ガンプライブ! ~School Gunpla Project~ 作:Qooオレンジ
年明けの古戦場から逃げ出したいなQooオレンジでございます。
年明けて5日から古戦場なんて…運営には人の心が無いんでしょうか…。
今回も本編15話となります。
それでは 第15話「月華繚乱」そのに 始まります。
私の新しいガンプラ“アルテミスガンダム”。
青空の話によるとガンプライブ!のクロス元になっている“機動戦士ガンダム”シリーズの方の公式の一つで実は既に“ガンダムアルテミス”と言う名の機体が存在しているとの事なのですが、私はそこら辺の事は完全に開き直って予定通りに“アルテミスガンダム”で押し通す事にしました。
そんなワケで“μ's”の初心者組の中では最も最後に完成した私の新しいガンプラ“アルテミスガンダム”。
真姫は兎も角としてあの穂乃果よりも完成が遅くなってしまったのは恥辱の極みではありますが、私はその完成したばかりの新たなる愛機“アルテミスガンダム”を手に取り、真姫の別荘の地下に設置されているガンプラバトルシミュレーターを目指します。
新たなるガンプラが完成したのならば早速実戦です♪と言うワケですね♪
そんなこんなで青空を伴い地下のガンプラバトルシミュレーターが設置された一室へとやって来た私は、完成したばかりの愛機“アルテミスガンダム”をデータ化する為に手にしていた“アルテミスガンダム”をGPスキャナーへとセットします。
青空は自身の愛機“ザク・リヴァイブ”とそのデータが収められたGPベースを準備しながら、私が“アルテミスガンダム”をGPスキャナーにセットしている様子をぼーっとみていました。
こちらを見ているその青空の表情が何故か心配そうなのが気になりますね…。
「 (ケルディムのGNドライヴって確か尻?腰?の部分に外付けしてあるユニットだったよな…?あの海未さんの“アルテミスガンダム”ってヤツにはソレがねぇーみてぇーだけど………動力炉無しでOO系の機体って動かせるモンなのか?) 」
青空は未だにナニかを言いたげにしていますが、そのナニかを言い出す前に“アルテミスガンダム”のスキャニング完了を告げる電子音が室内に響きました。
私はナニか言いたそうな青空の様子が気にはなりましたが、スキャニングが完了した“アルテミスガンダム”のデータを自身のGPベースへと移す作業を優先させる事にします。
そしてサクッ♪っとデータ化が完了した“アルテミスガンダム”のデータをGPベースに移しながら、そのスキャニングが終わりデータ化が完了した“アルテミスガンダム”の各種ステータスを確認していると、私はステータス表記の中に不自然な部分があるのを発見したのです。
それはアビリティ一覧の中に1つだけ“????”と表記されていました。
他のアビリティは“飛行能力”や“トランザム(弱)”等、ちゃんと表記されているのですが、件の謎のアビリティだけは何故か“????”と表記されているのです。
この“????”って表記は何なのでしょうか?
「青空、少しいいですか?スキャニングが完了した“アルテミスガンダム”のアビリティ一覧に良くわからない表記が記載されているのですが、青空はこれが何なのかわかりますか?」
餅は餅屋。
わからない事はわかりそうな人に。
そんなワケで私は“アルテミスガンダム”のアビリティ一覧の“????”と言う謎の表記について青空に聞いてみる事にしたのです。
「アビ一覧に良くわからねぇー表記?どれどれ?」
青空は私の声に一瞬キョトンとした表情を浮かべると、手にしていた“ザク・リヴァイブ”と自身の暗緑色のGPベースをテーブルに置いてこちらへとやって来ます。
そして私の顔の横から“アルテミスガンダム”のアビリティ一覧が表示されているモニターを覗き込みました。
「“????”って…あぁ。こりゃアレだな。今の段階だとまだ未発現のアビリティってヤツだな。」
「未発現のアビリティ…ですか?」
「おうよ。」
私は私の顔の真横にある青空の顔を横目で見ながら、青空へとオウム返しに問い返します。
「コレ何かしらの要素が足りねぇーから今はまだ使えねぇーってアビなんだよ。その何かしらの要素ってヤツが達成されたら普通に使えるようになるんだ。このパターンだと“トランザム”と同じタイプの任意発動型の強化アビなんじゃねぇーかな?」
「なるほど…ちなみにそのアビリティ発現に必要な何かしらの要素って言うのは…?」
「あー、うん。知らん。」
知らんって…あのですねぇ…。
私が半目で若干の殺気を込めながら自分を見ている事に気付いた青空は少しだけ慌てて弁明を始めました。
「イヤ、この手のアビ発現に必要なナニかのそのナニかってのは人…と言うか、ガンプラ?それぞれなんだよ。今の海未さんと海未さんの“アルテミスガンダム”がこの謎アビを発現させるためにナニが足りねぇーのかってのは、神のみぞ知るならぬマザーシステムのみぞ知るってヤツなんだ。だから俺からはハッキリとコレが足りねぇーからアビが発現してねぇってのは言えねぇーんだわ。別にホラ吹いてテキトーに言ってるワケじゃねぇーからな?なんならにこちゃんや絵里さん辺りにでも聞いてみなって。俺とおんなじ答えが返ってるぞ?」
「はぁ…そうなのですか…。では私と私の“アルテミスガンダム”がそのナニかを満たさない限りは、この“????”と表記されている謎のアビリティは発現しない…と?」
「ですな。」
「ですか。」
私と私の“アルテミスガンダム”に足りないナニか…ですか…。
ぶっちゃけガンプラ作成もガンプラバトルも初心者丸出しでようやく自分の手でガンプラの改造も始めたばかりの私には、何もかもが足りな過ぎてナニが足りないのか全くこれっぽっちも想像出来ませんね。
まぁ今はこの使えない謎のアビリティの事は後回しにしておきましょう。
現状で使えないモノはどうやっても使えないので仕方ありません。
それよりも今はようやく完成したばかりな“アルテミスガンダム”の初陣が最優先です。
と、言いますか…
「あの…青空?」
「ん?」
「顔、とても近いですね♪」
「へ?」
これだけ顔が近くにあるのですから、もうこのままあの夜の海で告白した時の様に接吻しちゃいましょうか♪
ってかしちゃいましょう♪
ちゅ♪
と、私は私の顔の隣に顔を出してモニターを覗き込んでいた青空の頬に軽く口付けをしちゃいます♪
「んな!?ちょっ!?海未さん!?ナニしてんの!?」
「んっふふふふふ♪役得です♪」
「いや、役得って…(そりゃこっちのセリフなんじゃねぇーの?) 」
「おや?青空としては頬に口付けだけでは物足りませんか?やはここはぶちゅー♪っと、まうすとぅーまうすしちゃいましょうか?」
「いや、海未さん…ぶちゅーってなんか表現が古いって…。」
「ほら♪私は家柄故に古風なのですよ♪」
「さいで。」
「はい♪では緊張も解れた様なので早速“アルテミスガンダム”の初陣と参りましょう♪」
「緊張って…緊張するのはこの場合、新型の初出撃な海未さんなんじゃ…?」
「青空?ナニか言いましたか?」
「あ、いえ。なんでもねぇーです。はい。」
「よろしい♪」
青空は私が緊張していないと思っている様ですが、これでもちゃんと私だって緊張していたのですよ?
だからこそ、頬に口付けしちゃったりおちゃらけたフリをしたりと、緊張を誤魔化していたのです。
んふふふ♪まぁ口付けは本当に役得ではありましたが♪
頬にではありますけどね♪
今度は唇に直接口付けをしてあげますね♪
「さぁ!準備は万端!意気も揚々です!行きますよ!青空!」
「へいへいっと。」
青空は言葉では如何にも仕方なく、そしてダルそうに答えてはいましたが、その顔はニヤリと不敵な笑みを浮かべています。
青空もやる気満々ですね♪
実に、実に結構です♪
「“アルテミスガンダム”!園田 海未!いざ尋常に…参ります!!!」
指定されたらガンプラバトルシミュレーターの筐体に乗り込み、筐体の中央部分に“アルテミスガンダム”のデータが入ったGPベースをセットした私は、諸々の設定を終わらせると待ちきれません!とばかりにバトルロイヤルへと出撃しました。
長いようで短い発進ゲートを軽快に駆け抜けて本日のバトルフィールドに飛び出ると、眼下には何処までも続く鬱蒼とした森林地帯が広がっていました。
「巨木が連なる深い森…ここは確か“大森林フィールド”と言う名のバトルフィールドでしたでしょうか…。」
人間の身長の何倍もあるモビルスーツの全長よりも尚高い見事な巨木が折り重なる様に生い茂る大森林。
それが本日のバトルロイヤルのバトルフィールドとして選出されたこの“大森林フィールド”です。
確かこの“大森林フィールド”は少し前に私が真姫と2人でバトルロイヤルに出撃した時にも選択されたバトルフィールドですね。
あの時は“ビクザム”と言う名前のモビルアーマーと戦った記憶があります。
※正しくはビグザムです。
私と真姫が戦ったのは脚を異常に長く改造している個体でしたね。
前回に引き続き多少メタいお話になってしまいますが、ガンプライブ!作中ではたった数日前の事なのに何だかもう随分と前の事に感じてしまいます。
発進ゲートを潜り抜けて眼下に広がる“大森林フィールド”を見ながらそんな事をふと思い出していると、突如として“アルテミスガンダム”のコクピットの中にけたたましい警報音が鳴り響きました。
コクピット内に警報が鳴り響くと同時に背筋にゾクリと冷たいモノが走り抜ける感覚を感じた私は、咄嗟に“アルテミスガンダム”のスラスターを左右非対称に噴射させて身を捩(よじ)る様に“アルテミスガンダム”の半身を捻らせます。
その瞬間…。
「っ!?」
私の目の前を一条の桃色の閃光が走り抜けて行きました。
それが眼下の大森林から放たれた何らかのビームによる攻撃だと理解した刹那、私はすぐさま“アルテミスガンダム”を大森林へ向けて降下させたのです。
降下を始めると同時に、大森林のあちらこちらから“アルテミスガンダム”を狙って幾条ものビームが放たれ始めました。
あちらこちらから放たれ続けるビームに構わず降下を続けている最中に、何回か“アルテミスガンダム”にビームがかすりかけましたが、何とか私は無傷で大森林の中へと着地する事が出来ました。
あのまま空を飛び続けていたら、大森林の中から狙撃されまくってちょっとどころではなく危なかったですね…。
そう言えばかなり今さらですが、私の新しい愛機であるこの“アルテミスガンダム”には飛行アビリティがあるので普通に空を飛べるようです。
私の“アルテミスガンダム”の素体となっている“ケルディムガンダム”の動力源のじーえぬどらいぶ?でしたでしょうか?
ソレがあると空も飛べるとかなんとか花陽が言っていましたので、恐らくはそのお陰で私の“アルテミスガンダム”は飛行アビリティが最初から付与されていたのでしょうね。
空を飛ぶのは何だか不思議な感覚でしたが、まぁ現実世界でもその気になれば空の一つや二つ程度なら飛ぶ事が出来るので、何の問題もありません。
護国の剣士に不可能は無いのです♪
斬撃だって飛ばせるのですから空だって平気で飛んじゃいますよ♪
閑話休題♪
そんなこんなで大森林へと無事に降下した私は、改めてレーダーと目視で周辺を確認する事にしました。
確認しようとしたのですが…
「レーダーが効きませんね…みのふすきーりゅうし?なるモノが散布去れているのでしょうか?」
サブモニターの広域レーダーには何の反応も表示されてはいませんでした。
これはきっとみのふすきーりゅうし?やえぬじゃまー?、そしてじーえぬりゅーし?とか言う謎の物質のせいでレーダーが不能になっているに違いありませんね。
そうなると今回のバトルロイヤルではレーダー類は宛にならないと言う事ですね…。
出撃前の未発現の謎アビリティの時と同じで、使えないモノは使えないので仕方ありません。
今回は確りと目視で戦って行く事にしましょう。
それにしても…
「今日の“大森林フィールド”は随分と霧が濃いですね…。」
いわゆる“濃霧”と言うヤツでしょうか。
先程は確りと目視で戦って行きましょう♪とは言いましたが、これだけ霧が深いと厄介ですね…。
“大森林フィールド”特有の巨木と濃い霧による視界不良。
そこにガンダム世界特有の謎の物質によるレーダーの不能。
こうも視界が効かないとは本当に厄介ですね…。
今回の大森林の現状を知らずに呑気に空でも飛んでいる相手がいたりしたら、速攻で狙撃しちゃえるのですが…って言いますか、呑気に空を飛んいるとかそれってまるっきり先程までの私の事ですね…。
どうりで地上から狙撃されまくったワケです。
「はぁ…何時までも愚痴っていても始まりません。まずは一緒に出撃しているハズの青空との合流を目指すとしましょう!」
さしあたり一緒に出撃しているハズの青空との合流を目標にする事にした私が見たのは…
[[おぉーい!海未さーーーん!ドコだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!]]
空中で華麗に舞うように…と言うには些か不恰好な、にこ辺りに言わせたのならば変態機動と言うヤツで大森林のあちらこちらから放たれ続けているビームや実弾による狙撃を回避しまくっている青空の“ザク・リヴァイブ”の姿でした。
って言いますか…
「バトルロイヤルと言う不特定多数が参加する公共(?)の場で全周波通信を使って人の名前を大声で呼ばないで下さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」
つづく?
皆様。本日もご覧いただきましてありがとうございました。
プライベートで割とゴタゴタしておりまして、申し訳ございませんが次回更新は未定でございます。
可能な限りは週一更新を継続させたいとは思っております。
何卒応援の程、よろしくお願いいたします。
次回も手洗いうがいをしっかりとしてからがんばルビィで執筆中でございます。
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皆様、どうか何卒、何卒、応援のほどよろしくお願いいたします。
それでは改めまして、本日もご覧いただきまして、本当にありがとうございました。
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