に分離しちまうって事だったんだ。

 

[[20分……]]

 

「また随分と時間かかるんだな。」

 

アイリのヤツならその気なれば今すぐにでもサーバー同士の結合を強制的に分断出来そうなモンだけどな。

 

俺がそんな事を考えていると、スバルのヤツが…

 

[[んじゃ、さっさとここから出ると…]]

 

ここから出よう。と、言いかけたんだけど…

 

『警告、警告、システムに甚大なエラーが発生しました。システムに甚大なエラーが発生しました。これより機密保護のために当艦は5分後にサイクロプスを起動します。繰り返します、当艦はサイクロプスを起動します』

 

言い終わる前に、アラートが鳴り響いて、同時に↑の警告メッセージが発せられちまったんだ。

 

サイクロプス?

 

それって確か…

 

「サイクロプスってアレだろ?ポケ戦に出て来たジオンの特殊部隊。」

 

<そうそう。シュタイナー隊長率いるジオンの特殊部隊…ではありませんよ。この場合のサイクロプスはガンダムSEED等のコズミック・イラの世界線に登場した戦略兵器です。マイクロ波を発生、増幅させ、周囲をマイクロ波加熱させるモノです。ぶっちゃけますと電子レンジですね。レンジでチンして皆殺しの素晴らしくエコな兵器となっております。>

 

あぁ。

 

そう言えばあったな、SEEDでそんなヤツ。

 

フリーダムの初登場回のヤツ。

 

舞い降りる剣とか中2心をくすぐるタイトルだよな。

 

ストフリはあんまり好きじゃねぇーけど、普通のフリーダムは結構好きなんだよなぁ。

 

まぁ好きって言ってもザクの方が遥かに好きなんだけ……ど………アレ?

 

警告メッセージってサイクロプスが起動って言ってたよな?

 

サイクロプスが起動しちまったら、レンジでチンなんだよな?

 

レンジでチンされたら…

 

[[……]]

 

「…………」

 

死ぬだろ、普通に。

 

うん。

 

とりま…

 

「脱出だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

[[脱出だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!]]

 

ほぼ同時に叫んだ俺とスバルのヤツは、それぞれの機体のスラスターを全開で噴射させて、来た道を戻り始めたんだ。

 

ってかよぉ…

 

「誰だよ!最深部でいきなりサイクロプスなんてモンを設定しやがったのは!!!」

 

アホだろ!

 

絶対にアホだろ!!!

 

[[そりゃこっちの台詞だ!お前らの所のCPUは頭おかしすぎるからな!何をどうやったらこんなふざけたMAにサイクロプスなんて設定するんだよ!頭のネジ緩みすぎて飛びすぎなんだよ!]]

 

イヤイヤイヤ!

 

なんでこのクソ事態がこっちの世界線の運営のせいになってんだよ!

 

そっちの世界線の運営のせいなんじゃねぇーの?

 

とか思ったんだけど、よぉーく考えてみると…

 

<あのいつもドヤ顔で上から目線なクソババアがマザーシステム等と言いながらガンプラバトルシミュレーターのメインシステムを統括してますので、クソランカー様のお言葉を軽々しく否定出来ないのが実に悲しいですね。>

 

「同じくトップのニルスさんはマトモでもその下の開発の連中が24時間戦えますよ!サラたん萌えー。とか言いながら日夜楽しそうにプレイヤーの嫌がるギミックを作ってるトコ見た事あるから否定出来ねぇーし!」

 

ガンプラバトルシミュレーターの開発の連中ってアレなヤツらばっかりだから、心当たりがありすぎて否定出来ねぇーんだよなぁ。

 

[[アイリっつったけ!急いで外のメンバーに撤退伝えろ!巻き込まれてアシムレイトで痛みで大失禁なんて俺は殺されるから嫌だからな!]]

 

俺がこちら側の世界線の運営の連中がグフグフ言いながら楽しそうに嫌がらせ満載のステージを作ってるトコを思い出していると、スバルのヤツはアイリに外の連中に撤退を伝えろって言って来たんだ。

 

<低能極まりないクソランカー様が考え付く程度の事をこの超有能な私が行っていないとでもお思いですか?と、言いますか、我々に頼ると弱くなるのではありませんでしたか?そんな頼ると弱くなる私なんかに頼ってしまってよろしいのですか?そこら辺のご解答をクソランカー様に置かれましては是非とも世界線の分離が完了する残り20分で5000文字以上10000文字以内でご説明をお願いいたします。>

 

「お前はまだ頼ると弱くなるって言われた事を根に持ってんのかよ!どんだけ根深いんだよ!」

 

<どんだけ根深い、ですか?例えるなら恨みの根が日本からマントルをぶち抜いてブラジルに到達する程度には根深いと自負いたします。>

 

「深過ぎだろ!」

 

アイリのヤツはよっぽどさっきのバトル中に言われた事が頭に来たんだな。

 

こりゃまだまだスバルに絡む気マンマンだぞ。

 

そんな世界線の分離が完了する残り20分の間、アイリに徹底的に絡まれる事になりそうなスバルのヤツはと言うと…

 

[[ザク使いは突っ込みしてる暇あんならさっさとスラスター吹かせや!遅れてんぞ!]]

 

こっちの苦労も知らねぇーで、んな事を言ってきたんだよなぁ。

 

いや、まぁ割りと全力でスラスターは噴かしてるんだけど…

 

「さっきバックパックブースターを吹き飛ばしたからこれ以上は無理!ってか吹き飛ばしたのは主にテメェのせいだからな!」

 

バックパックブースターを派手に吹き飛ばしたから、リヴァイブに残ってるのはF2ザクから移植したランドセルだけなんだよ。

 

[[それ単なる自爆じゃねえか!!!]]

 

ごもっとも。

 

“soar”が使えれば加速なんていくらでも出来るから、なんの問題もなかったんだけどなぁ…。

 

アレ?

 

ちょっと待てよ?

 

別にここでサイクロプスでレンジでチンされてもよくね?

 

ゲームオーバーになるだけだろ?

 

別に死にゃ………死ぬか。

 

スバルのヤツの強制アシムレイトのせいで、俺も今はアシムレイト状態だったんだよ。

 

レンジでチンのダメージがフィードバックされたら俺までレンジでチンになるんだよ…。

 

<クソランカー様のクソ忌々しい強制アシムレイトをOFFにすれば全て丸っと解決するのは気のせいでしょうか?>

 

[[アシムレイト切ったら速度出ないから余計に死ぬんだよバカ野郎!]]

 

スバルのヤツはアイリのアシムレイト切れよ。の言葉に、そう反論してるけど、例えスピードが出なくても、アシムレイトをOFFにすれば代わりにレンジでチンでここで死んでもダメージがフィードバックされないから別に痛くねぇんじゃね?って思ってると…

 

[[あ、二人ともお帰り。]]

 

俺達はいつの間にか、果南姐さんが雑魚掃除をしていた大広間まで戻って来ていたんだ。

 

呑気にお帰りって出迎えてくれた果南姐さんはと言うと、ミーティア装備のストライクフリーダムを相手に楽しそうに遊んでいたんだ。

 

[[果南さん?!さっさと逃げるぞ!]]

 

[[そうしたいんだけど、このストフリ弾幕がウザすぎて下手したら通路にフルバーストされかねないって!]]

 

あー…

 

「そりゃ確かにウザいわ。」

 

俺が果南姐さんのウザい発言に同意していると…

 

[[果南!あのストフリの胴体をネジ切れ!]]

 

唐突にスバルのヤツが果南姐さんにむちゃくちゃな事を言い出したんだよ。

 

イヤイヤイヤ!

 

「ネジ切れって言って簡単にネジ切れるワケねぇーだろ!アホか!」

 

ネジ切れって言われてそうそう簡単にネジ切れたりしたら苦労しねぇーっての!

 

と、思っていた事もあったんだよなぁ…。

 

スバルのヤツにネジ切れ!って言われた果南姐さんは…

 

『えい♪』

 

いとも簡単にストフリの前まで一気に近付いて行くと、ベキッ!と胴体をネジ切っちまったんだ。

 

「うわぁ…マジかよ…。」

 

[[ナイス果南!]]

 

俺が果南姐さんの行為にドン引きしていると、スバルのヤツは中身(ストフリ)がなくなったミーティアに近付いて行って、何をするのかと思ったらいきなりドッキングしやがったんだ。

 

[[ザク使い!さっさとミーティアに掴まれ!]]

 

そうしたらドッキングが完了すると、俺に掴まれって言って来やがった。

 

掴まれって言われてもよぉ…

 

「なーんか、嫌な予感しかしねぇーんだけど…気のせいか?」

 

俺としてはこの場面でTHE主人公なクソランカー様がドヤ顔で掴まれ!とか、わりぃけど嫌な予感バリバリで遠慮してぇーんだよ。

 

けど…

 

[[はいはい、時間無いからさっさと掴まってよね。]]

 

第3回Aqours総選挙でドンケツ9位だけど、絶対に逆らっちゃいけねぇAqoursメンバーランキングでは圧倒的差を付けてぶっちぎりで1位になりそうな果南姐さんに引っ張られて、無理矢理にスバルのジンがドッキングしたミーティアに掴まさせられちまったんだ。

 

俺がミーティアに掴まったのを見たスバルのヤツは…

 

「酔うかもしれないから気を付けろよ‼」

 

そう言い放つと、大型ビームサーベルを展開させ、同時にスラスターに火を灯すと、大型ビームサーベルを壁面に向けてまるでドリルの様に機体を回転させて突撃を始めやがったんだ。

 

つまりどーゆー事かって言うと、スバルのヤツは内側から壁を喰い破って外に出よう♪って荒業をヤりやがったんだ。

 

当然、俺もドリル状態のミーティアに掴まって一緒に大回転しているワケで…

 

「うぇ…ゲ○りそう…。」

 

俺はリミッターを外したコーヒーカップの様にぐるんぐるん容赦なく回る世界に思わずゲ○りそうになっちまったよ。

 

[[昴‼そろそろ時間が!]]

 

[[分かってる!!!]]

 

スバルのヤツが壁と必死に戦っている中で、俺は俺で頑張って戦ってたんだ。

 

吐き気と。

 

公式戦トラウマの発動で込み上げてくる精神的な吐き気と違って、肉体的な吐き気ってのは中々我慢が難しいんだわ。

 

と、まぁそんなこんなで必死に吐き気を我慢していると、ドリル状態のミーティアは見事に内壁をぶち抜いてみんな仲良く外に脱出。

 

そのまま一気に“デカブツ”から離れた所とで…

 

<サイクロプスの起動を確認しました。良かったですね。みんな仲良くレンジでチンされずに。>

 

サイクロプスが起動。

 

こうしてアークエンジェル、エターナル、クサナギの三隻が妙な具合に合体した“デカブツ”は、その短い出番を終わらせる事になったんだ。

 

南無三、ってヤツだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[[……なんか、酷い目にあった。]]

 

「そりゃこっちのセリフじゃ!このボケクソランカー!」

 

無事に脱出を果たした俺達は、とりあえずは付近に漂っていたちょいとデカめよデブリの上へ機体を移動させてで一息ついていたんだ。

 

そうしたらスバルのヤツが酷い目にあったとか言い出すモンだから、思わずこっちのセリフじゃ!って反射的に叫んじったよ。

 

大人しく強制アシムレイトを切ればあそこでサイクロプスに巻き込まれてレンジでチンされても問題無かったってのによぉ。

 

そもそも、俺がシステムに侵入してサイクロプスを止めれば一番早かったんじゃねぇーのか?

 

さっきはその場のノリで思わず脱出だ!とか言って逃げ出しちまったけど、システムに侵入してどーこーするのは自慢じゃねぇーけどお手のモンだからよ。

 

まぁ今さら何だけどな。

 

[[出せるものは出し尽くしたみたいだな○ーロー。]]

 

「うっさいわボケ!テメェにゲ○ぶちまけっぞ!」

 

クソ。

 

なんで同じ様に大回転したスバルのヤツは平気なんだよ。

 

アレか?

 

普段から花びら大回転とかしてんのか?

 

あ?花びら大回転って何だ?だって?

 

そりゃおめぇ、花びら大回転って言ったらアレだよ、アレ♪

 

おおっと♪こっから先は子供はお断りな世界だぜぇ♪

 

気になるなら…グ○グル先生にご教授して貰いなっての♪

 

何故か内心で花びら大回転の話になっていると、グロッキー状態な俺を見たスバルのヤツはと言うと…

 

[[情けないな~これぐらいうちの世界の小学生ファイターでも耐えられるぞ。]]

 

って言って来やがったんだよ。

 

「どんな魔境だ!!!」

 

絶対に嘘だ!

 

そもそもゲ○吐きそうになったらバイタルエラー判定になって強制退場になるだろ!

 

違うのか?そっちの世界線だと違うのか?

 

バイタルエラー判定ねぇーのか?

 

ゲ○ってもバトル続けさせんのか?!

 

もうそんなの確実に魔境だよ!

 

コンプライアンスがクソうるせぇ昨今だと絶対に訴えられるっての!

 

安全対策のねぇゲームとかどんなクソゲーだよ!

 

スバルのヤツが言いやがったとんでもねぇ発言に俺が1人憤慨していると、当のとんでもねぇ発言をしやがったスバルのヤツは今度は…

 

[[……で、あと十分で結合は完全解けるんだな?]]

 

って言って来やがった。

 

俺はスバルのヤツのその言葉を聞いて、サブモニターに表示されているカウントダウンをチラリと確認してみると、確かに残り時間は後10分位しか残っていなかったんだ。

 

<はい。残り約10分程で、この妙な具合に結合しております世界線は分断され、“現状のまま”ならば恐らくはもう2度と交わる事は無いと断言いたします。>

 

ふん。

 

“現状のまま”ならもう2度と、ねぇ…。

 

んなワケあるかよ。

 

“現状のまま”ならって事は、“現状のまま”じゃなきゃまたお互いの世界線は交わる事もあるって事だろ?

 

アイリお得意の言葉遊びってヤツだな。

 

あっちの世界線の座標データを含めた諸々のデータはもう確保してあるんだ。

 

ぶっちゃけアイリなら同時進行でデータの解析も終わらせてあるだろうしな。

 

お互いの世界線の座標データ、それと世界線が結合した際に使用する仮想空間のデータ。

 

後は…世界線同士の間にある壁をどうにかする方法さえあれば何とでもなるだろ。

 

そこら辺はニルスさんに任せとけばどうとでもなるさ。

 

だから…コイツ等と…スバルのヤツや果南姐さん達とやり合うのが今回で終わり。ってワケじゃねぇ。

 

ワケじゃねぇけどよぉ…

 

「ヤる事はヤっとかねぇとな。」

 

世界線の壁をぶち抜く方法がすぐに見付かる保証はねぇーんだ。

 

今回のバトルの決着位はここでしっかりと着けときてぇーよな。

 

俺は脚部に納めてある二本のビームブレードの柄をポップアップさせ、それぞれ左右の手でキャッチすると、スバルのヤツに戦う意思を伝える意味も込めてビーム刃を展開させたんだ。

 

そうすると、丁度スバルのヤツも同じ様に二本のブレードを引き抜いていやがったんだ。

 

なんだよ。

 

テメェもヤル気満々じゃねぇーか。

 

いいねぇ。

 

実にいいねぇ。

 

やっぱりガンプラバトルはこうじゃねぇーとな。

 

さぁーて、と。

 

そんじゃ世界線が分断されちまうまでの残り時間を有意義に使って…ちょいと派手にガンプラバトルを始めますかね!

 

っと。

 

その前に…

 

「おう。悪かったな。テメェの“宝物”をバカにしちまってよ。今度メシでも奢るから勘弁してくれや。」

 

俺は挑発の為とはいえ、スバルのヤツの“宝物”をバカにしちまった。

 

悪意は無かったとしても、詫びを入れなきゃ筋が通らねぇ。

 

通すべき筋は通さなきゃいけねぇ。

 

だから…ごめんなさい、だ。

 

[[……まぁ煽りだって事は分かってたさ。]]

 

俺なりの謝罪の言葉を聞いたスバルのヤツは、そう短く答えると…

 

[[ファイターはガンプラバトルで語るもの……]]

 

そう言って二本のブレードを構えたんだ。

 

ファイターはバトルで語るもの。

 

どっかのメイジンみてぇな事を言いやがって…。

 

けど…まさにその通りだよ。

 

だから…

 

「おうよ。んじゃまぁ…遠慮も容赦も手加減も一切無しで…久し振りに真面目にガンプラバトルと洒落込みますかね。」

 

錆び付いちまった今の俺に出来る精一杯で…

 

[[世界ランク82位、天ノ川昴とジン・AHM(アサルト・ハイ・マニューバー)。]]

 

テメェの名前を忘れねぇ様に…

 

<虹の女神の落とし子にして、新たなる電子の神の雛型。電子精霊アイリと…>

 

この身に刻もう。

 

「その相棒、鳴神 青空とザク・リヴァイブ。」

 

アシムレイトがもたらす痛みと共に…

 

[[いざ真剣に!]]

 

天ノ川 昴。

 

テメェの名前を。

 

「勝負だ!!!」

 

だからよぉ……テメェも忘れんなよ?

 

俺の、俺達の名前を。

 

なぁ…クソランカー様よぉ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つづく?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。


無事にバトルを乗り越えたソラ。
次回はコラボ回のエピローグとなります。
エピローグではあの人が…



次回更新はいつも通り月曜日のお昼頃を予定しております。
頭に来て始めた短編シリーズの更新はドロイデン様とのコラボ企画準備中の為、しばらくはお休みさせていただきます。
余裕があれば(これっぽっちもないのですが…)更新したいとは思っております。
何卒ご了承下さいませ
お時間よろしければご覧下さいませ。

それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
皆様のご意見、ご感想、または質問などもお待ちしております。
どうかお気軽にお声掛け下さい。

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